東副大臣記者会見の概要

(平成22年12月7日(火)14時31分~14時47分 場所:金融庁記者会見室)

【副大臣より発言】

どうぞよろしくお願いします。

このたび、「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」について、中間案を取りまとめました。お手元に配布しております横長の2枚の概要紙に沿って、その概要を説明させていただきます。

まず、アクションプランの考え方を説明します。

1ページ目の上段をご覧ください。

経済の成長における金融の役割は、いつも申し上げているとおり2点でありまして、1つは実体経済を支えること、2つは金融自身が成長産業として経済をリードすることの2つであると考えております。

アクションプランは、これら2つの役割を十分に発揮できるよう環境を整備するために、金融庁が今後取り組んでいく方策を取りまとめたものであります。

1ページの下段にありますように、アクションプランは、マル1企業等の規模・成長段階に応じた適切な資金供給、マル2アジアと日本とをつなぐ金融、マル3国民の資産を有効に活用できる資産運用という3つの柱により構成されております。

この構成は、先般、10月4日にアクションプランの策定の進め方をご説明したときから変わっておりません。アクションプランは、この3つの柱に沿って金融庁が平成25年度までに実施する方策について、その内容とスケジュールを明示しておりますが、スケジュールについてはできるものは極力前倒しして実施していきたいと思っております。

1枚目をめくってください。

アクションプランの主な政策についてご説明申し上げます。

大きな3つのくくりが先ほど申し上げました3本の柱に対応いたしております。

左側に書いております I .企業等の規模・成長段階に応じた適切な資金供給は、金融業が実体経済を支える役割を十二分に発揮するため、中小企業、新興企業等、それぞれのニーズに応じた多様で円滑な資金供給の実現を促進するものであります。

具体的な施策は、中小企業等に対するきめ細かで円滑な資金供給、新興企業等に対する適切な成長資金の供給、機動的な資金供給等の3つに分けて整理しております。

まず、中小企業等に対するきめ細かで円滑な資金供給でありますが、地域密着型金融の促進、中堅・中小企業の実態に応じた会計基準・内部統制報告制度等の見直し、コミットメントライン法の適用対象の拡大、特定融資枠契約等5つの施策を挙げております。

次に、(2)新興企業等に対する適切な成長資金の供給では、新興市場等の信頼性回復・活性化、ベンチャー企業等への劣後ローン等の供給、銀行・保険会社の投資専門(子)会社への解禁、将来の成長可能性を重視した金融機関の取組の促進等、5つの施策を挙げております。

そして、3点目の機動的な資金供給等では、プロ向け社債発行・流通市場の整備、開示制度・運用の見直し、取引所における業績予想開示の在り方の検討・取組の慫慂等7つの施策を挙げております。

大きな2番目の柱でありますが、アジアと日本とをつなぐ金融に関しては、日本市場の魅力を向上させ、公正性、透明性を確保するとともに、内外の利用者にとっても信頼できる利便性を確保するとともに、内外の利用者にとっても信頼できる利便性の高い金融資本市場を実現することや、我が国の金融機関がアジア各国で活動する際の障壁を除去するものであります。

具体的な施策は、アジアの主たる市場、メイン・マーケットたる日本市場の実現、そして、我が国金融機関のアジア域内での活動拡大の2つに分けて整理いたしております。

まず1番目のアジアの主たる市場、メイン・マーケットたる日本市場の実現では、総合的な取引所(証券・金融・商品)創設を促す制度・施策、外国企業等による英文開示の範囲拡大等の制度整備、企業における会計実務充実のための会計専門家の活用等の促進等、7つの施策を挙げております。

次に、我が国金融機関のアジア域内での活動では、アジア諸国の金融・資本市場に関する政策協調の推進、金融機関による中小企業のアジア進出支援体制の整備・強化、保険会社による海外進出の障壁となる規制の見直し等、3つの施策を挙げております。

3番目の柱でありますが、国民の資産を有効に活用できる資産運用は、さまざまな主体に対して適切な投資機会を提供するため、それぞれの資産規模や知識に応じて金融資産を有効に活用し、適切なリスクをとり、リターンを得ることができる環境を整備するものであり、具体的には、資産流動化スキームに係る規制の弾力化、投資信託・投資法人法制の課題の把握・見直しの検討、投資運用業の規制緩和等、5つの施策を挙げております。

以上がアクションプランの中間案の概要です。

今後のスケジュールに関しては、この中間案については、本日から今月17日金曜日まで、パブリックコメントに付して広くご意見を募集することにしました。また、関係団体等から直接ご意見を伺う機会も設けることとしております。その上で、皆様から寄せられたご意見を踏まえ必要に応じて修正を行い、確定版のアクションプランを年内に公表する予定でございます。

