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自見内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年5月15日(火)10時37分~10時52分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

(私からは)今日は、特別にございません。

【質疑応答】

問)

本日の日経平均株価なのですけれども、3カ月ぶりに8,900円を一時割り込むなど、ちょっと低迷した状況が続いております。背景には、JPモルガンの(巨額損失の)問題であるとか、欧州の債務問題などがあると市場では言われておりますけれども、大臣のほうでは今の市場状況について、ご所感をお願いします。

答)

ご存じのように、市場については、私の立場からはコメントを基本的にはしないようにしておりますが、今お話がございました、やはり欧州の問題ですね、特にギリシャの(問題は)、もう皆さん方、新聞、テレビでご存じのように、一遍、総選挙をしましたけれども、パプリアス大統領の仲介による連立協議が本日も継続されるようになっていますが、非常に調整が難航していると報じられております。あそこの憲法だと、1党、2党、3党と連立協議をしていって、ある程度目途がつかなかったら再選挙という規定のようでございます。市場では、これまで欧州が今までとってきた、これもEUあるいはユーロ17カ国で(ドイツの)メルケル首相と当時の(フランス)サルコジ大統領が主導権を持って、色々各国各圏、議会制民主主義の国でございますから、色々手順、手続がございますから、非常に苦労している過程を我々も見せていただいたわけでございますが、欧州では今まで進められてきた財政再建の取組みに対する不透明感、ギリシャではああいった緊縮財政を受け入れるべきではないという政党の方がずっと議席を伸ばしたわけでございまして、そういった不透明感などから、ユーロを中心とする為替を含め、リスクオフ、(すなわち)リスクから出来るだけ回避しようという動きが生じているとの見方が多いわけでございます。これもご指摘のように、非常に世界中で株価が動揺しているというか、変動あるいは低迷している理由の大きな要因になっているのではないかと一般的には思います。市場の動向については、今さっき最初に申し上げましたように、逐一コメントすることは、私の立場としては差し控えるというのが原則でございますが、しかし、金融担当大臣としては、関係閣僚や日本銀行と連携しつつ、引き続き大変高い関心を持って、緊張感を持って注視してまいりたいと思っております。

問)

今、決算の時期で、いくつかの銀行が来年3月期から法人税の納付を再開できる見通しとなりましたけれども、これについてのご感想をお願いします。

答)

ご指摘のような報道があることは承知いたしております。個別の金融機関の納税状況に係る事柄について、当局として、逐一コメントすることは差し控えたいわけでございますが、一般論として申し上げれば、金融庁としては、各行が、法人税の原資となる収益を適切に確保しつつ、納税を含めた社会的責任をしっかり果たしていくことは望ましいことだと思っております。

問)

ソニーとパナソニックが、次世代テレビで提携交渉を行っていることが分かりましたけれども、これについての大臣の率直なご感想と、日本経済とか、他の日本企業にどのような影響があると思われるか教えてください。

答)

一般論として申せば、私も22年前、通産政務次官をしていましたので、当時、東芝の半導体をつくる世界一の工場というのが大分にございまして、大分の工場まで通産政務次官として、東芝の常務さん同行で見学に行ったことがございました。当時、半導体では世界一という東芝の大分工場でしたが、色々な理由でパナソニック、あるいはソニーが、テレビの方の不況によって、あれは15年前に私が日本国で始めた政策でございますが、デジタルテレビが非常に値下がりしてきまして、そういったことで非常に収益が上がらなかったということは、皆さん方もご存じだと思っております。少し長い目で見れば、企業というのは当然、浮き沈みがあるのです。各製品が当たった時、それから当たらない時、あるいは当たったけれども、その終わり際とか、そういうものを我々も、私も27年間こんなこと(国会議員)をやっていまして、そういうことは各業界、ありますよ。それを、やはり何とか乗り切ってきたというのが日本の各社、いわゆる大企業というところでもございまして、それでやはり色々な知恵を出して、色々な資本を増強したり、あるいは等々、色々な対策を講じてきたというのも現実でございます。だから、その辺の一環だろうと(思っております)。

私は、個々の会社について論評することは控えねばなりませんけれども、一般論として申し上げれば、産業構造はどんどん転換していくわけですし、ましてや経済がグローバル化しまして、私がいつか申し上げたと思いますが、数十億人の、昔で言う、20年ぐらい前のいわゆる発展途上国の人たちが、全部世界経済の中にメンバーとして入ってきたのです。例えば、私が時々言いますように、携帯電話です。これは、もう3分の1とか3分の2ぐらいが発展途上国の(中国)深せんの周りで、三洋電機の株主になったあの会社(パナソニック)で100万人使っておるわけです。そんなところが、もうどんどん部品を作るわけです。これが、世界経済のグローバル化の、もう押し止めることが出来ない一因でございまして、そうなってきますと、やはりもう本当に変化が激しいのです。

