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安住財務大臣・内閣府特命担当大臣事務代理閣議後記者会見の概要

(平成24年9月14日(金)10時20分~10時35分)

【質疑応答】

問)

昨日FOMCがございまして、いわゆるQE3、資産の買入れが決まりました。これを好感してアメリカも、今日の日本の日経平均も株価が上昇しています。これについての受止めを1点伺いたいのと、これに関してここ数日、QE3への観測で円相場が大きく変動しました。円相場についてコメントを頂戴できますでしょうか。

答)

日本時間の今朝方ですから皆さんも徹夜したんじゃないかなと思いますけれども、私共もほぼ寝ないで注目しておりました。バーナンキ議長のお話を聞いていても、アメリカ経済の現状に対する危機感の表れが、QE3という形になったのではないかと思います。毎月400億ドルですから、約3兆円強の買入れを行うということを、市場も好感を持って迎え入れている感じはいたしております。時間軸についても少なくとも2015年半ばまでと、従来からの考えは14年でしたから、これは延長というお話だったと思います。そういう意味では景気浮揚に対する決意というものは十分感じられるので、世界経済にとってそれが全体として、またアメリカ経済が立ち直ることが、ひいては世界経済が立ち直る方向に行くということが好ましいと思います。個々の他国の金融政策等について、これ以上のコメントは差し控えさせていただきますが、アメリカ経済の動向は、どの国以上に我が国としては注視をしてまいりたいと思っております。

問)

他国の金融政策については差し控えるとございましたけれども、先週、これはちょっと性格は違うものですが、ECBが資産の、重債務国の国債の買入れを決めたりとか、昨日のFOMCとかもございました。来週、日銀が金融政策決定会合を開きますが、日銀の金融政策についてどのようなご所見をお持ちでしょうか。

答)

ドラギ総裁の決断は、ユーロの今の為替の状況を見ても、これは市場に安心感を与えているのではないかと思います。それぞれの南欧諸国の金利水準も下がってきましたし、無制限の買入れというのは、思い切った決断だったのではないかと思います。これからIMF世銀総会を控えて皆さん東京に主要なメンバーがお集まりになりますので、世界に向けてそれぞれいいメッセージ、そしてそれが市場の中で好感を持って受入れられるというのは重要なことではないかと思っております。我が国においての日銀の対応いかんということですが、これは来週は日銀が国内の、今の経済状況ですね、今日特に月例等ありましたから、こうしたものを受けて適宜適切に対応していただければと思っております。2月に物価の1%の目標を設定していただいて、これに向けて様々な対応をしかるべき時にしっかりととっていただくということが重要だと思いますし、その点については白川総裁と私の考えに齟齬はないと思っております。

問)

先程他国の金融政策についてはコメントしないという話でしたけれども、自国の為替政策、昨日FOMCが終わった直後、やや円安にちょっと戻ったところがありましたけれども、為替介入の有無についていかがでしょうか。

答)

最近の一方的な円高の動きが日本経済の実体を反映していないことは明らかだと思います。こういった動きを看過するわけにはいきませんので、行き過ぎた動きについてあらゆる措置を排除せず、必要な時には断固として行動いたします。これ以上のコメントは差し控えますが、私としては今言ったポジションをずっとキープして、適時適切に決断したいと思います。

問)

今のお話にも関連するんですが、各国積極的な金融緩和政策をとっている中で、そういう動きがあった中で、今日例えば各国の大臣クラスで、G7とかバイでも各国と意見交換した、電話会談とかそういった行動はとられたりしたんでしょうか。

答)

ノーコメント。

問)

それはあったともなかったとも。

答)

徹夜して仕事を一生懸命していましたけれども、そのことについてはノーコメント。

問)

金融行政についてお伺いさせてください。日本郵政グループの新規事業参入についての審査のお考えは、これまでの方針とおそらく変わらないのではないかと思うんですけれども、国民新党の松下前大臣は、審査をできるだけ急ぐべきだということを事務方に指示していたとおっしゃっていたんですけれども、この考えは今でも変わらないと考えてよろしいのでしょうか。

答)

現時点では私、代理ですので、新しい体制が決まった段階でまたコメントしていただければと思いますけれども、個々の業界団体等が発表するコメントについて、逐一コメントすることは差し控えると。つまり昨日辺り民間の金融機関の団体が参入について懸念の共同声明を出したということについてのコメントだと思うんです。いずれにしても今後の審査に当たっては、郵政民営化法及び銀行法、保険業法に則り、他の金融機関等との間の適正な競争関係を阻害するおそれはないのか、また当該新規業務を適切に提供する態勢が日本郵政側に整っているか等の観点から、一定の時間をかけてしっかりと審査を行い、認可するか否かを判断してまいりたいと、こういうスタンスで臨むということですから、私もそれでよかろうと思っております。

