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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年10月8日(火)10時41分~11時00分)

【質疑応答】

問)

来年4月の消費税率引上げと経済対策パッケージが1日に決まりましたが、G20では大臣はどのように各国に理解を得るために御説明されるおつもりか考えをお聞かせください。

答)

昨年の国会で決まった法律について予定どおり10月1日に閣議決定をし、来年4月から予定どおりに消費税率を引き上げるということを安倍総理大臣が正式に決めておられますので、この方向で私共は経済の活性化と財政再建の双方を目指していくという方向を確実にやっていく1つの手段を得られたと思っています、そこが基本です。

問)

アメリカの財政問題について、4日の会見では大臣はあくまでも国内問題だという御認識だったと思うのですが、10月に入ってから日本の市場では円高・株安の傾向が続いていると思います。そういう意味では、市場にも少し影響が出ていると思うのですが、現時点でも大臣は国内問題だという認識はお変わりないでしょうか。

答)

政府機関の一部閉鎖等々の話に関しては、これは基本的には国内問題ということがはっきりしていると思いますけれども、10月17日になると債務上限問題というのが出てきまして、これは予算関係が出てきますので、こういうのが非常に切迫してくると、これは金融市場というものを通じて国際経済なり世界経済全体にいろいろな影響を与えるということになりかねないと思います。日本として、世界中そう思っているでしょうけれども、遅滞なく問題を解決されるということを期待したいというところだと思います。

問)

消費税の10%への引上げの判断の時期について、今日、来年末に判断するのではないかという記事が出ておりましたけれども、時期についてはその頃という御認識を大臣もお持ちなのか、あるいは違うのか、大臣はどのような御認識でいらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。

答)

2%の引上げは、基本的には1年半後と法律に書いてありますので、それに合わせて1年半あるわけです。今年は10月1日でしたけれども、それから半年ずれて4月1日でも良いのではないかということをよく言っている方がマスコミにもいますけれども、予算のことを忘れていらっしゃるのではないですかね。予算編成ということを皆さん忘れてしまっていらっしゃる、予算編成のことを考えたらそのような答えになるのではないですかね。

問)

2015年10月に消費税率を引き上げることが法律で決まっていて、その半年前となると4月ぐらいだということを、菅官房長官等がおっしゃっていたかと思うのですけれども、予算編成を踏まえれば2015年度予算編成の前に消費税の判断がなければならないというのが大臣の御認識であると、そういう理解でよろしいのでしょうか。

答)

予算編成を考えましたら12月末までには考えておかないといけません。その年の後半の税収があと2%上がるのか上がらないのか、それによって差額が出ますので、歳入の額が違ってくると思いますから、12月ぐらいまでにはやっておかないと予算編成の仕方が難しいことになると思います。これは極めて事務的な話ですけれども、そういうことになると思います。

問)

アメリカの債務上限の引上げの問題ですが、遅滞なく解決してほしいということだと思うのですけれども、この問題に関してアメリカの政府と協議等をされておられるのかということと、もし協議等をされているのであればどのような説明があったのかということを教えていただけないでしょうか。

答)

アメリカ側から説明があったのかと言えばありません。ただ、今週にG20やIMFの総会に行ったりすることになりますので、その段階で財務長官等と話をする機会が出てくるのだとは思いますけれども、それまでに片づいているかもしれませんし、アメリカ側の話を直接によく聞いてどういう状況になっているのかということだと思います。財務長官の話より、これは議会の話でしょう、基本的には。マスコミは、よく財務省がとか書いてありますけれども、議会の中の争い、共和党と民主党の争いですから。下院の共和党、上院の民主党というところで話が込み入っているわけですから、長官クラスに聞いたって分かる話ではないのかもしれません。下院のペロシ氏辺りの方がよく知っているのだと思いますが、これについてはよく分かりません。

問)

消費税の10%引上げの必然性について、大臣はどのようにお考えなのかお伺いさせてください。

答)

10%に限りませんけれども、少なくともこの消費税というものの引上げが必要だというのに至った一番大きな背景は、毎年約1兆円伸びている社会保障関連の歳出が今後とも続くとするのであれば、日本としてはとてもではないですけれども、いわゆる年金の2分の1負担ですとか、そういったものを全部借金で今やっている形になっていますので、これはきちんとした形で、みんなで分担し合うというところからスタートしなければいけません。いわゆる社会福祉関係の伸び、その元はおそらく少子高齢化ということになるのでしょうけれども、そういったものを考えると、今の状況としてこのまま行くのであれば、10%というのは毎年1兆円伸びているのだったらそれだけですぐ終わりますよ。ですから、そういった意味では歳出の方ももう一度考え直さなければいけないでしょうし、社会保障関係の受益者負担というものをもっと求めるとか、いろいろな形のものを考えなければいけないということが出てくるのだと思います。いずれにしても当面10%ということを決められた背景というのは、社会保障関係の歳出の急激な伸び、今後の伸びというものが一番大きな圧力になったのだと、私はそう理解しています。

問)

再来年10月に10%と考えた場合、確かに予算編成のことから勘案しますと、先ほど事務的にと仰いましたけれども、やはり来年末には最終決断する必要があるというお考えということでよろしいのでしょうか。

答)

