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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年10月27日(火)10時54分~11時10分)

【質疑応答】

問)

財務省の方で社会保障と税の一体改革に基づいて総合合算制度の準備を進めてきたと思いますけれども、軽減税率制度を導入した場合の財源として総合合算制度に充てる予定の財源の約4,000億円を回すという案が浮上していると思うのですけれども、これについて大臣のお考えを伺えますでしょうか。

答)

何回も繰り返しですが、答えは同じです。この軽減税率制度については、平成27年度与党税制改正大綱の中において、関係事業者を含む国民の理解を得た上で税率10%時に導入する、平成29年度からの導入を目指して対象品目、そして区分経理、安定財源について、安定財源というところが肝心なところですが、早急に具体的な検討を進めるとされており、これを踏まえて与党で検討されているということの中で安定財源の中の1つにそれがあるということなのだと思います。いずれにしても、消費税については与党において平成28年度の与党税制大綱の中において結論を得るべく、財源を含めて検討が進められているのだと思っていますので、財務省としてはどういう検討、出される結果を見守っているというところです。

問)

地方銀行の再編のことについて、お伺いさせてください。昨日、茨城県の最大手の地方銀行の常陽銀行と栃木県の最大手の足利ホールディングス、足利銀行ですね、経営統合するという報道について両行、経営統合の可能性について検討していく、協議していくというコメントを出しました。改めて地方銀行のこうした再編についての評価と期待されるところを教えてください。

答)

この種の話が、これまで鹿児島と肥後とかいろいろな例があるたびに同じ答えを言っているのだと思います。とにかく個別金融機関にかかわる話をコメントすることはないのです。金融機関が基本的には自主的に自分の経営判断でされることなのであって、こちらがどうのこうの、差し出がましくする話ではない。これも同じです。一般論としてしか申し上げられないので、とにかく人口減少等々いろいろなことがあるから、いろいろなことで将来にわたって金融の仲介機能というのが円滑にいくようにするために、少なくとも各行とも経営というものに関して、その戦略を真剣に検討していただいているのだということだと思っていますので、結果がよく出てこないと合併しただけでは何の意味もありませんから、いい結果が出てくることを期待しているということだと思います。

問)

軽減税率について、先日、公明党の山口代表が記者会見でおっしゃったことですが、山口代表は当然3党合意のときにも公明党の代表ですけれども、まず今回の軽減税率の対象品目の選定に当たって痛税感の緩和というものが必要だと。その痛税感の緩和というのは8%に上げたときに日本のマクロ経済にかなり影響があったので、それを加味して、今はそれがどれだけ影響があったかということが分かっているので、それを加味した上で10%時の軽減税率を考えなければいけないという趣旨のことをおっしゃいました。まず3党合意に基づいた消費増税法では、軽減税率の導入目的というのは低所得者への配慮という1点しか書かれていない、つまり国民的合意があるのはそこの1点だと思うのですが、大臣はこの軽減税率の導入ということに当たって、経済への悪影響、消費が落ち込んでしまうから対象品目を広げた方がいいのだというような趣旨だと思うのですが、そのようなことを加味して考えられるお考えはありますでしょうか。

答)

それも先程と同じ答えだと思いますけれども、少なくともこの種の話というのをやっていくときにおいては、低所得者への対応は必要なのではないですか、今のようなあなたがおっしゃっているような案でいくと、あれは高所得者も全部になりますから、低所得者だけということにならないのではないのですかと。私はそう思います。

問)

あくまで景気への影響というよりは、低所得者への配慮ということを念頭に考えられていくということですか。

答)

そうです。

問)

山口代表が同じ会見で、財源について、税と社会保障の一体改革の枠組みにとらわれずに、消費税以外の所得税とか法人税とかが念頭にあるのではないかと思うのですが、他の税目も含めて財源も考えていくべきだというふうにおっしゃっているのですが、それについてはどのようにお考えでしょうか。

答)

与党税制協議会で考えられているのだと理解しています。

問)

人民元のSDR入りをIMFが認める方向であるということに関してお伺いしたいのですけれども、日本政府として人民元のSDR入りに関してIMFに容認する姿勢を伝えたという報道もありますけれども、そこら辺の事実関係と、改めて日本政府としての考えをお聞かせください。日本政府として今回のSDR入りの是非について何かIMFに意見を伝えたことはありますでしょうか。

答)

人民元のSDR入りが決まったという結論は出ていないということは知っています。少なくとも、信頼できる通貨が増えるというのは決して悪いことではないと思います。ただ、SDR、特別引出権の構成通貨入りに当たっては、過去5年間にという条件がきちんとあるでしょう。その中で国際的に広い範囲に使用・取引されている「自由利用可能通貨」、自由に利用することが可能である通貨であるということが基準の中に入っていますので、そういうことが全部満たされているかどうかが今話題になっていることなのだと思います。今後、IMFが確認をしていくのだと思いますので、そういった条件が満たされるような通貨が増えてくるというのは良いことですよ。私はそう思います。

問)

日本国債の格付けについてお尋ねします。先週の23日に財務省で開かれた財務省の政策評価懇談会で出た意見ですけれども、座長の経済学者の吉野直行先生と経済評論家の田中直毅先生から、お二人とも日本国債の格付けが下がると日本の銀行がドルでお金を借りるときの国債を担保に出すときの担保価値が下がるので、日本の銀行は海外での活動が苦しくなって日本経済全体に影響が出ると、こういう危機感に対して国民の関心が低いので、田中直毅さんは、財務省はこの危機感について意思表示すべきではないかという意見を出されていました。大臣は格付けについては先月18日の会見でスタンダード&プアーズが格下げをしたときには、金利が上がらなかったことをもって影響は少なくなったとの見方をされていますけれども、こうした担保価値の面からの問題について財務省は何らかの意思表示をすべきでしょうか。

答)

具体的にどのときにどの担保がどれくらい下がったかという具体例を聞かされたことはありません。そういう話は理論上あり得ます。しかし、スタンダード&プアーズとかフィッチとかいろいろな会社がありますけれども、国債にとって一番大きいのは金利ですから、その金利が0.3だ、0.4だというのが我々にとって一番担保価値としては大きいのですけれども、むしろ金利はあのときどうだったか、上がらなくて下がったんですよ。私はあのとき、こんなにと思いましたけれども。格付け会社のことでコメントするつもりはありませんけれども、少なくともそれによって担保が下がってどうのこうのというのは、具体的にどれだけ大きな例があるのかというのを私共は知りませんので、それほど大きなものになっていないのではないかと、これは想像ですけれども、そう思います。

(以上)

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