第2回政策会議後大塚内閣府副大臣記者会見の概要

(平成21年10月20日(火)16時18分~16時42分 場所:金融庁第1・第2研修室)

【副大臣より発言】

とくになし

【質疑応答】

問)

冒頭に説明があった中で、対象企業420万社という中小企業があったときに、除外するのが子会社であるとか、幾つかあるという話だったのですけれども、それを外すと概ねどれぐらいになるイメージなのでしょうか。

答)

これは、数字までは出していませんけれども、金融機関の関連会社、大企業の子会社というのはそんなにめちゃくちゃ多くはないですよね。だから、あまりいい加減なことは言えませんけども、多分、そういうのはせいぜい数千社でしょう。

問)

もう一点なのですけれども、貸出条件緩和で去年からやってきた部分で、2兆円くらいでいきます、と。(それが)今回の措置で増える展開になると期待されているというお話があったと思うのですけれども、概ね、それがどのくらいの規模感というのは、何かイメージは…。

答)

正直申し上げて、それは現時点では分かりません。途中、皆さんが退席された後に少し説明をした内容の中に、例えば中小公庫とか商工中金とか、既に条件緩和に一生懸命応じているところが、21年度に、この2つで1.5兆円の条件変更目標を設定していて、4-6(月)で4,300億円実績を上げているのですけれども、こういうものがあったり、それから、金融庁の検査マニュアルの改定で2兆円出ていたり、さらには、例の緊急信用保証30兆の枠のうちまだ15兆が残っているということを考えると、その延長線上で対応できる貸出債権というのはかなりいっぱいあるはずであって、今回の法案の対象となって、新たに設ける信用保証制度を使ったり、あるいは金融機関との間で自主的な折衝、交渉の結果まとまるというものがどのくらいあるかというと、そんなにびっくりするほど多くはないのではないかなという心象は抱いていますけれど、具体的な想定はしていません。

問)

最後に一点だけなのですけれど、一番最後におっしゃっていた第一条の法目的のところが若干遠くてあまり聞こえなかったのでもう一度…。

答)

いいですよ。変わることもあり得るということで、一条だけ読み上げますね。変わることもあり得るということで。

この法律は、最近の経済金融情勢及び雇用環境の下における我が国の中小企業者及び住宅資金借入者の債務の負担の状況にかんがみ、金融機関の業務の健全かつ適切な運営の確保に配意しつつ、中小企業者及び住宅資金借入者に対する金融の円滑化を図るために必要な臨時の措置を定めることにより、中小企業者の事業活動の円滑な遂行及びこれを通じた雇用の安定並びに住宅資金借入者の生活の安定を期し、もって国民生活の安定、向上と、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

変わることもあり得ますけれども、大体こんな内容で今検討をしております。

問)

基本的なところでちょっと恐縮なのですけれども、今日出されたこの紙ですが、今見せていただいている資料の法案の概要、金融機関の努力義務とか、金融機関自らの取組みとかありますけれども、9日の説明のときにお話があったように、今回はまたあそこからちょっと進んで、法案に盛り込まれる方向だという認識でいいのでしょうか。9日発表の分は、法案に盛り込まれるものと思われるものを説明しますということでご説明があったのですが、さらにこれだけまた盛り込まれる方針になったというふうに…。

答)

そうです。今日、今、皆さんのお手元にお配りさせていただいたのは、基本的に盛り込む方向で、今、準備をしています。

問)

この時限措置のところなのですけれども、「2011年3月まで」という案と「2010年12月まで」というようなポンチ絵がありますけれども、こういう案がありましたが、結局、2011年3月までとしますということで。

答)

そうです。B案になりました。今、素案ではB案です。

問)

基本的なことで恐縮なのですけれども、丸1年ぐらい前に非常に企業の資金繰りが厳しくなって、そのときに当時の民主党の意見も参考にしながらいろいろな措置がとられて、その中で金融検査マニュアルの緩和も行われましたけれども、今の副大臣、政務三役のご認識としては、当時よりも企業の資金繰りとか経済の状況がさらに悪くなったという認識なのでしょうか。

