V  協同組織金融機関

V -1 協同組織金融機関における共通事項

信用金庫、信用協同組合及び労働金庫(以下「協同組織金融機関」という。)については、会員・組合員の相互扶助を目的とした組織であるという特性を有しているほか、いずれの協同組織金融機関の業態においても、個別の金融機関に対して経営支援機能を有する協同組織中央金融機関(以下「中央機関」という。)が存在するなど共通する特色を有している。

協同組織金融機関の監督に当たっては、こうした協同組織金融機関固有の特性や共通する特色等を踏まえ、以下の点に留意することとする。また、対象金融機関の規模・特性等を十分に踏まえるとともに、業務運営についての自主的な努力を尊重するよう努めるものとする。

V -1-1 出資増強及び合併における留意点

協同組織金融機関の普通出資については、マル1基本的には会員・組合員の事業利用権であること、マル2出資者の資格が制限されていること等から流通性が乏しいことなど、株式会社である銀行の株式とは異なる性格や制度的枠組みを有している。

協同組織金融機関における出資増強及び合併に関する監督に当たっては、こうした協同組織金融機関における普通出資の特性や銀行とは異なる制度的枠組み等を踏まえ、以下のような点に留意することとする。なお、協同組織金融機関における優先出資による資本増強に関する監督に当たっても、以下の項目を、適宜、読み替えて対応するものとする。

V -1-1-1 着眼点

V -1-1-1-1 出資増強に関する着眼点

例えば早期是正措置や早期警戒制度における収益性改善措置など、協同組織金融機関に対して、必要に応じ、法令に基づき経営改善計画等の提出を求めた場合において、当該計画中に普通出資による資本増強策が含まれている場合にあっては、例えば「資本充実の原則」との関係や「優越的な地位の濫用」の防止など法令等遵守に係る内部管理態勢の確立について、健全性や誠実さの観点から十分な経営努力が払われているかどうか等、特に、以下のような着眼点から検証することとする。

  • (1)基本的な経営姿勢

    • マル1理事会が、出資増強に関する法令等遵守の重要性を理解し、全組織的な態勢整備を行っているか。

    • マル2理事会は、単に内部規則の制定、通知の発出等に留まらず、職員への周知・徹底を確実に図ることとしているか。また、組織内における監視・けん制機能を実効性あるものとしているか。

  • (2)特に留意すべき事項

    出資増強に際して遵守すべき全ての法令等に対して、十分なコンプライアンスを確保することとしているか。

    特に、以下の点について、十分な遵守態勢が構築されているか。

    • マル1「資本充実の原則」の遵守、及び金融機関の自己資本としての健全性(安定性・適格性)の確保(本監督指針 II -3-1-5-2(2)マル2イ.を準用する。)

    • マル2独占禁止法が禁止している不公正な取引方法に該当する行為(例えば「優越的な地位の濫用」)の発生防止

    • マル3適切な説明(例えば「出資の勧誘等に際しての顧客への説明方法及び内容が、民法等の観点から適切なものとなっているか。」特に、「預金等との誤認を防止するための十分な措置を講じているか。」「流動性に関して、上場株式とその性格を異にしていることを説明しているか。」等。)

  • (3)コンプライアンス状況の事後的な点検体制の整備

    出資増強の手続きの進行に応じて、コンプライアンス状況について、全組織的な事後点検を行う体制を整えているか。

V -1-1-1-2 合併に関する着眼点

協同組織金融機関の合併は、普通出資の特性から、基本的には、企業結合に関する会計基準(企業会計基準第21号)における「取得」や「支配」の概念とは相容れず、合併金融機関の総代が合併後も継続して議決権を集約して行使する場合など、合併の経済的実態について「持分の結合」ではなく「取得」と解すべき例外的な場合を除き、基本的に、吸収合併対象財産又は新設合併対象財産について、吸収合併又は新設合併の直前の帳簿価額を付す方法(いわゆる持分プーリング法)により会計処理を行う取扱いとされている。

このような点も踏まえ、協同組織金融機関の合併に関しては、システム統合リスク等の検証に加え、説明書類等において合併に関する情報開示が適切に行われているかについて検証することとする。

V -1-1-2 監督手法・対応

  • (1)協同組織金融機関から法令に基づき経営改善計画等の提出を求めた場合において、当該計画中に普通出資による資本増強策が含まれている場合には、各種の法令等遵守に係る内部管理態勢全般に関する資料(本監督指針 II -3-1-5-2(1)の(注2)を適宜参照)の添付を求めることとする。

  • (2)協同組織金融機関から法令に基づき提出された経営改善計画を検証した結果、協同組織金融機関における対応の適切性に疑義が認められる場合には、必要に応じ法令に基づき報告を求め、又は、重大な問題があると認められる場合には、業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。

V -1-2 システム障害発生時等における留意点

多くの協同組織金融機関においては、勘定系システムなど基幹システムの構築・運用等を地区毎に協同組織金融機関が共同で設立した事務センター(以下「共同センター」という。)に委託したり、内国為替及びCDオンライン提携に係る業界内のネットワークシステムや他業態システムと接続するネットワークシステムの構築・運用等を各業態の中央機関とその子会社であるシステムセンター(以下「業態センター」という。)に委託したりしている。このため、ひとたび共同センターや業態センターにおいてシステム障害が発生した場合には、その影響は業態全体に及ぶ可能性もあるほか、システム障害により直接、顧客に対して説明責任を負うことになる個別の協同組織金融機関においても、システム障害発生の原因分析や復旧作業及び再発防止策の策定について迅速かつ的確な対応ができないといった協同組織金融機関固有の弊害があると考えられる。

従って、協同組織金融機関におけるシステム障害発生時等の対応については、原則としては、本監督指針の II -3-4-1-3及び II -3-6-3を準用することとするが、上記のような協同組織金融機関固有の事情を踏まえ、以下のような点にも留意することとする。

V -1-2-1 共同センター等に起因する障害発生時等における留意点

  • (1)財務局における対応

    協同組織金融機関において、共同センターに起因するシステム障害が発生した場合にあっては当該協同組織金融機関及び当該共同センターに対して、また、業態センターに起因するシステム障害が発生した場合にあっては当該協同組織金融機関に対して、直ちに、本監督指針の II -3-4-1-3(2)に沿った対応を求めるとともに、監督局協同組織金融室あてその旨の連絡を速やかに行うなど金融庁及び関係する財務局との連携・情報の共有等を密接に行うこととする。

    なお、共同センターに対してヒアリング等を行う場合には、必要に応じ、当該共同センターの利用者組織の代表金融機関又は利用者により組織された団体等に対しても同席を求めるよう努めるものとする。

  • (2)金融庁における対応

    協同組織金融機関において業態センターに起因するシステム障害が発生した旨の情報を入手した場合には、当該協同組織金融機関の中央機関及び当該業態センターに対して、直ちに、本監督指針の II -3-4-1-3(2)に準じた対応を求めるとともに、中央機関や業態センターから得た情報等については、適宜、関係財務局に還元するなど、財務局との連携・情報の共有等を密接に行うこととする。

    なお、業態センターに対してヒアリング等を行う場合には、当該業態センターの各業態の中央機関に対しても同席等を求めるよう努めるものとする。

V -1-2-2 システム統合時における留意点

共同センターや業態センターを利用している協同組織金融機関同士がシステム統合をする場合や自営のシステムを共同センターに統合させる場合のシステムリスクは、自営のシステム同士を統合させる場合のシステムリスクに比べて大きな差異があると考えられることから、システム統合時における監督上の対応については、本監督指針の II -3-6-3に沿って機械的・画一的に運用するのではなく、実態に即して対応するよう留意することとする。

V -1-3 信用金庫又は信用協同組合が会員又は組合員の海外子会社への資金の貸付け等を行う場合のリスク管理等

V -1-3-1 意義

信用金庫又は信用協同組合が、信用金庫法施行令第八条第一項第四号若しくは中小企業等協同組合法施行令第十四条第一項第三号に基づく資金の貸付け又は信用金庫法施行規則第五十条第一項第二号の二若しくは中小企業等協同組合法による信用協同組合及び信用協同組合連合会の事業に関する内閣府令第一条の三第一項第一号の二に基づく債務の保証(以下「資金の貸付け等」という。)を行う場合においては、借り手企業(債務の保証先を含む。以下同じ。)が海外に所在することも踏まえ、適切なリスク管理態勢及び法令等遵守態勢の整備を行う必要がある。

V -1-3-2 着眼点

必要に応じて中央機関とも連携しつつ、以下の点を含む適切なリスク管理態勢及び法令等遵守態勢を整備しているかについて検証することとする。

  • (1)借り手企業の経営状況、資金使途及び回収可能性等について十分に把握するため、当該企業の親会社たる会員又は組合員(以下「会員等」という。)から情報を適時適切に入手すること等により、実効性ある融資審査やモニタリングを実施しているか。また、必要に応じ、現地において借り手企業の状況等を確認することができる態勢を整備しているか。

