麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成28年1月29日(金)10時20分〜10時38分)

【質疑応答】

問)

昨日、甘利大臣が辞任を表明されました。麻生大臣とともにアベノミクス、経済政策の司令塔とも言える立場で今後の政策運営に大きな影響が出ることが懸念されます。甘利氏がいなくなることで経済財政運営への影響と、また新たに石原氏が経済政策の司令塔として甘利氏の後を継ぐことで経済政策、政権運営、国会運営にどういう影響がありますでしょうか。大臣の御所見をお願いいたします。

答)

大変残念なことだと思いましたけれども、総理も甘利大臣の意向、意思を尊重されたということなのだと思います。経済・財政再生計画等、これまでも一緒にやってきており、今、デフレ不況からの脱却の正念場と思っていますので、その意味では経済政策に停滞等が出ないよう、予算を国会で年度内に上げていただいて、経済運営等に支障を来さないように内閣を挙げて頑張っていかなければいけないということだと思っています。石原さんもその後を受けられ、経済財政運営ということに関して一緒にやっていくということになると思いますので、この分野、あまり得意ではないのかもしれませんけれども、大いに頑張ってもらうことを期待しています。

問)

甘利前大臣は昨日の会見でこのようなことをおっしゃっています。支援者について、良い人だけと付き合っているだけでは選挙に落ちてしまうと。小選挙区だから、間口を広げて来るもの拒まずにしないと当選しないと述べられています。これは本音を語ったように思います。今回の問題に照らせば、支援者が献金をしてもその見返りが得られない、陳情が実現しないなら、今度は議員を追い落としたり敵対する行為に回る、議員との間にいさかいが生じるのは避けられないと言ったようにも聞こえてきます。甘利前大臣以上に政治経験の長い麻生大臣にとってもこれは当てはまるのでしょうか。自らの御経験を踏まえておっしゃっていただけますでしょうか。

答)

後援会、有権者、その会の内容、地域、いろいろあると思います。そういった意味で難しい話であり、会合をやれば反社会的な人達も普通に見分けがつかない人はいっぱいいますから、その中に入ってくる、写真を撮る、いかにも親しそうに。それを一々身分証明書を求めるわけにもいかないし、新聞社です、週刊誌です、と言われて身分証明書を見せてくれますか。名刺は印刷できるから社員証を出してくださいと言って、社員証を出せる人が何人いるかと。言っている意味、みんなわかるでしょう。それができるかといったら、それはないですから。いかにも親しそうに写真を撮っているではないかといって、その写真を流す。そういった話ですから、これはなかなか難しい問題だと思います。甘利さんの場合は、いきなりお菓子の中にお金が入っていました、幾らか知らないけれども、お目にかかった機会なので是非、と言ってお金を置いていかれ、政治資金に則ってきちんと処理しているわけですから。そういった形で処理して、さらにそれが問題だといって、何を頼んだか知らないけれども、頼まれたことが成立していないからといってどうこう言われても、それはその話をするという前提で受け取っているわけではないですから、法律的には別にとは思いますけれども、今言われたような形で、最初からそういった形で嵌めようと思っている人達がいないという保証はありません。そういった意味では議員にとって極めて難しい状況に常にあることだけは覚悟しておかなければいけないと思います。

問)

石原大臣について、安倍政権は経済再生と財政再建の二兎を実現することを目標にしていますけれども、甘利前大臣の時は経済財政諮問会議ではともすれば経済再生を優先しがちな意見が聞かれてきました。一方、石原大臣は自民党の税制調査会のメンバーでもあり、税制にも理解が深いと見られますので、財政の健全化だけをとってみればしやすくなるのでしょうか。

答)