答)

経済の状況は、小康状態にはなっていると思います。景気、経済の状況は、最悪期を脱して、少し改善の兆しは見られるけれども、総じて言えば小康状態。そういう中で、昨年来の、日銀も含めた様々な資金繰り対策によって、大企業の資金繰りについてはかなり状況が改善してきたと思っております。しかし、中小企業、零細事業者の資金繰り状況は非常に引き続き厳しいという認識です。だから、経済情勢及び資金繰り、企業金融についてはそういうような認識でおります。

問)

今まで既に、金融機関が自分の負えるリスクの中で独自に貸出条件の緩和等に応じていると思うのですが、今回の法案、今日いただいたペーパーの中に、「(金融機関が)第三者の判断を重視する枠組み」というのがありまして、これは、さらに現状以上に中小企業者のために相談に応じていくためには、こういった第三者の判断を基本的に入れながら進めていくのだというふうな枠組みだという理解でよろしいのでしょうか。

答)

そうです。それは的確なご質問だと思うのですけれども、まず企業がそれぞれの取引銀行に返済猶予も含めて条件変更を申し出るじゃないですか。そのことによって成立すれば、この法案の努力義務と、それから金融検査マニュアルのこの後の見直しに伴って、その段階で双方が合意をして条件変更に至ればこれで終わりですよね。ところが、その段階で金融機関が「ちょっと難しいですね」と言ったものについて、さらに新しく用意される信用保証制度とか、それから企業再生支援機構、中小企業再生支援協議会とか、そういうものの第三者の目を通じてもう一回見てもらって、その上であれば、まとまる話も出てくるわけです。ただ、それでも駄目だという場合は、それはやはり駄目です。

だから、そういう意味では、最初から第三者の目を入れるわけではなくて、最初は、この法の努力義務と行政的努力によって、債権・債務者が、借り手・貸し手がそれぞれの自主的判断で合意に至るということが第一段階。駄目だった場合に第三者の目を入れるというふうにご理解ください。

問)

そうすると、努力目標の方で相当厳しいことが書かれてはいるわけですけれども、それはあくまでも門前払いにしないで、できるだけ話し合いとか相談に応じるような形で進めていって、最終的に、第三者が見てもどうしても駄目なものは駄目という判断をすると…。

答)

それはそうです。基本はそうなのですが、ただ、これは監督指針の中にもやがて、「金融庁の検査が厳しいから融資に応じられない」とか、「不良債権に分類されるかもしれないから応じられない」みたいなことを融資の交渉の席で口走った場合には、その旨、例えば商工会議所や商工会を通じて行政当局に上がってくるようにしっかり態勢整備をしますので、かなり、相当前向きに金融機関も対応していただかないと、後々これは検査とか情報開示もありますので、厳しい立場に追い込まれることもあり得ますから、相当プレッシャーのかかる法律だと思います。

問)

先ほど、新たにつくられる信用保証制度というお話でしたけれども、それは先ほど、現在の緊急保証制度15兆円の枠があるというお話とはまた別の予算措置をするのか、緊急信用保証の枠をそのまま使う形で別なものをつくられるのか、今のところ調整中ということですが、どのようなイメージで…。

答)

一応、別の枠の方向で今調整をしています。

問)

また別の予算をつけるという形になるのでしょうか。

答)

別の枠をつけるということです。すぐにキャッシュが要る話ではないので、いざという場合には必要になるということを財政当局が了解しないとできませんから。

問)

今の関連なのですけれども、それはイメージとして、現行の緊急保証制度などの信用保証制度から対象となる企業を拡大するとか、より間口を広げるというようなイメージでの改正というか、制度の仕組みを変えるという、新たなものをつくるというイメージなのでしょうか。

答)

