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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年4月22日(火)9時12分~9時32分)

【質疑応答】

問)

アメリカのオバマ大統領が明日来日し、24日に日米首脳会談が行われます。焦点のTPPに関しては、今のところ大筋合意も難しいという見通しと言われています。アメリカとの関係は日本経済にとっても大変重要な意味を持つわけですけれども、大臣は今回の首脳会談でどのような成果を期待されていますでしょうか。

答)

アメリカは日本にとって、価値観を共有し、戦略的な利益も共通している同盟国、まずこれが基本なのだと思います。その上で今般の首脳会談で、アジア太平洋地域の平和と繁栄、そういったものがさらに発展するように日米同盟が強化されていくということが一番期待しているところです。この首脳会談はそういうことだと思います。5年ぶりぐらいですか、確か大統領になられて、就任して最初の外国の公賓が私だった記憶がありますので、あれからもう5年ぐらいたっていると思います。

問)

昨日、対日直接投資に関する有識者懇談会の報告書が発表されました。その中で、法人税に関しては、実効税率の引下げとともに欠損金の繰越控除期間について、現在9年間ですが、これを無期限ないし20年程度に延長することなどが提言されました。コーポレートガバナンスの強化なども含まれていたかと思うのですが、この有識者懇談会の提言に対する大臣の受け止めと、対日直接投資を増やすためにどのような取組が必要か、大臣のお考えをお伺いさせてください。

答)

法人税の在り方というのは、いわゆる日本の経済の活性化という観点から、いろいろな産業構造も含めた大きな議論になっているものなのだと思いますし、グローバル経済の中にあって、やはり競争などを考えて、これは広く検討していかなければいけないということは、はっきりしているのだと思います。したがって、今、政府税制調査会の中において、いろいろ専門的な観点から税率の在り方を含め、また欠損金の繰越金控除を含めた課税ベースの在り方等々について検討がなされていますので、議論が深まっていくことを期待しているところです。そういった意見があるということを知らないわけではありませんので、今後ともこういったものは戦略的に検討していかなければいけないと思っています。アメリカは、欠損金の繰越期間は20年だと思います。他に欠損金の繰越期間を無期限とかにしている先進国というのは、OECDの中でどれくらいあるのでしょうか。

問)

閣議と閣僚懇の議事録が公開されるのですが、麻生内閣はもちろん、その他複数の内閣で閣議に出られてきたお立場として、その意味合いについて大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

4月1日の閣議から3週間たちましたので、本日に発表されるということになっています。少なくとも、議事録をおおむね3週間後に官邸のホームページに掲載して公表するという方針を閣議決定したことに基づき、現行法のもとで速やかに閣議の議事録を公表するということになっているので、透明性の向上とか情報公開とか説明責任とかというものが図られるようになっていくということを期待しているのだと思います。それによって、まだどういう形で出てくるのか知りませんけれども、内容をきちんと整理して発表されていくということなのだと思いますので、良いことだと思います。

問)

閣議については、例えば郵政の解散の時とか閣僚が全員署名するのかというようなこともあったりしまして、いろいろ閣僚間で意見が違う時もあるのだと思いますが、そういったことも踏まえて公表されるということについて、大臣のお考えをお伺いさせてください。

答)

閣僚間で意見が違うのはよくある話ですから、別に驚く話ではありません。閣僚間で意見が常に一致しましたら、それは全体主義みたいな話ですから、そんなことはありませんので、いろいろ意見が違いましても、別にどうということはありません。情報公開法の第5条に列挙されている不開示事由に該当する事案があれば別でしょうけれども、それでなければ、そういったようなものも含めて、官房長官と私がこう言って意見が違っていたという話はあり得まして、事実は事実として構わないのではないでしょうか。

問)

医療費の構造改革についてですが、本日、経済財政諮問会議で支出目標の提案もされると聞いています。過去似たようなアイデアで総額管理などで挫折した経験もある政策分野ですけれども、大臣の医療費の構造改革の意気込み、もしくは今回の提案の狙いについてお伺いさせてください。

答)

年間1兆円ずつ社会保障関係費が伸び続けているという現状のままで、今後、財政がもつはずがありません、誰が考えてもそういうことなのだと思います。基本的に医療費をどのような形で国民の納得を得て抑えるかというのは、これは財政の面からいっても極めて大きな問題です。消費税を上げても上げても毎年1兆円伸びていきましたら、とてもではないですがもちません。高齢者がさらに増え、少子化が進むという状況では、基本的な構造改革を考えないといけません。2,200億円ずつ毎年強制的に切るというのを、竹中氏が大臣の時に行ったのですが、相当のひずみが出たことは確かです。そういった意味では、いろいろなことを考えて行っていかなければいけないということで、レセプトは間違いなく利用されてしかるべきだと思います。レセプトの現場を見ればすぐ分かりますが、人間でできる範疇を超えています。とてもではないですが、これを行う際に正確を期すためには、大量の人員を投入するか、ICT化するか、どちらかなのだと思います。もう1点、やはり1人当たりの医療費が県によって倍以上違っているという現実は、明らかにどちらかがどうかしているのです。答えをもう少し真剣に探しませんと、それだけ違っているという現実を、そのまま放置したままでは、なかなかいけないということなのだと思います。