財政再建派とリフレ派という言葉があって、どっちか二者択一みたいな話をずっと小泉内閣の時から竹中平蔵氏をはじめみんなやっていました。しかし現実問題として、これは両方やらないとどうにもならないのだという話をして、まずは経済を成長させる、それによって景気を回復させてから財政再建、3年かかって借金は新規国債で言えば10兆円減った、名目GDPは500兆円を超えた、企業の経常利益は過去最高、内部留保は2年間で49兆9,000億円たまるなど、二兎を追って両方ともそこそこのものを達成しつつあるというのが今のアベノミクスです。両方やるという話をしているので、石原大臣が来られて財政再建だけに偏ったら景気が悪くなりますから、それは間違いなく両方をやっていかなければいけない。ただ、今までと違って、この間の財界3団体の1月の新年の挨拶で、みんなの共通点はこの3年間政府にはいろいろやってもらった、今回は民間がやる番だと。今、お金がないのではなく、需要がないのだという話を、あの3人が共通してそういうことを言っておられ、意思としては民間が頑張らなければいけないということで、デフレマインドが少しずつ前向きなものに変わりつつある段階なので、そういった意味で今年は大きいなという感じはしています。今の質問で石原さんがと言っていますが、財政再建と経済成長と両方やらなければいけないということだけははっきりしているのではないでしょうか。

問)

先程の甘利さんのお話のところで、受け取ったお金を適法に処理されていたということがあったのですけれども、一般市民の感覚としては、そもそも現職の大臣が大臣室で現金を、しかも多額の現金を受け取っていたということそのものに驚きとか不信感を抱いていると思うのですけれども、大臣自身は現職の大臣として大臣室などで多額の現金を受け取った経験がおありでしょうか。それについてどのようにお考えになりますか。

答)

現金を大臣室に持ってくる人というのはまずいないものですよ。

問)

受け取ったことは過去にはないですか。

答)

現金を大臣室に持ってくる人はいないものです。大臣経験は結構長いけどないです。常識的には普通ないのではないですか。

問)

支援者から多額の現金を直接受け取るということ自体は大臣にとってもありますか。

答)

普通は秘書がやっているので、私達のところに直接来るというのはまずないです。私の場合は少なくともないです。

問)

昨日の説明でかなり詳しく甘利前大臣の方からあったかと思うのですけれども、まだ解明されていない部分は当然あると思うのですが、今後国会での証人喚問であるとか参考人招致、野党は当然求めてくることが考えられるのですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。

答)

それは国会対策委員会の話ですね。

問)

今朝発表された経済指標についてお伺いします。鉱工業生産が前月比1.4%のマイナス、実質消費支出は前年比4.4%のマイナスと、生産や消費が停滞していることを示すような数字が相次いでいます。大臣は常々、日本経済のファンダメンタルズはしっかりしているとおっしゃっていますが、これらの指標は景気減速の前触れというふうにはとらえられないでしょうか。

答)

全然思いません。有効求人倍率やら失業率やら、みんな順調に改善していますし、少なくとも経済で見れば、原油はドバイで110ドルから28ドルぐらいになりましたかね。WTIは少し上がっていると思うけれども、そういった話を2月にOPECの会議をやるという話で少し変わってきていると思います。原油の値段が上がってくるということが、また急激に上がるかといえば、それもちょっと考えにくいので、今の場合でいえば110何ドルだった原油が4分の1、3分の1に下がるということは経済にとって、日本の場合にとっては悪いことではありません。貿易収支の赤字は幾ら減りましたか。貿易収支は改善したでしょう。

問)

1年で8割です。

答)

約10兆円ぐらいだったかな。12.8兆円が2.8兆円ぐらいに貿易収支は赤字とはいえ改善がされていますので、その意味では日本の経済にとって、資源輸入国にとっては全然悪い話ではありません。ただ、よくわからないのは隣の中国の2015年の実質GDP成長率が6.9%と、中国政府の発表の数字と李克強指標と比べてみても大分違いますから、何となく不安感というものを与えているのだと思いますけれども、総じて雇用も悪くないですし、アメリカのFOMCのイエレン議長もそのままにしてありますし、いろいろな形で状況というのは各国みんな考えながら、ハードランディングでクラッシュするということのないようにお互いに連絡を取り合って気を遣っています。今言ったような形で一進一退というふうな話であるとは思いますけれども、急に悪くなっているという話では全然ないと思います。

(以上)