対象業種を広げるという議論にはなっていません。多分、「間口を広げる」という表現とはちょっと微妙に違います。「間口を広げる」というよりは、利用できる信用保証制度のカテゴリーを増やすというふうに言った方が良いかもしれません。だから、新しく用意される信用保証制度を使わずとも、15兆円の枠内でできれば言うことはないわけだし、カテゴリーが増えるというふうに思っていただいた方が良いと思います。

問)

金利を含めた、当初検討していたような乗り換えというか、借り換え、そういったことを現状でもまだ検討しているということでよろしいのでしょうか。

答)

それは当然この中に入ってきます。つまり、しっかり債務者の申し出に応じて、負担の軽減の申し出があった場合にはしっかり応じなさい、ということを言っているわけですから、乗り換えというスキームももう既にあるわけです。つまり、何本かの融資をまとめて一本に乗り換えて、全く新しい約定内容にして、というのも現実のビジネスベースの取引にあるわけですから、当然そういうものを金融機関も工夫をしていくと。

ただ、そういう融資のパッケージを、既に全銀協あるいはメガの3行は検討してくれていますので、法律に書き込むことではないですが、業界の自主的努力の延長線上の対応として、そういう乗り換えパッケージ、乗り換え融資商品というものを金融界は用意してくれていますので、それをしっかり活用してもらうということになると思います。

問)

住宅ローンの扱いについてどのようなものになるのか、ちょっと教えていただけますか。

答)

住宅ローンについては、当然これは法律の対象にはなりますので、住宅ローンの条件変更をしてほしいという人が出てきたら、しっかり応じてくださいということです。

ただ、既に、住宅ローンは、例えば、住宅金融支援機構が返済期間を最長15年まで延長できる制度とか、あるいは失業したり、20%以上の所得減少になった方には、さらにそれを最長3年、元金据え置き措置を実施できるとか、いろいろありますので、これらをしっかり活用していただくと。それにあわせて、例えば民間の住宅ローンと抱き合わせで借りていた人は、住宅(金融)支援機構がそういうことに応じたのだったら、しっかり民間側も同様に、民間銀行側の残債についても同じように応じなさい、という努力義務が課されるわけです。だから、対象にはしています。もっとも、何か別途の信用保証制度とか、住宅金融支援機構の制度をつくるか、ということではないです。

問)

今回、猶予の期間、当初、亀井(大臣)さんが3年程度だとか、金利も含めますよとか、そういうのは多分個別の交渉の中でケース・バイ・ケースで、期間内にとか、金利を含めるとか考えてもらうという、その法律の中で一定程度明示する、政省令とか(内閣)府令でもいいですけれども、何か期間なり、金利の扱いをどうするか、そこまではもう踏み込まないという理解でいいのですか。

答)

法律では踏み込まないです。ただ、検査マニュアル上どうなるかということが一つあるのと、それから、現在協議中の信用保証制度、新しい信用保証制度のスキームの中では、その年限に触れることはあり得ます。というか、触れる方向で、今、調整はしています。

問)

全体的な総括の話で、今日、ある程度これを見ると概要が分かって、それなりにリーズナブルな法案だと思うのですが、こういうのがまとまる前からいろいろ、説明のところでも「報道で一部誤解のあるものがあった」ということなのですけれども、これまで、こういうのが固まるのを振り返って、亀井大臣のことは言えないにしても、何らか大塚(副大臣)さんから見て、やはりちょっと行き違いなり、政策過程で反省すべき点があったというお気持ちはございませんか。

答)

特段ないですけれども、新政権が1か月経って、いろいろと試行錯誤はありますけれども、今日、とりあえず素案を説明できるところまでこぎつけられることができて良かったなと思っています。

問)

基本的なところで恐縮なのですけれども、「金融機関自らの取組み」のところで、「虚偽開示、虚偽報告には罰則を」とあるのですけれども、これは具体的にどのようなものを想定されているのですか。

答)

