麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見の概要

(平成28年4月28日(木)9時00分~9時08分)

【質疑応答】

問)

来週から開かれるADB総会について、AIIBの金総裁も来られる可能性があります。AIIBは発足して半年で、近く融資の案件を発表するということなのですけれども、かなりの部分が世銀やADBとの協調融資になる見込みです。脅威論が取りざたされていたAIIBの現状について大臣はどのように思われますか。また、ADBの強みとは何であるというふうに考えられますか。

答)

融資を開始するに当たって世銀とADBとの協調融資というのは、発想としては健全ではないでしょうか。自分で融資とか審査する能力がまだないでしょうから、そういった案件に乗って一緒にやっていくというのは、そういった方向でやる分は良いのではないですか。なぜなら、ADBや世銀にはいずれもこれまでの経験がありますから。質の高いインフラとか環境とか返済に当たっての相手側の国力とか、そういったものを計算してちゃんと融資というものができる、いわゆる経験なり知見というのがありますので、そういったものに相乗りしていくというのは1つの方法だと思います。

問)

一方でADBの強みという部分はどのようにお考えになるか、お願いします。

答)

ADBの強みは圧倒的に経験則です。アジアの中において日本とアメリカでずっとリードしてきたのだと思いますけれども、ADBの融資によって東南アジア等、非常に大きな恩恵を得たことは間違いない、各国皆認めているところだと思います。おかげでアジアの地域の経済がこの10年ぐらいの間に急激に伸びてきていますので、各国には社会インフラというものの絶対量というものが不足している、インフラはできたけれどもクオリティが悪い、電力の消費に発電・配電・送電が追いついていない、そういったようなことを含めていろいろな意味で急激な資金不足が起きてきているので、そこの部分がAIIBとしては期待されているところだと思います。問題は同時にそれらの国々は、借りたお金を返済しなければいけないわけですから、必要だ必要だと言ってインフラはつくった、しかしそれに見合う需要がなければ基本としてはその借りたお金の返済が滞りますので、結果としてリスケとか債務超過になってお金が返せなくなりましたというふうな話になりかねませんから。それは後から追い貸ししたAIIBがかぶってくれるというのだったら、それはそれで良いですが、滞ったのだからみんなで分けようと言われても、それはこれまで貸してきた世銀にしてもADBにしても、自分達のやり方でやっておきさえすれば返せたはずのものが相手の要望に安易に応えて、結果としてそれに対する貸し込みをやったものが取りっぱぐれた、それによってあらかじめ前から貸してあった分の返済も滞ったというのは極めて迷惑な話ですから。他国にも迷惑がかかりますから、そういった意味ではそこらの融資というのはどの程度にやるかというのはよくADBと世銀と金立群氏、金立群氏の場合は英語もうまいですから、ちゃんと話が通じるはずですから、連絡は密にとってやってもらうというところが大事なところですかね。

問)

大型連休中の為替政策についてお尋ねします。アメリカのFOMCは今回利上げを見送りまして、日米金利差の拡大観測のうちアメリカ側の要因はなくなりました。今後、円高がまた無秩序に進んだりした場合は日本政府も適切な措置をとられると思いますけれども、大型連休中に東京市場が開くのは2日と6日の2回だけです。さらに大臣は国際会議などで外遊されているとなりますと、連休明けの9日にならないと日本は為替政策ができないと考えるのは間違いでしょうか。

答)

26日、27日にFOMCが開かれたということは知っていますし、金融政策はイエレン議長の下で維持されたということは承知していますけれども、とにかく他国の金融政策の話ですから、それに対してコメントすることはありません。アメリカの経済動向というのは、下方修正されていますけれども、同時に世界経済動向のところは、今までの表現は削除されていますから、見方がいろいろあるのだとは、あの文章だったらそういうことになりますけれども、是非そういった意味ではどういう動きになってくるか、ちょっとまだ仮定の問題ですから何ともお答えのしようがありません。

問)

無秩序に変動があった場合、連休中も為替政策はできますか。

答)

連休もみんな動いているわけですから。

(以上)

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