  • (2)借り手企業に対する資金の貸付け等を行うに際し、借り手企業の財務基盤等に鑑み、必要に応じ、親会社たる会員等との間で保証契約を締結しているか。

  • (3)外貨建てによる資金の貸付け等を行う場合には、為替リスクのヘッジ手段を確保する等適切な為替リスク管理を行っているか。

  • (4)日本国内の法令等のみならず、借り手企業の所在地における法令等を遵守するための態勢を整備しているか。

V -1-4 主なオフサイト・モニタリングの年間スケジュール

協同組織金融機関の主なオフサイト・モニタリングの年間スケジュールは、別紙6を目途に行うこととする。

なお、協同組織金融機関に対するオフサイト・モニタリングの一環として、以下に掲げるヒアリングを定期的に実施することを原則とするが、各財務局においては、効率的・効果的に行うよう努めるものとする。

V -1-4-1 トップヒアリング

トップヒアリングにおいては、財務局幹部が、協同組織金融機関の経営者に対して、当該協同組織金融機関の経営戦略及び経営方針、理事会などの機能状況等に関しヒアリングを行うこととする。

V -1-4-2 総合的なヒアリング

総合的なヒアリングにおいては、決算状況や財務上の課題についてヒアリングするとともに、各金融機関における経営戦略や意思決定が具体的にどのような施策として取り組まれ、また、その取組みの実施状況がどのように分析・評価されているかといった観点から収益管理態勢等をヒアリングすることにより、財務内容の的確な把握と収益管理態勢の向上に向けた取組み等を促すこととする。

なお、ヒアリングの実施時期は別紙6を目途に行うこととするが、必要に応じ、臨機のヒアリングを実施することとする。

V -1-4-3 内部監査ヒアリング等

協同組織金融機関のリスク管理やコンプライアンスの状況等について、協同組織金融機関の内部監査部門から、年1回(原則として4月頃を目途とするが、それ以外の時期に行なうことを妨げない。)ヒアリングを実施することとする。その際、協同組織金融機関の内部監査の体制、監査計画の立案状況、内部監査の実施状況、問題点の是正状況、今後の課題等についてヒアリングすることとする。

また、特に必要があると認められる場合には、協同組織金融機関の監事に対してもヒアリングを実施することとする。

V -1-4-4 9月末における財務内容ヒアリング

協同組織金融機関は法令上中間決算が義務付けられていないが、金融機関が自ら実施する半期情報開示の状況等をヒアリングすることにより、9月末における財務内容や財務上の課題を把握するとともに、収益管理態勢の向上に向けた取組み等を促すこととする。

V -1-4-5 中央機関に対するオフサイト・モニタリングについて

中央機関に対するオフサイト・モニタリングについては、金融庁監督局において、以下のとおり行うものとする。

  • (1)決算ヒアリング

    半期毎に、決算の状況や財務上の課題についてヒアリングを実施することとする。

  • (2)総合的なヒアリング

    中央機関の決算状況等を踏まえた業務再構築に向けた取組み状況、資本政策の状況等に加え、傘下金融機関の地域密着型金融の取組みや経営力の強化に向けた取組みに係る各種業務支援・補完に対する取組み状況、今後の方向性等について、年2回(6月及び12月を目途)ヒアリングを実施することとする。

  • (3)リスク管理ヒアリング

    中央機関のリスク管理の現状、課題、方向性等に加え、傘下金融機関に対する市場リスク管理等に係る支援・補完に対する取組み状況、今後の方向性等について、年2回(3月及び9月を目途)ヒアリングを実施することとする。

  • (4)内部監査ヒアリング

    中央機関のリスク管理やコンプライアンスの状況等について、中央機関の内部監査部門から、原則として年1回(4月を目途)ヒアリングを実施することとする。その際、中央機関の内部監査の体制、監査計画の立案状況、内部監査の実施状況、問題点の是正状況、今後の課題等についてヒアリングすることとする。

  • (5)随時のヒアリング

    中央機関・業態全体の業績の変化、金利・資産価格の変動等の経済情勢や業態に対する利用者の姿勢の変化等、中央機関・業態を取り巻く動向、様々な状況変化に応じて、随時ヒアリングを実施することとする。

V -1-5 金融機能強化法に関する留意事項

金融機能強化法に基づき資本参加を行う場合の運用に当たっては、特に以下の点に留意するものとする。

V -1-5-1 経営強化計画の記載事項に関する留意事項

  • (1)金融機能の強化のための特別措置に関する内閣府令(以下 V -1-5において「府令」という。)第9条第2号ハに規定する「中小企業者」、「地元の事業者」及び「信用供与」については、以下の点に留意するものとする。

    • マル1「中小企業者」とは、信用金庫法施行規則、協同組合による金融事業に関する法律施行規則及び労働金庫法施行規則のそれぞれの別表第一における「中小企業等」から個人事業者以外の個人を除いたものとする。

    • マル2「地元の事業者」とは、協同組織金融機関等(金融機能強化法第34条の2に規定する協同組織金融機関等をいう。以下同じ。)が主として業務を行っている地域が属する都道府県内の事業者(個人事業者を含む。)とする。

    • マル3「信用供与」については、以下のものを除外したものとする。

      • イ.政府出資主要法人向け貸出、及び特殊法人向け貸出

      • ロ.土地開発公社向け貸出、地方住宅供給公社向け貸出、及び地方道路公社向け貸出

      • ハ.大企業が保有する各種債権又は動産・不動産の流動化スキームに係るSPC向け貸出

      • ニ.自金庫又は自組合の子会社向け貸出

      • ホ.個人向け貸出

      • ヘ.上記のほか金融機能強化法の趣旨に反するような貸出

  • (2)府令別紙様式第一号(記載上の注意)7.(1)及び別紙様式第二号(記載上の注意)8.(1)に規定する「経営改善支援等取組先企業(個人事業者を含む。)の数の取引先の企業(個人事業者を含む。)の総数に占める割合」については、以下の点に留意するものとする。

    なお、「経営改善支援等取組先企業」及び「取引先の企業」には、個人ローン又は住宅ローンのみの取引先は含まないものとする。以下 V -1-5-1(2)において同じとする。

    また、「経営改善支援等取組先」とは、経営強化計画に記載した以下の方策に基づき、経営改善支援等に取り組んでいる取引先とする。

    • マル1創業又は新事業の開拓に対する支援に係る機能の強化のための方策

    • マル2経営に関する相談その他の取引先の企業に対する支援に係る機能の強化のための方策

    • マル3早期の事業再生に資する方策

    • マル4事業の承継に対する支援に係る機能の強化のための方策

    • マル5担保又は保証に過度に依存しない融資の促進その他の中小規模の事業者の需要に対応した信用供与の条件又は方法の充実のための方策

    • (注1) 上記「経営改善支援等取組先」の具体例は以下のとおり。

      • マル1創業又は新事業の開拓に対する支援に係る機能の強化のための方策

        • イ.政府関係金融機関と協調して投融資等を行った取引先

        • ロ.創業支援融資商品による融資を行った取引先

        • ハ.企業育成ファンドの組成・出資等を行った取引先 等

      • マル2経営に関する相談その他の取引先の企業に対する支援に係る機能の強化のための方策

        • イ.コンサルティング機能、情報提供機能等を活用して、財務管理手法等の改善、経費節減、資産売却、業務再構築、組織再編等の助言を行った取引先

        • ロ.取引先との長期的な密度の高い関係(コミュニケーション)から得られる情報を活用しつつ、公的制度等に係る情報提供、資金繰りや売上げ等に係る経営改善指導、財務書類の作成や後継者育成等に係る助言など、事業者の幅広い情報提供・経営指導・相談のニーズへの対応を継続して行っている先

        • ハ.紹介した外部専門家(経営コンサルタント、公認会計士、税理士、弁護士等)が業務再構築等の助言を行った取引先 等

      • マル3早期の事業再生に資する方策

        • イ.人材を派遣して再建計画策定その他の支援等を行った取引先

        • ロ.プリパッケージ型事業再生(民事再生法等の活用)(注)及び私的整理ガイドライン手続の中で再生計画等の策定に関与した取引先

          • (注) 再生型法的整理(民事再生法、会社更生法等)において議決権を行使したに過ぎない場合は含まれない。

        • ハ.企業再生ファンドの組成による企業再生のため当該ファンドに出資(現物出資)した取引先

        • ニ.企業再生に当たり、デット・エクイティ・スワップ(DES)、デット・デット・スワップ(DDS)、DIPファイナンス等の手法を活用した取引先

        • ホ.「中小企業再生型信託スキーム」等RCCの信託機能を活用して再建計画の策定に関与した取引先

        • ヘ.中小企業再生支援協議会と連携し再生計画の策定に関与した取引先 等

      • マル4事業の承継に対する支援に係る機能の強化のための方策

        相続対策のコンサルティングに加え、MBO、EBO等を含む株式買取に関する資金面の支援やM&Aのマッチング支援を行った取引先 等

      • マル5担保又は保証に過度に依存しない融資の促進その他の中小規模の事業者の需要に対応した信用供与の条件又は方法の充実のための方策

        • イ.スコアリングモデルを活用した商品による融資を行った取引先

        • ロ.財務制限条項を活用した商品による融資を行った取引先

        • ハ.財務諸表の精度が相対的に高い中小企業者に対する特別な融資プログラムによる融資を行った取引先

        • ニ.「十分な資本的性質が認められる借入金」の融資を行った取引先 等

      なお、経営改善支援等の具体的な取組みは、各金融機関において自らの規模・特性、利用者の期待やニーズ等を踏まえ、自主的な経営判断により決定されるべきものであり、一律・網羅的な対応を求めるものではないことに留意する。また、経営強化計画において、「経営改善支援等取組先」の内容が記載されているか確認する。

