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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年9月13日(金)11時12分~11時42分)

【質疑応答】

問)

先日、総理から指示のあった経済政策パッケージについて、消費税率の3%分の2%分に相当する5兆円規模になるのではないかという報道が出ておりますけれども、月末に取りまとめを指示されている対策のパッケージの全体の規模感について、現時点での大臣のお考えをお聞かせください。

答)

これは間違えてもらうと困るのですが、閣僚懇談会等で話が出ていますけれども、成長戦略を含めた力強い経済政策を、経済政策のパッケージとして私と甘利大臣とでまとめるよう、総理から御指示があった、その話の内容のことだと思います。これはいわゆる補正予算を伴う経済対策を今月末に取りまとめなさいという話ではありません。ここは今の話を聞いていると、少しそういうように勘違いされておられるのかもしれませんけれども、そこのところは違うのであって、消費税率を仮に法律どおり、予定どおり来年4月に引き上げるという場合には、十分な経済対策をしておきませんと来年の4-6月に成長がダウンするというのは通常起こり得る現象ですから、そういう意味ではその対策を考えておかなければいけないというので、その上落ちた後にまた元に戻っていくために十分な環境を整えるためには、それなりの規模が要るというように考えていますけれども、現時点でそれが幾らとかというような話の段階ではありません。

問)

その関連で経済対策を盛り込んだ補正予算が年明け冒頭にも出されることがあるかと思うのですが、そこにおいて国債の追加発行というものはお考えになられておりますでしょうか。

答)

今年末にかけていわゆる補正を組み、それに合わせて税制改正等々いろいろなことを決めて、そういったものをやって、1月の通常国会冒頭に補正予算を出すというような形になっていくのが、来年4-6月の対策、その後の7-9月の対策としては大事なところだと思っていますけれども、そこの段階でどれくらいの規模になるのかにもよりますけれども、国債をどれくらい発行するかというより前に、どれくらい補正予算で組むかというのとそれは非常に密接に関係していますので、今の段階で国債を出す出さないと言う段階にはまずありません。しかし、基本的には国債を出さないで収める方向で行くことを検討してしかるべきだと思っています。

問)

先週公表された新しい年度の金融モニタリング方針で、主に大手の金融機関の検査手法を変えるという内容が盛りこまれましたけれども、このタイミングで検査手法を変える狙いと検査を通じて金融機関に期待する役割についてどのようにお考えでしょうか。

答)

金融機関の中において、財務の健全性とか、コンプライアンスという言葉が、今流行っていますけれども、法令遵守という意味だと思いますが、法令遵守等についてはこれまで監督や検査を通じて、総じて整備が整ったと思っております。したがって、今の世界の金融情勢を見ると、急激に変化が起きて、今G7とかでよくやっていますけれども、G20でもやっていますが、いわゆる金融システムが吹っ飛んでしまうという、1行、2行の話じゃなくて、金融のシステム自体が吹っ飛んで、いきなりオーバーナイトコールが今0.07%とか0.06%とかそんなものだと思いますけれども、それが一挙に何%になりましたみたいな話になって、全くインターバンキングの話ができなくなってしまうというような事態になったわけですよ。この間、中国もなったし、ヨーロッパもなったし、そういったようなことが起きたりすると、めちゃめちゃなことになりますので、そういった情勢に的確に対応できるようにするということです。もう1つはデフレから脱却していくためには、やはり金融面からの取組み、サポートというのが大きな課題なので、これからはデフレじゃありませんよ、2%のインフレターゲットというものを見てやっていくわけですから、こういったものが主要な課題になっていくんですよと。こういった問題に的確に対応していくというためには、少なくとも今までのようなモニタリングと称する実態把握とか、検査とかいろいろやっていて、「金融処分庁」とかというようなありがたくない名前も頂戴していたわけですから、そういったものを抜本的に見直して、いわゆる「金融育成庁」というような意味で、少なくとも内容を、少し基本方針の内容というものをそういった方向で考えていかないといけないのではないかということで、私共としてはああいった基本方針を発表させていただいたというのが経緯です。

問)

