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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(平成25年1月15日(火)19時15分~19時37分)

【冒頭発言】

平成24年度の補正予算につきましては、昨年12月26日及び27日に総理の指示に沿って、取りまとめを進めてきたところですけれども、臨時閣議でその概算を閣議決定しましたので、概要を申し上げさせていただきます。

一般会計予算の補正については、歳出面では緊急経済対策に沿って、事前防災・減災等、成長による富の創出、暮らしの安心・地域活性化の3分野に重点化した歳出を計上します。また、基礎年金国庫負担などの経費も追加する一方で、既定経費の減額を行わせていただきます。歳入面では、税収増や前年度剰余金のほか、公債金は5兆2,210億円と見込んでいます。また、基礎年金国庫負担の追加の財源には、年金特例公債金を充てるということです。以上により、一般会計予算の歳出歳入は、10兆2,027億円の増額となります。

特別会計予算も所要の補正を行いますが、特に、東日本大震災復興特別会計予算については、歳出面では、緊急経済対策に基づき、復興関係経費や復興債の償還費を計上する一方、既定経費の減額を行っているところです。歳入面では、復興特別会計の税収増のほか、一般会計からの繰入を計上し、復興債については減額をしております。これらにより、東日本大震災復興特別会計の歳出歳入は、1兆1,953億円の増額となる予定です。

財政投融資計画については、緊急経済対策に基づいて、産業投資4,059億円、財政融資4,028億円を追加しております。

なお、公共事業等の国庫債務負担行為も合わせますと、緊急経済対策の実施に伴う財政支出は10兆2,815億円、今回の補正予算全体の財政支出は13兆1,054億円となります。

今日の臨時閣議で、私の方から、今申し上げましたような補正予算の大要というものを紹介するとともに、通常国会への補正予算提出に向けて作業を進めていくので、早期に成立をさせていただきますよう、政府一丸となって取り組んでもらいたいこと、その上で、各大臣においては、可能な限り早期の執行を図るとともに、巨額の費用を投じているということを踏まえて、事業の効果についての説明責任を果たしていただきたいということ等を申し上げたので、冒頭にご説明をさせていただきます。

【質疑応答】

問)

補正予算についてなんですけれども、今回建設国債を5兆円超発行することになりました。財政健全化の視点からは、国債の追加発行というのはなかなか望ましくないと思うのですけれども、追加の国債発行に至ったことへの受止めと、あと長期金利は若干上昇傾向にありますが、今回の国債発行が市場に与える影響をどう見ていらっしゃるかお聞かせください。

答)

基本的に、今、国債を増発することになったことに関しましては、経済の再生、いわゆる不況脱出等々が優先順位の1番と考えておりますので、今申し上げたような背景に基づいて、不況対策を優先したということです。それに伴って金利がということですけれども、金利についてのコメントはしないということになっていますが、上がっているようですがって、今日は下がっていたと思いますので、その種のことにコメントをすることはしません。

問)

今日の昼に官邸であった金融政策の勉強会についてなんですけれども、大臣も出席されたと思うのですけれども、大臣何かご発言されたのならご発言を紹介していただきたいということと、あと今日の勉強会では日銀総裁の具体的な人選については話題にならなかったようですけれども、大臣は安倍総理と今後具体的な人選については、いつ頃から始めるお考えがあるのかお聞かせください。

答)

最初の有識者会議の話は加藤副長官の方からしたのかな、だからそれ以上言うことはありません。総裁の人事の件についていつから始めるか、全然考えたことがないからわからん。

問)

今日は国と地方の協議の場があったと。大臣の方から地方公務員人件費の削減について努力を求めたと伺っておりますけれども、どのような発言をされたのか改めて伺いたいのと、あと来年度予算の編成に向けて交付税削減についてどのように考えているか、そこをお聞かせください。

答)

昨年の4月から国家公務員につきましては平均7.8%の給与の削減を既に実施しています。その結果、こういう対応をし切れていない、していない、全くやっていない等々の市町村県においては、ラスパイレス指数が平均で106.9に上がっている、地方公務員の方が国家公務員に対して6.9%高いという状態になっているということで、これは大幅に上回っていることになるんですが、国家公務員を大幅に上回る地方公務員の給与というものは、全国民の負担でありますいわゆる地方交付税によって保障しているわけですから、これは国民の理解というのは得られないんじゃありませんかということで、7.8%の給与の削減につきましては、遅くとも25年4月から地方公務員給与の積算に反映させていただくということになるんだと思うと。是非その点は実行していただきたい旨申し上げております。

問)

来年度の財政規律ですけれども、大臣ここに最初来られた会見の場で、来年度については自民党として新しい財政健全化の目標を作るということをおっしゃっていましたが、既に来年度予算案については概算要求の差し替え要求まで来ていて、来年度予算にどのような財政規律で臨むのか、いま一つはっきりしないんですけれども、前におっしゃられていた財政健全化目標を新しく作るというお話との整合性も踏まえてどのようにされるんでしょうか。