予算編成のことを考えましたら、そういうことがないとなかなか簡単に4月ですと言われても、予算編成は12月末には終わりますから。その意味ではなかなか4月に決められても、そこから予算を別に作るというわけにもいかないでしょうから、基本的に、事務的なことを言わせていただければ、12月までには決めておいていただかないと予算の編成が極めて複雑なものになる、難しいものになると思います。

問)

一方で今回も総理はぎりぎりまで経済情勢を見極めたいという姿勢を貫かれ、今度の10%は8%に引き上げた後、かなり時間も短いだけに経済情勢の見極め、それから政治的にも統一地方選を前にして、その前の年末に判断するというのは非常に政治的にもハードルが高いのではないかと思えるのですけれども、そこら辺はいかがでしょうか、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

それは去年決めた人に聞かないと。私に聞くのではなくて、去年決めた人がそれを知った上でやっておられるわけでしょうから。3党合意で決めておられるわけですから、それは。そういった意味では、統一地方選があるというのは、4年に一回あるので、衆議院と違ってきちんとあるのが分かった上でやっておられるわけでしょうから、それでどうでしょうかと言われても、それは私の方としては答えようがないですね。総裁選もありますよ。ですから、そういった意味ではいろいろな問題があることは、はっきりしているのではないですか。

問)

今日、5年ぶりに物価連動債が再発行されましたけれども、この再発行の意義と、元本保証が付いていますがこの意味を教えてください。

答)

これは基本的に今までデフレだったこともあり、物価連動債といっても物価が基本的に下がっていっているわけで、そういった意味ではデフレの後では少なくとも、発行が予定されているのが6,000億円で、10月に発行予定をしているところです。過去に発行していた物価連動債と異なり、元本を保証としているというところが、幅の広い投資家からの需要が出てくるであろうということを期待しているという、その背景なのだと思います。いずれにしましても、そういったいろいろな形で国債というものを売っていくに当たって、いろいろなことを考えて、10年の国債が基本ですけれども、今いろいろな話が出てきていますので、商品としてのいろいろなバリエーションを作るということで理解してもらえば、それで良いのではないですかね。今までは、発行したくても物価が下がっている状況では、なかなかということだったのだと記憶しています。

問)

自民党のTPP対策委員会の西川議員が、食品などの関税を撤廃した際の影響を各省庁から聞く方針を示されているのですが、財務省が所管されている塩、お酒の関税を撤廃した場合に生産者やその税収に与える影響について、現時点で大臣はどのようにお考えなのかをお聞かせいただけますでしょうか。

答)

詳しく情報を知っているわけではありませんが、こういったマルチの交渉をやっていく場合、いろいろな意味で譲る範囲、譲れない範囲、いろいろあります。少なくともコメは1俵たりとも、1粒たりとも入れないとか言っていて、ミニマム・アクセスが適用されるようなことになったわけでしょう、前回は。少なくともあの話でこういうことになりはしませんかという指摘は、随分前からされていたではないですか。開けてみたらそのとおりになった。結果的にミニマム・アクセスとかという訳の分からない話になって、そういった意味では、もしこういった場合になった時ということで、最低限こうなる場合など、いろいろなことを考えておいて、重要5品目の中でも586項目あるその中のこれはどうしてもですとか何とかというのは、きちんと用意をする、最悪のことを考えてきちんと各項目ごとに全部用意をしておくというのは、この種の交渉、バイの交渉ではないですからね、マルチの交渉をやっていく場合においては、当然のことなのだと思います。何も今さら言う話ではないのではないかなと思いましたけれども、私共としては、西川先生はそういったことを考えておかなければいけないということを思っておられるのだと思いますので、交渉のやり方として最悪のことを考えて、きちんと詰めていくというのは大事なことなのだと思います。直ちにそれが全部オープンにされるわけでもありませんし、そういった意味ではきちんと、同じ乳製品の中でもチーズとかバターとかいろいろ細かく、全部違いますから、あれは。それをきちんと詰めておかれるというのは、大事なことだと思いました。

問)

アメリカの債務上限問題ですが、大臣は基本的には17日までにアメリカはきちんとその問題について合意してくれるだろうというふうに、日本としては考えているということで良いのでしょうか。また、それと日本として、もしその時までにきちんと解決されなかったらといった、そういう対応というのを考える必要があるのでしょうかということについて、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

今言われたTPPの話と似たような話ではありますけれども、速やかに解決してくれると期待はしています、もちろん。アメリカ自身も払えないとなりますと財政破綻のような形で、いきなりランクがAAAからいきなり大きく落ちたりするような事態というのは避けませんと、アメリカの財政状況としても非常に危機的なことになりかねないという意識はおありでしょうから、きっとなさるのだとは思います。しかし、同時にもしそうなった場合は日本の持っているアメリカ国債等々が値下がりするとかいろいろなことを考えておかないといけないのであって、日本の外貨の中に占めているアメリカの国債の比率がありますから、その国債の比率の額が我々としては対外純債権国ではありますけれども、その債権の絶対額が減ることは考えておかないといけません。こちら側としても、最低限、もし債務不履行となった時はどれぐらいというのは一応頭に入れておかないといけません、大事なところだと思います。アメリカ国債を持っている国は皆同じことになると思いますけれども、日本とか中国とかドルで持っている額が大きいところは、考えておかないといけないところだと思います。

(以上)

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