大串内閣府大臣政務官記者会見の概要

(平成23年11月22日(火)15時32分~15時49分 場所:金融庁会見室)

【政務官より発言】

今日はお忙しいところお時間を頂きありがとうございます。

私の方からご報告と思ってこの場を持たせて頂きました。

本日、金融庁の方から「資本性借入金」の積極的活用についてというプレスリリースについてご説明させて頂きたいというふうに思います。

ちょっとご説明させて頂きますと、お手元にプレスリリースPDF別添1PDF別紙というものが入っていると思います。

まずPDF別添1の方を見て頂きますと、これは「資本性借入金」の積極的活用についてという2枚紙ですけれども、これ冒頭に書いているのはここの「資本性借入金」を積極的に活用するということ、特に震災対応もある中で、これは重要だということを書いています。

特に今、申し上げたように、震災からの復興過程で事業を再開していく、あるいは継続していくという中で、企業にとって資本がかなり毀損しているということがあります。その資本の充実を図っていくというのが非常に重要です。そのときへの対応でもあり、あとは一般に円高への各企業の対応ということで、財務内容が悪化した企業についても資本充実策が求められていると。そういった中で、この今回の「資本性借入金」という考え方を積極的に使ってもらうことによって、資本不足の企業のバランスシートの改善を図っていくと。それによって経営改善を起こしていくという方向に向けて、今日は金融検査マニュアルの運用の明確化を図るということにいたしました。

その金融検査マニュアルの運用明確化ということで、(別添1の)1.に書かれています。

ここには何を書いているかと申しますと、金融検査マニュアルには、借入金でありながら資本とみなすことができるという、「十分な資本的性質が認められる借入金」という趣旨が書かれています。この「資本性借入金」というものについては、現行は特定のいくつかの貸付制度を例示するような形で書いて、これらの制度であれば「資本性借入金」とみなすことができますよということが書いてあります。

ですので、例えばこの1ページ目の下の左側の方の現行と書いているところですけれども、例えば償還条件については、具体的に何年以上であれば認められるかとか、そういうことについて必ずしも明確ではありませんでした。ここに書いているように、いくつかの貸付制度を例示して、それらの商品性は以下のようなものですよということだけが分かっていた形になっていたものですから、これを明確化して、今般、「資本性借入金」とみなすことができる条件を、例示という形ではなくて、直接的に明記するという形にしました。

この明確化後という(表の)右側の方を見て頂くと分かりますけれども、具体的には償還条件としては、これまで15年間というのが例示の貸付制度だったわけですけれども、これを「5年超」というふうに明らかに明示しました。

それから、金利設定についても、これまでは、例示された貸付制度においては、「業績悪化時の最高金利0.4%」と、書かれていただけでしたけれども、これを「事務コスト相当の金利」の設定も可能というふうに明記したわけです。

それからあと、当然資本性ですから、劣後性がはっきりしていなければなりません。劣後性のことに関しては、もちろんこれまでは特定の貸付制度自体の例示自体が劣後性を持ったものの制度として書かれていたし、例えば、法的破綻時の劣後性を示すものとして、「無担保」であるというような性格を持つ貸付制度が例示されていたわけでありますけれども、今後は劣後性を持たなきゃいけない。その劣後性を持つ意味として明確化したのは、必ずしも「担保の解除」は要しない、しかし一定の要件を満たすということを明記したわけであります。

次のページを見て頂きますと、こういうふうに資本性の借入金の内容を明記することによって、どのような効果が出ていくかですけれども、例えば、震災の影響で資本が毀損している企業であっても、既存の借入金を、「資本性借入金」の条件に合うような形で、DDS(デット・デット・スワップ)などをやって変えていくことによって、債務超過の状況を変えていくと。

PDF別紙の方も見て頂くとよく分かると思いますけれども、今、別紙の上の方の状況になるわけです。つまり、財務状況が悪化して資産が小さく負債が大きいと、債務超過の状況にある場合には、新規融資が困難なわけですけれども、この負債の部分をさっき申し上げたように、DDS等々で「資本性の借入金」に変えていき、そうすると、資本に準じた取扱いがされます。そうすると債務超過ではないというような位置づけになり得ます。そうすることによって金融機関から新規融資を受けやすくなってくるといったことを考えています。

