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松下内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成24年7月20日(金)9時20分~9時43分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

報告がございます。

本日の閣議におきまして、郵政民営化関係の政令の決定が2件ございました。

1件は、さきに民主・自民・公明の3党で議員提案し成立した郵政民営化法等の一部を改正する等の法律の施行期日を本年10月1日とするという政令でございます。

もう1件は、この法律の施行に伴いまして規定の整備等を行う整備政令でございます。その政令の決定がございましたので、報告をいたします。

【質疑応答】

問)

LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正操作問題が広がりを見せておりますけれども、金融市場の信頼性という観点から、今回の問題について何かご所見があればお願いします。

また、LIBORでは金利算定の仕組みについて問題点が指摘されておりますけれども、これに関しましても何かご意見等あればお願いします。

答)

LIBORは、金融市場における重要な金利指標として広く用いられています。もうご承知のとおりでございます。そのために、LIBORの金利に関する不正操作は、金融市場の公平性・透明性に対する信頼を損ない、市場の健全な発展を阻害しかねない重大な問題であると認識しておりまして、高い問題意識を持って注視をしております。

金融庁としましては、今後とも引き続き検査・監督を通じて、各金融機関の金利の呈示等に係る内部管理態勢等を確認し、仮に問題が認められた場合には、法令に照らし適切に対応してまいりたいと考えています。

なお、LIBORに係る金利算定の仕組みなど、LIBORの運営上の問題につきましては、金融庁としてはコメントすることは差し控えたいと考えています。

問)

次にTIBOR(東京銀行間取引金利)の方なのですけれども、TIBORをめぐりまして全銀協(全国銀行協会)が国内外の金融機関へ一斉調査に乗り出しました。金融庁として、例えば全銀協などとどのような連携策をとり得るのか、また今後どのような対応に乗り出す考えがあるのか、お聞かせください。

答)

金融庁におきましては、各金融機関の内部管理態勢等については、これまでも検査・監督を通じて確認してきております。既にご承知だと思いますけれども、昨年の12月には当庁からシティグループ証券、UBS証券東京支店等に対して業務停止命令等を発出しております。

こうした中で、今般、全銀協におきまして、全呈示行に対し、16行でございますけれども、TIBOR公表要領の遵守状況につき一斉点検を行った上で、その点検結果や英国銀行協会のLIBORの見直しに向けた検討状況等も踏まえながら、必要があれば見直しを検討する方針であるということは承知をしております。

昨日、19日ですけれども、全銀協の佐藤会長が記者会見で、一斉点検と併せて点検結果を吟味して、必要があれば見直しを行うということもあり得るということを表明していることは承知しております。

今回の全銀協による自主点検については、TIBORの取りまとめ・公表を行う全銀協が自らの責任において自主的に行うと、このTIBORの公平性・透明性をより一層高める観点から自主点検を開始したものだと、このように認識をしております。8月10日までに報告を求めるということも承知しております。

いずれにしましても、TIBORの運営上の問題と金利不正操作という金融機関の内部管理態勢上の問題は分けて考える必要があるというふうに考えております。

金融庁としましては、今後とも検査・監督を通じて、仮に問題が認められた場合には、必要に応じて適切に対処してまいりたいというふうに考えています。

問)

次に、会社法の改正についてお伺いします。

会社法の改正を検討してきました法務省の法制審議会会社法制部会が社外取締役選任の義務化を見送る要綱案をまとめました。企業の不祥事を受けてコーポレートガバナンスの強化が求められている中で、日本の経済界の反発にも配慮した妥協案の形となりましたけれども、今回の要綱案の内容についてご所見の方をお願いします。

答)

会社法の改正に関しまして、社外取締役の選任に関する論点も含めて、現在、法務省の法制審議会会社法制部会において、要綱案の取りまとめに向けた議論が行われているというふうに承知しておりまして、このことについて、具体的に、現在、コメントすることは差し控えたいと考えています。原案が、要綱案を取りまとめたということではなくて、原案が示された段階で、これをまだ検討していると、議論の最中だということですので、これはしばらく議論を見守りたいというふうに考えております。

問)

次に、イギリスの大手銀行のHSBCがマネーローンダリングに関与していたという疑いがあるとされる問題で、日本の北陸銀行がその資金の流れに絡んでいたのではないかという報道もありますけれども、これに関しまして何か報告等を受けているのかどうか。また、今後、調査に乗り出す考えがあるのかどうかお聞かせください。

