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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年8月30日(金)10時34分~10時52分)

【質疑応答】

問)

来年度予算の概算要求ですけれども、今日、各省庁が提出してくることと思います。各省庁とも目一杯要求する構えですし、党の方もかなり例年にも増して歳出拡大の圧力が強まっているように思います。来年度予算は、この間中期財政計画を立てたこともあって、内外ともに日本が本当にどれだけ財政再建に真剣に取り組むのかという点でもいろいろと注目されているのではないかと思います。予算編成に向けました大臣の御所見を伺わせてください。

答)

明日31日までに提出ということになっていますので、今、最後の取りまとめの作業をしておられる最中というのが基本なのだと思います。いろいろ新聞等に出ていますが、総額について現段階でコメントするのは差し控えたいと思っています。いずれにしましても、この26年度予算というのは経済成長と財政再建というものの双方を達成しますということを目的として、8月8日に決めた予算の概算要求に当たっての基本的な方針に基づいて、いろいろな施策の優先順位というものについての洗い直し等メリハリのついた予算とするように努めていきたいというのが基本的な考え方です。

問)

消費税の集中点検会合について伺いたいのですけれども、これまで約40人の有識者から意見を聞いたと思います。大臣の御持論は法律どおり消費税を引き上げるということであると思いますけれども、これまでの有識者の方々の意見を聞いた中で大臣の御主張を見直したり、もしくは見直すきっかけになるような有識者の意見はあったのでしょうか。もし、それでも大臣の御意見が変わらないということであれば、これまで40人、これからあと20人意見を聞くわけですけれども、これだけ多くの人に意見を聞く意義というのを改めて伺いたいんですが。

答)

少なくとも今の段階で、皆さん方が何を言われたかということに関してコメントすることはありません。会合をこれまで5回やった中で私からの発言は第1回目の冒頭、それ以外は一切発言したことはないということにも示されているように、私の方からこれについて意見を言うことはありません。

問)

概算要求の件で、大臣は今の段階ではコメントすることはないというお話でしたけれども、国の借金が1,000兆円を超えている中で、概算要求の段階とはいえ、100兆円近い要求が出ている、こういった状況をどう思われますか。

答)

これまでの段階で、我々として3年間の間、野党という立場での時代というものを経て、少なくとも今の景気というものを考えた時に、かなりばたばたではありましたけれども、この1月から急に作った補正予算と本予算の結果を見て、結果として株価が上昇するとか、GDPがマイナスからプラスに転じるとか、幾つかの経済指標の数字が上向く結果が出せたということは事実だと思っています。したがって、経済政策としてそれを継続していくという姿勢は間違っていないのだと思っています。他方、財政ということを考えた時に、きちんとした財政再建というものをやるということをきちんとしておかないと、今、消費税を上げたらデフレ脱却が止まる方向とか、景気上昇傾向が止まるのではないかという話をよく言われる方が多いのですが、では、もし逆に消費税の引上げを実施しなかったとした場合においては、少なくとも日本は財政再建をする気はないというようにとられて、株を一斉に売り浴びせられた時のマイナスや、国債が大幅に下がるというようなことだって考えられるでしょうし、そういった情勢の中で日銀が下がり続ける国債を買い続けられるか等々を考えたときのマイナス面というのは、どなたも発言をされておられないように見えるのです、私らから見て。ですから、財政再建というものをきちんと踏まえながら行うという姿勢がないと、今の状況というものはなかなか持ちこたえられません。また、いわゆる年金運用基金で一昨年がマイナス5,000億円ぐらい、去年4月から今年3月まででプラス11兆2,000億ぐらい、この4月から始まった4-6月の分でもそれなりに出てくると思いますが、あれが多分、6月少し下がっていますのである程度のものになっていると思います。そういったようなものによって年金という部分で言いますと、年金というものは株を持っている人、持っていない人関係なく、年金の運用益によって多くの利益が生み出されているという事実は、国民1人1人が加入している年金の運用益というものは、極めて直結している話だと思います。そういった受益というものに関しても、今後ともきちんと維持されておかなければならない大事なところだと思っています。そういった意味では、今後ともこういったものとは常にバランスさせていくという努力というのは必要なのであって、その時々に応じて成長優先にならざるを得ないタイミングもあるでしょうし、財政再建にきちんと目を置いていますというところをきちんと言わなければいけない時とか、それはその時々のバランスをとりながらやっていかなければいけないところだと思いますので、この予算においても財政再建と経済成長、両方を考えるというところが我々としてハンドリングの難しいところなんだと理解をしています。

