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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成28年9月2日(金)10時06分~10時20分)

【質疑応答】

問)

4日からG20のサミットが始まりますが、それについてお尋ねいたします。今、世界経済は減速していたり国際課税の問題とか様々な課題があると思いますが、これまでG20に深く関わってこられました麻生大臣としてどのような成果を期待されるか、ご所見をお伺いします。

答)

中国の杭州で開かれることになっていますが、財務省関連のトピックとしては世界経済や成長戦略といった話が出てくると思いますけれども、世界経済についてはこれまで過去4回ぐらいの財務大臣間でいろいろ精力的な議論をやってきたところでもありますので、G20としては金融、財政及び構造改革等の問題に関していろいろな政策手段というものを用いて個別的に、また総合的に世界経済というものを持続的に力強く成長させていくべきだということをG20でその認識を共有できれば有意義だと思います。

問)

昨日、法人企業統計調査が発表されました。企業の内部留保が過去最高の377兆円に膨れ上がりました。安倍政権では投資減税を含めた法人減税に取り組まれてきましたが、その効果について大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

これはなかなか難しいところです。平成25年度は23.5兆円、次の年が26.4兆円、今度が23.5兆円、そんなものだったろうと思います。その3年の合計が約73.4兆円、トータルで378兆円ぐらいになると思います。この中で、昨日、平成27年度分が出ました。今までは平成24年度からの3年間で50兆円、設備投資に5兆円、従業員給与に3,100億円と言ってきたと思いますが、それが今23.5兆円近くが増えましたという話ですけれども、この数字を見ていると設備投資が5兆円だったものが、少なくとも8兆円ぐらいには増えたことになるのですかね。だから設備投資は増えたと。従業員給与が3,100億円ぐらいだったものがこれでいくと2.6兆円ぐらいになる計算になりますから、それでいくと形としては少なくとも設備投資や従業員の給与に回っている分は増えているということは確かなのだと思います。流れとしては少しずつそういった方向に行っているとは思うけれども、リーマンショック前の水準までいっているかと言えばいっていないと思います。したがってそういったものがどれくらい回っているか。大体、労働分配率が70%にいっているか。労働分配率は昔は77、78%あったはずです。その後、ずっと70%切っていたはずです。これで少しは戻ったと思うけれども、70%までいっているか、いっていないか。だから流れとしては少しずつ経営側もお金を設備投資、従業員給与に回してきているとは思いますけれども、その回す分がさらに高くなってこないとおかしいなという感じはします。

問)

昨日、東京地裁が東京電力の公募増資に関するインサイダー取引事件をめぐって金融庁の課徴金納付命令を取り消したのですけれども、この件に関して金融庁の事実認定に問題はなかったのか、特に証券会社から内部情報が漏れたということだったのですけれども、判決ではこれを内部情報ではなかったとしています。まさに今ヤバイ社員がいたということだと思うのですけれども、それを理由に野村證券に対して行政処分も出しているわけですけれども、この野村への対応も当時適切だったとお考えでしょうか。

答)

国の主張が認められなかったというところは遺憾なことだとは思っていますけれども、いずれにしても一審の判決の話でしょうから、関係当局といろいろ協議した上でどうするかということをこれから考えていきますので、今の段階ではコメントは難しいです。

問)

8月末に来年度予算の各省の概算要求が締め切られました。一般会計の要求総額は100兆円を超える見通しになっていると思うのですけれども、来年度の予算編成に向けて、特に昨年取りまとめた経済財政再生計画に沿って社会保障の伸びであったり一般歳出の伸びということをどういう方策で抑えていこうとお考えか、年末に向けた考えを教えてください。

答)

100兆超えているのは何年目でしょうか。

問)

2年は連続していると思うんですが。

答)

だから3年目ということですね。方針を変えたときからずっと100兆超えるのは当たり前なのであって、別に100兆超えたからといって概算要求の話は、それが、今からどういう形になっていくかと言えば、去年だって100兆超えていたものが収まったところは96.7兆円ぐらいに収まっていますので、そういった形で今から精査をしていくというのが概算から本予算にかけて行われる今からの作業だということになるのだと思います。いずれにしてもそういったようなきちんとした精査をしていくことになりますので、我々としては少なくとも今の中で社会保障費のみが全予算に占める比率が3分の1ぐらいとか大きなものになってきていますので、今後どういった伸びを示すか、毎年1兆円ずつぐらい伸びますと新聞にはそう書いてあったけれども、実際は結果としては約5,000億円で、この3年間でトータルで1.5兆円ぐらいですから、1年平均約5,000億ずつぐらい伸びていったという形になったと思いますけれども、その数値の傾向を見れば5,000億円程度のものに収まるような形です。いずれにしても過去3年間のものと同じ流れでいけるような形にしておかないと、いわゆる基礎的財政収支が黒字とか半分とかといったようなことになかなかなりにくいということだと思いますので、我々としては経済財政再生計画というものがありますので、それに基づいて手を緩めることなく引き続きやっていくということだと思います。

問)

自民党税制調査会の宮沢洋一会長が来年度税制改正で配偶者控除の見直しを検討するとおっしゃいました。与党内でもまだ賛否両論がありますけれども、大臣ご自身は配偶者控除の見直しについてどうお考えになりますか。

答)

これは長い話なのですよ。したがって、いわゆる配偶者の就労というものに対して、その就労を103万円の壁とか130万円の壁という言葉がありますから、その壁というものによって勤労意欲を抑制しているのではないかという面が1点。もう1個は家庭の中において奥さん方が家事等々をきちんとやってもらっているおかげで旦那は安心して子供を任せ、両親を任せていろいろやれているという労働に対する価値はどうですか、それは無価値ですというのはおかしいと思います。したがって配偶者の貢献をどのように評価するか、積極的に評価すべきなのではないかという指摘もいろいろありますので、いろいろな立場から議論がこれまでもなされてきたところなのだと思いますので、今から幅広く国民的な議論を、党税調に限らず、政府税調でもいろいろやってまいります。政府税調調査会や与党の税調等で丁寧に今から検討されていかれるのだと思いますけれども、昔は亭主が働いて女房1人、子供が2人ぐらいの計算で標準家庭をつくってあったのが、今は夫婦共稼ぎで子供がいるというような形のものに、いわゆる家族構成の中における所得というものの形が昔と変わってきているという状況だと思いますから、それに合わせていろいろなことを考えないといけない時期に来ているのではないかというのが正しいところですね。

(以上)

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