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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年3月5日(火)8時55分~9時07分)

【質疑応答】

問)

昨日、日銀総裁の同意人事に関して黒田さんの所信聴取が衆院で開かれました。そこでデフレ脱却に向けてやれることは何でもやると強力に金融緩和を進める考えを表明されました。その御評価と改めて黒田氏に日銀総裁として期待することを教えていただけますでしょうか。

答)

方針というのは基本的には共同声明に基づいて、黒田新総裁となられた時にはその方向で進めるということを言っておられる話なので、特にそれに対するコメントはありません。黒田さんに期待することと言ったら、この方はアジ銀の総裁として、その前は財務官をやっておられたりしておられますので、ただ国際金融だけじゃなくてこの人は大蔵省の主税局も長くて総務課長もやっていると思いますので、そういった意味ではいろいろきちんとした税とかそういったことについても詳しい方だと思っています。アジアにおいて長いことやっておられることもあって、歴代のアジ銀総裁、千野さんやらいろいろおられますけれども一番顔が広いかな、そんな気がしますけどね。そういった意味ではいい人事なのではないのかなと思っています。

問)

安倍総理が昨日、財政健全化に向けて立法化を検討するということを衆院本会議で表明されました。現時点でその内容とか法案提出の時期等について大臣どうお考えでしょうか。

答)

まだ何も決まっていません。

問)

昨日、大阪証券取引所でシステム障害が発生しました。東証とのシステム統合を控える中でのトラブルとなりますが、その受止めと今後の処分などについてはどうお考えになるんでしょうか。

答)

システム障害が起きたということについては、極めて遺憾な話であって、やっぱり合併していく時には、常にこの種の話が起きるのは、前も銀行が3つ合併した時にも似たような話がシステム障害として起きた例がありますけれども、いずれにしても顧客に迷惑をかけることになりますので、そういった意味では原因の究明と再発防止というものに関してきちんとするようにという話が重要なんだと思って、報告徴取命令を昨日出しております。よく内容を詰めさせていかないといけないところですね。こういうのは、何が理由かが問題なのであって、システムが問題なのか、誤操作なのか、何なのかよくそこのところはきちんとしないといけないところでしょうから。

問)

ADB総裁の日本からの推薦ですけれども、時期的にはいつというふうにお考えか、また人選についての現状の御報告と、あと直接財務省とは関係がないのですけれども、今オリンピックの招致に向けて来られております。大臣はオリンピックに出られた経験もありますし、五輪招致議連の会長でもいらっしゃるので、どういうふうにお考えか教えてください。

答)

まずアジ銀の総裁については、我々としてはこれまでも設立以来、人材面、資金面、日本としてはこのアジ銀というのにかなり力を入れてやってきて、現実にアジ銀の総裁というのはほとんど日本人と私は記憶しますので、ちょっと正確じゃないかもしれませんが、全部日本人だったと思いますので、今回もしかるべき人を出したいと、そういう具合に考えています。いつ頃かと言われたら、アジ銀の総裁に正式にという話になりますので、辞意表明をやって、あれは選挙がありますので、選挙の告示になることなのでしょうけれども、黒田さんの正式な辞任が決まったら即ということになるのだと思います。

オリンピックは昭和39年ですね、新幹線が通った年でしたから、あの年からだから2020年ということになると60年近くぶりぐらいになるのだと思います。ロンドンオリンピックというものを見てもそうだったと思いますけれども、ロンドンの街があれだけ、およそ感情をあまり表さないイギリス人があれくらい興奮して、やはり活力とか活気とか元気とか夢とか希望とかいろいろなものをオリンピックというものは与えると思います。今のような日本の中で、少し景気が上向いてきたかなという時に、オリンピックが2020年に日本に決まるということは、やはり日本の景気回復にもいろいろな意味で大きな影響を与えると思いますので、オリンピックが東京でということになって、東京から日本の、そしてアジアのというような形で活気が出てきて、それが結果として世界経済にもいい影響を与えるとすれば、一番良い影響としてはこれかなという感じがしますので、是非、日本でということを我々としては強く望んでいるということでしょうか。

問)

先程の大証の件で、今後、行政処分をするかどうかの考え方のところを、もうちょっと詳しく説明していただけるとありがたいんですが。

答)

これに関しては、まだ事情を聴取している最中なので、今の段階で処分がどうのこうのという段階ではありません。

問)

財政健全化立法についてお伺いしたいのですけれども、財政健全化立法というふうにイメージしますと90年代末の財革法があると思うのですが、この後小渕内閣の時にこれが停止されて、その前に消費増税があり、その後大臣はデフレ宣言をされる大臣となったわけです。そういう経緯を踏まえますと財政を縛ることによってデフレの脱却に向けた取組みができなくなったり、制約が生じたりする可能性もあると思うのですけれども、そういう歴史的なところを踏まえるとこのような立法は必要だとお考えでしょうか。

答)

両方ですよ。基本的に今回の補正予算でデフレ脱却ということをやりつつ、同時に財政の再建というのはきちんと考えていますよということで、本予算においては4年ぶりに財政的に見れば特例公債の発行を抑えた。公債の発行よりはいわゆる税収の方が多いというのが4年ぶりにきちんとそういったものはやりますということをやっておかないと。今言ったように景気回復といって扱い方を間違えると、早い話が例の3本の矢の2本目までのところで、金融の緩和と財政の出動だけで3つ目のところにつながっていかない可能性というのがあります。一番大事なのは3本目、その3つ目の矢が一番大事なところなのですが、これを今からやっていくに当たって、そこに行き着くまでの間にはやはり財政である程度バックアップしなければいけません。そこにいかないと、ずっと財政出動ということになると、それは間違いなく市場において日本の国債の値打ちとかいろいろな意味での日本の評価が問われることになるので、ここのところのさじ加減というのは最も難しいところだと思います。それを法律で縛らなければいけないほどみんなが大盤振る舞いっぽくなってくるというのは避けねばいけないところなので、これはよく言う高橋是清の時も、高橋是清は確か昭和11年に暗殺されていますから、あれは岡田啓介内閣。岡田啓介内閣の時までに田中義一があって、斎藤実もあった。その前ですからね、犬養毅。その間にデフレがインフレに直って、今度はわっとなっていた時に、インフレに対して高橋是清はインフレにはインフレ対策ですと言って、結果的には今度は財政の出動を切るわけですよ。だってデフレではないのですから。だからどんどんインフレですからということで財政の出動を切っていって、一番切られたのが陸軍の軍事費。結果として陸軍に撃たれてということになったのが2・26事件なのですけれども。そういった意味ではどの辺できちんと止めるかというのを、しかるべき対応ができていれば、別に法律を作らなくてもということになるとは思います。

(以上)

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