答)

これは個別金融機関の個々の取引に関することでもございますので、コメントは差し控えたいと考えています。

繰り返しになりますけれども、金融庁としましては、各金融機関における態勢整備の状況等について、検査・監督を通じて実態把握に努めているところでございまして、引き続き法令等に基づき、適切に対処してまいりたいというふうに考えています。

問)

マガジンXの神領です。

車関係の保険についてご見識を賜りたいのですが、金融庁管轄の自動車保険と自賠責保険等があるのですけれども、これが最終決定まで至っていませんが、基本的には来年の頭からか、あるいは来年度からか、ユーザー負担が上がるという方向で動いていらっしゃると思いますけれども、車ユーザーは非常に今、税金を含めた負担が大きい状況があるものですから、これで保険料も上がるとさらに車離れが進むというところで、この辺どうお考えか。

それから、国民新党が一番やってきた郵政改革の中で、基本、郵政は今、損保をやっていないと思うのですけれども、日本郵政に損保あるいは自賠責を扱わせる気はないのかという辺りについてのお考えを教えてください。

答)

自賠責保険料についてでございますけれども、その水準については、現在、自賠責審議会において審議の上で決定されるということでございますので、私からのコメントはここでは差し控えたいと考えています。

任意の自動車保険につきましては、損保料率機構が各損保の契約実態を基に算出した「保険料の目安」も、参考純率と言っていますけれども、参考にしつつ、各損保において、自動車運転者それぞれの特性等を踏まえて、経営判断で保険料の水準を設定しております。その具体的な数字については、ここではコメントは差し控えたいというふうに考えております。

いずれにしましても、この保険料というのは、保険金の支払い状況、それから契約者間の公平など、様々な要素を考慮して総合的に判断されるものであると考えています。金融庁としましては、この保険料の見直しに際しては、自動車ユーザーを含む保険契約者の保護の観点から、適切に対処してまいりたいというふうに考えています。

問)

日本郵政の件はいかがですか。

答)

日本郵政については、10月1日に新しく仕組みが出発するということになりますし、これからの新規事業等も含めてどういう形にしていくかというのは、まだこれからの検討課題でございますし、郵政会社そのものの経営上の判断もあるというふうに考えています。まだ具体的なものに設定をしておりませんので、そういうふうに今のところ考えています。

問)

もうちょっと踏み込んで頂きたいのですけれども、大臣は国民新党の副代表でもいらっしゃるし、それから金融庁は中小企業を中心に弱者の見方のお役所でもあるわけで、建前論はいいのですけれども、要は郵政会社を国民新党の力でこういう状態に変えたのであれば、いい意味で、民間ともどんどん喧嘩すればいいわけです。それから、自賠責の方の保険の関係で言えば、ご案内のとおり、保険料と損害の見合いだけではなくて、代理店や損保会社の儲けの問題で、今、一番揉めているわけですね。それから補助金等々もたくさん出ていると。補助金という表現は使っていないですが、共済もそうですね。ですから、そういうところで単に保険料と損害の見合いではなくて、真ん中の中抜きの問題を今言われているわけですよ。ここについてのご見識をいただきたい。

答)

色んな議論があることは承知しておりますし、国民新党としても新しく出発する郵政事業の仕事の新規事業、そこでやはり一定の活動をしなければいかんということはよく分かっていますし、国民新党でも、これは私も入って色々議論してまいりました。

幾つかの議論があって、幾つかの提案があることも承知していますけれども、これは、私が今ここで大臣として判断することの前に、どういう内容なのか、それが新規事業として提案されることになれば、これは会社の方で自主的に判断するし、それが法律上、そこの委員会等の中で色々議論されてくるし、それから保険業法、あるいは銀行法上の色んな議論も踏まえてくるわけですから、そこの議論は待ちたいと思っています。

私としては、そういう新しい提案があることについては、予断を持って判断することなしに、しっかりと議論してもらいたいというふうに考えています。

問)

ということは、損保の扱いについては可能性は排除しないという理解でよろしいですか。

答)

どういう点があるかの議論を待ちたいというようなことです。

問)

