英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年4月20日(金)9時41分~9時57分 場所:国会内)

【大臣より発言】

今日の朝、(経済財政政策担当、経済産業、金融担当の)3大臣が集まって(会合を)やりましたが、「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージ」について申し上げます。

先般、中小企業金融円滑化法を1年間に限り再延長するための改正法案、及び、これは古川(経済財政政策担当)大臣のところだったと思いますが、企業再生支援機構の支援決定期限を1年延長するための改正法案が、国会で可決・成立して、公布・施行されたところであります。本年度はまさに、中小企業の真の意味での経営改善につながる支援、すなわち「出口戦略」を強力に押し進めていくための環境整備を行っていく上で極めて重要な1年になると考えております。

こうした観点から、本日、内閣府・金融庁・中小企業庁の3府省庁の関係大臣会合を開催し、「中小企業の経営支援のための政策パッケージ」をとりまとめたところでございます。金融庁としては、この政策パッケージを始めとした中小企業金融円滑化法の期限の最終延長に係るこの措置を通じ、中小企業金融の円滑化を図るとともに、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、中小企業者等の皆様の経営支援等に向けた環境をしっかり整備してまいりたいと考えております。

詳細につきましては、後ほど、事務方から記者ブリーフィングを実施させるので、そちらでお尋ねください。よろしくお願いいたします。

以上です。

【質疑応答】

問)

G20が19日に開幕しました。焦点となっていたIMF(国際通貨基金)の融資枠拡大は先送りになるような可能性もあるということなのですけれども、欧州ではスペイン国債の利回りが上昇するなど、再びマーケットが混乱しかねない情勢です。当面の金融市場の動きをどうご覧になられるかというところについて、お願いできますか。

答)

今、お話がございました欧州の債務問題を巡る現状について申し上げれば、ご存じのように、ユーロ圏諸国、それから欧州中央銀行等の取組みもあり、ここ数カ月間、各国の金融・資本市場は概ね回復傾向にございます。

しかし、他方、このところ、今ご指摘があったようにスペインに対する財政懸念等から、やや不安定な動きも見られるなど、欧州の財政問題をめぐる懸念が払拭されたとはいえない状況でございます。ユーロ圏においては、これまで財政再建に向けた道筋の提示、それからドラギ(欧州中央銀行)総裁が思い切って施策をやられたということはよくご存じだと思いますが、欧州中央銀行による長期資金供給(オペ)、それからファイアウォールの強化などの取組みが実施されてまいりました。今後、市場の安定を確かなものとし、欧州債務問題の収束に確実につなげていくためには、ユーロ圏の一連の政策対応も大事でございますが、続けて、やはりこのIMF資金基盤についても強化を図ることが重要だと考えております。

こうした観点から、先般我が国の安住財務大臣よりG20の際に、IMFに対する600億ドルの資金協力の表明を行う方針が示されたものと認識しておりますが、こうした我が国の対応が、欧州自身による取組みと相まって、欧州債務問題の解決につながることを期待しております。よくご存じのように、日本がイニシアチブをとってきちんとIMFに表明するということは、あまりないことでございますけれども、日本国は、色々国内的にもございますが、GDP世界第3番目の国でございますし、それからやはり、私は時々申し上げますが、アジアでただ一つ、明治からの一番長い(歴史を持つ)自由主義経済、自由主義市場(であり)、いったんは第二次世界大戦で65%の国富を失いましたけれども、それから復活した国ですから、そういった意味でも、私は、アメリカも最後は理解していただけたという話も内々聞いておりますけれども、やはりきちんと日本がイニシアチブをとってやっていくということも非常に大事だと思っております。

問)

東京電力の新会長に、原子力損害賠償支援機構の下河辺(和彦)氏を充てる人事が決まりました。東京電力の経営問題というのは、社債市場などにも一定の影響があり、あと電力料金の値上げなどで、中小企業への影響も出ているのですけれども、今回の人事についての大臣のご所見をお願いします。