安倍総理が副総理と甘利大臣に指示したパッケージの作成の中身が満足いく内容と言いますか、それによって必ず経済成長が続けられるのだという確信を持てれば、総理は消費税を3%引き上げるのではないかと私は解釈したのですけれども、その条件とは何なのか、要するに、法人実効税率の引下げというものも総理が決断する満足いくパッケージという基準に含まれているのかどうかについてお聞かせください。また、甘利大臣が先週2日に講演で、財務省は来年4-6月の穴埋めに2兆円しかお金を使う気がないと、けちけちしていてけしからんみたいな発言をされたのですが、大臣はこの発言についてどう思われるか教えてください。

答)

まず総理の話は、いろいろなあなたの憶測を含めてしゃべっておられるのだと思いますけれども、少なくとも消費税を4月に上げた場合は、4月~6月の約3カ月間は経済成長が落ちるというのは、世界中どの国でもほぼ似たようなもので、その額が大きく落ちるか、小さく落ちるかの違いが1つ。その後の7-9月で、もしくは10-12月でどれくらいその落込みが戻っていくかというところが2つ目なのだと思いますけれども、総理が心配しておられるのは間違いなく4-6月の後の7-9月、10-12月でその落込みがどれくらい落ち込んで、どれくらい戻せるのか、いつ戻せるのか、それはデフレをさらに助長するのではないか、また景気回復を腰折れさせるのではないかというのが、総理が一番基本的に心配しておられるところなのであって、これは私共も同じであって、アベノミクスを最初に企画した時からこの点は一番問題だと思っていましたから、それは皆同じ問題意識なのだと思います。その上でどれくらい落ちるかといえば、民間41社の総平均でマイナス1.8兆円という数字が民間の予測で出されているのですが、仮に1.8兆円とすると、そのいわゆる穴埋めをするための2兆円というのをしっかり出す気がないというように甘利大臣はそう思っておられるのだと思います。基本的には埋めただけだと、ある程度戻ったとしても、ずっとまた横に行く、ずっとこれから7-9月、落ちずに行った場合のラインと4-6月で落ちた分との戻りでは差が出ますから、その差額を埋める、底上げするとかいろいろな表現がありますけれども、その分をきちんと出してもらわないとうまく埋まらないのではないかということを言っておられるのだと思うのですが。直接聞いたわけではありませんけれどもそうだと思います、言っておられる意味は。ですからその意味では財務省としてもそこのところは十分に考えているのであって、我々としてもそこの単なる穴埋めをするだけではなくて、底上げしていかないと7-9月、10-12月で元に戻っていかない、3月までのラインに戻っていかないということを考えて対応していかなければいけないと思っております。

問)

法人実効税率の引下げというのは、総理が考える満足いくパッケージの条件なのかどうかというところについても、御見解をお聞かせください。

答)

法人実効税率については前々から話をしていると思いますけれども、まず企業の7割が法人税を払っていない欠損法人ということになっていますから、効果は極めて限られていると思います。国際競争にさらされているからどうのこうのという話をよく言われる方もいらっしゃるのですけれども、国際競争によって法人税がというような話の企業というのは全企業の4分の1くらいでしょう。だからそういった意味では、我々としてはそういったものはあまり、それだけのために他のものも全部というのはいかがなものかというのが2点目です。3点目は、法人税を1%仮に下げると約4,000億円の財源が要るのだと思いますので、4,000億円のお金と言えば結構大きいですよ。したがって、4,000億円を何で埋めるかというところが一番問題なのであって、この間のG8のロックアーンの時もそうだったそうですけれども、この間のG20でも同様にこの種のいわゆる法人税の負担のあり方の議論というのは、いろいろ今なされている真っ最中なので、私共の考えているのは基本的に法人税というのではなくて、例えば投資減税とか償却というものを、償却は物によって4年だったり8年だったり10年と、いろいろ物によって違うのですけれども、国によっても違いますので、国際の平均並みにしてくださいというような希望、それの方がよほど即効性があります。また設備を新しくする場合は、いわゆる中小で設備投資をする資金に関しては、例えば補助金を出します。政府の補助金が出るということは、金融機関の中小企業金融の面からいくと、そういったものがあるといわゆる資金を貸し付けやすくなります。そういったようなことの方がよほど経済というものを刺激し、かつ経済成長に資するのではないかと思いますので、償却というのは定率とか定額とかいろいろありますけれども、そういったものの償却のやり方を変える、一括償却とかいろいろ表現がありますけれども、そういったものに変えた方がよほど現実的なのではないかというのが私らから見た今の考え方です。したがって、法人税に特にこだわっておられるというような感じを持っているわけではありません。