理屈の上で、田舎に郵便局があるからオッケーなんだというのは、国民新党がずっと言っているところですよね。要は、都会にあるキャッシュディスペンサー(CD)だけでは問題が解決しない。だから、田舎にある郵便局を使って色んな郵政事業をやると言っている理解で言えば、生保だけやっていても多分駄目ですよね。田舎にこそ車が多いわけですから、やはり田舎の郵便局で何としてもやはり損保を扱わせて、できれば自賠責(保険)も扱わせると。ここはやらざるを得ないと、僕は、その筋から言ったことがあると思うのですけれども、最後にお願いします。

答)

今、自賠責審議会で議論されておりますし、議論の真っ最中ですから、ここで私が色々発言することは差し控えたいというふうに思っています。

問)

通信文化新報です。

今、新規事業のお話しがありましたけれども、国民新党がゆうちょ(銀行)の資金を使った奨学金制度を大臣の方に提案されているみたいですけれども、それについての今後の扱いなどについてお考えがあったらお願いします。

答)

一昨日(18日)、国民新党の自見代表はじめ幹部の方たちがお見えになりまして、日本学生支援機構の入学時の一時金を活用したつなぎ融資等の提案がございました。その内容は伺いましたし、承知をしております。国民新党の提案として、教育立国を目指したいという大きな柱がありますので、これは大変大事なことだというふうに国民新党の副代表としても考えております。

また一方で、ゆうちょ銀行が新規業務としてどういうふうに対応していくかというのは、教育ローンも含めてゆうちょ銀行の経営判断があるというふうには考えます。しかし、新規事業として提案されて、それが企業の方で判断した結果、ひとつやりたいということであれば、これは所定の手続に則って審議の過程の中に入ってくるというふうに思っていますし、そこは私たちも、大臣としてもしっかり注視して見ておきたいと思っていますけれども、今、承ったばかりのことでございますので、これからしっかりと内容等について研究していきたいと考えています。

問)

先ほどご発言があったTIBORに関して、全銀協が調査したということでコメントは頂いているのですが、自ら自主点検を行うということについてどういう評価をされているかということと、どういう点検結果を、どういう点検内容を期待するかということをお伺いしたいのですが。

答)

全銀協が自主点検を16行に対して始めたと、それを8月10日までに答えを求めるということについては、これは私は評価をしています。自主的な判断として、16行に対して期限を区切って点検しろということについては、これは私は評価をしています。

問)

火曜日(17日)にもお伺いしたのですけれども、先週13日の自民党の国土交通部会においてJAL(日本航空)が更生手続終了直前の昨年3月に実施した企業から受けた増資、こちらインサイダー(取引)ではないかという指摘がありましたけれども、それは再上場により株式の値上がりが確実なことを知っていて、企業が出資した可能性があるという話なのですが、こちらについての見識をお願いします。

答)

一般論になりますけれども、JALのような公的資金を受け入れている企業については、公平性・透明性の確保が極めて重要だというふうには考えています。関係府省において適切な対応がなされるものというふうに考えています。

なお、金商法上のインサイダー取引規制につきましては、上場会社等の株券等の売買等を対象としているわけでございまして、非上場会社であったJALの株式取得、これは金商法上のインサイダー取引規制に抵触するものではないというふうには考えています。

問)

今の点でもう一点だけ追加させてください。金商法上のインサイダー(取引)にかからないというのは理解できるのですけれども、大臣がおっしゃった「適切に対処をされるべきだ」というのは、具体的にどのようなイメージでご発言されたのでしょうか。

答)

全体の流れの中で、JALという公的資金を受け入れて、国民がその復活再生を注視している企業において、一段の公明性とか、透明性とか、公平性というのは、やっぱりその確保は極めて重要で、国も注視しているんだということをまず申し上げたいということでございまして、そういうことの観点から関係府省において適切な対応がなされるものというふうに考えています。

問)

それは要するに、まずはJALそのものがこういった疑いを持たれないようなことを自らすべきだということでいいのでしょうか。それは明らかにしてくれということでしょうか。

答)

色々お聞きになりたいことは分かりますが、やはり関係府省でしっかりと対応して頂きたいという注文でございます。

問)

その関係府省というのは、JALを指しているということですか。それとも他の、例えば国交省だとか。

答)

そうですね、役所です。企業再生支援機構を所管している役所である内閣府、あるいは航空行政を所管している国土交通省、そこでしっかりと対応してもらいたいと。公平性・透明性という極めてJALの持っている立場をしっかりと踏まえた対応が必要だということでございます。

ありがとうございました。

(以上)

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