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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年3月1日(金)12時08分~12時43分)

【冒頭発言】

アジア開発銀行黒田東彦総裁は、日本銀行総裁候補として提示されたことを受けて、昨日、3月18日をもってADBの総裁を辞任するとの意向が表明されております。

黒田総裁は、2005年2月に就任して以来、足掛け3期8年余の長期に渡り、長期戦略の策定や資本基盤整備などアジア開発銀行全般の改革を指揮されてきておられますが、アジア・太平洋地域の成長と貧困削減に向けて非常に卓越された指導力を発揮されたと思っています。これまでの御功績に対して心から敬意を表する次第です。また黒田総裁においては、国際社会の中でその重要性を一層増してきている日本国の金融政策の舵取りに、その類い稀なる資質を大いに発揮していただいて、引き続き、世界経済の繁栄に向けた一層の御尽力をお願いしたいものだと考えております。

日本はアジア・太平洋地域の一員として、ADBが地域にとって重要な機関であるということはよく認識をしております。創立以来、資金面・人材面で多くの貢献を行ってきたところです。歴代の総裁を日本人が務めてきております。黒田総裁の後任についても、アジア各国を含む国際社会と緊密に協力してその重責を担える最適な人物を、日本から速やかに推薦したいと考えております。

もう1つ、本日、経団連との懇談会を行っております。経団連からは、第2次安倍政権の3本の矢の取組みを高く評価する旨の御発言とともに、規制並びに制度改革、財政健全化に向けた道筋、そしてTPPへの交渉参加等についての御意見をいただきました。私からは、提案を真摯に受け止めさせていただき、引き続き経済再生に向けてしっかり取り組む旨を申し上げるとともに、業績の上がっている企業におかれては、報酬の引上げ等の取組みについて御検討いただくよう、改めてお願いをしたところです。率直な意見交換ができて、大変有意義な懇談会となっております。

【質疑応答】

問)

経団連との懇談会、賃上げに向けてのいろいろ御要望もされたということですが、デフレ脱却に向けて大臣もかねてから給与・報酬の引上げという大事な点を非常に強調されています。今日そういった投げかけをしたことについて経団連側の受け止めと、春闘も今まさにこれから交渉が始まりますが、その辺の手応えなどはどのようにお感じになられているでしょうか。

答)

本来賃上げは連合の仕事で、私の仕事じゃないように思いますけどね。選挙は民主党、陳情は自民党、そんな調子のいいことにはなりませんからね。ですけど、もう少し私らとしては今の状況というのを考えた時に基本的には前にも言いましたように4割以上の企業、日経上場企業4割以上が、今、実質無借金みたいな形になっているという状況で、内部留保が200兆とかというような大きな数字になってきているのだったら、それは本来なら設備投資か配当か労働分配に回るべきものがじっとしているという状態は普通じゃないんじゃないですかね。株主がおとなしいのか、もっと配当しろと言わない株主がおかしいのか、何が理由なのかよく分かりませんけど、じっとしていることは事実ですから、我々としては3本目の柱として出てくる中で消費が伸びてくるというのは一番最後に回ってくる。そのためにはある程度給与が上がらないとできないということになると、どこからか先鞭付けてやっていくところが出てこないと、なかなかこれまでの習慣で横にらみみたいになっていて、同じ企業はみんな同一でなんていうことをやっておられる傾向が強かったですから。そういった意味ではできるところからやっていただけるということにしていただくと、何もベースアップをそのままとは言いませんけれども、少なくとも一時金とか賞与とかいろいろな形があると思います。そういったところから出てこないとと思っていましたので申し上げて、そういった企業が出てきつつあると最初に会長が言っておられました。いろいろな企業を我々全部詳しく知っているわけではありませんけれども、その中からそういったものを検討し始めている企業はありますと言われましたので、そういったものになりつつあるんじゃないかしら。僕はそんなに向こう側の内容を詳しくは知りません。

問)

冒頭でも御発言がありましたADBの後任人事についてです。最適の人物を日本から速やかにとの方針を出されていますが、今後の選挙活動に向けての指針や具体的な人選などについてのお考えをお願いできますでしょうか。

答)

黒田さんの方の日程がよく分からないので、ADBの総裁を辞任される方が先で、日銀の総裁になれる方が後と考えるのが常識だと思いますので、総裁を辞められたということが正式にADBで分かったら直ちに後任を選定して、そこから選挙運動ということになります。

問)

