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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年1月10日(金)10時07分〜10時19分)

【質疑応答】

問)

景気の先行きに密接な企業の賃上げ動向についてですが、経団連がベア容認の方針に動くなど賃上げの機運は高まっていますけれども、中小企業や地方にはまだまだその効果がどこまで浸透するか難しい面もあります。賃上げをめぐる大臣の現状認識と賃上げの重要性についてお伺いさせてください。

答)

現状認識としては、少なくとも賃上げというのは、これは民間の経営者の自己責任でやる最大のところなのであって、マスコミに言われたからとか政府に言われたから賃上げしますなんて会社はないと言われたものです。しかし、こういう時期になって、デフレーションからインフレーションにという大きな転換期の中にあっては、いろいろなことが起きるということも理解していただいて、賃上げの話をさせていただいたのですが、大企業は円安の効果もこれあり、いろいろな意味で企業の収益が上がった分を、これまでのように内部留保だけにして配当には回さない、賃金には回さない、設備投資はしないというような形で、ためにためた内部留保305兆円ということではなく、賃金にという話でおかしくないのではないのですかという話を申し上げてきたと思います。それが中小零細企業に回っていくためには、大企業との間で、去年12月20日に政労使で合意した、去年の政策決定の中で非常に大きなものが、1月22日の日銀との共同声明とこの12月20日の政労使の合意かなと思ったぐらいですけれども、政労使の時に幾つか約束をしまして、企業がいわゆる下請に当たる中小零細企業からの例えば消費税のアップ分とか、そういったようなもの等々コストアップにつながったものに対する理解というのをしませんと、なかなか賃金に回せないというような話やら何やらを入れて合意したと記憶しております。収益の拡大を賃上げにつなげていくということですとか取引価格の適正化、そういうことを決めたのは、私は非常に大きなことだったと思いますので、それがどういった形で浸透していくかというのはこれからです。

問)

法人税に関しては実効税率の引下げですとか、あるいは課税ベースの拡大、あるいは租税特別措置のあり方等々課題が多くあると思うのですけれども、これを今後、諮問会議ですとか政府税調や党税調などにおいて、どういったプロセスでこの法人税のあり方というのを御検討されていくということになるのでしょうか。

答)

これまでも諮問会議に限らず党税調等々でいろいろ議論されて、与党の税制改正大綱が12月12日に出たのだと思います。法人税の税制改正と言いますと、一番の問題はそれにかかる財源、そしてそのためには、いわゆる法人税の課税ベースの拡大ということですとか、他税目の増収というのを図らないといけないということになりますと、特別控除は取り下げますかと、それから累積した赤字を何年間もためておられるの、あれ減らしますかというような話やら何やらを検討しなくてはいけないところが多く出てきます。そういった意味でいきますと、これは他の政策減税やら何やらとの関係がありますので、こういったものを踏まえて検討しないといけないということになるのですが、これまで行おうとした時には課税ベースの拡大には反対というのが法人側の大きな理由だったと記憶しております。ですから、もう少し企業の話をよく聞きませんと、内容が企業によってはかなり違いがあると思います。

問)

本日から外貨準備の民間委託に当たって、コンサルタントの公募を始めたとの発表がありました。外貨準備の運用に当たっては、流動性、安全性、収益性などバランスをとらなければいけないと思うのですけれども、これまではバランスが偏っていたと言いますか、安全性とか流動性のある資産、具体的には例えば短期の米国債であるとか、そういったものにやや偏り過ぎていた面があったという理解でよろしいのでしょうか。

答)

人によって意見が違うのですよ、これは。偏っているのではないかと言う人もいますけれども、偏っていたがきちんと利益が出たじゃないかとか、人によって意見がかなり違っています。少なくとも委託する内容とか委託する額とか、そういった内容について私共の方から公表するということはありません。ただその内容については、これまでも意見が分かれて、コンサルタント以外、政府部内の中でもいろいろ意見があったというような記憶がありますので、今からコンサルタントの意見をさらに参考にさせていただいて決めさせていただくということだと思います。幾らにしますなんて言ったら為替に与える影響が大き過ぎるのです、動くお金が大きいですから。

問)

法人税実効税率についてですが、よく上げ潮派と言われる方達は、法人税実効税率を下げて、確かに大幅な減収になるけれども、それによって名目成長が高まって、かえって税収はトントンなり増えるのではないかということを仰っていると思います。昨年末に、大臣に中期財政計画について質問した時に、もちろん財政再建は大事だけれども、やはり景気優先でやっていくぞというような、そういうお考えもお示しになったと思います。そういう観点から、先ほどの話だけを聞きますと、法人税の実効税率については非常に慎重と受け止めたのですけれども、景気との兼ね合いを考えた場合、この法人税の実効税率の話をどう考えていくべきだと大臣自身はお考えになっているのか、改めて伺わせてください。

答)

法人税の実効税率という話は昔からあるのですが、日本の場合は法人税を実質納めている企業というのは今3割、ただバブルの時でも5割ぐらいのものなのですよ、日本の場合は。どうしてそんなことになっているのかといえば、日本の場合は企業を始める時に借入金で始めます。アメリカとかイギリスとかそういったところでいけば、会社を始めるのは資本金でということになりますので、資本金で始めると資本金を出してくれた人に対して返済する場合は配当で返済する以外に方法がありませんから、そうすると間違いなく企業は利益を出していないと配当はできません。借入金でスタートした日本とかドイツとか、ほかにもありますけれども、そういったところは基本的には利益は出していなくても借入金ですから、金利は経費で落とせますので、金利分のお金さえ払っておきさえすれば、企業は赤字でも借入金の返済というのはできるのです、金利だけの分でいけば。そういった意味でいきますと、そもそもの資本の形成の生い立ちが違いますので、日本の場合は景気が良くても会社を赤字にしておいた方が法人税を払わなくていいですとか、いろいろなことができますから、合法的に。そういった点からいきますと、日本の場合は、仮に法人実効税率を下げたとして恩恵を被るのは3割、残りの7割は恩恵を被らないということになりますので、私共としては、その点は景気という面から申し上げますと、それは直接そんなに効果が大きいのですかと。それならば投資をしていただいて、国内に設備投資をしていただいた方には減税しますとか、そういった企業に関しては投資額に対する減価償却について即時償却を認めますとか、そういったことの方が企業にとってはメリットがよほど大きいのではないですかというのが私の意見ですけれども、法人税の話はよく今でもされますけれども、あまり経営者の人は仰いません、この話は。ですから、そういった意味では、効果の面から言えば、税金を払っている企業の方は当然言われますけれども、払っていない企業の方が多いという現状というのに、1つ大きな問題があるのではないかなとは思います。

(以上)