こういったスキームによって、特に福島県における原発事故の賠償金の対象となっている被災企業、あるいは、いずれは賠償金を受取ることが確実視されるものの現在はバランスシートが傷んでいる企業などに対しては、賠償金を受取るまでのつなぎ資本強化策というような効果も期待できるのではないかというふうに思っています。さらには2枚目の紙の2.の効果というところの2番目の点以降に書いていますけれども、色々と政府の方でもこれに合うような形でのスキームを構築する予定であります。

例えば、ここにあるように、政府系金融機関における「災害対応型劣後ローンの供給」、これは三次補正で盛込んだものですけれども、これはこの「資本性借入金」の条件に合致した劣後ローンの供給をしていくとか、あるいは「産業復興機構」、これは各県の二重ローン対策で作ったものですけれども、これらにおいても、被災企業の旧債務の「資本性借入金」への転換を、これに合致する形でやっていくとか、こういったことも考えておられますし、さらには民間の主体においても本スキームを積極的に活用することが期待されていて、いくつかありまして、ここにあるように日本政策投資銀行と地方銀行の連携ファンドによる活用とか、あるいは被災企業を支援する小口出資ファンドによる活用とか、こういった取組みも期待されるのではないかというふうに思っています。

以上がこのスキームのご説明でありますけれども、この本スキーム、特に二重債務問題対策と円高対策を念頭に今回思い切って検討してきたものであります。広く中小企業に活用して頂きたいなというふうに思っていまして、これはご案内のように、かねてからこの何年来と、中小企業金融においては、特に中小企業が抱えている債務に関しては、これは銀行との関係においては極めて根雪といいますか、資本に近い性質のものであり、それはそういうものとして認めて金融監督検査に当たってほしいという声を年来受けていました。この年来受けていた声に対して、順次明確化を図ってきたところでありますが、今回、思い切ってここまでの明確化を図ったわけでございます。そういう意味からは、年来中小企業金融に関してあった「資本性借入金」の問題に関してかなり大きく踏み込んだところになるのではないかなというふうに私は思っています。

ですから、ぜひ新規融資等々を望まれる地域中小企業の皆さんには、特にこのような新しい制度を使って頂きたいなというふうに思っていまして、そのためにも、このペーパーの最後、3.のところにありますように、周知徹底策というのは一生懸命やっていきたいというふうに思っています。

本日付で監督局長から金融関係団体に対しては要請文を出すことにしておりますし、全国地方銀行協会においてこの活用策などについても検討してもらっていまして、その成果を公表してもらうというようなことも検討しておられるというふうに聞いております。

あとは中小企業関係団体を通じて広報を実施していくとか、あるいは私たちも財務局なんかを通じても広報をやっていきたいというふうに思っております。

以上が私からの大枠のところの説明であります。もし、質問等ありましたら頂きたいと思います。今回、一歩踏み切った形でこういうふうにしましたものですから、ぜひ皆さんの方でも広めて頂けたらというふうに思う次第でございます。

以上です。

【質疑応答】

問)

今、政務官からかなり踏み込んだ年来の要望を受けてというお話でしたけれども、確認なのですが、今回の積極的活用というのは、東日本大震災ですとか円高を受けた一時的な措置ということではなくて、今後、恒久的な金融庁の方針ということなのでしょうか。

答)

そうです。踏み込んだきっかけは、(東日本)大震災あるいは円高に対する対応というところはありますけれども、これは基本的な恒久措置としてやっていくということです。

問)

今後の検査や監督を通じても、ここの点について対応できているかというのは重要な項目としてご覧になっていくということですか。

答)

そうです。これはいわゆる検査マニュアルにおける、よくある質問、フリークエントリーアスクトクエスチョンというところに明らかに書き込むという形で、誰でも見える形で使ってもらえるような形にしましたので、そういう意味で明確化したということです。

問)