    • (注2)上記「経営改善支援等取組先」のうちマル2及びマル3については、重点的に経営改善を支援する対象との位置付けを明確にし、当該取組先の経営の実態に応じて、例えば、イ.経営改善支援の専担組織・専担者の支援の対象先としている、ロ.本部と営業店が連携して支援を行うこととしている等、経営改善支援の対象としていることについて客観的な裏付けがある場合に限る。したがって、単なる与信管理、貸出条件の緩和等の契約更改(経営改善の支援を目的としないものに限る。)、回収強化、金融支援等を行っている先は、「経営改善支援等取組先」には含まれないことに留意する。

V -1-5-2 株式等の引受け等の決定に関する留意事項

金融機能強化法第5条第1項及び第17条第1項に規定する株式等の引受け等の決定並びに第28条第1項に規定する信託受益権等の買取りの決定に関し、以下に掲げる要件の審査に当たっては、それぞれ特に以下の点に留意するものとする。

  • (1)金融機能強化法第5条第1項第2号、第17条第1項第2号並びに第28条第1項第2号ロ及び第3号ロに規定する要件

    審査に当たっては、経営の改善の目標を達成するための方策として、地域密着型金融に関する取組み等による収益性の確保及び業務の効率化が実行されているか、又は、実行されることが確実に見込まれるかを確認する。

    また、併せて、当該方策が合理的なものか、説明力が十分かを確認する。

  • (2)金融機能強化法第5条第1項第3号及び第17条第1項第4号イに規定する要件

    「中小規模事業者等向け信用供与円滑化計画」を適切かつ円滑に実施するための方策の審査に当たっては、特に以下の点に着眼する。

    • マル1毎年9月末日及び3月末日(以下「報告基準日」という。)における「中小規模事業者等向け貸出比率(中小企業者又は地元の事業者(以下「中小規模事業者等」という。)に対する信用供与の残高の総資産に占める割合をいう。以下同じ。)」の水準を、当該経営強化計画の始期における中小規模事業者等向け貸出比率の水準と同等の水準又はそれを上回る水準とすることが確実に見込まれるか。

    • マル2報告基準日における「中小規模事業者等に対する信用供与の残高の見込み」が合理的な水準となっているか。

  • (3)金融機能強化法第5条第1項第4号、第17条第1項第3号並びに第28条第1項第2号ハ及び第3号ハに規定する要件

    審査に当たっては、特に以下の点に着眼する。

    • マル1部門別の損益管理が実施されている等、経営強化計画が適切に実施されるための経営管理体制が構築されていること。

    • マル2減資等により繰越欠損金の処理がなされている等、公的資金の配当の確保に向けた準備が整っていること。

    • マル3員外監事の選任・拡充を図る場合に当該監事予定者の就任承諾を得ている等、責任ある経営体制の確立に向けた準備が整っていること。

    • マル4労使間で十分な協議を行うこと、かつ、経営強化計画の実施に際して雇用の安定等に十分な配慮を行うことが見込まれる等、経営強化計画の実施により従業員の地位が不当に害されないものであること(金融機能強化法第17条第1項第3号並びに第28条第1項第2号ハ及び第3号ハに規定する要件に限る。)。

    • マル5基準適合金融機関等(金融機能強化法第5条第1項第6号に規定する基準適合金融機関等をいう。 V -1-5-7(2)マル4において同じ。)でないときは、府令第5条第6号に規定する従前の経営に関する分析結果の内容及びそれに基づく経営管理に係る体制の改善を図るための方策(当該分析結果により、経営者の責めに帰すべき事由により基準適合金融機関等でなくなったと認められる場合には、経営責任の明確化を含めた経営管理に係る体制の抜本的な改善を図るための方策を含む。)が妥当なものであること。例えば、当該分析結果の内容を検証した結果、業務執行やリスク管理がずさんな経営管理体制が維持される場合には、計画の円滑・的確な実施が見込まれないものとして、国の資本参加の基準を満たさないこととする。

  • (4)金融機能強化法第5条第1項第6号及び第17条第1項第4号ニに規定する要件

    審査に当たっては、金融機能の強化のための特別措置に関する法律施行令第5条第2号及び第14条第2号に規定する「主務省令で定める基準に適合するものである場合」との要件について、府令第11条第2号及び第42条第2号に規定する「主として業務を行っている地域」については協同組織金融機関の主たる事務所が所在する都道府県を、また、「相当と認める率」については1%を、目安とするものとする。

  • (5)金融機能強化法第5条第1項第8号及び第9号、第17条第1項第4号ホ及びヘ並びに第28条第1項第1号ロ及び第2号ニ(2)に規定する要件

    審査に当たっては、「経営強化計画の実施のために必要な範囲であること」との要件について、金融市場の急激な変動その他の経済情勢の大幅な変動が生じた場合でも、金融機関等の財務基盤の安定を確保し、適切かつ積極的な金融仲介機能が発揮できるようにするなど、当該金融機関等が主として業務を行っている地域で金融機能を発揮するために十分な自己資本の水準かどうかを確認する。

  • (6)金融機能強化法第5条第1項第11号及び第17条第1項第8号に規定する要件

    審査に当たっては、経営強化計画に添付される貸借対照表等の財務諸表が、直近の当局検査の内容を的確に踏まえたものであるか、又は、監査法人等との協議を経たものであるかを確認する。

  • (7)金融機能強化法第17条第1項第6号ハ及びニ(2)並びに第28条第1項第3号ホに規定する要件

    審査に当たっては、「金融組織再編成の実施のために必要な範囲を超えないこと」との要件について、第15条第1項の申込みに係る株式等の引受け等が、資本参加を受ける金融機関等の自己資本比率を、経営強化計画を提出した金融機関等の直近の自己資本比率の水準にまで回復するために必要な額(以下「障壁除去に必要な額」という。)を超えないことを確認する。

V -1-5-3 経営強化計画の履行を確保するための監督上の措置

  • (1)金融機関等に対する資本の増強に関する特別措置に係る監督上の措置

    金融機能強化法第11条及び第21条に規定する監督上必要な措置については、特に以下の点に留意する。

    • マル1経営の改善の目標に係る監督上の措置

      • イ.経営強化計画の実施期間中

        経営強化計画の始期となる事業年度の翌事業年度末以降において、報告基準日におけるコア業務純益の実績(コア業務純益ROAを選択した場合はその実績)が経営強化計画の始期の水準を下回った場合には、その理由及び収益性の向上に係る改善策について報告を求め、フォローアップを行うものとする。

      • ロ.経営強化計画の終期

        経営強化計画の終期において、コア業務純益の実績(コア業務純益ROAを選択した場合はその実績)が経営強化計画に記載された目標を3割以上下回った場合、又は、業務粗利益経費率の実績が経営強化計画の始期の水準を上回った場合には、その理由及び収益性又は業務の効率の向上に向けた抜本的な改善策について報告を求め、必要に応じ、当該改善策の実行を求める業務改善命令の発動を検討するものとする。

        • (注1)上記ロ.において、業務粗利益経費率については、経営強化計画の終期の実績が計画の始期の水準を上回った場合であっても、機械的には監督上の措置を講じないこととする。業務改善命令の必要性の有無を検討するに際しては、まずは、上記の場合に至った要因がやむを得ない事情に基づくものであるかどうか、中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策等が確実に履行されているかどうかなどを十分検証する。

        • (注2)上記ロ.に係る業務改善命令が発動された場合は、翌年度以降改善状況のフォローアップを行い、なお状況の改善が図られていないと認められるときには、原則として、責任ある経営体制の確立を含む抜本的改善策の提出及びその実行を求める業務改善命令の発動を検討する等、厳正に対応するものとする。

      • マル1全体注)障壁除去に必要な額を超えない範囲で資本参加を受ける金融機関等については、原則として、本措置は適用しないものとする。

    • マル2中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策に係る監督上の措置

      • イ.a.報告基準日における「中小規模事業者等向け貸出比率」及びb.報告基準日における「中小規模事業者等に対する信用供与の残高」の実績、又はc.報告基準日における「経営改善支援等取組先企業の数の取引先の企業の総数に占める割合」の実績が、経営強化計画の始期(季節変動要因等を考慮すべき場合は始期直前の同期)の水準を下回った場合には、その理由について報告を求める。さらに、当該指標の改善に向けた実効性のある施策が十分に講じられたと認めがたい場合には、当該指標に係る改善策の提出を求め、必要に応じ、当該改善策の実行を求める業務改善命令の発動を検討するものとする。

      • ロ.経営強化計画の始期から1年後の報告基準日以降において、上記イ.のa.及びb.の実績、又はc.の実績が2期連続で経営強化計画の始期(季節変動要因等を考慮すべき場合は始期直前の同期)の水準を下回った場合には、その理由及び抜本的改善策について報告を求めるとともに、原則として当該改善策の実行を求める業務改善命令の発動を検討するものとする。

