麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年12月4日(金)11時32分〜11時47分)

【質疑応答】

問)

軽減税率制度のインボイス制度についてです。昨日、与党が軽減税率導入後から数年後に適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度を導入することを合意いたしました。インボイスは財務省もかねてから導入を求めてきたところだと思いますが、この合意について大臣の所感をお願いします。もう1点、インボイス導入後、与党は事業者免税点制度、それと中小事業者向けの簡易課税なども一定期間認める方向で検討されているやに聞いていますが、益税の問題が残るかと思います。この点についても大臣のお考えをお願いします。

答)

昨日、与党において、適格請求書等保存方式、通称インボイスと言うのですけれども、これを導入しますと。益税批判、益税というのは消費税をもらっていながら消費税を納めていないというのに対する批判が前からあるので、インボイスをやりますと、ただ、煩雑なことになることは確かですので、その意味では簡素な方法でやりますと、基本的にはこの2つを言っておられるのだと思います。適格請求書等保存方式というのは、これは簡素にしても面倒な話であること間違いありませんので、昨日出された話を見れば、それは当面の間、簡素と思うかどうかは別にして、インボイスの持っている本来の本質的な特徴を備えていますので、適切な課税につながっていくという意味において我々としては期待ができるところなのだと思いますね。ただ、ヨーロッパも皆そうですけれども、これを導入したときに中小零細業者の事務負担が非常に増えることになりますので、その点を考えて免税点制度をやったり、あとは簡易課税制度を導入したりというのをいろいろヨーロッパではやっていることは承知しています。実際問題としていざこれをやっていくときには、そういった零細業者への配慮というものを考えて、いろいろ現実的な仕組みというものも考えなければいけないだろうなという感じはします。少し時間がかかるのだと思いますけれども、そういうことを考えていかなければいけないと思います。

問)

選挙についてお尋ねします。昨日、自民党の幾つかの派閥の例会では、来年7月の参議院選挙に合わせて衆議院選挙もやる、いわゆるダブル選挙についての話題が賑わいました。そこではどこも2つの根拠を挙げています。1つは来年1月4日に国会が召集されて6月1日に解散すれば、7月10日の投開票に間に合うという国会日程から来るもの、もう1つは今の軽減税率の協議で公明党に対して譲歩を求めるような声が官邸などから聞こえる点、この2つを幾つかの派閥では根拠として挙げていました。大臣もこうした噂はお耳に入っていると思いますので、別の観点からお尋ねしますが、そもそも来年衆議院で選挙をする場合に国民に問うこと、これは今現在安倍政権では抱えているのでしょうか。あるとすれば何がありますか。

答)

解散の理屈ととり餅はどこにでもくっつくと昔から政治家の間で言われる言葉ですよ。理屈は後から貨車に積むほどやってくるし、後からメディアが勝手に理屈はつけますから。理屈がありますかと言われれば後から幾らでもつけられることになります。本当にそれが理由だったかどうかというのは永遠にわからないということでしょう。だからそれは政治部なら誰でも言う話だと思いますね。それから、解散の話というのは、よくしている人がいるけれども、こればかりは総理大臣の専権事項の極みなので、我々閣僚の口を差し挟むところではないというのははっきりしているので、コメントすることはありませんし、今後とも、この種の解散の話に関してコメントしたということは自分が総理だったときを含めてないと思いますので、基本的にはありません。

問)

法人税改革の件でお伺いいたします。調整が進んできていると思うのですが、税率引き下げについては29.97%という報道があり、課税ベースの拡大については外形標準課税の拡大であるとか、繰越欠損金の拡大、強化であるとか、縮小であるとか、そういうことが言われているわけですけれども、これによって数年間に20%を目指すという安倍政権の方針は達成される見通しが立ったわけですが、これによって本当に日本経済は活性化していくのかどうかということがまず1点お伺いしたいのと、大臣は常々この関連で内部留保の話をされておられますけれども、これが結局下げても内部留保に回ってしまう、蓄積されてしまうということになりますと、それではその内部留保自体に課税をしてはどうかという内部留保課税が再燃してくるのではないかと思うのですが、その点について大臣はどのようにお考えかお聞かせください。

答)

今、与党や政府内でそういった調整なり、いろいろ話をしているということは知っていますけれども、それがまだ正式に決まっているわけではないというのが第1点です。それから課税ベースの拡大によって、財源を確保した上でというのが条件でしたので、今言われているように、財源が確保されているということなのであれば、私共としては全く。それを納得されるのであれば。これは人によって大分、会社によって違うと思いますよ。繰越欠損を抱えているところ、抱えていないところ、会社によって差がありますから。それは各社の経理としてはそれを計算していろいろやっておられるのだと思いますので。そういった意味では最後の50%に決まっているところは一段階ステップを踏んで計画に比べて早めにやるということとか随分いろいろ意見が分かれるところでしょうし、この点について納得されるというのであれば、私共の立場としては、いわゆる財源が確保されているということですから、早めに法人税が下がることに関しては何ら異論ありません。それから内部留保課税について、二重課税になるという点は御批判があるというのは承知していますけれども、私共として言わせていただければ、税制として例がないとかいろいろな表現が出てくるのだとは思っていますけれども、政策的に必要性がある、少なくとも景気は良くなった、企業の経常利益は史上空前、内部留保が24兆円と26兆円の2年間で合計49兆9,000億円、トータル354兆円たまりました、さらに増えているという状況で、前から言うように、企業は得た利益を配当に回すか、社員の賃上げ・賃金に回すか、もしくは設備投資に回すか、いろいろありますけれども、この3つのどれかにというのが基本だと思っています。そのいずれもやらずに、ただただためている、いつの日かいつの日かというのでため続けて3年、今年度末になったらさらに増えているのだと思いますが、そういった状況でいながら、傍ら税金を安くしてほしいと。安くしてその分どこにそのお金をためるのかという話ですから、政策論的な論議をよく深めていただかないといけないところかなという感じはします。

問)

ECBが昨日追加金融緩和に踏み切りましたけれども、世界経済の動向が非常に不安定な状況が続いているわけですけれども、ECBの利下げ、追加緩和について大臣のコメントをお願いします。

答)

預金ファシリティ金利の0.2のマイナスを、金利を0.1下げてマイナス0.3にしたというような話だったと思います。もうちょっと期待が大きかったから、何となく、そんなものかという感じになっているのだと思いますが、我々としては他国の金利政策、通貨政策に対してコメントする立場にない、これははっきりしています。今の反応を見る限りにおいては、適切な反応、対応がとられることを期待するということなのだと思いますけれども、これで次に15・16日のFRBでどうするか、多分今年最後の会合になりますので、そこで金利をどうするかという答えにもつながってくるのだと思います。正直、それにもどういう影響が出てくるかというところに関心があるというところです。今回のことに関して我々としてコメントする立場にないというのだけははっきりしています。

(以上)