昨日、金融庁で開かれた銀行との意見交換会で「ゆうちょ銀行の審査能力がないので駄目だ。」と発言されたかと思うんですが、その意味ですけれども、「4月からゆうちょ銀行としては始めたい。」と言っているその4月というのが無理なのか、それともそもそも今回の住宅ローンの申請が非常に難しいものなのか、そのあたりの認識を教えてください。

答)

基本的には4月、今、みんな「4月だ4月だ。」と言っているから、あなたたちも書いているから、その程度の情報収集能力かと思ってちょっと不思議に思ったんだけれども、今とてもそんな状況になっているとは思えませんけどね。ですから、僕は細かく知っているわけではありませんけれども、4月になるというのはとても考えられないと思いましたので。ゆうちょ銀行の融資の審査能力というのは住宅ローンまで出来るほどになっているのか等多々問題がある、として、今、チェックがずっと入っているみたいですから、今すぐは無理と思いますけどね。

問)

冒頭大臣もおっしゃっていたように黒田さん、国会に提示されて、昨日の午前11時だったと思いますけれども、そこからすると今日は初めての会見になるわけですが、この間大臣、総裁の資質について組織運営できる人、語学ができる人、また世界を飛び回れる健康を有している人というお話がありましたけれども、やはりこれは黒田さんを最初から念頭に置かれていたのか、どういった経緯で選考プロセスが進んできて、大臣はどういう人を推薦されていて、差し支えない範囲で教えていただけないかなと。

答)

ほとんど差し支えるから、これがいつから分かっていたなんて言われるとなかなか言えないところですから。結構早い段階からこの方の名前は頭の中にはありましたし、話にもしてありましたから、結構早い段階だったと思いますね。組織の運営ができない人を頭という、学者さんを頭にという御意見も非常に強い意見だったんです。それだけは駄目ですと思っていましたので、そこのところが1番の優先順位、私にとっては組織運営ができるというのが一番だと思っていましたので、それが1番。2番目がやはり今、財政の崖とかECBの方が、イタリアがまた何とかかんとかと言っているような段階で、日本の日銀というのは天下の中央銀行では冠たるものなので、これぐらいちゃんとした中央銀行はそんなにないんですし、それをここまでやってきた白川さんは、その能力はもっと高く評価されてしかるべきなんです。そういう人の後任をやっていく時に、何か思いつきでぱっと組織を、ですから自分の思いつきで、組織の中の意見を取りまとめてきちんとやるというプロセスの分かっていない人というのは、何となくフライング気味に記事を書く新聞記者もよくおられるんでしょうけれども、そういうのを組織できちんとまとまる必要のない組織と組織をきちんとまとめなければいけない日本銀行とは全く違うと思いますから、そこは組織の経験のない人は駄目だと思いました。僕はこれが優先順位の1番だったのです、正直言いますと。英語やら何やらができた方が望ましいとは思っていましたけれども、じゃあ武藤さんができないかというと武藤さんは英語できるし、そういった意味ではいろいろな人が頭の中にあったのは確かです。差し支えない範囲でそこまで。

問)

これもセンシティブな話だと思いますけれども、ADBの日本から今後、次に擁立する候補ですが、先ほどアジア各国と緊密に協力できて重責を担える方というお話がありまして、この前、財務省の中尾現財務官については候補の1人であるとおっしゃっていましたけれども、中尾さんはこのアジア各国と緊密に連携できて重責を担える人物というところに当てはまるのでしょうか。

答)

そうでしょうね。この間モスクワのG20にいましたけれども、顔は広いですよ。現職の財務官ですから当然でしょうけれども、そういったところは間違いなく顔が広い人だなと思っていましたし、僕はそんなに詳しくこの人を知っているわけではありませんから、まだここに来て2カ月ぐらいですけれども、顔で言えば間違いなくアジアから来ていた韓国銀行のキムさんとか、何やらみんなに顔が広いなというのは分かりました。

問)

アメリカですけれども、予算の強制削減がちょっと避けられないような状態になってきました。日本及び世界経済への影響も懸念されると思いますが、この影響をどうお考えかということと、議会及び政府の対応はどういう対応を望まれるかお願いします。

答)

2回目の財政の崖の話ですか。ジャック・ルーという人が正式に就任ということが議会で7対3ぐらいで通っていますから、こういった状況になったので、この人の場合は行政管理予算局の局長を2回ぐらいやっている人でもありますので、こういう人が出てくるということはアメリカの中の財政の運営とか金融の運営というのはかなり安心して見ていられるものがあるのだと、世界的に皆ジャック・ルーの名前を聞いたら多分そう思うと思いますね。アメリカの場合、大幅に歳出を切らないといけないというのが、あそこで引っかかっているところですけれども、切られる歳出の半分ぐらいが確か防衛費だと思ったな。あの内容でいくとかなり厳しいものになるので、アジアにおけるいわゆる安定とかいろいろなことを考えた時に、それがどういう形で収まるかというのは、これはアジアに軸足を移しますといつアメリカが、アジアの部分はそのままで、ほかのところを減らすのか、どのところか、やり方はいろいろ考えるでしょうから、どういう影響が出るかまでは分からないけれども、それがそのとおり実行された時にはものすごく大きな影響が出ると思いますね。