    • マル3その他の場合の監督上の措置

      上記の場合のほか、経営強化計画の履行状況に照らして必要があると認められる場合には、当該経営強化計画の履行を確保するため、監督上必要な措置を講じるものとする。

    • (注)なお、協定銀行が引き受けた優先出資に所定の配当がなされない場合には、金融機能強化法に基づき、所定の配当がなされない理由、当該優先出資の消却に対応することができる財源が従前どおり確保されることが十分担保されるような抜本的収益改善策等の報告を求め、必要に応じ、当該改善策等の実行を求める業務改善命令の発動を検討する等、厳正に対応するものとする。

  • (2)協同組織中央金融機関による協同組織金融機関に対する資本の増強に関する特別措置に係る監督上の措置

    金融機能強化法第32条に規定する監督上必要な措置については、特に以下の点に留意する。

    • マル1経営の改善の目標に係る監督上の措置

      • イ.経営強化計画の実施期間中

        経営強化計画の始期となる事業年度の翌事業年度末以降において、報告基準日におけるコア業務純益の実績(コア業務純益ROAを選択した場合はその実績)が経営強化計画の始期の水準を下回った場合には、その理由及び収益性の向上に係る改善策について報告を求め、フォローアップを行うものとする。

      • ロ.経営強化計画の終期

        経営強化計画の終期において、コア業務純益の実績(コア業務純益ROAを選択した場合はその実績)が経営強化計画に記載された目標を3割以上下回った場合、又は、業務粗利益経費率の実績が経営強化計画の始期の水準を上回った場合には、その理由及び収益性又は業務の効率の向上に向けた抜本的な改善策について報告を求め、必要に応じ、当該改善策の実行を求める業務改善命令の発動を検討するものとする。

        • (注1)上記ロ.において、業務粗利益経費率については、経営強化計画の終期の実績が計画の始期の水準を上回った場合であっても、機械的には監督上の措置を講じないこととする。業務改善命令の必要性の有無を検討するに際しては、まずは、上記の場合に至った要因がやむを得ない事情に基づくものであるかどうか、中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化のための方策等が確実に履行されているかどうかなどを十分検証する。

        • (注2)上記ロ.に係る業務改善命令が発動された場合は、翌年度以降改善状況のフォローアップを行い、なお状況の改善が図られていないと認められるときには、原則として、当該協同組織中央金融機関又は当該協同組織金融機関に対し、責任ある経営体制の確立を含む抜本的改善策の提出及びその実行を求める業務改善命令の発動を検討する等、厳正に対応するものとする。

      • マル1全体注)障壁除去に必要な額を超えない範囲で資本参加を受ける協同組織中央金融機関及び協同組織金融機関については、原則として、本措置は適用しないものとする。

    • マル2中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策に係る監督上の措置

      • イ.a.報告基準日における「中小規模事業者等向け貸出比率」及びb.報告基準日における「中小規模事業者等に対する信用供与の残高」の実績、又はc.報告基準日における「経営改善支援等取組先企業の数の取引先の企業の総数に占める割合」の実績が、経営強化計画の始期(季節変動要因等を考慮すべき場合は始期直前の同期)の水準を下回った場合には、当該協同組織中央金融機関又は当該協同組織金融機関に対し、その理由について報告を求める。さらに、当該指標の改善に向けた実効性のある施策が十分に講じられたと認めがたい場合には、当該協同組織中央金融機関又は当該協同組織金融機関に対し、当該指標に係る改善策の提出を求め、必要に応じ、当該改善策の実行を求める業務改善命令の発動を検討するものとする。

      • ロ.経営強化計画の始期から1年後の報告基準日以降において、上記イ.のa.及びb.の実績、又はc.の実績が2期連続で経営強化計画の始期(季節変動要因等を考慮すべき場合は始期直前の同期)の水準を下回った場合には、当該協同組織中央金融機関又は当該協同組織金融機関に対し、その理由及び抜本的改善策について報告を求めるとともに、原則として当該改善策の実行を求める業務改善命令の発動を検討するものとする。

    • マル3その他の場合の監督上の措置

      上記の場合のほか、経営強化計画の履行状況に照らして必要があると認められる場合には、当該経営強化計画の履行を確保するため、監督上必要な措置を講じるものとする。

    • (注)なお、協定銀行が買取りを行った信託受益権等に所定の配当がなされない場合には、金融機能強化法に基づき、当該協同組織中央金融機関又は当該協同組織金融機関に対し、所定の配当がなされない理由、当該信託受益権等に係る取得優先出資等の消却に対応することができる財源が従前どおり確保されることが十分担保されるような抜本的収益改善策等の報告を求め、必要に応じ、当該改善策等の実行を求める業務改善命令の発動を検討する等、厳正に対応するものとする。

V -1-5-4 金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律(以下「改正法(平成20年12月施行)」という。)の施行前に改正前の金融機能強化法の規定によりされた決定に係る経営強化計画について

改正法(平成20年12月施行)の施行前に改正法(平成20年12月施行)第1条の規定による改正前の金融機能強化法第5条第1項又は第17条第1項の規定によりされた決定に係る経営強化計画については、本監督指針の一部改正(平成25年3月29日適用)による監督指針V-1-5-1を除き、本監督指針の一部改正(平成20年12月17日適用)による改正前の本監督指針V-1-4の規定を適用することとする。

V -1-5-5 協同組織金融機能強化方針の記載事項に関する留意事項

府令第93条第2号ハの「中小規模事業者等」については、 V -1-5-1(1)を参照すること。

V -1-5-6 協同組織中央金融機関が協同組織金融機関等から特定支援の申込みを受けた場合の審査体制に係る留意事項

府令第94条第1号ハに規定する「特定支援の申込みをした協同組織金融機関等により適切に資産の査定がされていること。」については、特定支援の申込みをした協同組織金融機関等による当該申込みの日前1年以内の一定の日の資産の査定について、直近の当局検査の内容を的確に踏まえたものであること又は、監査法人等若しくは協同組織中央金融機関との協議を経ていることとする。

V -1-5-7 優先出資の引受け等の決定に関する留意事項

金融機能強化法第34条の4第1項に規定する優先出資の引受け等の決定に関し、以下に掲げる要件の審査に当たっては、それぞれ特に以下の点に留意するものとする。

  • (1)金融機能強化法第34条の4第1項第1号に規定する要件

    • マル1「中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の地域における経済の活性化に資するための方針」の審査に当たっては、当該方針が協同組織金融関係機関(金融機能強化法第34条の2に規定する協同組織金融関係機関をいう。以下同じ。)全体において、中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の地域における経済の活性化に資するためのものとなっていること。

    • マル2協同組織金融機関等に対する経営指導の方針やその内容が、当該協同組織金融機関等による金融機能の発揮を促進するために適切なものとなっていること。

    • マル3協同組織金融機関等から優先出資の引受け等の申込みがあった場合に、以下の内容を含む計画を提出させ、それをフォローアップすることとなっていること。

      • イ.今後の経営戦略(収益性及び業務の効率の向上のための方策を含む。)及び経営の見通し

      • ロ.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の地域における経済の活性化に資する方策

      • ハ.責任ある経営体制の確立のための方策

      • ニ.優先出資又は劣後ローンの消却、償還又は返済に必要な財源を確保するための方策

      • ホ.財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営を確保するための方策

      • (注)「ロ.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の地域における経済の活性化に資する方策」には、以下の点が記載されることとなっているか確認する。

        • a.毎年9月末日及び3月末日(以下「報告基準日」という。)における中小規模事業者等向け貸出比率(中小企業者又は地元の事業者(以下「中小規模事業者等」という。)に対する信用供与の残高の総資産に占める割合をいう。以下同じ。)の水準を、計画の始期における中小規模事業者等向け貸出比率の水準と同等の水準又はそれを上回る水準とするための方策。

        • b.報告基準日における中小規模事業者等に対する信用供与の残高の見込み

        • c.経営改善支援等取組先企業の数の取引先の企業の総数に占める割合の見込み

  • (2)金融機能強化法第34条の4第1項第2号に規定する要件

    審査に当たっては、特に以下の点に着眼する。

    • マル1協同組織金融機能強化方針を円滑かつ確実に実施するための経営管理体制や協同組織金融機関等に対する経営指導体制が構築されていること。

    • マル2協同組織中央金融機関等の剰余金の処分の方針において、優先出資の引受け等を求める額及びその内容並びに協同組織中央金融機関等の収益力等に照らして、優先出資処分又は償還若しくは返済に対応するための財源の確保の方針が合理的なものとなっていること。

    • マル3公的資金の配当の確保に向けた準備が整っていること。

    • マル4員外監事の選任・拡充を図る場合に当該監事予定者の就任承諾を得ている等、責任ある経営体制の確立に向けた準備が整っていること。

    • マル5基準適合金融機関等でないときは、府令第95条において準用する第5条第6号に規定する従前の経営に関する分析結果の内容及びそれに基づく経営管理に係る体制の改善を図るための方策(当該分析結果により、経営者の責めに帰すべき事由により基準適合金融機関等でなくなったと認められる場合には、経営責任の明確化を含めた経営管理に係る体制の抜本的な改善を図るための方策を含む。)が妥当なものであること。例えば、当該分析結果の内容を検証した結果、業務執行やリスク管理がずさんな経営管理体制が維持される場合には、方針の円滑・的確な実施が見込まれないものとして、国の資本参加の基準を満たさないこととする。