問)

今日、各種経済指標が発表されていまして、有効求人倍率が0.94倍、前の月に比べて0.02ポイント上がっていたり、消費物価指数も生鮮食品を除いたものなんですが前年同月比で0.7%上昇したり、鉱工業指数も3.2%前の月に比べて上昇したりしていますが、こうしたものが消費税の増税の判断に与える影響について大臣の御所見をお伺いできますか。

答)

失業率も下がって、3.9%が3.8%ぐらいになっていませんか。これだけは忘れない方が良いですよ。失業率が4.1%だったのが3.9%、3.8%というようになってきているというのは非常に流れとしては良い傾向なんだと私はそう思っていますけれども、いずれにしても、附則第18条の中に入ってくるいろいろな指数の中で、今あなたの言ったいろいろな指数というものは総じて景気が上昇しつつあるということを意味している数字になりますので、いろいろな意味で消費税を上げる時に当たっての判断に影響する指数だと思っています。

問)

来週5日、6日とG20のサミットが開かれると思います。大臣も行かれるのではないかと思うのですが、どんな話題が中心になるのか。また日本の関連で言うと、財政再建の話が注目されるところではないかと思います。基本的には中期財政計画を説明するという話だと思いますが、各国の理解が得られるのか、進展について大臣のお考えを伺えればと思います。

答)

G20がサンクトペテルブルクで9月5日、6日に開かれることになっていますので、これに行くことにしております。これで何が言われるか、これはこの前の時までに、各国は中期財政計画を出しますという約束をしていますので、それに併せて中期財政計画の内容を説明するというのが主な話になるのだと思います。そういった意味において、日本の政府としてはどうやっていくかということをしっかり説明する責任があるんだと思っています。

問)

シリア情勢が緊迫していますけれども、経済に与える影響をどうお考えになっていらっしゃるか、その辺の御見解を教えてください。

答)

攻撃しないとなったら石油が下がったり上がったりするでしょう。これくらい分かりやすいものはないですよ。WTI、今日幾らになりました。108ドルぐらいですか。ああいったようなものが直接影響しますので、そういった意味ではシリアの情勢というのは、今朝も関係閣僚会議というのが開かれていますけれども、これに対しての情勢分析というのは、昨日の夜のBBCを見ていましたら、英国下院で直接介入は否決ということが午前何時かで決まっていましたが、あれを見ても分かりますように、シリアの情勢というものがさらに混沌とするとエジプトの問題やら何やら、スエズ運河やら何やらいろいろ紛争が拡大していきます。シリアの内戦に限らず、あそこから国外に亡命する人がトルコに行ったり、ヨルダンに行ったりいろいろしますので、そういった意味からあの辺の地域の情勢が不安定化するということは、エジプトの今の情勢に拍車がかかることにもなりかねません。そういう情勢は間違いなくスエズ運河の管轄しているエジプトやら何やらに行きますと、あそこの通行が今までどおりスムーズにいくかいかないかが関係してきますので、それは日本の石油タンカーがあそこを2,000隻ぐらい通るのでしたか、そういった意味では、あの辺の問題というのは非常に大きな影響を受けます。それは石油に限りませんよ、貿易というものはいっぱいありますから、そういったものにも影響しますし、ほかのスエズを通らないこちら側の、中近東の東側の方のところの地域情勢にも影響しますでしょうし、あの辺の地域の海賊の話も皆関係してきますので、あの辺の国際情勢が混沌としてくるということは、それは間違いなく世界的にはいろいろな影響があります。クルド人も随分な数の人が亡命、脱出せざるを得ない状況になっているみたいですから、クルドの話も含めて結構大変だと思います。これはロシアにとっても、シリアは友好関係にあり、その政府がひっくり返るような形は望まない等々、いろいろな国際情勢に関連していますから、今の情勢というのは、英仏米はもちろんですけれどもロシアにとってもこれはすごく大きな話ですから、安保理は全会一致で決定というような形になるかといえば、ボスニア・ヘルツェゴビナみたいな話になかなかなりにくいとか、財務省にいるので情報の絶対量が不足していると思いますけれども、いろいろなことを考えないと日本の経済に与える影響というので言えば、直接見えるのは石油ですけれども、その他にも随分影響が出てくるんじゃないかなという感じはします。

(以上)

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