これは、なかなかまだはっきりとは申し上げづらいところではありますが、虚偽開示には罰金も科しますし、悪質なものについては罰金以外の処分も科すというような方向で検討はしております。

問)

今回、対象が預金取扱金融機関ということなのですけれども、前に亀井大臣が閣議後の会見の中で、その対象について、住宅ローンのところなのですけれども、「善良な借り手の負担を少しでも軽減してあげようという趣旨で対応しているわけだから、おのずと結論というのは結果として出てくるのです」とおっしゃっていたのですけれども、利用者からして、預金取扱金融機関以外のところから借りている人、その公平性というところについてはどのようにお考えでしょうか。

答)

それは、また預金取扱金融機関以外から借りている人たちの実情も踏まえて、それらの機関を管理・監督する立場にある担当省庁が考えることでありますので、今回の、この法案の検討の過程で、今のご質問の公平性についてコメントする立場にはないですね。

問)

「(金融機関の)「努力義務」の実効性を高めるための(金融行政による)諸措置(案)」の中で、「基本方針の策定・開示」とあるのですけれども、これは対象の金融機関全部が、個別に、事前に施行後の基本方針というのをつくって開示しなければいけないということですか。

答)

そうです。はい。

問)

もう少し具体的に、例えば数値目標的なものとか、どういうものを想定されているのか。

答)

数値目標ということまでは想定していませんけれども、数値目標を自主的に出す先がいれば、それは大変前向きな取組みだと思いますけれども、例えば、条件変更の申し出は前向きにちゃんと対応しますよ、というようなことを顧客に対してアナウンスするとか、そういうダイレクトメールを与信先に対してちゃんと出すとか、そういう交渉・相談に来る窓口をちゃんと設営するとか、やることはいっぱいあると思いますけれども。

個々にもやっていただきたいのですが、既に全銀協はかなりアグレッシブな通知を会員行に出しています。そして、何度も申し上げていますが、この法案というのは対症療法なので、根本的には売り上げとか需要が伸びないと業績は回復しないわけですから、そういうことをサポートするために、それぞれの業態内でビジネスマッチングのためのプラットフォームをつくるということももう始めていますし、全銀協はたしかインターネット上に11月中、10月中でしたか、態勢整備をするとか言っていて、そういうことも含めた全体的な態勢整備ということを言っていますので、あまりこちらの方で具体的にこれとこれとこれということは想定していないです。

問)

時限立法の、どういった場合に延長があり得るのか、というようなことについては、法律の中の書きぶりというのは何かあるのでしょうか。

答)

それは想定していません。延長の場合は、法改正がまた必要になりますから。やはりそのときの経済情勢を見て判断するので、新たに立法するというプロセスを経なければならないので、現時点では特段の想定はしていません。

問)

金利のところなのですけれども、基本的に金利は条件変更の枠内で引き下げとか、そういう交渉に応じられるようにするというのが一点と、この信用保証の枠内の乗り換えなんかで金利の実際の支払いを猶予するというような形はあり得るという考え方でよろしいのでしょうか。

答)

まず金利の水準はおっしゃるとおり、原則は条件変更の枠内の話です。ただ、信用保証制度の制度設計の中で、多少、もし金融機関側の負担が減るような新しい信用保証制度になる場合には、金融機関の負担が減るわけだから、その場合には、金融機関に「金利を引き下げるようなことをしなさい」的なことは今考えてはいますけれども、それはでも、今、中企庁(中小企業庁)とやっている最中ですから、確定している話ではありません。

問)

実施状況の情報開示は、半年に一遍とか3か月に一遍とか、どのぐらいの期間を想定しているのですか。

答)

金融機関は、四半期に一回ですが…。基本的には、銀行は四半期ごと、その他の対象金融機関は半期ごとを想定しています。

問)

国会報告という形になるのですか。

答)

国会報告ではなくて、公表です。公表されると、それは当然我々も見ることになりますから。国会報告ではないです。

問)

金融庁で取りまとめて普通に発表すると。

答)

そうです。

(以上)

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