麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成28年7月15日(金)10時48分~11時02分)

【質疑応答】

問)

平成29年度の予算編成についてお伺いします。一昨日、経済財政諮問会議が開催され、概算要求基準の議論が始まりました。消費税率引上げの延期が決まったこともあり、財源確保をめぐっては、歳出削減を含めて厳しいやりくりが予想されます。諮問会議では民間議員からアベノミクスの成果、いわゆる税収の上振れ分の一部を、一億総活躍社会の実現に向けた施策の財源に活用するよう提言もありました。こうした財源論も含めて、今後、予算編成に向けてどのような姿勢で臨むのか、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

諮問会議では、民間議員の方から、1.7兆円の税収増についていろいろお話がこれまでもありましたので、こうした見積もりから上振れする分については、税収としての安定性があるわけではありませんということはたびたび申し上げてきたとおりです。1.7兆円というのは27年度分の税収増として、補正を組んだものです。27年度の補正予算を組んだときには、1.7兆円の増があるということを見込んで、そのお金も含めて補正を組み、28年度、今の予算も1.7兆円の増収、上振れがあるという前提で予算は編成しています。だから既にこの1.7兆円というのは28年度分に全部使っているわけですので、この分が余っているとおっしゃられておりますけれども、それは既に織り込んで27年度補正予算、28年度本予算と2つ組んでおりますから、1.7兆円はこの中に入ってしまっています。別にと言われたら、今まで使っているものを削ってこっちに回さなければいけないという話。事実、27年度決算税収は、27年度補正後税収と比べると、マイナス0.1兆円ぐらい減っている形になっていますから、そういったような形になるので、そんな簡単に余っているわけではないので、29年度予算には1.7兆円増えていっているのだからというような話ではありませんよというのが一番、補正とかというのでどうなっているか、なかなか理解されないところなのだけれども、昨年前半の好調な株式市場を反映して、当初予算に比べて株の売却益の税収が5,000億円多かったのですから、そういったものは今年あまり期待できませんから、今年も去年と同様に1.7兆円の増収があるだろうという前提で税を見積もるというのは極めて厳しいだろうと、私共としてはそう思っています。我々としてはアベノミクスのおかげで全体として経済は伸びてきていますから、どれくらい伸びるかというのは一番わからないところですけれども、我々としてはそういったものに関していろいろなことが今から12月末まで出てきますので、概算要求段階で新しい事業を入れたり、そういったようなものに関しては従来のものとは別に置いたもの、新規のものを乗せたいというような新しいアイデア、要は経済成長というものを維持するための生産性の向上に直結するようなもので新しいものがあれば十分検討しますと絶えず言っていますので、そういったものに関しては新しく組み込めるというような余地を残して概算要求制度というものをやっています。いずれにしても、1.7兆円増えたりしても2020年度の場合は内閣府の試算によれば6.5兆円の赤字がまだ見込まれている段階なので、引き続き見直し等、聖域なき歳出改革というのはきちんとやっていくという姿勢を持っておかなければいけないところだと思っています。

問)

来週の話ですけれども、来週、中国の成都でG20の財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されます。前回の開催以降、イギリスの国民投票でイギリスがEU離脱を決めるなどといった大きな出来事もあったわけですけれども、今回の会議でどういったテーマでどのような議論がなされるのか、見通しや大臣としてこうしたことを取り上げたい等、お考えがあればお聞かせください。

答)

ヨーロッパとイギリスとの間にいろいろな確執があるのは今に始まった話ではありません。加えてフランス、イギリスとの間もいろいろ昔からの話ですから、そういった話が急にすんなりなんていう話ではないのだとは思っていますけれども、いずれにしてもイギリス側からの説明があるでしょうし、イギリスも財務大臣が代わりますからそれなりの説明が向こうの方からあるのだと思いますが、イギリスのシステムは、日本と全く逆になっていて、日本の場合は党員100万人なら100万人で総裁候補を地方票だけで約2人に絞る。その票に決められた人を選ばれた代議員、いわゆる衆参の国会議員がその2人を1人に絞るというシステム。ところがイギリスの場合は逆になっている。イギリスの場合は議員が2人に絞って、それを党員が2人を1人にするという、代議員制とは全く違ったものを入れ込んでいる。そういうシステムになっていますから、今度は2人になるはずが1人、2人と党首立候補を取りやめたので、女性1人になりましたということになっています。ボリス・ジョンソン等を入れ、財務大臣にも陰の内閣のときからやっていた方が入ってきます。これらの方がどういう話をするのかよくわかりませんけれども、法案として提出するのでしょうけれども、議会はR、リメインの方がリーブのLより多いということになると法案は否決されるかもしれません。そうしたときはどうするのか。国民投票ではLでした、しかし国会でみんなで投票したらRでした、こういう場合どうなるのか。

問)

国民投票には法的な拘束力はないということなので、結果が変わる可能性もあるのではないかと思います。

答)

拘束力がないからですか。

問)

必ずしもEUから出るということが決まっているわけではないと思います。

答)

内閣総理大臣としてLで提出した、国会はRだといって否決となれば、与党の法案を総理大臣等が国民投票に基づいて出した法案を、本人はR希望な人が総理大臣になっているのだけれども、出したものが否決されれば常識的には解散することになる。解散したらもっとRが増えましたので、選挙後にもう1回再投票した結果、やっぱりRでしたといったらイギリスはどうするか。多分、何もしない。政府はLと言ってEUに通告したことは1回もない。イギリスとフランスは、今するようにと言っているけれども、していない。何年かかるかわからないという話をして、結果的にRになりましたといったら何が残るのだろうか。一番よかったというのはポンドが安くなったということではないか。介入せずしてポンドだけが安くなった、ハッピーな人が多いのではなか。高等な戦術だと言うけれども、そこまで考えてやっているとは思えないけれども、結果論としてはそういうことになり得る。これは外国人の、いわゆるEUの議員でもみんな予想しているから、あり得るのではないか。だからポンド安になった。それだけというのがあの大騒ぎの結果だと思います。だから何が起きるかわからないと思ってはいますけれども、いろいろなことに対して我々はきちんとそういったものと、EUの中にいるわけではありませんから、そういった影響がアジアなり、また外国に及ぶ部分を最小限に抑えてやっていかなければいけないということになるのだとは思います。今からまだまだわからない話が多過ぎますので、G20ではその種の話を、ほかのところがどうやってEUの話を、もしくはイギリスの話をどうやって聞いていくかというところが一番、報告をまずは聞いてみないと、直接G20の会議で聞いてみるということになるのではないか。

問)

天皇陛下が生前退位の御意向でいらっしゃるというふうに報道されています。そのためには、皇室典範の改正が必要になると思うのですけれども、大臣はこのことについてどのようにお考えでしょうか。

答)

報道としては承知していますし、天皇陛下も昭和8年12月の御誕生だと記憶しますので、御高齢ということを考えると、事務等をきちんと全部自分でなさるという姿勢というのは、大変我々としてはありがたいところですけれども、非常に負担がかかられるということなのであるならば、そういったものを踏まえてどう対応していくかということは考えなければいけないところであって、大正天皇の後半の方は後の昭和天皇が御公務の一部を実質しておられたということもあります。いずれにせよ、官房長官等が記者会見で述べられているようなことなのだと思います。

(以上)

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