麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成28年3月22日(火)9時41分~9時47分)

【質疑応答】

問)

5月下旬の伊勢志摩サミットを控えてジョセフ・スティグリッツ教授が景気刺激のために各国が財政出動に乗り出すよう議長国の日本がリーダーシップを発揮すべきとの意見を表明するなど新たな財政出動を求める声が内外で高まっています。大臣は平成27年度補正予算と28年度予算の執行が目先では一番だとおっしゃっていますけれども、追加の経済対策の必要性についての御認識を改めてお伺いできますでしょうか。

答)

安倍内閣になってからこの3年3カ月ぐらいの間、金融政策とか成長戦略と合わせていろいろな経済対策を、2本目の矢としての機動的な財政政策を進めてきています。経済再生と財政の健全化を両立させるということをやってきたのですが、この3年間の結果というのは確実にでています。そういった意味では足元の実体経済を見ても、少なくともファンダメンタルズはしっかりしたものであるというのはG20でみんな認めているところですから、こうした中では現時点で財政出動を直ちに行わなければならないというようなことを考えているわけではありませんし、引き続き国際社会といろいろ今後とも連携していかなければいけないと思います。4月に入りますとまたG20等、いろいろな国際会議があるのですが、民需主導の好循環を確立して、きちんとした経済再生をしていこうというのが基本です。なお、世界経済に関しては、先般のG20の共同声明の中にもあったと思いますが、金融・財政・構造政策の全ての政策手段を個別、あるいは総合的に用いるというように書いてありますけれども、一方、財政政策については、強靱性を高め債務残高GDP比を持続可能な道筋に乗せることを確保しつつ実施すると書かれてあるのは御存じのとおりなので、5月のサミットにおいても、各国いろいろ事情が違いますのでいろいろあるのだとは思いますけれども、日本は議長国として世界経済の持続的な力強い成長に向けて国際的な議論をさらに深めていきたいと思っています。

問)

本日も消費税の引き上げ判断についてお尋ねします。大臣がこれまでどおり引き上げ判断は変わらず、しかしながら政治的な判断であるというお立場は重々承知した上でお尋ねしますけれども、この件について発言の機会の多い菅官房長官は先週の会見やインタビューでも、引き上げないとすればリーマンショック級のショックがあることと引き上げた後の税収減になるようであればという条件を繰り返しています。そうであれば、消費税を引き上げても税収が減らないというような試算がどこかにあれば、この議論はより国民的な理解を得るのではないかと思います。今、内閣府の中長期試算でも財務省の28年度予算の後年度影響試算でも名目成長率が1.5%と低い場合でも税収は増える試算になっています。さらに成長率が低い、例えばIMFの1.0%とか0.3%であれば試算の結果、税収が減るのかどうか、それをもしお持ちでしたら教えてください。

答)

これは前からずっと言っていますとおり、これまで5%から8%に引き上げたときの税収というのは、確か消費税が5兆2,000億円増加したと思います。そのほかに法人税も5,000億円ぐらい、所得税は1兆3,000億円ぐらい増加したと記憶していますので、一般会計税収全体で7兆円ぐらい増加したのだと思います。そういった意味では消費税を上げた場合であっても消費税以外の税収も増えたというのが5%から8%に上げたときの例です。3%から5%に上げたときの話を昔はよく言われていましたが、そういったものを全部込みの話をしてもらわなくてはいけないのだと思うのですけれども、そこの面だけ見れば大して増えなかったではないかという話をする方がよくおられました。今度の話は間違いなく、5%から8%に上がったときは税収が増えたというのは事実として記憶しておいた方がいいと思います。

(以上)

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