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松下内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年6月29日(金)11時00分~11時22分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議で、記念貨幣を発行するということが古川(国家戦略担当)大臣の方からありました。IMF(国際通貨基金)や世銀グループの年次総会が開かれるということを記念して、1,000円の貨幣を発行したいということです。表が富士山と江戸の庶民の姿、裏面は世界地図ということで、発行したいということがありました。

それから、総務大臣から労働力調査の結果報告、それから厚生労働大臣から有効求人倍率等の前月との比較等の報告がございました。

それから、法務大臣から「社会を明るくする運動」の強調月間ということで、黄色い羽を作って、これを配布したいという話がございました。

以上です。

【質疑応答】

問)

野村證券なのですけれども、今朝、新聞各紙で、今日、社内調査を発表するという報道があったかと思いますが、これまでも数々、色々な問題が指摘される中で今回の発表に至ったわけですけれども、このことについて大臣の今のご所感をお願いします。

答)

報道については承知しております。個別証券会社に対する行政対応については、コメントすることは差し控えたい、そう考えています。

一般論で申し上げれば、仮に証券会社の業務運営等に問題が認められた場合には、当該の証券会社がその事実をどのように把握して対応しているかも確認しなければならないと思っていますし、法令に則り、厳正に対応していくことになります。

問)

民主党の小沢元代表が、消費税、参議院でも採決となれば離党するような構えを見せていらっしゃいますが、これについて大臣のご所見のほうをお願いできませんでしょうか。

答)

政権を担っている民主党、そこと連立を組んでいる国民新党として、政権の安定運営というのは極めて大事でございます。特に、東日本大震災、そして原子力発電所の事故の収束、そして復興・再生に、今、取り組んでいるところでありますし、それがまだ始まったばかりで、まだほとんどの人たちは仮設住宅や不自由な暮らしをしておるわけで、東日本のそういう災害の対応の現実を見たときでも、私はその人たちの目にテレビの動きがどう映っているかを見ると、胸が痛くなります。やはり、政権安定のための努力をしっかりと続けて頂きたいと思っております。国民新党としては、自見前大臣が党首会談で申したとおりでございますけれども、私はもうコメントしませんが、私たちとしては、今、民主党の中の調整を、刮目して緊張して見ているということでございます。

問)

先ほどの野村(證券)の件なのですけれども、野村は2008年にもインサイダーの大きな問題を起こしています。今回の件は、そのたった2年後にこうしたインサイダー情報の漏えいを繰り返したことになるのですけれども、この重大性について大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

やはり、極めて遺憾に思っておりますし、自浄能力ということに真剣に取り組んでもらいたいと痛切に思っています。厳格に管理されるべき公募増資の情報、これが引受部門から営業部門に漏えいしたとされていることでございますけれども、今申し上げたとおりでございます。

問)

今の野村(證券)の件に絡んでお伺いしたいのですけれども、一連の増資インサイダー事件では、野村は3件の問題について関与していると見られていますけれども、その問題と経営責任のとり方について、大臣は、例えば野村のトップについては辞める必要がある、もしくは望ましいと考えていらっしゃるのか、それとも例えば減給等で十分とお考えなのか、そのあたりについてのご所見をお聞かせいただけますでしょうか。

答)

今、社内で社外弁護士を入れて厳正に調査しているということは承知しておりますし、個々の問題についてここで大臣がコメントすることは差し控えたい、そう考えています。

問)

東洋経済の浪川です。似たようなことでお答え頂けないかも知れませんけれども、野村證券ですが、当局の検査でそういう事実があるということが把握され、そういうことが発表され、その時には当該野村證券という名称はなかったにせよ、大概の者は野村證券だと分かるような状況になってから、かなりの時間が経って、野村證券は社内調査を始めたような感じがあるわけです。初め、当局の検査の発表があったから、直ちに自分たちで何かをやるということではなくて、だいぶそこにタイムラグがあってから、自分たちで調べるということになった。結果として、この6月末という非常に時間が経ってから公表するかもしれないということになり、さらに言えば、2日前に株主総会があったにもかかわらず、そこではそういう具体的なことがなく、それが終わるや発表するということなのですが、日本を代表する証券会社、あるいは日本の株式市場を担うトップの立場である企業として、こういうことはどうお感じになりますでしょうか。

