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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年5月14日(火)8時48分~8時58分)

【質疑応答】

問)

G7開催中に為替、円相場が100円を超えまして、そのまま円安が進んでいます。長期金利も上昇傾向にありますが、政府内では急激な円安に伴う輸入物価高対策について、甘利大臣が関係省庁で何か検討するというような発言もございます。財務省としてどのような考えでしょうか。

答)

まず、為替についてのコメントはしません。それからG7でも特にその種の、円が言われたという事実はありません。3つ目の、円が安くなれば、いいこともあればそうじゃない面もあるのは当たり前の話なんであって、円が安くなっていいという人もいれば、輸入物価が高くなって困るという人もいる、これは必ず両方ついて回るもので、避けがたいものだと思います。少なくとも輸入物価等々の中で具体的にやったのは、イカ釣り漁業の話があったと思いますが、そういった対応はきちんとやっていかなければいけないところなので、一定の対応は当然していくということだと思います。

問)

G7に関連して、財政健全化計画について改めてお尋ねしたいと思います。G7では日本について中期的な財政健全計画が必要という認識が示されたと聞いています。明日15日には13年度予算も成立する見込みです。この予算の成立を弾みに、これから政府では計画策定に入るものと思われますけれども、政府内では官房長官が計画を固定的に考えるべきではないと発言されたり、副長官が骨太の方針は大きな目標を示すと。そこから先の話は夏以降、中期財政見通しのようなことをしっかり見せるということを発言されたりしています。改めて財政健全化計画の内容や時期について、大臣の御見解をお聞かせください。

答)

G7に限らず、少なくとも国債なり国の信用ということを考えた場合は、日本の国債というものの発行総数というものが大きいことは、はっきりしています。そういった意味で、今後とも国の信用とか円の信用とかそういったものを考えるんだったら、きちんとした財政計画というのを立てなければいけないというのは当たり前の話なんであって、それに関して各国から意見が出たのも、別に日本だけ名指しでされたわけじゃないんであって、ほかの国も同様にしなければいけないという話が出たというだけの話です。それから大臣が幾つか発言をされたという話ですけれども、これは年央をメドにするということを我々は言い続けてきているのであって、それをどの程度にとらえられているか知りませんけれども、9月のサンクトペテルブルクの時にはきちんと総理大臣自らが言わなければいけないということになりますので、それまでには必ずきちんとしたものをやっていかねばならんということだと思いますね。

問)

日本郵政の社長に元東芝会長で郵政民営化委員会委員長の西室さんを充てる方向で最終調整しているようですけれども、西室さんに何を期待されるのか、大臣の御所見をお聞かせください。

答)

所管が違うので、お答えするのは差し控えておいた方がよさそうだね。総務大臣に聞いてください。

問)

長期金利の上昇についてお伺いしたいんですけれども、現政権の経済政策や金融政策を受けてデフレ脱却の期待が高まっていることに伴う、例えば景気回復を見越して安全資産の債券を売って株などのリスク資産に資金が移る動きがあるとか。そういう意味での景気回復の過程の中での長期金利の上昇と見ていらっしゃるのか。それともやや最近の動きにつきましては、例えば意図せざる形というか、予想外の形での金利上昇と見ていらっしゃるのか、その辺りどのような受け止めをされているのでしょうか。

答)

債券を売って株に買い換えている人が増えてくるという流れが一番大きいと思いますね。

問)

予算の関連で、15日に自然成立ということなんですが、その後の政策なり法案などで、特に優先的に成立後取り組みたいというようなもの、特にお考えございますでしょうか。

答)

今まで予算の執行状況やら何やらがきちんとした形でどれだけ執行されているのかによって地方に影響が出ますので、その地方における予算の執行状況がどうなっているのかというのが、一番私は関心があるんですけどね。

問)

先ほどの債券の質問にもあったと思うんですけれども、より詳しく教えていただきたいのは、大臣からも債券を売って株に買い換えた人が多いというような話がありました。実際そういう動きが出ていると思います。そういった中でそれは見通してのものなのか、それとも1年ぐらい見てみないとまだ分からないというような状況なのか、もう少しその辺りの状況をどう考えていらっしゃるのか。

答)

これは世の中がどう反応するか、マーケットがどう反応するかであって、それはこちら側がどうのこうの言う筋の話でもないし、誘導する筋の話でもない。少なくとも金利が1年間で0.7前後で動いているという状況なのであれば、少なくともある程度の資金を持って運用しようとする人だったら株式配当の方が固いとか、株式の上昇傾向が強いとかというんだったらそちらの方にお金の額がシフトしていくのは、それはお金を持って運用していく側の人にしたら当然の流れなんだと思いますけどね。ですから今そういった意味では、これはインフレ率が2%というのであったらそういう方向に行くだろうなと思えば、それで行くのはむしろ自然ですねと僕はそう思いますけれども、ただ危ないんじゃないかなと思ったら国債でとかと言われる方もいらっしゃるでしょうし。円が高くなると思えば、じっと持っていれば金利が幾らつかなくても円が高くなる分だけいいやと思う人もいるだろうし、それは実にいろいろですからマーケットの判断なのであって、これをこちらからどうのこうの言う種類の話じゃありませんね。

問)

長期金利に関して、金融機関の経営についてどういう影響があるか、債券に関してはマイナスでしょうけれども、貸出金利がもし上がればプラスかもしれません。そのあたり、どういうふうにお考えになられているでしょうか。

答)

その時、貸出金利だけを上げて、預金金利を上げないなんてことはないんだろうね。貸出金利を上げるんだったら、預金金利も上げてもらわないと、それは何となくという話になるんじゃないですかね。ですから、その意味でどういう経営になるか、それは各銀行の経営判断だとは思いますけれども、貸出金利が上がるほど資金需要が出てくればちょっとしたものです。それは、明らかに需要が、いわゆる金を借りてまで設備投資をしようとか、金を借りてまで物を買おうとかという人が増えてきているということを意味しますから。したがって、貸出金利が上がるところまでいっていますかと言えば、まだ今そこまでいっていないんじゃないんですかね。少なくとも、そういった流れはまだ出てきていないように思いますから、今の段階でまだ何とも申し上げられません。

問)

九州経済連合会、九州の経済団体の次期会長に大臣の実弟の泰さんが就任することに決まりました。九州電力以外の方が九経連、地方の経済団体でも珍しいと思うんですけれども、会長に就任されるのは初めてとお聞きしていますが所感等、今後どのようにサポートしていくようなお考えなどがあれば。

答)

一地方経済団体の会長を財務大臣が支援する、そんな非常識なことは考えないことだね。一地方団体の会長がどうのこうのですから、財務大臣としてどうのこうのなんていうことは常識的に考えられないことですね。

(以上)

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