答)

昨日、下河辺原子力損害賠償支援機構・運営委員会委員長が東電の会長就任要請を受諾されたということは私も承知はいたしておりますが、金融庁としてはこのことについて、人事に関しまして、コメントすることは差し控えたいと思っております。

それから、私は以前、東電の再建スキーム(を決定するための原子力発電所事故経済被害対応チーム関係閣僚会合)に閣僚で当時、与謝野さんと私とが臨時に入らせていただきまして、そういった経緯もございまして、それが(原子力損害賠償支援機構法という)法律にもなったわけでございます。また現在、東電(東京電力)・機構が、総合特別事業計画の策定に向け作業を進めていると承知しているが、東電がステークホルダーに対してどのような協力を求め、金融機関を含むステークホルダーがどのように対応するかは、民間事業者間で話し合われるべき事柄であり、私は皆様方にも申し上げていると思いますが、民民での話でありまして、当局としては、今の時点ではコメントすることは差し控えたいと思っています。

いずれにいたしましても、東京電力の賠償問題については、迅速かつ適切な(損害)賠償の実施や電力の安定供給等を確保すること、これは各電力会社に課された重大な責務でございますから、これを大前提としつつ、金融・資本市場全体の安定に、今、社債の話もされましたけれども、不要・不測の悪影響を生じさせないことが重要であり、引き続きしっかり市場の動向について注視してまいりたいと思っております。

問)

(4月19日に)民主党の「(年金積立金運用のあり方及び)AIJ問題等検証ワーキングチーム(WT)」が中間報告をまとめたのですけれども、金融庁としての再発防止策についての検討状況を、時期的な目途も併せて教えていただけますでしょうか。

答)

私も新聞を見せていただきましたが、本事案で明らかとなった問題に対しては、金融実務を踏まえた実効性を確保する必要がありますが、あれは中間報告ということで、今から色々まとめられるということが書いてありました。私も行政(機関)の責任者としてやらせていただいて、感じるところもございました。

しかし、金融庁といたしましては、投資一任業者(運用受託機関)による虚偽の報告や勧誘に対する制裁の強化、これはご存じのように虚偽(の報告)をしたわけですから、それからファンドの受託会社、監査事務所、信託銀行等の第三者によるチェックが有効に機能する仕組み、これは今度の事件では、この点が全然有効に機能しなかったわけでございますから、それが有効に機能する仕組み、それから年金基金が、投資一任業者の信頼性や運用成果を判断する上での有益な情報の運用報告書への追加、等について検討する必要があるのではないかと今の段階では考えております。いずれにいたしましても、再発防止策につきましては、証券取引等監視委員会の更なる調査や投資一任業者に対する一斉調査の結果で、まだ第2次調査中でもございますが、それらも踏まえつつ、これは当然、政権与党で、蓮舫さんの方が中間報告をまとめられたということでございますが、そういったことにおける議論をはじめ、国会からも色々な意見をいただいておりますので、そういったことをしっかり踏まえながら早急に検討を進め、成案が得られたものから実施してまいりたいと思っております。

問)

今日発表のありました政策パッケージの件ですが、企業再生支援機構の延長(期限)などを巡っては、国会の方では中小企業(対策)をもっとやるべきだと、結構こういう意見も相次いだと思うのですけれども、今回の政策パッケージを打ち出したわけですが、大臣として中小企業の経営支援のこれまでの連携というか、問題意識が何かあるところはございますでしょうか。

答)