    • マル6公的資金の管理運用体制(協同組織金融機関等からの特定支援の申込みに対する審査体制を含む。)が適切なものとなっていること。

  • (3)金融機能強化法第34条の4第1項第4号に規定する要件

    審査に当たっては、「協同組織金融関係機関の自己資本の充実の状況に照らし適切な範囲であること」との要件について、金融市場の急激な変動その他の経済情勢の大幅な変動が生じた場合でも、協同組織金融関係機関の財務基盤の安定を確保し、適切かつ積極的な金融仲介機能が発揮できるようにするなど、協同組織金融関係機関による金融機能の発揮を促進するために十分な自己資本の水準かどうかを確認する。

  • (4)金融機能強化法第34条の4第1項第5号に規定する要件

    • マル1収益性及び業務の効率の向上のための方策については、金融機能強化法第34条の4第1項の決定を受けて協定銀行が取得する優先出資又は貸付債権に係る借入金につき、優先出資処分又は償還若しくは返済に対応するための財源の確保の観点から適切なものとなっていること。

    • マル2以下の経営改善の目標が、収益性及び業務の効率の向上のための方策に照らして適当な指標及び水準となっていること。

      • イ.収益性を示す一つ以上の指標

      • ロ.業務の効率を示す一つ以上の指標

  • (5)金融機能強化法第34条の4第1項第6号に規定する要件

    審査に当たっては、協同組織金融機能強化方針に添付される協同組織中央金融機関の貸借対照表等の財務諸表が、直近の当局検査の内容を的確に踏まえたものであるか、又は、監査法人等との協議を経たものであるかを確認する。

V -1-5-8 協同組織金融機能強化方針の履行を確保するための監督上の措置

金融機能強化法第34条の9に規定する監督上必要な措置については、特に以下の点に留意する。

  • (1)経営の改善の目標に係る監督上の措置

    • マル1収益性の目標に係る監督上の措置

      • イ.協同組織金融機能強化方針の始期(協同組織金融機能強化方針の提出の日の属する事業年度の開始の日(当該提出の日が10月1日から3月31日までの間である場合にあっては、10月1日)とする。以下 V -1-5-8において同じ。)の翌事業年度末以降において、事業年度末における収益性指標(協同組織金融機能強化方針において収益性及び業務の効率の向上のための方策として記載したもののうち、経営の改善の目標とする収益性を示す指標をいう。下記ロ.において同じ。)の実績が協同組織金融機能強化方針の始期の属する事業年度の開始の日の水準を下回った場合には、協同組織中央金融機関に対し、その理由及び収益性の向上に係る改善策について報告を求め、フォローアップを行うものとする。

      • ロ.2事業年度連続で上記イ.の場合に該当し、かつ、収益性指標の実績が2事業年度連続で当該収益性指標の目標を3割以上下回った場合であって、金融機能強化法第34条の4第1項の決定を受けて協定銀行が取得する優先出資又は貸付債権に係る借入金につき、協同組織金融機能強化方針に基づいた優先出資処分又は償還若しくは返済に対応するための財源の確保に支障が生じるおそれがあると認められるときは、必要に応じ、業務改善命令の発動を検討するものとする。

    • マル2業務の効率の目標に係る監督上の措置

      • イ.協同組織金融機能強化方針の始期の翌事業年度末以降において、業務効率の指標(協同組織金融機能強化方針において収益性及び業務の効率の向上のための方策として記載したもののうち、経営の改善の目標とする業務の効率を示す指標をいう。)の実績が2事業年度連続で協同組織金融機能強化方針の始期の属する事業年度の開始の日の水準と比較して悪化した場合には、協同組織中央金融機関に対し、その理由及び業務の効率の向上に係る改善策について報告を求め、フォローアップを行うものとする。

      • ロ.上記イ.の場合に該当し、かつ、金融機能強化法第34条の4第1項の決定を受けて協定銀行が取得する優先出資又は貸付債権に係る借入金につき、協同組織金融機能強化方針に基づいた優先出資処分、償還又は返済に対応するための財源の確保に支障が生じるおそれがあると認められる場合には、必要に応じ、業務改善命令の発動を検討するものとする。

  • (2)協同組織中央金融機関が行う当局に対する報告について

    金融機能強化法第34条の8第1項第5号に規定する「特別関係協同組織金融機関等による中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の地域における経済の活性化に資する方策の実施に関する状況」に、特別関係協同組織金融機関等(金融機能強化法第34条の3第3項に規定する特別関係協同組織金融機関等をいう。以下同じ。)(協同組織中央金融機関が特別関係協同組織金融機関等に対する特定支援の実施により取得した優先出資又は貸付債権の処分をし、又は償還若しくは返済を受けた場合における、当該特別関係協同組織金融機関等を除く。)に係る以下の指標について、報告基準日までの半期の実績が記載されていることを確認することとする。

    • マル1中小規模事業者等向け貸出比率

    • マル2中小規模事業者等に対する信用供与の残高

    • マル3経営改善支援等取組先企業の数の取引先の企業の総数に占める割合

    • (注)上記マル3及び下記(3)の「経営改善支援等取組先企業の数の取引先の企業の総数に占める割合」については、以下の点に留意するものとする。

      なお、「経営改善支援等取組先企業」及び「取引先の企業」には、個人事業者を含み、個人ローン又は住宅ローンのみの取引先は含まないものとする。

      また、「経営改善支援等取組先」とは、特別関係協同組織金融機関等が以下の事項に係る経営改善支援等に取り組んでいる取引先とする。

      • イ.創業又は新事業の開拓に対する支援

      • ロ.経営に関する相談その他の取引先の企業に対する支援

      • ハ.早期の事業再生に資する取組み

      • ニ.事業の承継に対する支援

      • ホ.担保又は保証に過度に依存しない融資の促進その他の中小規模の事業者の需要に対応した信用供与の条件又は方法の充実

      • (注1)上記「経営改善支援等取組先」の具体例は以下のとおり。

        • イ.創業又は新事業の開拓に対する支援

          • a.政府関係金融機関と協調して投融資等を行った取引先

          • b.創業支援融資商品による融資を行った取引先

          • c.企業育成ファンドの組成・出資等を行った取引先 等

        • ロ.経営に関する相談その他の取引先の企業に対する支援

          • a.コンサルティング機能、情報提供機能等を活用して、財務管理手法等の改善、経費節減、資産売却、業務再構築、組織再編等の助言を行った取引先

          • b.取引先との長期的な密度の高い関係(コミュニケーション)から得られる情報を活用しつつ、公的制度等に係る情報提供、資金繰りや売上げ等に係る経営改善指導、財務書類の作成や後継者育成等に係る助言など、事業者の幅広い情報提供・経営指導・相談のニーズへの対応を継続して行っている先

          • c.紹介した外部専門家(経営コンサルタント、公認会計士、税理士、弁護士等)が業務再構築等の助言を行った取引先 等

        • ハ.早期の事業再生に資する取組み

          • a.人材を派遣して再建計画策定その他の支援等を行った取引先

          • b.プリパッケージ型事業再生(民事再生法等の活用)(注)及び私的整理ガイドライン手続の中で再生計画等の策定に関与した取引先

            • (注)再生型法的整理(民事再生法、会社更生法等)において議決権を行使したに過ぎない場合は含まれない。

          • c.企業再生ファンドの組成による企業再生のための当該ファンドに出資(現物出資)した取引先

          • d.企業再生に当たり、デット・エクイティ・スワップ(DES)、デット・デット・スワップ(DDS)、DIPファイナンス等の手法を活用した取引先

          • e.「中小企業再生型信託スキーム」等RCCの信託機能を活用して再建計画の策定に関与した取引先

          • f.中小企業再生支援協議会と連携し再生計画の策定に関与した取引先 等

        • ニ.事業の承継に対する支援

          相続対策のコンサルティングに加え、MBO、EBO等を含む株式買取に関する資金面の支援やM&Aのマッチング支援を行った取引先 等

        • ホ.担保又は保証に過度に依存しない融資の促進その他の中小規模の事業者の需要に対応した信用供与の条件又は方法の充実

          • a.スコアリングモデルを活用した商品による融資を行った取引先

          • b.財務制限条項を活用した商品による融資を行った取引先

          • c.財務諸表の精度が相対的に高い中小企業者に対する特別な融資プログラムによる融資を行った取引先

          • d.「十分な資本的性質が認められる借入金」の融資を行った取引先 等

      • なお、経営改善支援等の具体的な取組みは、各金融機関において自らの規模・特性、利用者の期待やニーズ等を踏まえ、自主的な経営判断により決定されるべきものであり、一律・網羅的な対応を求めるものではないことに留意する。また、経営強化計画において、「経営改善支援等取組先」の内容が記載されているか確認する。