答)

個別の案件について一つ一つコメントすることは差し控えますけれども、一般論として申し上げますと、企業のガバナンス、そしてその当事者のみが知り得る情報、決してやってはならない行動、言動、そういうことがやはり繰り返されているということの意味は、極めて重大だと思っています。ですから、個々の企業のことについてコメントはしませんけれども、ガバナンスの劣化、職業意識、そして自分はどういう立場で仕事をしているのかという倫理観を含めて、これは自浄力がしっかり働く対応をして頂きたいというのが率直な気持ちです。

問)

今、既に開かれていると思うのですが、欧州の方で首脳会議が開かれていて、ざっくり言えば欧州債務危機全体についての対応策が話し合われているところだと思います。今、良い方向へ向かっているという話になりつつあるようですけれども、予断を許さないということで、週明け、最初に東京市場が開くわけですけれども、万一の時、市場が大混乱するようなことがあった場合ということになるかと思いますが、金融庁として出来ることは何かあるのですか。

答)

欧州の状況については、6月17日のギリシャの再選挙の結果が、皆さんご承知のとおりの緊縮(財政)を継続していくという対応を取るという勢力が勝利を収めたということで、ほっと胸をなでおろしたところでありますけれども、なお注目して見ていかなければいかぬと思っていることは事実です。その中で、やはり欧州全体、それからユーロ圏の諸国が、今の自分たちの国、地域の置かれている状況を真剣にとらえてサミットを開く、そしてスペインとの対応をしっかり前進させるというような動きがあるようですので、私としては、それはさらに一層そういう努力を続けて頂きたいという強い気持ちを持って、今、引き続き刮目して見ていくと考えています。

対応等については、そういうことがあってはならないので、まずやはり自国で努力する、それから欧州全体、ユーロ圏全体でしっかり取り組んでもらいたいということに強く期待しているということを申し上げておきます。

問)

それは、日本あるいは金融庁としては、やることはないということですね。

答)

まず、ヨーロッパ全体でしっかりと取り組んでもらいたいということですし、我が国として万が一どうなっているかということについては、これは何回も繰り返し申していますけれども、我が国の金融システムは健全だし安定しているということでございますから、自国のことについては、ヨーロッパ自身でまず取り組んでもらいたいと思っています。

問)

マガジンXの神領です。今夜、ミュンヘンでトヨタとBMWが提携の発表記者会見を共同でやるということなのですけれども、色々な業界で企業の合従連衡、統合、合併等々が行われています。金融庁はかねてから、中小企業も含めてそういうことを進めていこう、世界へ出ていって大きくなれと言ってきているそうなのですが、今後の企業の海外進出や統合についての何かご所見があればお願いします。

答)

いくつかの側面があると思いますけれども、我が国の今の製造業、そして自動車産業を頂点とした経済・産業界の製造業、あるいは電気関係も含めて、今、非常に厳しい状況にあると思っています。経済産業省の副大臣として取り組んでまいりましたけれども、根こそぎ空洞化という状況の中で、国内でどのような体制の生産、そして輸出に向かって負けない仕組みを作っていくかということは、各企業、真剣に取り組んでいることでありますし、国も必要な支援はしていかなければいかぬと思っています。

その中で、国際連携がなされていくということも、当然あり得べきことだと思っています。色々な前例もございます。スズキとフォルクスワーゲンとの関係も含めて、やはり十分に我が国の技術力が活かされるような形でしっかりと進んでいくことが、私は大事だなと思っています。

問)

野村(證券)の件で、お答えいただけないかもしれませんけれども、1点お願いします。今日、野村の方は、役員の報酬カットだとか、あるいは業務の一部自粛などを発表する見通しとなっております。大臣は、先ほど自浄能力に期待したいとおっしゃっていましたけれども、こうした野村のとりあえずの対応というのは、自浄能力の部分として十分だと考えられるのかどうかというところについて、ご所見をお伺いできますか。

