麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成28年1月8日(金)8時35分〜8時43分)

【質疑応答】

問)

北朝鮮の核実験関連で現在日本としても独自の経済制裁を検討されていると思いますけれども、北朝鮮への現金持ち出しの際の届け出の義務や送金の報告の厳格化などが候補になると思います。現在の検討状況と新しい経済制裁の具体案はあるのかどうか教えてください。

答)

水爆か原爆かはともかく、核実験という話は間違いなく、日本に限らず世界的に約束違反、国連決議違反等、非難が出ているところなので、日本も全く同じで、断固容認はできないということです。それに伴って制裁を今から各国いろいろ検討してくることになると思いますが、かつて携帯現金の届出義務が10万円超だったのを100万円超まで上げたり、送金報告義務を300万円超から上げたり、いろいろしたのだと思いますけれども、それをどうするか、今から検討するところです。今の段階でどうと言う段階ではありません。

問)

マーケットについてお伺いします。原油安や中国市場の下落などで昨日のニューヨーク株も大幅に下落して取引を終えました。これに加えて北朝鮮や中東の不安定な情勢などを背景に世界的なリスクオフの動きが強まっています。こうした外部環境が厳しさを増す中で改めて日本の市場に与える影響について大臣の御所見をお願いします。

答)

4日間で1,300円ぐらい動きましたかね。最初はイラン・サウジアラビアの関係でホルムズ海峡閉鎖とかいろいろな話もあったのだと思いますけれども、中国の市場の影響が大きかったと思います。昨日発表した外貨準備高の減少幅は1,000億ドルを超えていたと思います。一カ月間の外貨準備高の減り方が1,000億ドルですよ。日本が2008年のときにIMFに出すと表明したのが1,000億ドル。あのとき世界を救ったというお金がいきなり中国からたった一カ月で外へ出ていっているというわけでしょう。それを隠さず出しただけでもまだ進歩はあると思うけれども、そういうような状況というのはみんなかなり動揺は大きいとは思いますけれども、日本の経済自体、ファンダメンタルズがそんなに悪いわけではありませんから、株価に対してコメントをする立場にありませんけれども、あまりこの種の話におたおたするような話ではないと、そう思っています。

問)

今、おたおたするようなお話ではないとおっしゃられましたけれども、この時期の株価というのは企業にとっては賃上げ交渉もこれから始まりますし、3月決算の会社にとっては来年度の設備投資を決める段階に来ていますので、このときの保有株の評価額というのは企業の影響、ひいては日本経済の好循環に影響を与える時期だということを踏まえた上でおっしゃられていると思います。去年の夏の中国ショックのときのように政府、財務省、日銀、金融庁などで協議をしたりとか、大臣とルー長官との間で連絡をするような段階にまでは今は至っていないという評価でよろしいのでしょうか。

答)

中国の場合は基本的に過剰設備、過剰信用、これが一番大きな背景ですから、その2つがきちんと整理されるまで時間がかかりますよ。自分達でも去年9月、それを両方とも公式の場で認めていますから、周小川総裁にしても楼継偉財政部長にしても両方ともその事実を認めていますから、我々の指摘に対して。中国の高官がああいう場でその事実を正式に認めたというのは初めてのケースでしたから、それなりに大きかったと思います。自分達なりにわかっているということを証明しており、わかっていないわけではないということだと思いますので、時間をかけてやって、これは急激に直るものではありませんから、そこのところは今から時間かけてやるしかないし、私達もこういうことをやった経験がないですから、そういう意味ではどうするのかという話はいろいろ経験している国に聞いて学ばなければいけないところでしょうね。

問)

中国の人民元についてなんですが、最近下落がちょっと目立っています。これがこのまま続けば自国通貨の切り下げが広がるのではないかという指摘がありますが、この点について大臣のお考えを聞かせてください。

答)

人民元がこれだけ急に下がったりしているのは、8月のときに1回どんと切り下げをやって、その後ずっと買い支えていたのですけれども、だんだん公的なものと実的なものとの差が乖離してきたものだから、制限を止めて離した途端にまた下がったという話で、今6.5元が6.7元近くまで下がってきているのでしょう。そういったようなところまで下がってきていますから、そういったところをこれからどうするかは、あまり下がるとしんどくなるけれども、買い支えるにしてもこれだけ、1,000億ドルも外貨が減るということになると、それはなかなか簡単な話ではないですよね。今からどうするかは自分達で決めなければいけないところでしょうね。

(以上)