問)

補正予算が野党が多数を占める参院の方で1票差で成立しまして、これから本予算の審議も国会の方で始まるわけですけれども、その1票差で成立したということの意味というか、意義付けというか、今後の政権運営、国会運営に絡めてどのようにお感じになられていますでしょうか。

答)

3年半ぶりで参議院の本会議で案が可決されて、自民党の案が可決されたのは3年半ぶりぐらいですから、その意味では非常に大きな出来事だったと思いますね。みんな赤飯でも炊かければいけないという、お赤飯でも炊いてお祝いしたかと言いたくなるぐらい、あれは正直ぎりぎり、行って同数かなと思っていましたから、その意味では気分的にはへぇという感じがありました。2つ目は、やっぱり補正に関して震災のあった岩手とかあの辺の方々で賛成に回られた方が多いというのは、やはりこの補正はどうしても要りますという切羽詰まったものがある、したがってあの補正予算の10兆というのは決して間違った選択ではなかったという感じはしたんです。いずれにしても随分いろいろなところでいろいろな方が離党されたりする騒ぎにまで発展していますから、いろいろな意味であの補正予算の与えた影響は大きいし、あれの持っている意味が理解していただいたのだと思っていますけれども、これが直ちに本予算に関してもそういうような数字で影響するかどうか、これは別問題だと思いますね。本予算はまた全然別の話で動いてくると、私はそう思います。

問)

本日の経団連の会合に関連して、企業の利益の処分の仕方、今後のあり方として労働への分配、株主への配当、設備投資、望ましいあり方、望ましい割合とか、方針なんてないとは思うんですけれども、一般的に何か考えとかおありでしょうか。

答)

基本的にこれは企業経営者の責任ですから、企業経営者の責任にあって、じっと内部留保を抱えて、金利もつかないにじっと持っているというのはおよそ経営者としてはおかしいのではないですかと、基本的にはそう思いますよ。しかし企業側にしてみれば、またぞろ当てにならない政権の言うことを聞いても話にならないと。だからまたぞろ銀行への態度は変わって、銀行の融資やら何やらの態度も変わって、貸しはがしだ、貸し渋りだとやられた95年以降のあの嫌な思い出というのを、この人達は絶対体に染みていますから、銀行だけには頭を下げたくないと。本当にそう思っていますよ。だから絶対に借りたくない。そのためにはじっと持っていて、どのみち銀行にあっても金利がつかないのだから、どうせなら会社の中でじっと持っていた方がいいじゃないかと。金利がつかないのだから同じさと、そう開き直ってじっと持っている人の心理というのはよく分かります、私には。ただ、これが政権としては安定しますよと。この7月の参議院で勝ったら自民党は今の政策を続行しますよということが確実だということになってきたら、その時になったらインフレ期待が出てきますから。インフレ期待が出てくると、これはじっと持っていたら逆に金が目減りするわけですから、インフレというのは。その意味では何かというような方向に意識が変わっていく。その時にそれを三等分するなんていう人はいないと思いますね。だから安川電気の場合は、これまで苦労させてきた従業員に是非この際還元をしたいと安川電気の利島という人はそう言ったという話ですよ。ローソンの新浪さんの場合は、ローソンとしては20代、30代の子どもを持っている社員のところに特に優遇して何とかしたいとか、やっぱり経営者によって考え方というのはいろいろ違うので、資材が上がってくる前に早いとこ設備投資を今やろうという考えの人もいらっしゃいますし、株主の配当を今までずっと低く抑えてきたところは他社並みに1割何分にしましょうというように考える人もいらっしゃるし、どこが適切なのかはその会社の内容、そしてそれまでの歴史等々違いますから、統制経済をやっているのではないから自由にやってもらわないといけないということだと思います。ただ内部留保の比率が高過ぎるのと、僕に言わせると労働分配率がこんなにというのがある。随分昔と比べて配当、労働分配、多分他国との競争があるから人件費を上げられないとかいろいろな話はあったのだと思いますよ。ですが、思いがけず円高で、労せずしてお金が入ってこられた企業だっておありになるだろうから、その分は一時金だって何だって、賞与だっていろいろな形でやり方はあるという感じはします。