私は、やはり22年前の1990年、(旧)通産省の中小企業担当の政務次官、ナンバー2を1年3ヶ月、中尾栄一通産大臣の下でさせていただきました。当時、中小企業の制度金融といいますか、商工中金、それから中小企業金融公庫、国民金融公庫、中小企業事業団等々、中小企業の政策的金融の責任者を、確か1年3カ月ほどやらせていただいたことがございます。中小企業というのは非常に関係する部署が多いのです。それから、やはり中小企業というのは多様性、非常に機動性がございますが、同時に、やはり人材が乏しいとか、大企業とは違って、税制の変更などにしても、それを受けてすぐ経営方針を変えるとか、そういうことがなかなかしにくい企業体だと、私も経験を通じて思っております。金融庁としては、引き続き関係省庁、関係機関、例えば企業再生支援機構、中小企業再生支援協議会、全銀協などの金融関係機関、それから商工団体、これは中小企業4団体というのが昔から伝統的にありますし、それから、(各都道府)県に設置されてございます信用保証協会、これも非常に中小企業政策には大事な役割を果たしております。それから、政府系金融機関との連携、その具体化を図ることや、こうした枠組みに則り、地域の中小企業の再生を通じた地域経済の再生、活性化を通じた日本経済の発展が図られることを期待していますが、今日、3大臣の中でも、特に中小企業政策というのはばらばら(な対応)になりがちなのです。今、東京ではきちんと、枝野(経産)大臣と古川(経済財政政策担当)大臣と私と、スクラムを組んでこういう政策パッケージもとらせていただいたのですが、(地方でも)47都道府県に中小企業再生支援協議会があり、またこれに県庁や市町村の商工部というのがございますし、その辺もまた絡んできますから、非常になかなか中小企業政策というのは多岐に渡って、いわゆる多方面の色々関係があるのです。ですから、経営支援ということはさせていただきますが、色々な団体もあるし、非常にばらばら(な対応)になりがちなのです。今日はきちんと3人が、日本国政府のコントロールということで、朝から集まっておったのですが、その点だけはしっかり我々も小さいところまで目を光らせてばらばらにならないように(したいと思っております)。

やはり、よく私が言いますが、430万社の中小企業、99.7%の法人は中小企業でございまして、(従業員が)2,800万人、(日本の人口の約)4人に1人は中小企業の職員でございますから、非常に雇用にも大きな影響をもたらしております。そういったところは、よく連携をとりながらやっていきたいというふうに思っております。

問)

1点目は、今の質問に関連するのですが、どちらかというと企業再生支援機構は中小企業の案件(を取扱うこと)が多かったのではないかと(思います)。そんな中で、今日の取締役会だと思うのですが、トップが地方銀行(出身)の方に代わられるということで、それについてどう捉えていらっしゃるのか、第一に伺えればと思ったのですが(どうでしょうか)。

答)

私は、東邦銀行(元)頭取の就任が内定したという新聞報道を聞いていますけれども、福島県で一番大きな地方銀行は東邦銀行でもございますし、私は、これは個人的な感想に近いところもございますが、非常に良い方が(新社長に)なられたと(思っております)。福島県は、特に「福島の再生なくして日本の再生なし」と、今、原子力発電所の事故でも大変呻吟しておられるわけですから、そういう意味でも東邦銀行(元)頭取で、なおかつ、東邦銀行というのは結構大型の地方銀行でございますし、(全国)地方銀行協会の会長もやっておられましたから、そういった意味でもよい方がなられたのではないかと私は思っております。これは朝、古川(経済財政政策担当)大臣からも選ばれた人等についてきちんと報告がございました。私は、非常に良い方を人選していただけたと思っています。

問)

(2点目は)国会の関係の件なのですけれども、間もなく開かれる参議院の本会議の方で、前田国交大臣と田中防衛大臣の問責決議案の採決があると聞いております。いずれも、野党の賛成(多数)で可決する見通しになっております。自民党の方は、両大臣が辞めるまでは委員会での審議拒否という状況になっています。それを踏まえて、法案審議を進めるために両大臣が辞任すべきなのかどうか、大臣の所感を伺えますでしょうか。

答)

内閣としては、今から国会が始まるわけですが、緊張感を持って職務を果たしていきたいと思っています。人事については、コメントする立場に私はございません。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る