私も、この前、連休中にインド、それからタイ・バンコクに行かせていただきまして、(タイでは)450社、日本の企業が水没しましたけれども、タイはASEANの中心(国)でございますので、30年前から、日本の海外移転の一番の橋頭堡というのは、バンコク、タイに作ったわけです。そんなところで、極めてグローバル化していますから、まさにそれぞれの大企業、例えば名前を挙げて恐縮ですけれども、充電を(製造)していたメーカーは、今年(の決算)は良かったです。その3年ぐらい前は、もの凄い赤字で大ごとでした。やはり、いつも企業というのはそういう浮き沈みがありますし、産業構造の転換もございますし、経済がグローバル化しますから、その辺を的確に見て経営していくというのは経営者の腕でございます。それは自由な経済、自由な企業ですから、私はたまたま行政の責任者でございますから、その辺は自主努力に任せて、あまり論評することは控えていた方が、自由主義社会では良いのではないか(と思っております)。経営者という人は、たくさんの社員を養っていますし、すさまじい関連企業があるわけでございますし、それからある意味では、日本における大型の製造業のある城下町的な都市は、特に地域経済の発展に依存しているわけですから、あるいはたくさんの従業員、家族、それから金融機関だとか色々な株主等々のステークホルダーも全世界にいるわけですから、そんなことを自覚して、取締役会あるいは株主総会の議を経て、しっかりやっていっていただきたいと思っています。

問)

マガジンXの神領です。

今の関連ですけれども、車業界でいうと、他業界もそうですけれども、先週末で前期決算の発表はほぼ終わりまして、僕の守備範囲でいうと、自動車8社が決算説明会をやりましたが、全社、今期は増益予想と。今のお話で、タイで言うと、ホンダ関連やトヨタ関連を中心にして非常に影響を受けたのですけれども、当期予想は非常に良いということなのですけれども、他の産業も押し並べてよいように承知しているのですが、景気全般については、今、大臣は、欧州の低迷等もありますけれども、今期の見通しがもしあればお願いします。

答)

下振れリスクの主なものは、欧州の金融危機でございましたが、ここに至って、特にアジアを中心に、日本の自動車産業の場合は、サプライチェーンが一時、東日本大震災で寸断されているという事情もございましたし、それからかなりアジアでの市場、少し中国は落ちたという話もありますけれども、全般的に非常に緩やかに自動車産業はV字型の回復をしておりますが、日本の経済全体としては、日本銀行も発表しています「緩やかな回復」をしていると思っております。

ただし、今さっき質問が出ましたように、欧州、やはりギリシャを中心に、スペインの国債の長期金利の問題等々ございますので、やはり常に下振れリスクがあるということは、頭に入れておかねばならないと思っております。

問)

昨日、(民主党AIJ問題検証WTの)蓮舫さんと網屋さんが大臣のところに参ったと思います。改めて、中間報告という形で再発防止策を受け取った中で、今後、何をしていくのか、また、今後のスケジュールについてどう考えておられるのか、まず1点、伺えればと思っております。

答)

昨日、民主党より、蓮舫さんが座長でございますが、「(AIJ問題再発防止のための)中間報告」について申入れを頂きました。金融庁といたしましては、「中間報告」の内容をしっかりと受け止めつつ、実効性のある再発防止策を早急に、検討中でもございますが、検討してまいりたいと思っております。再発防止策については、今後とも政府内で検討を加速し、議会制民主主義の中でございますから、与党とも十分御相談しながら、国会では衆議院、参議院の、特に財金委員会で色々な貴重なご意見もいただいておりますから、そんなこともしっかり参考にしながら、具体化を図ってまいりたいと思っております。

いつまでかという話が、確かあったのでございますが、今のところ、それについては前々から申し上げておりますように、この2次調査も、どこにしたかというようなことは、風評被害の問題もございますから、申し上げておりません。いずれにいたしましても、今般の内容をしっかり受け止めて、実効性のある再発防止策を早急に検討してまいりたいと思っております。

問)

ということは、2次調査で、ある程度、他の業者を含めた全容が分かったところで再発防止策を出してくるというお考えだという(ことですか)。

答)

調査なくして施策なしという言葉がございましたけれども、やはりある程度、当然でございますが、きちんと調査をやって、なおかつ、よく私は何度も言いましたけれども、全部で265社、一任勘定していないところもありましたけれども、全部結果的には調査しますから、それが終わってからかどうかというのはまた別の判断でございますが、いずれにしても、2次調査がきちんとまだ終わっていませんから、その点で、ある程度見通しが立つようになった段階で、できるだけ早急にまとめたいと思っております。

問)

一方、銀行業界の話なのですが、昨日、あおぞら銀行の決算がございまして、プリンス社長らの方から、公的資金、第5回優先株ですけれども、10月に(普通株への)強制転換が来る中で、何とか返済に向けて進めたいという話をしておられました。公的資金を注入している当局として、先方の考え方についてどう評価しておられるかということを、まず伺えればと思います。よろしくお願いします。

答)

あおぞら銀行の公的資金の返済の話が新聞に載っておりました。これは、基本的に各金融機関の資本政策に関することですから、いちいち具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っておりますが、仮に公的資本増強行から返済の申し出がなされた場合には、預金保険機構の「3原則」、これは昔から3原則と言っておりまして、いわゆる金融機関の経営の健全性、それから国民負担の回避、それから金融システムの安定性という、当たり前の原則でございますけれども、この3原則に基づきまして検討を行い、特段の問題がなければ返済を認めるということを基本としております。

(以上)

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