      • (注2)上記「経営改善支援等取組先」のうちロ.及びハ.については、重点的に経営改善を支援する対象との位置付けを明確にし、当該取組先の経営の実態に応じて、例えば、a.経営改善支援の専担組織・専担者の支援の対象先としている、b.本部と営業店が連携して支援を行うこととしている等、経営改善支援の対象としていることについて客観的な裏付けがある場合に限る。したがって、単なる与信管理、貸出条件の緩和等の契約更改(経営改善の支援を目的としないものに限る。)、回収強化、金融支援等を行っている先は、「経営改善支援等取組先」には含まれないことに留意する。

  • (3)中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化等地域経済の活性化に資する方策に係る監督上の措置

    • マル1特別関係協同組織金融機関等全体の合算ベースでのa.報告基準日における「中小規模事業者等向け貸出比率」及びb.報告基準日における「中小規模事業者等に対する信用供与の残高」の実績、又はc.報告基準日における「経営改善支援等取組先企業の数の取引先の企業の総数に占める割合」の実績が、各特別関係協同組織金融機関等の特定支援の始期(各特別関係協同組織金融機関等が特定支援を受けた日が4月1日から9月30日までの間である場合にあっては4月1日とし、各特別関係協同組織金融機関等が特定支援を受けた日が10月1日から3月31日までの間である場合にあっては10月1日とする。下記ロ.において同じ。)の合算ベースでの実績を下回った場合には、協同組織中央金融機関に対し、その理由(中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化等に関して協同組織中央金融機関が各特別関係協同組織金融機関等に対して実施した経営指導等の実効性の検証を含む。下記マル2において同じ。)について報告を求める。

      さらに、当該指標の改善に向けた実効性ある施策が十分に講じられたと認めがたい場合には、協同組織中央金融機関に対し、各特別関係協同組織金融機関等に対する経営指導等に係る改善策の提出を求め、必要に応じ、業務改善命令の発動を検討するものとする。

    • マル2さらに、協同組織金融機能強化方針の始期から1年後の報告基準日以降において、上記マル1の特別関係協同組織金融機関等全体の合算ベースでのa.及びb.の実績、又はc.の実績が2期連続で各特別関係協同組織金融機関等の特定支援の始期の合算ベースでの実績を下回った場合には、その理由について止むを得ない事情があるものと認められる場合を除き、原則として業務改善命令の発動を検討するものとする。

  • (4)その他の場合の監督上の措置

    上記の場合のほか、協同組織金融機能強化方針の履行状況に照らして必要があると認められる場合には、当該協同組織金融機能強化方針の履行を確保するため、監督上必要な措置を講ずるものとする。

  • (注)なお、協定銀行が引き受けた優先出資に所定の配当がなされない場合には、金融機能強化法に基づき、所定の配当がなされない理由、当該優先出資の消却に対応することができる財源が従前どおり確保されることが十分担保されるような抜本的収益改善策等の報告を求め、必要に応じ、当該改善策等の実行を求める業務改善命令の発動を検討する等、厳正に対応するものとする。

V -1-5-9 震災特例金融機関等(協同組織金融機関である場合に限る。以下同じ。)、又は、震災特例金融機関等を当事者とする金融組織再編成を行う金融機関等における株式等の引受け等の決定に関する留意事項

震災特例金融機関等、又は、震災特例金融機関等を当事者とする金融組織再編成を行う金融機関等が経営強化計画を提出する場合における金融機能強化法第5条第1項及び第17条第1項に規定する株式等の引受け等の決定並びに第28条第1項に規定する信託受益権等の買取り等の決定に関し、以下に掲げる要件の審査に当たっては、それぞれ特に以下の点に留意するものとする。

  • (1)金融機能強化法附則第8条第1項、又は、第9条第1項に基づく株式等の引受け等並びに第10条第4項の申込みを行うことに関する要件

    府令附則第2条第1項第1号、第7条第1項第10号イ、第15条第1項第1号、又は、第16条第1項第1号に基づいて提出される理由書の審査に当たっては、当該金融機関等が震災特例金融機関等、又は、震災特例金融機関等を当事者とする金融組織再編成を行う金融機関等である旨が記載されているか確認する。

    また、当該金融機関等における東日本大震災の被災者への信用供与の状況が記載されているか確認する。

  • (2)金融機能強化法第5条第1項第4号及び第17条第3号並びに第28条第1項第2号ハに規定する要件

    審査に当たっては、特に以下の点に着眼する。

    • マル1部門別の損益管理が実施されている等、経営強化計画が適切に実施されるための経営管理態勢が構築されていること。

    • マル2減資若しくは準備金の減少等による繰越欠損金の処理がなされている、又は、当該処理が計画に盛り込まれている等、公的資金の配当の確保に向けた態勢が整っていること。

    • マル3労使間で十分な協議を行うこと、かつ、経営強化計画の実施に際して雇用の安定等に十分な配慮を行うことが見込まれる等、経営強化計画の実施により従業員の地位が不当に害されないものであること(金融機能強化法第17条第1項第3号及び第28条第1項第2号ハに規定する要件に限る。)。

  • (3)金融機能強化法第5条第1項第8号及び第9号並びに第17条第1項第4号ホ及びヘ並びに第28条第1項第1号ロ及び第2号ニ(2)に規定する要件

    審査に当たっては、「経営強化計画の実施のために必要な範囲であること」との要件について、東日本大震災による震災特例金融機関等の財務基盤への潜在的な影響も踏まえ、当該震災特例金融機関等の財務基盤の安定を確保し、適切かつ積極的な金融仲介機能が発揮できるようにするなど、当該震災特例金融機関等が主として業務を行っている地域で金融機能を発揮し、東日本大震災からの復興に継続的に貢献するために十分な自己資本の水準かどうかを確認する。

  • (4)金融機能強化法第5条第1項第11号及び第17条第1項第8号に規定する要件

    審査に当たっては、経営強化計画に添付される貸借対照表等の財務諸表が、直近の当局検査の内容を的確に踏まえたものであるか、監査法人等との協議を経たものであるかを確認する。

V -1-5-10 経営強化計画の履行を確保するための監督上の措置等

  • (1)金融機関等に対する資本増強に関する特別措置に係る監督上の措置

    震災特例金融機関等、又は、震災特例金融機関等を当事者とする金融組織再編成を行う金融機関等が経営強化計画を提出する場合における金融機能強化法第10条及び第11条並びに第20条及び第21条に規定する監督上必要な措置については、特に以下の点に留意する。

    • マル1経営強化計画の履行状況のフォローアップ

      経営強化計画の履行状況についてフォローアップを行うに当たっては、履行状況報告において、経営強化計画に掲げられた各種施策の実施状況が実績計数を含め具体的に記載されているか検証するものとする。

    • マル2監督上の措置

      履行状況報告に記載された、計画に掲げられた施策の実施状況(実績計数を含む。)を十分に検証した上で、当該震災特例金融機関等が主として業務を行っている地域における経済の復興状況等を勘案し、特に必要があると認められる場合には、当該計画の履行を確保するため、監督上必要な措置を講じるものとする。

    • (注)なお、協定銀行が引き受けた優先出資に所定の配当がなされない場合には、金融機能強化法に基づき、所定の配当がなされない理由及び収益改善策等について報告を求めるものとする。

      当該報告等により、上記の場合に至った要因がやむを得ない事情に基づくものであるかどうか、東日本大震災からの復興に資する方策が適切に履行されているかどうか、当該震災特例金融機関等が主として業務を行っている地域の収益環境が回復しているかどうか等を十分に検証した上で、特に必要があると認められる場合には、当該改善策等の実行を求める業務改善命令の発動を検討するものとする。

  • (2)協同組織中央金融機関による震災特例協同組織金融機関(金融機能強化法附則第10条第1項に規定する震災特例協同組織金融機関をいう。)に対する資本増強に関する特別措置に係る監督上の措置

    震災特例協同組織金融機関が経営強化計画を提出する場合における金融機能強化法第31条及び第32条に規定する監督上の措置については、特に以下の点に留意する。

    • マル1経営強化計画の履行状況報告のフォローアップ

      経営強化計画の履行状況についてフォローアップを行うに当たっては、履行状況報告において、経営強化計画に掲げられた各種施策の実施状況が実績計数を含め具体的に記載されているか検証するものとする。

    • マル2監督上の措置

      履行状況報告に記載された、経営強化計画に掲げられた施策の実施状況(実績計数を含む。)を十分に検証した上で、当該震災特例金融機関等が主として業務を行っている地域における経済の復興状況等を勘案し、特に必要があると認められる場合には、当該経営強化計画の履行を確保するため、監督上必要な措置を講じるものとする。

    • (注)なお、協定銀行が買取りを行った信託受益権等に所定の配当がなされない場合には、金融機能強化法に基づき、当該協同組織中央機関又は震災特例協同組織金融機関に対し、所定の配当がなされない理由及び収益改善策等について報告を求めるものとする。

      当該報告等により、上記の場合に至った要因がやむを得ない事情に基づくものであるかどうか、東日本大震災からの復興に資する方策が適切に履行されているかどうか、当該震災特例金融機関等が主として業務を行っている地域の収益環境が回復しているかどうか等を十分に検証した上で、特に必要があると認められる場合には、当該改善策等の実行を求める業務改善命令の発動を検討するものとする。