答)

個々についてのコメントは差し控えたいと考えています。一般論で申し上げると、やはり企業のガバナンス、統治能力の問題、そしていくつか連続してこういうことが発生しているということを考えれば、当然、中小企業の問題、それから企業倫理の問題、職業意識の問題、自分の置かれている立場、どういう情報を持って自分の仕事が成り立っているのかということを考えた時に、当然、まず厳しい自己に向かう鍛練といいますか、そういうものを含めて、総合的にしっかりと対応していく課題だなと私は思っています。

先ほどのヨーロッパに対する対応の話も聞かれましたけれども、当然ながら金融庁、それから財務省、日銀等と常に連携しながら、目を皿にして状況を見ながら、しっかり連携して対応していくということは申し上げておきます。

問)

さっき浪川さんが質問されて大臣はお答えいただけなかった、株主総会では発表せずに、その2日後に発表するという、(野村證券の)この姿勢についてはどうお考えですか。

答)

会社の判断ですから、それを私がここで申し上げることは差し控えます。しかし、どこまで十分説明し切ったか、株主の皆さん方の反応もあるでしょうし、また今後の調査の発表が行われるとも聞いていますので、それらを踏まえてしっかりと我が方の行政の対応はしていきたい、そう思っています。

問)

野村(證券)の責任ということから少し飛んでしまうのですけれども、福島第一原発の事故の責任を、まだ政府、政治家、誰一人とっていないことについてどうお考えになりますか。

答)

責任のとり方というのは、色々な形でとると思っています。原因、そして収束、まだ十分最終地点に達していない段階で責任をとるということの難しさは、私はやはりあると思っています。今やるべきことは、収束に向かって徹底した(原子)炉の安定を図ることと、そして避難している人たちに対する賠償を含めて、その暮らしをしっかりと支えていくための努力をとことんしていくということ、やはりこれを成し遂げることに力を尽くしていくことが、まず責任を果たす第一歩だ、そう思っています。

問)

節目が来たときには、政府と政治家は責任をとるべきだというお考えで、今はいらっしゃるということですね。

答)

当然、それなりに自分がどう関わったのかということはあると思います。最終的に、私は福島の原子力発電所の事故の収束、そして復興・再生の仕事に当たってきましたけれども、避難している人たち、それから200万の県民、やはりその人たちが一人残らず安定した暮らしに向かうようになるまで、徹底して私たちは国として支援していく、そのことを成し遂げたいと思っていますし、そのことが責任を取るということだと私自身は考えています。

問)

大臣のお考えをお伺いしたいのですけれども、野村に関連してなのですが、自浄能力というところで、それはこれからの未来の話だと思うのです。それを発揮する土台、前提として、過去のことをきちんと総括したほうがよいというお考えはあるのでしょうか。

というのは、根深い問題だと思うのです。今回のことは、かなり個々の意識の問題に関わっていることだと思うのです。それを変えようと思った場合には、それなりの厳罰で対処して、こんなに大変なことなのだということを認識していただくのがよいのかどうなのか、その辺のお考えをお聞かせください。

答)

当然、現在起こっている事案のことだけではなくて、過去の事案もしっかりと検証した上で、やはりあるべき予知能力、そして個々の仕事に対する責任と倫理観、職業意識、特に公共性の高い職場でもありますから、一層そういうものが求められることは当然だと私は思っています。そういう意味での自浄力というものに期待したいと思っています。

問)

東洋経済の浪川ですけれども、大臣が私たちにお答えいただいたことの確認なのですが、ガバナンスの劣化とか自浄能力というのは、要するに、第一義的には経営者に向けて発せられている言葉と理解してよろしいのですね。

答)

どこに発せられるのかということはありますけれども、全体として企業そのものにかかっている、これは当然のことだと思います。そしてまた、どこでそういう部門が発生しているかといきますと、それぞれの細胞、それぞれの部局、色々段階はあると思います。それは発生した事案により、個々、色々なもので検証することで答えが出てくる、そう思っています。

(以上)

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