麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年10月2日(金)10時47分~10時57分)

【質疑応答】

問)

8日にペルーで開かれるG20財務相・中央銀行総裁会議に関して、新興国経済への減速懸念が強まる中、世界経済をめぐってどのような議論を大臣は期待されますでしょうか。

答)

世界経済について、一言で言えば、中国、ドイツ、ヨーロッパ等を含めて先行きの見通しが鮮明ではないという状況がいろいろ考えられる。下振れリスクがあるのだという認識が多分みんな世界中同じでしょうね。

問)

日本は生鮮食品を除いた8月の消費者物価指数が28カ月ぶりのマイナスになりました。1日に発表された日銀短観でも大企業製造業のDIが3四半期ぶりに悪化しています。G20の中には日本の景気について懸念する向きもあるかと思うのですけれども、G20の中で日本経済の現状についてどのように御説明されますでしょうか。

答)

日本の景気認識について、そういうようなことを言われるだろうという予測なのでしょうけれども、毎月の上がった下がったを見て判断をするような人は財務大臣のレベルではいません。それがまず第1点。流れを見ますからね。そうすると、例えば日本の場合では今回のDI、景況判断でいけば良いとか悪いとかいろいろ話が出るのだと思いますけれども、企業が良いか悪いかと言えば、良いと判断している企業の方が上回っていることも事実ですし、例えば長期的なことで言えば、大企業製造業の2015年の設備投資計画を見れば前年度比プラス18.7%ですし、去年の実績が5.6%でしたから、それからいけば3倍、設備投資がそれだけいくというのは、しっかりしているということだと思いますけれどもね。機械受注を含めてそういった計画が出ているということは、流れとしてはそういった方向で進んでいっていますし、政府としても企業が内部留保でためている354兆円にも及ぶお金が設備投資、また消費に結びつく、賃金引き上げ等に結びついていくように話し合いをしていきたいと思っている、という話を説明するということだと思いますけれども。もし聞かれたら。

問)

リマの会合に関連して人民元がSDRに入るかどうかについてお伺いしたいと思います。10月のリマの会議では直接的な議題にはならないかもしれませんけれども、IMFはこれまで中国に対して自由な取引ができることなどを求めておりますけれども、大臣として中国に対してどのようなことを求めていかれるのか、SDR、構成通貨入りについてのお考えをお聞かせください。

答)

人民元が国際通貨になるというのは決して悪いことではありません。ただ、国際通貨になっていくという過程は、国際マーケットの中で自由に元を売ったり買ったりする、そういったようなことができるような信頼性というものが確実に担保されないといけないのであって、日本の円がそういった価値を認められるには長い時間がかかったのと同じことだと思いますが、今回のようにいきなりある日突然に政府が介入してなんていうことをやっている間はなかなか、ちょっと大丈夫かな、ということになりますので、そういった意味では人民元が国際的に通用するような通貨になろうと努力するのだったら、それに合わせて制度もそういったような形にしていかないといけないでしょうね。何となく政府が発表する数字が大丈夫かな、というような話の間はなかなか、シビアなマーケットで政治が介入する部分はほとんどありませんから、そういったところでどう見られているか、どう動くかというのは、人民元の持っている信頼そのものになりますので、引き続きの努力が要るのだとは思いますけれども。そういった通貨が国際通貨になっていくというのは良いことだと思います。今、人民元はドルに事実上ペッグしているわけでしょう。ドルペッグの間になかなか難しいだろうなとは思いますけれどもね。

問)

多少毛色の変わった質問で恐縮なのですが、実は今、債券市場の関係者の間で、先月末発売の「ゴルゴ13」で日本国債の売りが取り上げられているということで話題になっているのですが、もちろんこれまで債券ファンドによる買いというのはことごとく失敗しており、これだけ日銀が買い込み、日本の国債保有、国内保有が9割に達している中で非現実的なストーリーとも言えるかもしれないのですが、ただそういったストーリーがこういった劇画でも取り上げられているということで、大臣は「ゴルゴ13」の大ファンでもいらっしゃると思うのですが、どのように読み解かれたか、御所感をお願いしたいのですけれども。

答)

私はああいう着物は着ないな。少なくともセルビア軍と戦ったスナイパーあがりの女性がその後勉強して、ファンドのオーナーにのし上がって、ファンドの中でそのファンドを動かして日本の国債の上げ下げで利益を稼ごうと、簡単にはそういう話ですね。その程度は読んでいますよ。あれを読んだ感想を言わせてもらえれば、国際金融なんていうこういった世界の話が漫画になるということは、これだけ関心を持ってもらえるということだから良いことだなと、私はそう思いました。みんな金融とか言っても、あまりピンと来ていない人が多いし、ましてや国際金融になったらほとんどの人、インターナショナル・ファイナンスというものになるとほとんどついてこないというレベルでしょう。だからそういった意味で、ああいった話が出てくるということはインターナショナル・ファイナンスというものに関する普通の人達の関心が高まるというのは、私は良いことだなと思っています。「さいとう・たかを」さんに礼状でも書こうかなと思わないでもなかったのだけれども、麻生太郎が殺されるのか、あの女性が殺されるのか、どっちが「ゴルゴ13」に撃たれるのか知らないけれども、楽しみにしています。感想はそれだけです。

(以上)

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