麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成28年10月14日(金)12時14分~12時28分)

【冒頭発言】

先程、閣議において平成29年2月に札幌で開催される第8回アジア冬季競技大会の成功に向けた機運を盛り上げていくため、この大会を記念する額面価格1,000円の貨幣を発行することとし、デザイン等を定める政令を決定いたしております。このデザインにつきましては、表面にはスキージャンプとフィギュアスケートの選手を、裏面には大会エンブレム等をそれぞれ採用しております。

【質疑応答】

問)

企業の賃上げに関連してお尋ねいたします。個人消費が伸び悩んでいることについて経済界から将来不安というのも大きな要因の1つだと指摘が出ております。解決のために社会保険料負担の抑制や給付型奨学金の拡大の必要性を求める声が出ておりますが、大臣の受け止めをお聞かせいただけないでしょうか。

答)

今の話は多分経団連の榊原会長の言った話をそのまま言っているのだと思います。経済の雇用とか所得環境というものを中心によくなってきていることは間違いないと思っていますが、個人消費という面で力強さを欠いているというのは我々も同じように感じています。事実GDPに占める個人消費の比率は極めて大きいものですから、その意味ではいろいろな影響があるのだと思っております。したがってそれらの状況を踏まえて「未来への投資を実現する経済対策」を取りまとめたのですが、その対策に盛り込まれた中で雇用保険制度の見直しを入れておりますし、奨学金制度の拡充等が入っているのですが、現在具体的な検討が行われているところだと思っております。いずれにせよ、企業の収益が伸びているというのは確かですし、事実、経常利益も過去最高水準、そして内部留保もここ3年間で毎年23~26兆円程度増えている一方で会社の中における労働分配率は3年前は70%を超えていたものが、今67.8%まで、下がっていますので、生産性が向上しないと賃金の引き上げになかなか結びつかないというのはわからないわけではありません。いずれにしても設備投資を上げて生産性を上げるとかいろいろなことを考えていかないと、簡単にこれさえ上げればという話とは違いますので、いろいろな意味で労使双方いろいろ努力していっていただかないといけないところだと思っております。

問)

靖国神社についてお伺いします。秋の例大祭が17~20日に予定されておりますが、大臣はその前後、当日を含め、参拝の御予定はありますでしょうか。

答)

秋の例大祭がどういう予定になっているのか知りませんのでお答えは差し控えます。

問)

タイのプミポン国王が亡くなられました。これについての大臣のコメントをいただければと思います。また、日本企業も非常にタイに進出していると思うのですが、このあたりの日本経済への影響について大臣の御所見もお伺いできればと存じます。

答)

国王として在位は極めて長く、在位としては一番長かった昭和天皇を上回っておられたと記憶しますから非常に長かったのが1つです。それからタイというところは、東からフランス、西からイギリスの植民地化がどんどん進んでいったところに、タイのところでちょうど中間で止まったという、アフリカでフランスとイギリスの東西対南北のいろいろなことがあったというヨーロッパ人に聞いたら知っている歴史があるのですけれども、その歴史の中でいくとタイはちょうどその中間地点にあったので、東南アジアの中で列強に植民地化されずに王室がそのまま存続し得た、幸運だったと言う人もいるし、頑張ったと言う人もいるのですけれども、そういう国で、プミポン国王という極めて有能な国王がおられたおかげでこれまで2~3回クーデターが起きたりしていましたけれども、それをこれまで押さえ込んでこられたという意味においては君主として大変評価の高い国王だったという認識が私の感想です。

問)

介護保険制度改革についてお伺いします。おとといの厚労省の介護保険部会では財政審が提案していた要介護1、2の人への生活援助を介護保険から外す案を見送るということが大筋で了承されました。また、福祉用具に関しても財政審が求めていた全額自己負担という形ではなくて、現状の1割負担のまま、極端に高額なものはなくそうという方向で議論が進められているのですが、これについての受け止めをまずお伺いしたい。また、増大する社会保障費の抑制をどのように行っていくのか、改めてお考えを教えてください。

答)

財政審における提案というのは、「改革工程表」の中において、本年末までの検討項目とされています「介護保険の軽度者に対する生活援助サービスや福祉用具貸与の在り方」に関して、財制審における議論のたたき台として、財政当局の立場からの提案として行ったものだと記憶しています。この検討項目に関しては、現在、「改革工程表」に沿って、厚生労働省の社会保障審議会の介護保険部会で議論が進められていると承知していて、現時点で何らかの結論が出ているわけではないということは認識しています。いずれにしても、今後も高齢化等に伴う社会保障関係費の支払いの伸びが見込まれますので、社会保障の分野の歳出の改革というのは避けて通れない課題だと思っております。受益と負担のバランスがとれた持続可能な制度というものをきちんと構築をしておくためには、社会保障の効率化や制度改革に不断に取り組むことが必要なのだと思っています。こうした基本的な考え方のもとで「改革工程表」において本年末までに結論を出すと言われていますので、その事項につきましても引き続いて年末までに向けて厚労省の介護保険部会においてよく議論をしていただくということになるのではないでしょうか。今結論が出ているわけではありません。

問)

ボブ・ディランさんがミュージシャンとして初めてノーベル文学賞を受賞されたのですけれども、大臣、もし受け止め等ございましたら一言いただけますでしょうか。

答)

「ローリング・ストーン(ライク・ア・ローリング・ストーン)」という歌があったと思いますが、この人は、私とほぼ同い年だった思います。私は1940年生まれですが、41年か42年に生まれた人だと記憶していますけれども、その世代で私達が20代のときにいろいろな歌を歌った人です。歌手だったと思います。そういった意味でボブ・ディランというのは、「ローリング・ストーン」というのが私達には一番印象が残っている歌ですけれども、歌手というけれども、あの頃はベトナム反戦だとかいろいろジョーン・バエズが左っぽくて、キングストーントリオが右っぽくて、片方がカリフォルニア・バークレー校に行って、スタンフォード大学にいたのがキングストーントリオだったのですけれども、ボブ・ディランという人はその世代の人達です。あの世代の時代には結構受けた人だったという記憶があります。いずれにしても、歌詞をつくるので、詩人でもあったのだということなのだと思います。歌手でもらった人はあまり知らないので、私はノーベル文学賞にそんなに詳しいわけではありませんけれども、詩人よりは歌手というイメージの強い人が文学賞をもらわれたというのは新しいジャンルが開いてきている、そんな感じがします。

問)

先程の介護保険のほか、配偶者控除の廃止も与党から見送りの方針が示されるなどしています。こうした動きは永田町に吹いていると言われている解散風の影響があるのかどうか、お考えをお聞かせください。

答)

解散風が直接関係あるとは思っておりません。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る