問)

間もなくリーマン・ショックから5年が経ちます。株価をはじめ日本でもようやくリーマン・ショックの時の経済指標を上回るようなものが出始めていますけれども、この5年間で経済はどんなふうに、同じものに戻ったと言えるのか、その中身の変化についてどういうふうにお考えになるかということと、あわせてリーマン・ショックも踏まえた今後の教訓と言いますか、課題、残されたところというのはどういうところが大きいとお考えになるか教えてください。

答)

リーマン・ブラザーズというのは、明らかに金融のシステムというものが破綻した。しかも、それはサブプライムローンという怪しげな商品と今なら言えると思うけれども、怪しげな商品に引っかかった金融機関が大量に出ました。したがって、国の財政としては極めて健全だったアイスランドみたいな国ですら、アイスランドの全銀行がこのサブプライムローンという商品に引っかかって破綻した結果、金融機関は機能停止。したがって、普通の生活に影響が出るという事態に陥って銀行は閉鎖、したがって窓口も閉鎖ということになって、一般市民の生活に影響が出るということで、アイスランドにある市中銀行は全て国営化しました。国営化した結果、それまで極めて財政は健全だったアイスランドは財政破綻しました。私に言わせれば、市中銀行の不始末によって、それまでまともな財政運用をやっていたアイスランドの国家財政が破綻するというような事態になったというのが、少なくともあの時得た教訓として記憶しておかねばならない一番大きなこと。それでは日本はどうだったかといえば、日本はそんなのに引っかかる人はあまり多くなくて、「蜂に刺されたみたいなものだ。」と言われた方もおられましたけれども、少なくとも日本ではこれによって銀行破綻が急に起きるということはなかった。どうして日本だけ引っかからなかったんだと。たぶん私は英語ができなかったからだと思っているんだけど、あの種の話が分からなかった、多分ね、銀行の偉い人は。何となく分からないから買わなかった。結果的に助かった。ものすごくおちゃらけて言うつもりもないけど、事実だと思っているよ。だけど、結果論であって助かった。したがって、日本は世界中の金融機関が止まった結果どうなったかといえば、日本は、このままにしておくと1997年のアジア通貨危機の二の舞になると。あの時はタイ、韓国、インドネシアがいずれも財政破綻みたいな状況に陥りました。IMFが救済に乗り出したけれどもなかなかうまくいかず、最終的なところは日本が多くの支援を出したという事態になって、大きな騒ぎになりました。あの事態がまた起きるということはいかがなものかというので、日本はあの時IMFに対して、1,000億ドル、当時108円でしたから約10兆8,000億円の資金をローンした。それで、IMFには実際に資金を貸してくださいという人が殺到する予定だったんですけれども、IMFが資金を貸すことになった相手は、ほとんど東ヨーロッパの新興国、小国だったというのが現実ですけれども、いずれにしても、こういったサブプライムローンですとか、またリーマン・ブラザーズですとか、そういったものの行動でも扱う金額量が極めて大きなものになっていて、ファンドやら何やらがそれに入っているものですから、巨大な額になっているために金融システムが国際的に大きな打撃を受けるということが起きないようにするというシステムを、今後、少なくとも金融の面でいろいろ力があるG7等々は、この問題を考えなければいけないというので考え始めて、かれこれ3~4年経つんですけれども、今それが完璧にでき上がっているかといえば、そこまではいっていないと思いますね。まだその研究途上なのであって、少しずつではありますけれどもいろいろなものが、規制がかかってみたり、いろいろなものをしていますけれども、これによってこの種のことが二度と起きないという保証はないという意味においては、5年経った今でもまだまだいろいろな問題を抱えているというように私自身にはそう見えます。

問)

法人税の関連で復興特別法人税の前倒しの終了というのは今後検討され得るのかという点と、リーマンショックの関係なんですが、アメリカでは昨日に財政収支が発表されたんですけれども、景気回復の努力と同時に財政再建、赤字削減というのをものすごい勢いでアメリカは進めていまして、日本の場合というのは財政再建はアメリカのようにはいかなくて、もっともっと時間がかかるというふうに見通されておりますでしょうか。