V -1-5-11 特定震災特例協同組織金融機関に係る信託受益権等の買取り等の決定に関する留意事項

特定震災特例協同組織金融機関が特定震災特例経営強化計画(金融機能強化法附則第11条第1項に規定する特定震災特例経営強化計画をいう。以下同じ。)を提出する場合における金融機能強化法第28条第1項に規定する信託受益権等の買取り等の決定に関し、以下に掲げる要件の審査に当たっては、それぞれ特に以下の点に留意するものとする。

  • (1)金融機能強化法附則第11条第2項に基づく信託受益権等の買取り等の申込みを行うことに関する要件

    府令附則第18条第1項第1号に基づいて提出される理由書の審査に当たっては、当該協同組織金融機関が特定震災特例協同組織金融機関である旨が記載されているか確認する。

    また、当該特定震災特例協同組織金融機関における東日本大震災の被災者への信用供与の状況が記載されているか確認する。

  • (2)金融機能強化法附則第11条第3項第1号ニに規定する要件

    審査に当たっては、「特定震災特例経営強化計画の実施のために必要な範囲であること」との要件について、特定震災特例協同組織金融機関の経営基盤が東日本大震災の著しい影響を受けたことを踏まえ、当該特定震災特例協同組織金融機関の財務基盤の安定を確保し、適切かつ積極的な金融仲介機能が発揮できるようにするなど、当該特定震災特例協同組織金融機関が主として業務を行っている地域で金融機能を発揮し、東日本大震災からの復興に継続的に貢献するために十分な自己資本の水準かどうかを確認する。

  • (3)金融機能強化法附則第11条第3項第3号ロに規定する要件

    審査に当たっては、協同組織中央金融機関が当該特定震災特例協同組織金融機関から必要な報告を受けモニタリング(オンサイトによるものを含む。)を実施し、その結果に基づき必要な指導及び助言を行うことを内容としたものであることを確認する。

V -1-5-12 特別対象協同組織金融機関等に係る経営が改善した旨の認定に関する留意事項

特別対象協同組織金融機関等(金融機能強化法附則第13条に規定する特別対象協同組織金融機関等をいう。以下同じ。)が特別経営強化計画(金融機能強化法附則第16条第1項に規定する特別経営強化計画をいう。以下同じ。)を提出する場合における同法附則第16条第3項に規定する経営が改善した旨の認定に関し、以下に掲げる要件の審査に当たっては、それぞれ特に以下の点に留意するものとする。

  • (1)金融機能強化法附則第16条第3項第3号に規定する要件

    金融機能強化法附則第16条第1項に規定する経営改善したことを示すために必要な書類には、経営が改善していることが具体的に確認できる内容が含まれていることを確認する。

  • (2)金融機能強化法附則第16条第3項第5号に規定する要件

    審査に当たっては、特に以下の点に着眼する。

    • マル1部門別の損益管理が実施されている等、特別経営強化計画が適切に実施されるための経営管理態勢が構築されていること。

    • マル2減資若しくは準備金の減少等による繰越欠損金の処理がなされている、又は、当該処理が計画に盛り込まれている等、公的資金の配当の確保に向けた態勢が整っていること。

V -1-5-13 特別対象協同組織金融機関等に係る事業再構築に伴う資本整理を可とする旨の認定に関する留意事項

特別対象協同組織金融機関等が資本整理等実施要綱(金融機能強化法附則第17条第1項に規定する資本整理等実施要綱をいう。以下この項において同じ。)を提出する場合における金融機能強化法附則第17条第2項に規定する事業再構築に伴う資本整理を可とする旨の認定に関し、以下に掲げる要件の審査に当たっては、それぞれ特に以下の点に留意するものとする。

  • (1)金融機能強化法附則第17条第2項第2号に規定する要件

    審査に当たっては、特に以下の点に着眼する。

    • マル1事業再構築の内容が、特別対象協同組織金融機関等の事業及び財務の状況並びに主として業務を行っている地域の状況を踏まえた適切なものであること。

    • マル2事業再構築後に協定銀行が引き続き特別対象協同組織金融機関等に係る信託受益権等を保有する場合には、以下に掲げる事項

      • イ.当該特別対象協同組織金融機関等の業務を引き継ぐ協同組織金融機関が、協同組織中央金融機関の適切な経営指導を引き続き受けることになっていること。

      • ロ.部門別の損益管理が実施されている等、適切に事業を継続するための経営管理態勢が構築されていること。

      • ハ.減資若しくは準備金の減少等による繰越欠損金の処理がなされている、又は、当該処理が計画に盛り込まれている等、公的資金の配当の確保に向けた態勢が整っていること。

    • マル3事業再構築の内容が合併又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡である場合には以下に掲げる事項

      • イ.特別対象協同組織金融機関等の事業を継承する金融機関において、事業再構築後、当該特別対象協同組織金融機関等が主として業務を行っている地域で継続的に事業を行う体制を整備することが見込まれること。

      • ロ.特別対象協同組織金融機関等の事業を継承する金融機関において、事業再構築後、当該特別対象協同組織金融機関等が主として業務を行っている地域における金融機能を維持又は強化するために十分な自己資本その他の財務基盤を持つことが見込まれること。

      • ハ.労使間で十分な協議を行うこと、かつ、事業再構築の実施に際して雇用の安定等に十分な配慮を行うことが見込まれる等、事業再構築の実施により従業員の地位が不当に害されないものであること。

    • マル4事業再構築の内容が合併又は事業の全部若しくは重要な一部の譲渡を伴わないものである場合には、以下に掲げる事項

      • イ.会員若しくは組合員からの出資その他の協同組織中央金融機関以外のものからの支援の受入れの時期、内容等が具体的であるなど、その実現が確実であると認められること。

      • ロ.事業再構築後の特別対象協同組織金融機関等が主として業務を行っている地域における金融機能を維持又は強化するために十分な自己資本その他の財務基盤を持つことが見込まれること。

      • ハ.部門別の損益管理が実施されている等、適切に事業を継続するための経営管理態勢が構築されていること。

  • (2)金融機能強化法附則第17条第2項第3号に規定する要件

    審査に当たっては、特に以下の点に着眼する。

    • マル1資本整理を行うにあたり当該特別対象協同組織金融機関等において適切に資産査定がなされること。

    • マル2資本整理の内容が、予定している事業再構築の実現に対し必要かつ適切なものであること。

  • (3)金融機能強化法附則第17条第2項第4号に規定する要件

    審査に当たっては、特に以下の点に着眼する。

    • マル1金融機能強化法附則第17条第1項第3号に規定する預金保険機構からの金銭の贈与又は損失の補填(以下「金銭の贈与等」という。)が事業再構築に伴う資本整理を行うにあたって必要不可欠であること。

    • マル2金銭の贈与等の額の算定根拠が合理的であり、かつ、資本整理を実施するまでの間、資産の劣化が進まないよう適切に管理するなど必要な措置をとっていること。

V -1-5-14 特定震災特例経営強化計画等の履行を確保するための監督上の措置

  • (1)協同組織中央金融機関による協同組織金融機関に対する資本増強に関する特別措置に係る監督上の措置

    特定震災特例協同組織金融機関が特定震災特例経営強化計画を提出する場合における金融機能強化法第31条及び第32条に規定する監督上必要な措置については、特に以下の点に留意する。

    • マル1特定震災特例経営強化計画の履行状況のフォローアップ

      特定震災特例経営強化計画の履行状況についてフォローアップを行うに当たっては、履行状況報告において、特定震災特例経営強化計画に掲げられた各種施策の実施状況が実績計数を含め具体的に記載されているか検証するものとする。

    • マル2監督上の措置

      履行状況報告に記載された、特定震災特定経営強化計画に掲げられた施策の実施状況(実績計数を含む。)を十分に検証した上で、当該特定震災特例協同組織金融機関が主として業務を行っている地域における経済の復興状況等を勘案し、特に必要があると認められる場合には、当該特定震災特例経営強化計画の履行を確保するため、監督上必要な措置を講じるものとする。

    • (注)なお、協定銀行が買取りを行った信託受益権等に所定の配当がなされない場合には、金融機能強化法に基づき、協同組織中央金融機関又は当該特定震災特例協同組織金融機関に対し、所定の配当がなされない理由及び収益改善策等について報告を求めることを検討するものとする。

      当該検討に際しては、計画に掲げた配当に対する方針に沿ったものとなっているか、当該特定震災特例協同組織金融機関が主として業務を行っている地域の収益環境が回復しているかどうか等を十分に勘案するものとする。

    • マル3特別対象協同組織金融機関等が金融機能強化法附則第16条第3項の認定を受けた場合における監督上の措置

      特別対象協同組織金融機関等が金融機能強化法附則第16条第3項の経営が改善した旨の認定を受けた場合における、金融機能強化法第31条及び第32条に規定する監督上必要な措置については、V -1-5-10(2)を参照すること。

V -1-5-15 金融機能強化法附則第22条第1項の規定により経営強化機能方針を提出する協同組織中央金融機関が協同組織金融機関等から特定支援の申込みを受けた場合の審査体制に係る留意事項

府令附則第36条第1号ハに規定する「特定支援の申込みをした協同組織金融機関等により資産の査定が、利用することができる直近の情報に基づき適切にされていること。」については、特定支援の申込みをした協同組織金融機関等による当該申込みをした日前1年以内の一定の日の資産の査定について、監査法人等若しくは協同組織中央金融機関との協議を経ていることとする。

