麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成28年9月23日(金)10時47分~10時56分)

【質疑応答】

問)

おととい21日に日銀の政策決定会合で、新たな枠組みとしてマイナス金利は維持しつつ国債の買入れの調整で長期金利を調整するというような方針が決定されました。これについての御所見をまずお願いしたいのですが。

答)

これはいろいろ関係しますのでちょっと長くなりますけれども、先日の決定会合において、これまでの経済・物価動向等を考えたり、金融政策の政策効果について総括的に検証を行った結果、金融緩和強化のための新しい枠組みというものを導入することが決定されたという一連の話が出たのだと思います。政府と日銀の共同声明という3年前の1月にやった話に基づいて、2%の物価目標をできるだけ早期に実現するために必要な措置として決定されたのだと理解しています。イエレンFRB議長の話等と関係しますが、我々としては基本的に問題なのはデフレ不況が問題なのです。正確には日本の場合、資産のデフレですけれども、デフレ不況脱却と持続的な経済成長の実現というのが政府の目標ですから、政府と日銀の共通な政策課題、したがって政府としては日銀だけで、金融政策だけで何とかしてほしいなんていう話をするようなつもりはありませんので、「未来の投資を実現する経済対策」というのを作って、そして26日から開かれる28年度の臨時国会で2次補正予算を提出して、早期に成立してもらえるように今取り組んでいかねばならないのだと思っています。また29年度の予算においても、一億総活躍とか未来への投資に対する必要な施策も盛り込んでいっています。また、構造改革というのもありますので、そういった働き方改革等、一億総活躍社会の実現に向けていろいろやっていくのですが、その中で前から言っているように、賃上げの話をするとか、生産性を上げるとか、労働分配率をこれだけ下げてきた経営者側に対して労働分配率を上げるとか、また構造改革等をやって内部留保をためている、内部留保が3年間で73.4兆円にもなる一方、給与等には幾らいっているかといえば2.6兆円、設備投資で8兆円ぐらいというのは偏ってはいませんかとか、いろいろな話をずっとしているのですけれども、そういった話を、これは日銀と政府が一緒になっていろいろやっていかなければいけないということなのだと思っています。おととい、ニューヨークにいる総理からも労働参加率を上昇させて賃金を上昇させ、そして労働生産性を向上させなければならない旨発言をされたというように承知していますので、働き方改革というのを筆頭に構造改革とか経済の成長戦略にしっかり取り組んでいきたいと思っていますので、そういった意味では政府と日銀がいろいろ緊密に連絡を取り合ってやっていくというのをより鮮明にしないと、日銀だけ1人でさせているというような感じにするつもりは全くありませんので、我々としては一体として進めてまいりたいと考えております。昨日の日銀の黒田総裁の話に関して言わせてもらえれば、そういうところだと思います。

問)

関連で国の国債政策について伺いたいと思います。昨日の日銀の決定では国債の買入れについて80兆円というのがおおむねということで示されました。つまり10年ものをゼロにするために買ったり売ったり、80兆円にとらわれずしますよということだと思うのですけれども、考えられることとして国債の金利が上がって国の資金調達コストが今後上がっていくんじゃないかとか、例えばほかにも国債の金利がある程度日銀が介入してくるとなると、例えば国債市場の自由度というか、そういうのが損なわれるのじゃないかとか、いろいろ懸念があるのかなと思っているのですが、国の国債、これからの業務に対する今回の日銀の決定の影響というのはどういうところがあるのでしょうか。

答)

この3年間、今までやったことないことをやってきました。よく学者等が話をしていますが、今まで経験がないことをやっているのですから、政府としては、非常に慎重に話さなければいけない立場だと思っています。少なくとも今回のこの種の話を見ていると、今の話で国債市場の自由度はと言われれば、日銀は長期金利についていろいろな形で、イールドカーブがこうなっているのを少しこういう具合にしようとしているのだと思います。事実そうなりつつあって、長期金利の方は一時0.005%まで上がっていたし、そのような形になっているのですが、今までそういったことはやれないということになっていたが、意図的なことをやったかどうかは知らないけれども、それが現実問題そうなってきているわけです。物価目標というものが石油等の影響で予定よりはいかなくて、米国型コアでは野田内閣発足時で前年同月比マイナス0.4%だったものが今はプラス0.3%ぐらいまで上がっているから、上がってきた段階を、あと1コンマ少々上げたいのですれども、石油が上がってきたら、また40ドルに戻ってきているから、シリアで少し落ち着くかなと思ったら昨日から再開したし、いろいろな意味でなかなか見えないものが多過ぎてちょっとわからないのですれども、国債全体としては、我々としてそれが今直ちに大きな影響があるというような感じに思っているわけではありません。

(以上)

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