答)

基本的に前に申し上げたとおりなのであって、財政規律は自由民主党で公約をしております中期財政計画等々に沿って、私共としては予算を編成していきたいと考えております。

問)

その財政規律を作るのはいつなのかというのを。

答)

これは年央、どこか真ん中ぐらいまでのところに考えないかんかなとは思っているんですけどね。

問)

地方の給与のカットの話ですけれども、地方交付税を減額するということになると東京など不交付団体については影響がほとんどないと。代わりに財政が今でも深刻な北海道ですとか大阪というのは非常に深刻な影響を受けると思うんですけれども、それについては大臣どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

答)

今言われたけれども、ラスパイレス指数を100切っているのは岡山、北海道、鳥取、大阪、僕の知っているのはその4県なんですが、そういうところにおいては既に100を切っていることになっていますので、事情がほかのところとは少し違いますよ。切る必要がないぐらい、既に切ってあるところがありますから。そういうところは今回のところに直接影響が出てくるところではないですから、100以下なんだから。だからさらに7.8切ってくださいと申し上げているわけではないということです。

問)

そういうところに差をつけて対応するということでよろしいのでしょうか。

答)

そうです。

問)

地方の公務員の給与削減の件で質問ですが、地方の意見としては国を上回る行革を既にやっているので、そういったところも評価してほしいといった声や地方の削減に対する理由、国は復興財源として7.8%ということだったんですが、地方の削減に対する理由はどう考えるかなどの意見が上がったということなんですけれども、これに対して大臣はどう考えていらっしゃいますか。

答)

約1,800に上る各市町村県について、それを財務省が一律にやるということはできるはずもないので、基本的にそういったことをやるのは総務省の担当ということになろうと思いますので、そういったものに差がついたりいろいろな配慮をするというのは当然だと思います。

問)

円についてお伺いしたいのですが、今朝の閣議後の会見で甘利経済大臣が過度な円安は輸入物価を押し上げることにもなるので、輸出にはプラスですが国民生活にマイナスの面もあるというふうにご発言があったのですけれども、大臣のご見解をお伺いできますでしょうか。

答)

為替についてコメントするというのは、その人が言った意見について私の私見を述べることも含めてコメントということになろうと思うので差し控えさせていただきます。

問)

今回の経済対策でデフレ脱却が一番の柱だと思いますが、そのデフレ脱却はいつ頃を見通していらっしゃいますでしょうか。

答)

正確にはデフレ不況脱却と言ってもらいたいね。不況が問題なんだから。デフレってみんな国民は考えているかといって世論調査をやると、物価の値上がりが大きいという意識調査の方が高いということは、デフレ、デフレと言ってデフレより物が高くなっていると思っている人の方が多いという数値は、これは皆さんが思っているよりデフレというのは、みんなはそう思っていない。デフレより不況の方が問題なんだと思っているんだから、そういう意味ではデフレ不況からの脱却というのが一番正しい表現だと、私自身はそう思っています。もっと正確には資産デフレ不況からの脱却が最も正しいんだと思いますが、今言われたようにこれがいつできるかというと、3年前、総理大臣の時に全治3年だと申し上げたんですが、今回は3年の間くちゃくちゃに他党でされていますから、僕はもう少し時間がかかるかなと思いますけれどもね。今いつ頃までというのは、加えてヨーロッパの話とか、アメリカは少しよくなってきていますけれども、中国の先行きが分からんとか、いろいろな、よく見えない、投資できない、そういったところがありますので、正確にどれくらいかということを言えるという状況にはまだないと思っていますけれどもね。

問)

そうすると、さらなる対策が今後も必要ということになるのでしょうか。

答)

状況次第によります。今いきなり中国がどうかしちゃうとか、ヨーロッパがさらにどうかしちゃうとか、ユーロの枠組みがすっ飛ぶとか、いろいろなことが考えられますから、ちょっとその時にならないと何とも言えませんけれども、できればそういうことがないようにしてもらいたいなと、当局としてはそういう考え方ですけれどもね。

問)

先程財政規律のお話があったのですけれども、年央に新しい目標をまとめられるという話ですと、今後本格化する来年度予算編成では、例えば政策経費に上限を設けたりとか何らかのキャップを設けて編成するということはあまりお考えになっていないということなんでしょうか。

答)

