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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成28年11月8日(火)10時10分~10時21分)

【質疑応答】

問)

アメリカの大統領選挙が現地時間の8日に投開票となり、日本時間では明日9日の昼過ぎに結果が判明する見通しです。トランプ氏が勝利した場合、急激な円高が進むとの市場予想もありますが、今回の大統領選に関して大臣の御所感をお聞かせください。

答)

アメリカの大統領選挙ですから、関心がないわけではありませんけれども、他国の選挙の結果について他国の財務大臣がコメントするというのはありません。ただ、為替に影響が出るというのであれば、私共としては為替の安定は常に大事ですから、きちんとしておかなければいけない、対応を見ておかなければいけないとは思います。

問)

会計検査院が預金保険機構に1.1兆円あまりの利益剰余金があるというふうな指摘をされました。これについてどういうふうにお考えになるか、金融担当大臣と財務大臣というお立場として、それぞれ財政当局と金融当局とお考えがひょっとしたら違うかもしれませんけれども、その辺を踏まえて教えてください。

答)

455件、1兆2,189億円の不当事項等が指摘されたということは甚だ遺憾なことだと思っております。財政当局としては当然のこととしてあらゆる機会をとらえて各府省に対して予算の適正な執行というか、効率的な執行と会計経理の適正処理について要請してきているところです。本日の閣僚懇においても改めて総理からも出されましたし、私の方からも協力を要請したところです。今回の検査報告の内容や国会における決算審議の内容、予算執行調査の結果など、これは29年度の予算編成に的確に反映する必要があるのだと考えています。いずれにしてもきちんとやらなければいけないところなのですが、ただ、この1.2兆円の内容というのは特殊な事情もあるので、1.2兆円だけがえらく多い形になっていますけれども、この1.2兆円の分は預金保険機構の件が約1.1兆ありますので、本件を除きますと去年より減った形にはなっていると承知しています。預金保険機構の件はまず法律どおりにきちんとやっているとああいうことになります。あの頃、考えてみれば預金を全額保護するというので10兆円使ったほか、銀行の資本増強分の残りで、それが順次返済されている部分というのはあるのですけれども、まだそのままとれていないところもありますので、この勘定は閉鎖するまでの間はつながっていきます。そうするとそこにある程度の金が当然残るのですが、それが1兆5,900億円から残っていると思うのです。そのうち5,000億円あればいいんじゃないのでしょうか、という指摘かと思います。だから残り1.1兆円はというのでしょうが、ほかの勘定に赤のところもありますし、別に埋蔵金みたいな形で残っているという意味ではありません。1.1兆円という額だけ見るとえらく大きく見えますけれども、内容が少し違っているという点はよく分析しておいた方がいいと思います。

問)

ほかの勘定にも使えるように、余っている、余っているわけでもないかもしれませんけれども、使い道がとりあえずないものはほかの勘定でも使えるようにした方がよろしいというお考えでしょうか。

答)

他の勘定に赤のところがありますが、今回の件は銀行の資本増強のために出していますから、そういった意味では、ほかの勘定にどうするかとか、預金の全額保護のための10兆円の国民負担をどうするかという話は今後検討していかなければいけないでしょう。

問)

日銀はデフレではなくなったというふうに言っていますが、日銀はデフレを物価の持続的な下落と定義していますが、9月のコア物価指数は7カ月連続下落しました。これは持続的な下落ではないでしょうか。でなければ、何カ月がデフレに当たると考えますか。

答)

何カ月だったらデフレで、何カ月だったらディスインフレで、何カ月だったらインフレだという定義があるわけではありませんから、そういった意味では何カ月だからどういうわけではありません。ただ、基本的に今コアコアを見ましても、石油とか生鮮食品とかそういったものを除くと物価というのはかなり安定してきた形になってきていますので、我々としては、石油の値段というのは、115~116ドルぐらいから今日44~45ドルぐらいまで下がっていますから、これが与えた影響というのは大きい。ただ、間違えないでもらいたいけれども、日本みたいに資源の輸入国にとってはこういったものが安くなったということは日本にとって極めて都合のいい話なのであって、資源を輸入している国にとっては石油とか鉄鋼とか、そういったもの、自然資源というようなものが下落していくということは、日本の経済全体にとってはいいことです。ただ、それが物価という面だけを見ればいろいろな意味でマイナスという形にはなりますけれども、日本の経済全体としては輸入資源が安くなるということは決して悪いわけではありません。

(以上)

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