以上です。

何かご質問があれば、技術的な質問に対しては、私は答えられないものがあると思いますが、大きな話であれば私の方から答えますので、どうぞ。

【質疑応答】

問)

年内の取りまとめということですけれども、大体17日以降、いつ頃を想定していらっしゃるのでしょうか。

答)

少なくとも、今申し上げたとおり17日までパブリックコメントに付しておりますから、その結果を見る必要もありますし、それは一般の方々からのご意見を踏まえるとともに、関係団体等から直接ご意見もいただくので、17日以前ということはあり得ません。17日以後であります。

問)

総合取引所のところなのですけれども、(中間案)6ページのところですかね、記述としてはあまり進んでいないと思うのですけれども、現状、農水省、経産省も含めて、各省の所管の問題とか、あるいはどことどこの取引所がくっつく、くっつかないとか、そういうところの現状の検討状況と、あと、年内の中間整理でどこまで詰められそうなのかという見通しについてお願いします。

答)

決意としては、(総合的な取引所検討チームを)3回やって、4回目をこの間やりました。内容に関しては皆様方に申し上げているとおり、中間案がまとまった段階で公表するというふうになっていますので、今論点を整理した上で、そしてそれをまとめたいと。それも年内にまとめたいということで頑張っております。

問)

そのときに、各省の所管の問題まで出てくると。

答)

そこまで出るかどうかということも含めた上でまとめたいというふうに思っておりますけれども、それはそれぞれの各省庁にまたがるものでありまして、まずもって論点を整理した上で、そして最終的にどうするかということになると思います。

問)

次期通常国会への関連法案の提出というのは。

答)

関連法案提出は、当然そういうものは今の途中段階で申し上げることはできませんけれども、最終的な結論がそういう方向にいけば、当然法改正が必要になってきますし、それだけのみならず、法改正が必要とすることに関しては、例えば先ほどご説明させていただきました外国企業等による英文開示の範囲拡大だとか、銀行、保険会社等の金融機関本体によるファイナンスリースの活用の解禁だとか、あるいはまたコミットメントライン法の適用対象の拡大、それから、今ご下問のある総合的な取引所創設を促す制度・施策、さらにまた、投資運用業の規制緩和など、こういう具体的な実施に当たっては、当然所要の法律の改正が必要になると、このように思っています。

問)

このアクションプランの工程表なのですけれども、先ほど、副大臣の方からできるだけ前倒ししたいというふうにおっしゃっていましたけれども、工程表でスケジュールが前倒しされたとか、あるいは、要するに従前と何か変わっているところというのはあるのでしょうか。

答)

従前と変わっているところというのは。

問)

スケジュールとしてです。

事務方)

例えば、一つの例ですけれども、保険資産を挙げるとすれば、前倒しはしております。一番分かりやすいので言いますと、保険会社における資産運用比率の規制撤廃というやつが4ページ目にございますけれども、これにつきましては平成23年度中までに関連内閣府令の改正を実施しようというようなことをやっております。

必要でしたらまた後でもう少し細かくご説明しますけれども、前倒しできるものは当初の、もともと6月の成長戦略で上がっていた金融戦略の工程表よりはなるべく前倒ししているところであります。

問)

それと、8ページの(3)の保険会社の海外の不動産投資とか買収のところなのですけれども、マル1マル2という条件が書いてありますけれども、こういう条件を満たした上で海外投資とかを規制緩和すると、保険会社にとってこの条件で結構効果はあるものなのですか。

答)

多分あるでしょうね、大きなところは私が言いますけれども、そういうことをしないとなかなか(保険会社が海外へ)出ていくことができないということなのだろうと思います。がっちり国内において保険会社が他の分野に参入していくということはほとんどできませんし、もし子会社をつくる場合でも、自分の保険会社にかかわるいろいろな用途に限られているわけですから、当然外国に保険会社がいって、そして、もちろん現地の法人をつくるわけですけれども、そのときに自前だけで100%子会社をやるとすれば、海外に出ていく以上、それなりのリスクというのを伴うわけでありますから、そういう意味で、外で保険会社がより活動して、現地の投資もちゃんと入れられるようにして、リスクも共有し合えるようなそういう形を整えていくというふうに私は理解しております。

事務方)

まさに今副大臣おっしゃったとおりでありまして、ここのポイントは議決権の総数、100%もっていなくてはいけないという規制になっているので、そうしますと、要するにほかのパートナー、一緒に不動産を取得したい人がいたとしても、1%も持ってはいけないという規制になってしまって、そこがきつくなっていますので、そこを緩めるということは、まさに今副大臣がおっしゃったように、これは相当効果が出てくるのではないかというふうに考えております。

答)

それでは、どうぞよろしくお願いします。

(以上)

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