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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成25年10月15日(火)9時39分~9時57分)

【質疑応答】

問)

先週のG20において、大臣は、来年の4月の消費税率引上げ等について御説明されて、理解が得られたと仰っていたと思うのですが、それを踏まえて今後の中長期的な経済財政運営であったり、補正予算編成や来年度予算編成については、どのようにお考えなのかお聞かせください。

答)

G20に関しては、消費税率を来年4月に5%から8%へ3%引き上げるということを法律どおり実行しますと、この前のサミットにもその話をしてあります。いろいろな国からの質問に対して、いわゆる財政出動することによって財政規律がどうのこうのという話がありましたから、あなた方の国とは違いますと。あなた方の国では上下両院がねじれているので、そういうことはできない話だと言いますけれども、日本では民主主義が成熟していますから、与野党でこの問題に関しては合意をして、来年の4月からそれを実施することで決まっていますと。したがって、財政規律がどうのこうのと言われるような状況にはないという話をして、それ以後この種の質問はなかったと記憶しております。前回のG20の時に言った話で、今回のG20では財政再建と経済成長は両立するという話に、10カ月言ってきたことと同じ結論になったのだと思っています。経済成長率が落ち込むのではないかという質問もあり、そういった意味では消費増税で落ち込むのが約1.8兆円から2兆円という数字がありますけれども、それを上回る約5兆円の規模に達する対策をやりますと、持続的な経済成長を目指していきますということを説明しました。このことに関しては、声明の中にもその種のことはきちんと書き込まれたと思っていますので、理解は得られたということだと理解しています。

問)

G20でも話題になりましたアメリカの財政問題について、G20の声明でもアメリカに対して個別に緊急の行動をとるように求められていたと思うのですが、その後、週末明けにアメリカの方で少し事態の打開に向けた動きも出てきているようです。G20でのコミュニケの内容であったり、あるいは大臣もルー財務長官とバイ会談をされていたと思うのですが、そういった一連の各国の行動であったり国際社会の働きかけが、かなり今回の問題の解決に向けた動きを後押ししているとお考えでしょうか。

答)

これはアメリカの政府の話ではなくて議会の話です。議会の中の五十数人という形になっていますから、そういった意味でいくと議会に対してG20の声明の中に書いてあります文章を、アメリカ政府として議会対策に使ってという可能性はあるかもしれません。そういう意味では、あの共同声明がどういう効果を発揮するのかはよく分かりませんけれども、いずれにしても17日のいわゆる債務上限問題という話は、シャットダウンの話よりは与える影響が大きいと思いますので、G20としても抱えている債券等々いろいろあると思いますから、その意味では各国、意外とこの問題に関しては関心が高かったのだと思います。

問)

みずほ銀行の問題について、G20出発前に、みずほ銀行の説明が検査の時と違っていたことが遺憾だというふうに御意見を表明されていたと思いますが、一方で、金融庁の検査で、みずほ銀行の虚偽の説明を見抜けなかったという側面もあると思うのですが、検査の態勢について問題はなかったか、御認識をお聞かせください。

答)

個別金融機関にかかる検査に関して、金融機関との具体的なやりとりや何かについてコメントすることはありません。この件に関しては、今、銀行法第24条に基づいて報告徴求命令を実施している最中だと思いますので、その報告を踏まえて、今後の対応について検討していきたいと思っておりますので、これ以上のコメントはありません。

問)

アメリカの債務問題についてですが、もしも債務上限引上げができずに債務不履行になってしまった場合、日本経済にどういった影響があるのかお伺いさせてください。また、G20の後に、大臣もそうなった場合の心構えをしないといけないというふうに仰っていましたけれども、具体的にどういった心構えができるのか、対応ができるのかについてお伺いさせてください。

答)

それを真剣に聞きたいのでしたら記者会見では足りなくて、文書か何かにしてもたくさんになりますよ、ありとあらゆることが。こういう問題がありますというのを列挙したら、大変な数になると思いますから、それは記者会見でうかつに言うことはできません。ただ、この債務上限問題は、早い話が下手をしましたらアメリカの債券がデフォルトするという話ですから、AAAがついているようなものがデフォルトする影響というのは、最悪の場合それによって債務不履行ということですから、大変なことになります。

問)

大変なことが起きかねないということですけれども、その大変なことが起きかねないことへの日本政府としての備えというのは、今どのようにお考えでしょうか。

答)

日本政府の場合は、抱えている債券の額が大きいですし、日本の各銀行もアメリカの国債を持っている量というのは大きいと思いますので、その意味では日本の財政を考えた時に、持っている債券の価値が下がるわけですが、その債券が下がるということによって直ちにそれによってどうのこうのというわけではありませんよ。別に日本が現金に困っているわけではありませんし、そういった意味で支払い現金がないというわけではありませんから、いわゆるこちらが資金繰り上どうのこうのと問題が起きるというような話ではないのであって、日本としては持っている日本の資産というものが影響を受けますので、経済成長をずっと今昇りつつあるところに与える影響が大きいかなという感じはします。