答)

今の時代というのを見てみると、少なくともまず復興財源の話からいくと、復興法人税の前倒しでの終了というお話は一部の方から出ているというのは知っています。しかし、消費税を上げて企業の法人税を下げるという話が世間で通る話ですかね。私はそこのところは、マスコミから最もたたきやすい良いネタを提供するみたいな話なのではないのかなと。一般的に消費税を上げておいて復興財源の分で法人税だけ下げてしまうというのは、少し私のセンスではないなという感じがします。それが1点。ほかのやり方はいろいろあるのだと思いますけれども。

それからアメリカの財政再建というものの話が出ましたけれども、G20の財務を担当している人達の話の流れを見ますと、G20が今年2月、モスクワであった時の1回目は、みんな通貨戦争になると言っていました。ところが、なりませんでした。通貨戦争になるとマスコミは大いに興味半分で煽ったのですけれども、実際はなりませんでした。次に財政出動に関して、いずれも狙いとされているのは日本ですから。通貨戦争の時も、その次のワシントンの時も、今回は財政再建の話だということを、わんわん言われることになっていました。しかし、日本から説明したのは、私たちはデフレ不況というものをかれこれ20年、そのデフレ不況からの脱却をやろうとしたけれども、いずれも政策は失敗した。日銀も間違えた。財務省も間違えた。みんな間違えた。なぜならデフレーションによる不況というのを、我々は過去60年間やったことがないから。それが理由だと。したがって、我々はその対策に失敗して、それに懲りて、我々は今デフレーションによる不況からの脱却のために我々はこういう政策を打ち出しました、日銀による金融の緩和、また財務省による機動的な財政出動、そして経済成長、この3つでやります、その3つでやる政策を発表し、それに基づいてやってきた結果、副次的に起きた話として通貨が安くなりました。75円から90円になりましたという話をしているのであって、我々は少なくとも通貨を切り下げるというのが主目的ではないですと。したがって、我々は、リーマンショックの時は108円でしたけれども、あの時は貿易収支は大きく黒字でした。今は貿易収支は赤字です。したがって、我々としてこの種のことは今起きたとして何らやましいことはありません。貿易収支は赤字なんですからということを言って、それ以後この話が出たことはありません。

2つ目としては、財政出動に関してもいろいろ言われましたけれども、これは景気対策なのですと、我々は。景気対策をやると同時に、我々としては与野党合意で消費税という間接税を引き上げることにしていますと。したがって、財政出動は行いますけれども、同時に財政を健全化するための政策も与野党合意でできているのですと。皆さん方の国では、与野党が上院・下院でねじれているためにそれが実行できない国もありますけれども、うちは民主主義が成熟しているのですと。したがって、きちんと与野党合意の上でこれがなされているということを言って、これ以後財政に関して質問されたことはありません。今回は紙を見たら分かりますけれども、あのG20の中を見ていると、いずれも緊縮財政を行って経済の成長が止まっているというのはいかがなものでしょうかと。したがって、経済成長というものをある程度考えなければいけないということがG20でうたわれています。我々は少なくとも経済成長というものと財政再建、そういったものは両立できるという前提でこれまでやってきました、今後もやっていきますと。それが今の流れなのであって、G20のこの3回の流れというのをもう1回読み直してみると、そこの流れが見えてくると思いますけれども、今の経済状況は皆経験がない状況に突入していますから、これまでの経験則で割り出せないような状況というのが幾つも起きていますので、私共としてはそれに対してどう対応するかというのは、これはみんな暗中模索みたいなところが多くあるのですけれども、そういった中を手探りでいろいろ各国みんな努力しておられるというようにあるんだと、私はそう思いますね。この流れでいこうというのは一国だけで決められる状況でもないですし、今は。そういったところにあって、デフレーションで悩んでいる、目下ね、長いこと悩んでいるのは日本だけですけれども、ほかの国とは少し状況が違いますので一律に言えることはないと思いますが、日本の置かれている状況から言えばそうなったという説明をきちんとした結果が、今言われている最近の流れなんだと、私はそう理解しています。

(以上)

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