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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成26年6月10日(火)10時08分~10時18分)

【質疑応答】

問)

昨日の骨太の方針の骨子では、法人税につきまして、法人税改革を推進するという表現にとどまっていました。しかし、昨日、総理も決算委員会で来年度の引下げということを明言されまして、今後、骨太の方針に具体的にどう書き込まれていくか注目しています。法人税実効税率の来年度からの引下げについて、現時点で大臣はどのようにお考えなのでしょうか。また、これをめぐっては、税収見込みを上回った分を財源として充てればいいではないかという意見も根強いですけれども、これについても併せて大臣の御見解をお伺いさせてください。

答)

これはずっと同じことしか言っていませんが、法人税の構造を、経済の成長志向型に変革していくということに関しては、財政健全化との両立という話をずっとしており、これは全く同じことで変わっていません。2020年度までにプライマリーバランスを黒字化しますという話をしているのですが、今の計画でいきますと、このまま経済成長率が名目3%であったとしても12兆円足りません。例えば法人税を5%下げますと、それで約2兆5,000億円の減収になり、12兆円プラス2兆5,000億円、14兆5,000億円足りなくなりますという話です。世の中には、分かっていない方が多くいらっしゃいますけれども、14兆5,000億円足りなくなるのです。2020年度までにプライマリーバランスを黒字化するというのですら、すなわち12兆円のマイナスですらまだメドが立っていないのに、プラスその上更に2兆5,000億円増えますと、その分だけの財源として歳出削減なり税収増なりというものを、もう2兆5,000億円見付けなければいけないということになります。国際公約として、2015年度までに半減しますというところは、どうやら達成できそうなメドが立ってきましたけれども、その先はメドが立っていませんという今の状況で2兆5,000億円上乗せするという話は、しっかりした財源というものがない限りはなかなか難しいです。それから上振れの話がありますけれども、12兆円足りないのですから、その足りない分の補填に充てるというのが基本でないといけないと思います。上振れというのは、来年は上振れするかもしれませんけれども、3年後には下振れするかもしれません。そういった意味ではなかなか難しいと思いますので、6月5日に与党税制調査会においてとりまとめられた法人税改革に当たっての基本認識と論点においても、法人課税の改革に当たっては、国・地方を通じ、恒久的な財源、制度的に担保された安定財源を確保する必要がある、と当たり前のことが書いてあり、基本はそのとおりだと思っています。私共としては何らかの形で財源を見つけていただけると、財界の方が見つけられ、すなわち他のもので、法人税の税率を下げるのであれば今まで適用されていない部分に拡大しますとか、外形標準課税とかいろいろあります。欠損金等の繰越期間が9年間になっていますけれども、以前は5年とか7年でしたから、そういったものを縮めるとかいろいろなものが出てくるのだと思います。そういったようなものの財源が見つからないとなかなか難しいというのが基本的なスタンスであり、ずっと同じことを言っていると思いますので、変わらないところです。

問)

昨日、骨太の方針の骨子で消費税の10%への引き上げにつきまして、平成26年中に判断すると明記されていました。もちろん附則第18条に則ってという条件がついていますけれども、これはある種、判断の期限を区切ったというふうにも当然読めますけれども、この点について大臣の御見解をお伺いさせてください。

答)

どうしてそういうことになったかと言いますと、来年の2%の引き上げは、4月からではなくて10月からになっています。10月からということになりますと、基本的には4月で判断すれば良いということにもなりますが、日本の場合は会計年度が4月から3月になっていますから、予算編成に当たっては、前年の12月までに政府案を閣議決定し、1、2、3月で予算の国会審議を行い、4月から実施という形になっています。4月に決めて10月に消費税を上げるということを行いますと、当然予算編成の形が全く変わってしまいます。そうしますとそこからまた予算の作り直しというようなことを要求されることになりかねませんし、1月から3月まで予算をずっと詰めていて、附則第18条第3項で消費税率の引上げをどうしても行わないということに仮になったとした場合に、また予算の組替えということになりますとひと手間かかります。そういった意味では今年中にやっておきませんと、予算編成の事務上いろいろ難しい問題があると思っています。今年中にということで、4-6月期の落ち込みとか7-9月期のカバーとかそういったようなものを考えて、10-12月期の数字が出てくるのはずっと後になります、2カ月ぐらい遅れますから、そうしますと7-9月期までのところの数字をもとにして、12月の段階で経済成長率はもちろんですけれども、その他いろいろな経済指標を加えて12月には判断しませんと、予算編成上技術的に難しいということになると思います。それを以前から申し上げているところです。

問)

法人税についてですが、骨太の方針に向けての考えということで言いますと、総理の頭の中にあることと大臣のお考えというのは、まだ少し距離があるのではないかなと思いましたが、大臣はその点はどう考えていらっしゃいますでしょうか。

答)

あまり感じません。

問)

来年度からというようなイメージを持っていらっしゃるとは思うのですが、骨太の方針に関する書き方という点において、大臣の御見解をお伺いさせてください。

答)

骨太の方針にどう書かれたいかというのは、少し私には分かりません。どう書きたいかと言われますけれども、予算や税制改正は大体12月の話だと思います。骨太にどう書かれたいかという話については、骨太は私の担当でもありませんし、正直これをどう書きたいかということは、甘利大臣でいろいろ相談をされたり、判断をされるところだと思いますけれども、私共としては先ほど申し上げたとおりです。

(以上)

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