今は基本的には不況脱出、優先順位はそっちの方が高い、正直なところですね。ですから少なくとも補正に続いて、補正というのは基本的には15カ月予算と思ってやらないと今年度の場合は通常年度と違って、いわゆる12月末の政府案が一月以上遅れた形になって出ますので、その意味では予算編成ができ上がるということになるのはいつ頃になるかと言えば、1月末にでき上がって、それで審議に、でき上がるのを計算したら最低でも一月はずれることになるから、その意味でいくと4月当初からのスタートは無理で、そこは暫定予算を組まざるを得ない。そして連休までに決着がつけばいいけれども、つかなければ5月の連休となると、暫定は2カ月組まねばならんということになると、その分だけ景気に影響が出ることを考えて補正予算を最初から組んでいるわけですから、そういった意味では15カ月予算みたいな形、正確には14カ月予算みたいな感じで事をここまで進めてきていますので、我々としては基本的には民主党が作った枠に縛られるという気は全くありません。ただ、目先の状況はどう考えてもこれは不況からの脱出というのが優先順位の1番だと思っていますので、予算の中身次第ということになるんだと私自身はそう思っているんですけれども、いわゆる重点配分ということをいろいろ考えないかんのだろうと私自身はそう思っています。

問)

補正予算の中で公共事業が2.4兆円だと思うのですが、それについて公共事業全体、また額、内容についてどのように評価されておりますでしょうか。

答)

私共としては笹子トンネルの例を引くまでもなく、元セメント屋から言わせると大体50年なんですよ、セメントというのは。補修もしないで何も放っておけば。50年、ですからそういった意味では首都高速道路をはじめ、首都高1号線、ああいったものをはじめ、オリンピックの年にできたものというのは、かれこれ50年ということになりますので、高度経済成長期に作ったようなものというのは、かなりの部分傷んでいるはず。なぜなら公共工事の総額を小渕内閣の時で14兆5,000億ぐらい、今4兆6,000億ぐらいかな、そんなもんだと思いますから、10兆円減らしてきていますからね、公共工事というのを。公共工事を悪のごとく書かれましたから。そして減らしに減らしていった場合、結果としてはメンテナンスというところが一番抜けるので、そのメンテナンスのところが我々としては笹子トンネル、1つの例ですけれども、こういったようなことになって国民の安心・安全を脅かされるところまで来ているという事態、これまで放っておいた人達は問題だと私自身はそう思っているんですけれども、是非そういった意味では、これをやりたくてもやれなかった部分がありますので、老朽化した部分、そういったものから優先順位を早めてやっていかねばならんというように考えていますので、新しく何を作るとかより、まずはそういったメンテナンス、補修、老朽化対策、そういったのを優先的にやっていくというのが地方では特に遅れていると思いますので、そこらのところはやっていかねばならんと思っています。

問)

補正予算で今回の特徴として産業投資の分野、リスクマネーを供給するという部分がとても増えているんですけれども、そこへの大臣の思いと効果はどのようにお考えかというのをお願いします。

答)

基本的にバランスシートが少なくとも傷んで債務超過になったという状況がずっと続いていた1990年代後半、そしてその後、一応債務超過は脱却したとはいえ経営者の心理状況としては、新たな設備投資を借入金まで起こしてやる気はない。そういう状況になって、またぞろ貸しはがしに遭うんじゃないか、貸し渋りに遭うんじゃないかという気持ちから、簡単なことを言えば社内留保を増やして、簡単に言えば銀行に預金をして、そして設備投資はしない、労働分配率も上げない。労働分配率というのは給与を抑えるということです。そういう状況になった企業家の心理状態というのは、これは経営として間違っているかというと間違っちゃいませんから、そういった意味で起業家が前向きにリスクをとって設備投資をしようとか、新たに研究開発をやろうとかという意欲を後ろから背中、やったらどうですと押してやる、そういった意味というのは非常に大切なのかなと思っています。これは男の子じゃないとか、あれはチキンだとかいろいろな表現をしている人がいっぱいいますけれども、要はそういった気持ちにさせる一助になればというところが一番大きなところです。

問)

軽減税率なんですけれども、今日も野田税調会長とお会いになったと思いますけれども、ここ数日軽減税率をどうするかという議論がかなり自公でやられていて、公明党は8%と言い、自民党の中でも10%でやるか、それより上でやるかというところで意見が分かれていますけれども、大臣ご自身はどの時点、軽減率導入についてご自身はどのように考えていらっしゃいますか。

答)

これは目下、議論の最中だからね。今どうのこうのと言うのは、この段階で私の方から言うのはいかがなものかと思いますが、イギリスに学生でいた時代があったんだけれども、複数の税率があって、キャビアは高級だから15だったかな。しかしイクラは12.5とかだといって、俺達が何を言っているんだ、キャビアよりイクラの方がうまいと。何を言っているんだといってわんわん俺達が言ったわけ。そうしたら本当に、やっぱりイギリス人っていうのはおもしろいね、口に入るものはほぼ一律にしたんだよね、あれ。確か15の時だったと思ったけれどもな。俺もパーセント、ちょっと正確に覚えていないけれども。だからそういう意味では何かがよくて、何が駄目だというのをつけるのは、手間暇は大変よ。というのはその時現場を見ていて、これは大変やなと思って、それを見ていた記憶があるので、その大変さだけは分かるので、今のこの段階ですべきとか、すべきじゃないとか、今この段階でコメントすることは差し控えます。

(以上)

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