問)

規制改革についても話があったんじゃないかと思うのですけれども、経団連は当然規制緩和というのを求める立場でもあるかとは思うのですが、一方で既得権益という立場でもあり得るのかなと思うのですけれども、今後規制緩和、規制改革をやっていく上で特に大臣の方からこういうことをやってほしい、こういう態度で望んでほしいとかなどは。

答)

具体例を言ったことはありません。ただ、規制緩和というのはかれこれ何十年やっているんです、規制緩和って。僕が政調会長の時にIT化というので5万4,000本ぐらいだったかの手続をたった1本の通則法で書類を提出しなければならないのを、ITだけでもいいというように変える法律を、あの当時政調会長をしていましたから、それで挙げて、全省庁の反対を押し切って全部一発で通しましたけれども、あの時の段階では一番進むというぐらい言った。今IT化が進んでいる比率と言えば、世界の中でどうでしょう、20番以内にいるかなぐらいまで落ちてきているんじゃない。それぐらいまでITが遅れている。世界中で合理化している時には、もうほとんどIT化による合理化というのが海外においては主力を成していると思うほどペーパーレスになり、いろいろな形でみんなそれぞれ番号を持って、その番号を言えば全て保険証からレセプトからカルテまで全部一発で分かりますということをやれば、あそこで検査している人数がどっと大幅に減らせるとか、いろいろな合理化で社会保障費のコストを削減できるという方法はあるのだと思いますね。そういうのが海外の主流になってきているという現状を考える時に、やっぱり規制緩和の中でIT化というのは大きな部分になると思いますので、これは断固推すべきで、何となく農業の話ばかりみんなしますが、そこらのところよりもっと大きなところがあるような気がしますね。

問)

先日大臣は韓国の方に行かれました。その韓国で今竹島の日を前にして不買運動という形で、そういった動きが盛り上がっています。大臣はこの動きに対してどういうふうにご覧になられているのかという点と、本日、米倉会長の方は政府としてもあまりひどくなるようであれば何らかの対応をしてほしいというような話をしていました。政府として何か考えていこうというようなことはあるのか、教えてください。

答)

今すぐ財務省として、どうのこうのするとかということを考えているわけではありません。ただある程度、時々こういった状況になるのは日韓の間でよくある話ではありますから、そういった時にはこっちも感情的にすぐ対応するのではなくて、きちんとした対話を続けていかなければならないというのはこれまで長い日韓間において、戦後だけでも67年間、数々の危機を双方の政治家が大人の対応をして乗り越えてきたのだと思っています。今回も同様に一部の人達の感情論に乗っかって一緒にわっと煽っていくのではない、そういうきちんとした大人の対応が必要なのではないかなと思っています。

問)

これまでは、つい最近では竹島を含めて政治的な問題は政治で、経済の問題はある意味別だというようなことで多くの方々が認識を持っていたと思うのですが、これによって少し経済の方の関係が冷え込むとかそういったような視点というのは今のところは考えていらっしゃらないということでよろしいでしょうか。

答)

日本の場合、韓国との貿易収支は、今は赤字になりましたか。貿易収支はまだ日韓の間は黒字だと思いますよ。ですから向こうにしてみれば、買わないというのは韓国の赤字が減るということにもなりますけれども、ただ韓国の場合、日本からの耐久消費財を買っておられる比率というのは少なくて、主に資本財を買っておられますからね。工作機械等々資本財を買っておられますので、日本の商品を買わないということになった場合、工作機械を買わないイコール製品ができないことを意味しますから、それはなかなか表面で、社会面で取り上げる話と経済面で取り上げる話とはかなり違っていて、僕はその点からいくとそんな簡単に不買運動イコール、マザーマシンだ工作機械だ、全部買いませんなんて話になりますかねという感じはします。

問)

先ほど少し話に出ましたが、今日マイナンバー制度の法案が閣議決定されたと思うのですが、その受け止めをお願いします。

答)