問)

先程の為替介入についてのコメントの中で、今言ったポジションをキープして、適宜適切に行動したいとおっしゃったと思うんですけれども、このポジションという意味は、水準という意味合いもあるんでしょうか。

答)

そんなことは言っていませんよ。行き過ぎた動きについてあらゆる措置を排除せず、必要な時には断固たる行動をとると言っている、そういう立場をずっと維持しますという意味です。

問)

金融政策ですけれども、先程FRBの決断について景気浮揚に対して決意を感じられたと。ECBのドラギ総裁の決断については、思い切った決断だったと。来週、日銀の政策決定会合が控えていますけれども、米欧がこうした新たな緩和策に踏み込む中で、日銀も一段の追加緩和が必要だとお考えでしょうか。

答)

それぞれの置かれている国の状況というのは全く違って、ECBが今抱えている状況というのは、日本の置かれている状況とは明らかに違う中でのドラギさんが、これまでECB自体が抱えていた政策決断に対してドイツを含めて政治的環境を含めて整って、こうしたスキームができたわけです。アメリカの場合は雇用統計等を含めて、この間のバーナンキさんのジャクソンホールでのお話を読んでも危機感の表れがあって、こうした新しい対策をということだったと思うんです。それは個々の国の政策状況は違いますから、あっちがやってこっちがやったから、こっちもやれやれということではなくて、日本の置かれている経済状況の中で、先程私が言ったように2月の時点でターゲットを決めてもらって、このデフレからの脱却をやっていくということは、お互い認識は一致していると思うんです。その進捗状況はどうかと。国内に目を転じれば、復興需要に支えられて、そこは堅調であると。ただし輸出関連で下振れリスクが出てきています、今日の月例を見ていても。そういう中で比較的堅調にこの前半推移してきましたから、ここでこの下振れリスクが顕在化してきたのでは経済の腰折れ感、中折れ感が出てきますから、これは財政的なことで言えば、じゃあ補正予算をどうしますかとかそういう話にもつながってはくるんだけれども、そういう全体の状況の中で適時適切に日銀として判断していただくということが必要だと思っております。

問)

先日、野田首相が補正予算の必要性について言及されましたけれども、安住大臣はこの発言をどう評価されていますか。

答)

現時点で何か具体的に補正について日程的なものを決めたり、ボリュームを決めたということではございません。また総理のお話というのは日本経済が、特に4-6月を見て、今回月例が出てきて、順調にいわば右肩に上っているというよりは、少し懸念材料が出てきていると。これはファイナンスの側から何らかの対応が必要なのかどうかも含めて検討する部分があるのではないかというご示唆ではなかったかと思うんです。ですから我々としては慎重に様々な統計、特に国内需要、それから輸出産業等のアメリカや、特に中国ですかね、そうした国々への輸出に依存している企業の実態が、これから秋口にかけてどういう傾向をたどっているのかを見た上で、必要があれば必要な措置というものは講じなければならないという認識でおります。

問)

輸出の関連で中国の名前が出たんですけれども、日中関係あまりよくない雰囲気が流れていて、不買運動というようなことも言われております。その辺どう受け止めていらっしゃるか、また中国の国債を買うというような話も出ておりましたけれども、その点についてもお聞かせください。

答)

経済的な面でも、政府の中でも経済官庁同士というのは非常に連携をとってうまくやってきておりますので、微妙な時期ではありますけれども、お互いにとって利益のある、特に世界の中で経済的シェアから言えば私共と中国の力というのは圧倒的ですから、そういうことをよくよく考えながら理性的な対応をしていった方がよかろうと思っております。

問)

昨日IMFの篠原専務理事が講演後記者団に対して日本の為替介入について言っていたのが、日本政府のスタンスというのは為替が過度にボラタイルになった時に介入することもあり得るということだと。それに対してIMFは、特に異議は申し立てないということだという発言をされているんですけれども、それについて受止めを聞かせていただけないでしょうか。

答)

ラガルド専務理事が来た時の発言のラインと篠原さんの話は同じだと思いますので、今の為替についてのIMFの認識を述べられたんだろうと思います。それは私共と決して齟齬があるとは思っておりません。

(以上)

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