問)

昨日発表された貿易収支についてですが、平成25年度の貿易収支が13兆7,488億円という過去最大の赤字額になりました。赤字が年間で続いたのは3年連続で、比較可能な昭和54年度以降に3年連続で貿易赤字になるのは初めてということで、構造的に貿易赤字が続くのではないかという懸念が強まっています。また、輸出が特に期待されていたようなJカーブ効果、最初は輸出が減りますが、だんだん増えていくという効果が、数量ベースでも0.6%のプラスになっていまして、かなり低い伸びになっています。円安で期待されていたようなJカーブ効果がなかなか出てこない、輸出が増えてこない、この辺りを含めて大臣の御見解をお伺いさせてください。

答)

輸入が増えたというのは、内需が極めて好調であること、最大の理由はこれです。今の日本の経済というのは、内需が好調で、事実、外需より内需が極めて好調です。したがって、内需が好調な分だけ輸入が増えたのが1つです。2つ目は、いわゆるエネルギー価格が増えたのと、原発が止まった分だけ絶対量が増えました、その2つで輸入というものを大きくしている理由なのだと思います。やはりそこのところが輸入が増えている大きな理由なのですけれども、輸出の方は企業が円が安くなった分だけ現地の販売価格、自動車については下げたかといいますと下げませんでした。なぜでしょうか、これ以上シェアを増やすよりは、利益をとった方が良かったからです。企業の経営としては、はっきりしています。利益をとってこれまでの赤字を返済し、したがって税金を預かっている我々からしてみますと、法人税はその分だけ増えることになります。また、海外で価格がそのままなのですから、貿易という面においては、そちらの方が良いと判断をした、その2つが多分大きな理由なのだと思います。よく見ていただきますと、GNI、グロス・ナショナル・インカム、あまり聞かない言葉ですけれども、いわゆる所得収支というものでいきますと、日本の所得収支は伸びています。なぜかと言いますと、海外で買収した企業からの配当、貸付金の利息、金利等々が入ってきます、それによって結果として日本の国民総所得は増えているという分で、トータルの経常収支がそれに大きく影響を与えているのだと思います。今後とも輸出が、少なくともこの国は以前から申し上げていると思いますが、貿易立国というのは少なくとも3割や4割輸出しておいてもらわないと困りますが、日本のGDPに占める輸出の割合は14.7%です。GDPで見ますと、この国は国内需要が旺盛かどうかが一番大事なところですので、その意味では今のような状況は、外需がマイナスになっても内需が増えているという形は、決して悪い方向ではないと思っています。石油の価格等が、これは今から長期的に見れば永久的などと言いますけれども、それは短期的な話で、アメリカのシェールガスが入ってきたり、ほかのガスがさらに安く入ってきたり、石油やらガスやらシェールガスやらが、いろいろなところから一斉に出てきましたから、そういったものがこれからの時代を変えていくと思います。エネルギーは大きく変わっていくのだと思います。石炭もあります。超高圧・高温で石炭燃やすことによってCO2の排出量が少ない、電源開発が行っている磯子の火力発電所が世界最高水準だと思いますけれども、こういったようなものがさらに今から増えていく、それはエネルギーに関して大きな影響を与えると思います。

問)

今朝の朝日新聞の記事についてですが、大臣が沖縄を除く電力会社9社から長年パーティ券を購入してもらっていたという話が出ておりましたが、これの事実関係と大臣の考え方を聞かせていただけますでしょうか。

答)

政治資金というものに関しては、少なくとも私どもとしては、政治資金のあるなしに関わらず、電力政策とか、またその他電力以外にもいろいろあるでしょうけれども、私どもとしてはありがたくいろいろな会社から頂戴しているということだと思います。これは電力会社又は関係者の認識については、どういうお考えで購入しておられるかについては、こちらの関わりあうところではありませんので、お答えする立場にございません。

問)

いろいろな業界から当然幅広くもらっているのでしょうけれども、電力会社から政治資金をもらっていたというのは事実なのでしょうか。

答)

正直言って、お金を自分で直接いただいたことはないのでわかりませんけれども、それはきちんと担当者が政治資金規正法に則って、きちんと対応しているものだと思います。

(以上)

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