もう一点、そうすると企業側にとっては目先の債務負担というのが非常に軽減になると思うのですけれども、一方で、金融機関からすると貸し倒れリスクというのは、実質そんなに変わらないと思いますし、不振企業の温存ということに繋がりかねない部分もあると思うのですけれども、そのあたりのリスクというのをどういうふうにご覧になって、そのバランスをどうやってとろうとしているのかというのは如何でしょうか。

答)

一番金融行政、検査監督をやるときに気をつけなければならないのは、監督あるいは特に検査のマニュアル等々が、ある一定の不明確さを持つがゆえに、本来であれば、金融機関が一定の判断をして貸出しをできるようなところにも貸出しをしないというようなことがあってはいけないということで、できる限りの明確性があった方がいいというのは原則だというふうに思います。

そういった意味において、元々資本性のある借入金であれば、それを資本なりに取扱うという考え方自体は、金融行政のあり方として筋の通ったものだと思うのです。それをこれまでの金融検査マニュアルにおいては、明確にしきれていなかった。よって、ある限界事例において、金融機関側でもどうしたものかなというような躊躇なり、踏み切れないところがあったかも知れません。

そこを明確化することによって、これはマル、これはバツということがより明らかになることによって、マルのところにはきちんとした融資ができるし、バツのところには自信を持って、「これは限界事例以下ですよ」ということが言えるようになると。そういった意味で、不良な先にも貸付をするというようものではないのです。

ということで、不良債権がこれによって増すとか、そういうものではなくて、マルのところにきちんと融資が行く、バツのところには(融資が)行かないと、こういうことを明確にするという趣旨です。

問)

今回の恒久的にこういう対応をとるということで、金融円滑化法施行から3年をかけて、円滑化されている債権というのは、かなり溜まっているということだと思うのですが、そういうものの出口としての活用というのはお考えなのかどうか、その辺をお聞かせください。

答)

金融円滑化法は今おっしゃったように、今年の3月末にも延期をして3年目を迎えているという状況にあります。それを将来的には次の3月末でどうするのかというのは別途考えていかなければならないなという思いはあります。

ただ、今回のこれはこれで別途の話として、年来明確化に向けての要請、要望というか、願いみたいなものがあったと思うのです。それを今回、震災と円高というものを契機として、さらに思い切ってやったということであって、それとは分けて私自身は考えています。課題としてはおっしゃるとおりあります。

問)

震災と円高のほかに、将来の話としては欧州危機への備えとか予防みたいな、そういう側面はありますでしょうか。

答)

今、金融行政を行っていて、常に欧州危機への対応あるいは注視というのは怠らず行っていかなければならないというふうに思って日々過ごしています。今回のことに関しては、どちらかというと東日本(大震災)対応や急激な円高の進行というものに対して、しっかりとした金融が役割を果たすようにという思いでやっているものでございます。もちろん円高の淵源が欧州危機も含めた世界経済の動揺から来ているというところはありますから、そういった関連はありますけれども、ある意味、間接的な意味だということです。

問)

政務官、先ほど地銀協などにと言いましたけれども、全銀協はどうなのですか。つまり地銀協ということは、地方銀行です。全銀協というとメガバンクが入るのですけれども。

答)

おっしゃるとおりです。全銀協も一緒にやっていきたいと思います。

例示として、特に活用例みたいなものとしてよく言われるのは、ご案内のように、地方銀行、すなわちリレバン等を行っている地方の預金取扱機関と借入企業の間において、ある意味、常に貸付けされている資本性が高いと思われるような借入金があるというのは、年来言われてきたことがあったものですから、特に地銀協において、事例の成果等々をというふうにお願いしてはいます。

ただ、もちろんこのルールとしては、大手(銀行)にもあり得ることではありますから、きちんとした知らせはしていきたいと思いますが、事の性質としては、どちらかというと地方金融機関の方が多いかなと(思います)。

問)

すみません、その付随で。ということは自己資本比率なんかの問題になったときに、国際基準、バーゼルIIIにも別に抵触する問題は全然ないということですね。

答)

これ自体は、その貸付が持つプロファイルに応じた認定をしなさいということですから、考え方自体は、バーゼル等々に置かれている基本的な考え方とは何らか抵触しないと思います。

(以上)

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