問)

実際にG20に出られまして、ルー財務長官とか現地でいろいろな当事者とお会いして、現状どれだけ切迫しているとの受け止めなのかお伺いさせてください。また、14日もアメリカの方では上院の方で与野党の幹部が協議し、事態打開に向けて動き出しているんですけれども、最新の状況でどのようにこの問題が推移すると見ていらっしゃるのかお伺いさせてください。

答)

議会の話であって、ティーパーティーの中の話としてこの話というのが取り上げられて、それをウルトラコンサバティブですとか、いろいろな表現をしていますので、そういう表現の報道が多いように思います。少なくとも、当選したばかりで、国際金融ということに関する状況というものの理解をきちんとしておかないと、アメリカの中だけで話をしてこの問題は民主党がオバマケアをやめれば片がつくみたいな話にしているので、それはそれなりに、その面だけ見れば1つの考え方かもしれませんけれども、これによって国際的に与える影響の大きさに関してはあまり理解が行っていないという方が多いのではないでしょうか。したがって、我々と交渉するのはアメリカの政府であって議員ではありませんから、そういった意味では私共のところに入ってくる話は、みんな少々頭を抱えているなという感じが正直な実感です。当選回数の長い人達は、こういったものに関して経験がそれなりにありますから、そういった人達は、この問題が下手すると大変な騒ぎになりかねないということに関しての危機感をかなり共有しておられるというように思いましたので、しかるべき、どこでどういう形で妥協されるかは別にして、何らかの妥協が17日までの間になされるのではないのかなと、希望を含めてそう思っています。

問)

靖国参拝の件で、大臣のホームページでもそのお考えが載せてあったり、新聞等でも寄稿という形で文章を拝読させていただきましたけれども、春と秋に関しては大臣は靖国の方に行かれることが非常に多くなっています。そういった意味で、前回、春に行かれた後の日中・日韓、財務大臣としての折衝という面において考えると前に進んでいるとは思わないのですけれども、今回も秋に、先方の誤解だとはいえ行かれることで、さらに日中・日韓の距離が遠くなるような懸念もあるのですが、その点を踏まえるとこの靖国参拝、どのようにお考えかお伺いさせてください。

答)

一番肝心なのは、そのようなことを言わないようにするのが大事なんだと思います。この話は英霊として祀られている方々にしてみれば、静かにしておいてもらいたいと思っていると思います。騒がしく言うから、話がまた込み入ってくるのだと。構わないでおいてくださいと。おそらく英霊の遺族、何人も存じ上げていますけれども、そういった方々もほぼ同じことを仰っておられるのだと思います。私が寄稿したのは、何回も聞かれますから1度だけきちんと書いておこうと思い寄稿したのだと記憶しておりますけれども、それに書いてあるのが全てなのであって、何回も言いますが、少なくとも国家のために自分の尊い命を犠牲にした人に対して、国家が最高の栄誉をもってそれを祀るということを禁じている国なんていうのは、少なくとも私は考えられないと思っています。国防という観点から考えましても、また日本という国家というものを考えて、国民の立場を考えてみましても、法律が変わって時代が変わった途端に、それが全部とんでもなかったみたいな話を言われましても、それはなかなかそうはいかないというのが当然のことなのだと思っています。今、靖国の話が出ているのはアジアの国々からと、よくマスコミが書いていますけれども、アジアの国々というのはマスコミによれば韓国と中国以外ないのですかね。ほかのアジアの国々というのは何て仰っているのですかね。例えばシンガポールが、マレーシアが、インドネシアが何と仰っているのかという記事があまりありません、不思議と。そういった人達の話を直接聞いている我々からしてみますと、少し違うような感じがします。今申し上げたようなことは十分に頭に入れておきませんと。アジアの国イコール2カ国だけ、3カ国だけですというような感じを私は全然持ちません、基本的には。昭和27年4月28日、その日が日本が再び独立を勝ち得た日なのですけれども、小学校6年生の時に行った記憶がありますが、それ以来ほぼ毎年何らかの形で行ってきたと思います。私はその点に関して、8月15日は別に靖国のお祭りではありませんから、元日か4月か10月、その3つのうちのどれかに大体、多い時で年に3回、少なくとも1回はずっと行ってきたと思いますので、そういった形で行くとまた遠くからマスコミが追いかけて、それで騒ぎになる、それは祀られている方にとっては甚だ迷惑ですと。貴方は頻繁に来ていますから来なくていいですよと言ってもらえるぐらい伺っていると思いますから、その点に関してはあまり今回に限ってどうのこうのというつもりもありません。昔は閣僚は中国側の言い分ですと、総理と官房長官と外務大臣以外なら関係ないと言っていたのが、最近はまた違ってきたり、ころころ変わりますから、あまり当てにならない話なのだと思ってはいるのですけれども、いずれにしてもこの種の話に関して、行くとも行かないとも今の段階で考えているわけではありません。

(以上)

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