マイナンバーをうまく活用すれば、行政コストは著しく下がりますね。納税者番号とかいろいろな考え方もあるでしょうし、カルテだって何だってかんだって、これの機密性、プライバシー等々がきちんと保護される、さらに進めばIT投票とかという話だってできるでしょうし、なりすましなんていう問題がなければ、いろいろな問題を解決できる大きな端緒にはなったと思います。ただこれを少しずつ少しずつ定着させていくためには、何となく時間がかかるのですよ。最初グリーンカードを持ってやってきた時は、30年前これと似たような法律が出た。その時は新聞なんかみんな反対した。まだ生まれる前ですか。あの時反対されてつぶされたんですよ、グリーンカードというのは。時代とともにもう当たり前になってきたのですよ、今は。だから時代とともに感性が変わってきているところがあるというのを見た上で、またさらに時代が進むと、そういうなりすましやら何やらになる確率が限りなくゼロに近付いてくるなんてことになると安心感が出てきて、じゃあという話になってくる確率が出てくる。そういった意味では今の段階でどれまで、今の段階でこれからはというようなことを少し科学技術、IT技術の進歩に合わせて考えていかなければいけないとは思いますけれども、方向として決して間違っている方向だとは思いませんね。

問)

重ねて賃上げのことで御意見を伺いたいのですけれども、大臣、ベアでなくても賞与でもということをおっしゃっているのですが、最近は非正規労働者という働き方が増えまして、そういう方々はそもそもボーナスや賞与がないというような人々で、そうするとなかなか、正社員のボーナスが出る人だけが賃金が上がって、非正規の方々は増えないとなると消費にもつながりませんしというような課題があると思うのですが、その辺どのようにお考えか。またそうすると非正規の方の時給であったりですとか最低賃金を上げるということも消費を増やすためには必要ではないかと思うのですが、どのようにお考えでしょうか。

答)

経済的には最低賃金のところというのは、必ずそこに出てくる話だとは思います。ただ、最低賃金というのを上げても、それが消費になるかという点をきっと詳しい人は言うのですよ。生活の一助にはなる、しかしそれは物を買ってくれるという余裕がない階層というか、世代というか、ところですから、そういった意味ではそこはつながってこないのではないかということを言う人は確かにいるんですよ。しかし全体像が上がってくるというのは、僕はすごく大きなことだと思いますから、その意味では最低賃金とかというものはかつてみたいに、アメリカより圧倒的に日本の方が高いとか、アジアに比べて日本は圧倒的に高いなんてことはなくなったでしょう、今。最低賃金の額、今全部のやつはつかんでいないけれども、昔は日本がやたら高い時代がありましたけれども、今はそんな最低賃金が他国に比べて圧倒的に高いなんて状態じゃないですよ、日本は。だから少し違ってきているのだと思いますから、今言ったところにも関係してくるだろうとは思います。

問)

そうすると、まだ最低賃金の審議というのは今後、夏ですとかにまた始まるのですけれども、その時にはまた働きかけなどをお考えですか。

答)

その段階で景気がどうなっているかですよ。1-3月はともかく4-6月でどう出てくるか、よく分かりませんしね。その時に4-6月でそこそこの数字が出れば10月、いわゆる消費税だという判断を10月しなくちゃいけないことになりますから、その時にはどういうものをもう1回考えないけないかという、その最低賃金なども含めていわゆる低所得者にどうするかという話が必ずそこに出ますから、その時に合わせて考えなければいけないところかもしれませんね。

問)

日銀総裁人事でもう1点だけ差し支えない範囲で、最後、黒田さんというふうな判断になる決め手というか、なぜ最後そういった、組織もできて、いろいろあるとは思うのですけれども、最後、黒田さんというのはなぜそういう決断に至ったのかというのを。

答)

これは総理が最終的にお決めになったところだと思いますけれども、総理として黒田さんというのは、この人のことを見たら、みんな国際派だと言うけれども、これはドメの極みの主税局にいたのだからね。もともと主税局の総務課長。主税局がいつからインターナショナルになったのですか。主税局なんて、ドメの極みだった主税局の総務課長までやった人が国際金融局に移って、その辺から、若い時はIMFに行っていたこともあるのだけれども、いずれにしても国際金融局に移って、国際金融局長やっていましたね、それから財務官になられたのだと思いますけれども、少なくとも今リフレーションという言葉が使われているけれども、いわゆる皆さんの言葉ではリフレ派というのははっきりしていたから、そこのところが総理の目に止まったところが一番なんじゃない。最終的なところは自分と意見の合うところという、ただ日本銀行としては2%、オープンエンド、速やかにというところも3つ決まっているから、日銀のやることはほぼ方向としては決まっているので、俺がやると言ったら問題があるだろうけれども、誰でもできるんじゃないのなんて言いたくなるぐらい、あれができたら、これだけできたらいいでしょうがと僕は思ったりするんですけれども、そんなわけにはいかないので、きちんとした形でそういった、安倍総理の今の流れを必ずその方向で動かしていってくれる人というので、ほかの条件も、組織にもいた、言葉もできるとかというので黒田さんのところに、総理として目をつけられたのだということだと思います。最終的にそこです。

(以上)

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