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松下内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年6月8日(金)10時18分~10時33分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議がございました。その前に、自殺対策の関係閣僚会議もございました。このことは閣議でも報告されたので、それについて簡単に触れたいと思います。

まず自殺対策について中川(防災)担当大臣から報告がございました。

もう14年(間)、3万人を超す自殺者が増えているということで、昨年より若干下がりましたけれども、高止まりしているということで、やはり依然としてこの問題は深刻な状況になっているということでございます。

東日本大震災でも平野(復興担当)大臣から1,600人を超える自殺者が出ているということでありまして、どういう原因なのかを調べているところだということでございました。これはまた追って報告があると思います。

私たち金融庁に関連するものでも、多重債務で苦しんでいる人たちがいらっしゃるということで、これは我々も引き続き高い関心を持ってこの問題には取組んでいく必要があるというふうに考えています。

それから、いわゆるFRC報告(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)が閣議決定されました。このことも私の方から説明をいたしました。今回のFRC報告では、平成23年10月1日から平成24年3月31日の間の破綻金融機関の処理の状況等として、日本振興銀行の破綻後の状況、これは良好な部分とそうでない部分、良好な部分はイオン銀行に引き継ぐ、そして良くない部分は清算していくという方向性が出ているわけです。それから、金融機能強化法の震災特例に基づく資本参加の状況、それから住専二次損失額の確定及びその処理等が報告されています。

特に、住専二次損失額の確定及びその処理については、閣議でも具体的に数字を挙げてご説明申し上げました。二次損失額が1兆4,017億円に確定したこと。政府が負担することとされていた二次損失額の2分の1に当たる7,009億円につきましては、この引受価格を上回る回収益、それから関係基金の運用益、これは新金融安定化基金でございますけれども、そこでも1,662億円の運用益が計上されているということでございまして、そういうことの活用によりまして、新たな財政負担なしに処理することが出来たということを報告しました。これは非常に我々としても意を強くすることだと考えています。

金融庁としましては、今後とも、我が国の金融システムの一層の安定の確保に向けて万全を期してまいりたいということです。

私の初当選が平成5年でありまして、初当選したときの国会のその議論は、まさにこの住専の問題一色でございましたし、(また)阪神・淡路大震災の災害対応でございましたけれども、15年、16年経ってこの問題のけじめがついたということは非常に感慨深いものがございます。

【質疑応答】

問)

先日、金融庁の方で国内基準行の自己資本に関する緩和の延長ということが発表されたかと思います。市場が、当時はリーマン・ショックで、今回は欧州危機ということで、市場の振れに対して経営を安定させるというねらいだと思うのですが、一方で、バーゼル(規制)など世界的に見ると金融機関の自己資本に対しては厳しい規制をかけるという流れとはやや逆行するものかとは思います。その辺りについて、大臣の方でご所見如何でしょうか。

答)

国内基準行の自己資本比率規制の弾力化措置への延長の件ですよね。

自己資本比率規制の検討に当たりましては、金融システムの健全性と実体経済への影響の双方のバランスを取ることが重要だという認識です。

現在、ギリシャにおいて再選挙の実施が決まるなど、6月17日ですけれども、欧州情勢が不透明化してきたこともありまして、市場が不安定な状況となっているというふうに感じています。こうした状況を踏まえて、今般、国内基準行に対する弾力化措置、いわゆるその他有価証券の評価損を自己資本比率の計算に反映しなくともよいと、そこから引き算しなくてよいということですけれども、この弾力化措置を2014年3月30日までに延長する旨の関連告示案をパブリックコメントに付したところでございます。

問)

大手格付会社のフィッチが、スペイン国債の格付を3段階引き下げました。あと、またこれとは別で、中国が3年ぶりに利下げしたのですけれども、この2つの動きについてそれぞれ、一経済閣僚としてどのように分析されているか、背景とか影響とか聞かせて頂けますでしょうか。

答)

欧州の経済不安、財政の危機、そして債務の危機、そういうものが依然として安定化する方向に向かっていないのではないかというようなことも思うわけですけれども、この問題については、やはり欧州自体でしっかり取り組んで頂いて、そしてその努力が積み重ねられて不安の払拭に努力して頂くという成果がしっかり上がっていくことを我々は期待していたいと思っております。この問題の解決につながることを強く期待しているということでございます。

問)

中国に関しては如何ですか。

答)

中国の経済が少し、足踏みはしていませんけれども、伸びが少し弱ってきているという報告も受けていますし、報道もありますので、やはりそういうことを底支えする意味でも、やはり中国政府が久しぶりに対応措置をとったというふうに考えていまして、これは私たちも評価をしております。

問)

福井県の大飯原発の再稼働に向けて政府、総理以下、大詰めの段階を迎えているのですけれども、福井の大飯原発の安全性、色々な方面から安全性が担保されていないという批判、指摘もありますけれども、大臣は福井・大飯原発再稼働を前提とした安全性はもう大丈夫だと言い切れるのかどうか、この辺どうお考えでしょうか。

答)

先日、細野(環境大臣及び原発事故の収束及び再発防止担当)大臣が鳥取で行われた関西の連合の知事たちとの会合の中での話で、尽きていると私は思っています。安定的な安全措置、安全対策ということで、更に安全度を高めていくという努力は、不断の取組みとして更に追求していくということをおっしゃっていましたし、今で安心しているわけではなくて、更に高めていくという努力はしていくと。そういう中で、現在、これからの大飯原発に対する対応に取り組んでいきたいということでしたから、その話を私は是として受止めています。

今日、総理が夕方、この問題について自ら話をされるというふうに聞いておりますので、その中身をしっかりと注目しておきたいと考えています。

問)

福島の原発事故の原因もまだ特定されていない中で、福島の被災民の心情を踏まえた上で、この大飯原発の稼働については賛成ですか反対ですか。

答)

総理大臣の夕方の話される内容をしっかりと吟味したいと思っていますし、そこで総理自身がその問題にも触れられるというふうに思っています。

問)

先ほど、多重債務問題、自殺対策の関連の問題で、多重債務問題にも問題意識をお持ちだというような話をされたと思うのですけれども、今、自民党、民主党等のワーキングで貸金業法の見直しをもう一度しなければいけないのではないかというような議論が出ていると思います。それについて、自見前大臣は、直ちに見直す必要はないというような認識だったのですけれども、松下大臣はどのようなお考えでしょうか。

答)

与党・野党で、その一部で改正貸金業法の見直しに関する議論が行われているということは承知をしております。各政党の政策案については、政府としてはコメントすることは差し控えたいと思っております。

我々としては、現行の貸金業法につきましては多重債務問題の解決に向けて抜本的かつ総合的な対策を講じる観点から、平成18年ですけれども、12月の国会において全会一致の賛成によって成立したというふうに認識しています。

施行後の状況でございますけれども、貸金業から5件以上無担保・無保証借入れの残高がある人数というのは、平成18年と比べて著しく減少していると認識しています。平成19年3月では171万人、現在、平成24年3月で44万人ということでございます。一応の相応の効果はあったものと認識しておりまして、現時点でこの制度について直ちに見直すべき点はないのではないかと考えています。

いずれにしましても、与野党の一部で議論されているということですので、それを注目しながら政府としての、それに対するコメントは差し控えたいと考えています。

どうもありがとうございました。

(以上)

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