V -1-5-16 金融機能強化法附則第22条第1項の規定により協同組織金融機能強化方針を提出する場合における優先出資の引受け等の決定に関する留意事項

協同組織中央金融機関が金融機能強化法附則第22条第1項の規定により協同組織金融機能強化方針を提出する場合における金融機能強化法第34条の4第1項に規定する優先出資の引受け等の決定に関し、以下に掲げる要件の審査に当たっては、それぞれ特に以下の点に留意するものとする。

  • (1)金融機能強化法第34条の4第1項第1号に規定する要件

    • マル1「中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の地域における経済の活性化に資するための方針」の審査に当たっては、当該方針が協同組織金融関係機関全体において、中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の地域における経済の活性化に資するためのものとなっていること。

    • マル2協同組織金融機関等に対する経営指導の方針やその内容が、当該協同組織金融機関等による金融機能の発揮を促進するために適切なものとなっていること。

    • マル3協同組織金融機関等から優先出資の引受け等の申込みがあった場合に、以下の内容を含む計画を提出させ、それをフォローアップすることとなっていること。

      • イ.中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の地域における経済の活性化に資する方策

      • ロ.優先出資又は劣後ローンの消却、償還又は返済のための対応を図る時期の見通し

      • ハ.財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営を確保するための方策

  • (2)金融機能強化法第34条の4第1項第2号に規定する要件

    審査に当たっては、特に以下の点に着眼する。

    • マル1協同組織金融機能強化方針を円滑かつ確実に実施するための経営管理体制や協同組織金融機関等に対する経営指導体制が構築されていること。

    • マル2公的資金の配当の確保に向けた態勢が整っていること。

    • マル3公的資金の管理運用体制(協同組織金融機関等から特定支援の申込みに対する審査体制を含む。)が適切なものとなっていること。

  • (3)金融機能強化法第34条の4第1項第4号に規定する要件

    審査に当たっては、「協同組織金融関係機関の自己資本の充実の状況に照らし適切な範囲であること」との要件について、東日本大震災による協同組織金融関係機関の財務基盤への潜在的な影響も踏まえ、協同組織金融関係機関の財務基盤の安定を確保し、適切かつ積極的な金融仲介機能が発揮できるようにするなど、当該協同組織金融関係機関が主として業務を行っている地域で金融機能を発揮し、東日本大震災からの復興に継続的に貢献するために十分な自己資本の水準かどうかを確認する。

  • (4)金融機能強化法第34条の4第1項第6号に規定する要件

    審査に当たっては、協同組織金融機能強化方針に添付される協同組織中央金融機関の貸借対照表等の財務諸表が、直近の当局検査の内容を的確に踏まえたものであるか、又は、監査法人等との協議を経たものであるかどうかを確認する。

V -1-5-17 金融機能強化法附則第22条第1項の規定により提出する協同組織金融機能強化方針の履行を確保するための監督上の措置

協同組織中央金融機関が金融機能強化法附則第22条第1項の規定により協同組織金融機能強化方針を提出する場合における金融機能強化法第34条の9に規定する監督上必要な措置については、特に以下の点に留意する。

  • (1)協同組織中央金融機関が行う当局に対する報告について

    金融機能強化法第34条の8第1項第5号に規定する「特別関係協同組織金融機関等による中小規模の事業者に対する信用供与の円滑化その他の地域における経済の活性化に資する方策の実施に関する状況」に、特別関係協同組織金融機関等(協同組織中央金融機関が特別関係協同組織金融機関等に対する特定支援の実施により取得した優先出資又は貸付債権の処分をし、又は償還若しくは返済を受けた場合における、当該特別関係協同組織金融機関等を除く。)に係る各種施策の実施状況が実績計数を含め具体的に記載されていることを確認するものとする。

  • (2)監督上の措置

    履行状況報告に記載された、協同組織金融機能強化方針に掲げられた施策の実施状況(実績計数を含む。)を十分に検証した上で、当該特別関係協同組織金融機関等が主として業務を行っている地域における経済の復興状況等を勘案し、特に必要があると認められる場合には、協同組織金融機能強化方針の履行を確保するため、監督上必要な措置を講じるものとする。

  • (注)なお、協定銀行が引き受けた優先出資に所定の配当がなされない場合には、金融機能強化法に基づき、所定の配当がなされない理由及び収益改善策等について報告を求めるものとする。

    当該報告等により、上記の場合に至った要因がやむを得ない事情に基づくものであるかどうか、東日本大震災からの復興に資する方策が適切に履行されているかどうか、当該特別関係協同組織金融機関等が主として業務を行っている地域の収益環境が回復しているかどうか等を十分に検証した上で、特に必要があると認められる場合には、当該改善策等の実行を求める業務改善命令の発動を検討するものとする。

V -1-6 準用一覧表

協同組織金融機関も預金取扱金融機関であり、経営の健全性について預金者からの信認が得られなければ安定的な経営は維持できず、また、会員・組合員に対する与信機能も十分に果たし得ない。

従って、協同組織金融機関の監督に当たっては、多くの場面で、地域銀行に対する監督に準じた対応をすることとなるが、協同組織金融機関における監督指針の適用状況・準用状況等を整理すれば、別紙7のとおりとなる。

(別紙6)協同組織金融機関の主なオフサイトモニタリングの年間スケジュール(PDF:101KB)

(別紙7)業態別の準用一覧表(PDF:71KB)

V -2 信用金庫及び信用協同組合における経営力の強化に向けた取組みに係る留意点

V -2-1 意義

V -2-1-1 経緯

信用金庫及び信用協同組合は、地域密着型金融の取組み等の中で、地域銀行と同様、バーゼル II 導入等を踏まえたリスク管理態勢の充実、法令等遵守態勢の強化等の経営力の強化に取り組んできた。

この他にも、市場からの経営のチェックが行われにくく、ガバナンスが相対的に弱いとの指摘を踏まえ、信用金庫及び信用協同組合における地域密着型金融の固有の取組みとして、例えば、

  • 半期開示等ディスクロージャーの充実、
  • 内部のガバナンス機構である総代会の機能向上、
  • 中央機関による経営モニタリング、経営相談・指導機能の充実、

等、ガバナンスの向上に向け、個別金融機関及び中央機関・業界団体による総合的な取組みを講じてきた。

平成19年4月5日に金融審議会金融分科会第二部会から公表された報告書の中で、信用金庫及び信用協同組合においては、これまでの地域密着型金融への取組みが、総じて自己資本比率の上昇や不良債権比率の低下等の成果に結びついているものの、一方で、不良債権比率が他業態に比して高い、預貸率が低下している等の事実があると指摘されている。このため、信用金庫及び信用協同組合は、その特性を踏まえつつ、ガバナンスの強化、コンプライアンス態勢・リスク管理態勢の強化等、経営力の強化に向けたより一層の取組みが必要であるとの提言が本報告書の補論(協同組織金融機関について)として示された。したがって、本報告書を踏まえ、信用金庫及び信用協同組合が経営力の強化に向けた取組みを推進するに当たっての固有の留意点について、監督指針に明確に盛り込むこととする。

V -2-1-2 基本的考え方

信用金庫及び信用協同組合における経営力の強化に向けた取組みについては、まずは、個別機関の自主的な態勢整備・強化が必要であるが、中央機関や業界団体による業務補完・支援も不可欠であり、その機能充実を通じた総合的な取組みの推進を図ることも必要である。特に、預貸率が低下していることを踏まえると、中央機関による余資運用の強化は緊要の課題である。

なお、本監督指針の運用に当たっては、各信用金庫及び信用協同組合の規模・特性等を十分に踏まえ、機械的・画一的な取扱いとならないよう配慮するものとする。

V -2-2 主な着眼点

V -2-2-1 信用金庫及び信用協同組合に対する主な着眼点

信用金庫及び信用協同組合におけるガバナンスの強化をはじめとした経営力の強化に係る取組みを検証するに当たっては、必要に応じ、「 II  銀行監督上の評価項目」を参照するほか、以下の点に留意する。

V -2-2-1-1 経営管理(ガバナンス)

  • (1)総代会の機能向上等に向けた取組み

    信用金庫及び信用協同組合における総代選任(選挙)手続きや総代会の運営方針等に関しては、業界団体において、自主申し合せ等が取りまとめられていること等を踏まえ、個々の信用金庫及び信用協同組合において、例えば、次のような総代会の機能向上等に資する取組みが行われているか。

    • マル1業界団体の自主申し合せ等を踏まえ、総代会に関する適切なディスクロージャーや、会員・組合員になろうとする者に対する適切な説明が実施されているか。

    • マル2日常的な事業活動等で得られた、総代ではない一般の会員・組合員からの意見を総代会に適切に反映する等、会員・組合員の意見・ニーズを把握し、これを経営改善や業務戦略につなげていく組織的な枠組みを構築することを通じ、会員・組合員との関係強化に取り組んでいるか。

    • マル3自らの規模・業容・体制や地域における環境等を踏まえ、必要に応じて、上記の自主申し合せ以外の項目についても、総代会の機能向上に向けた取組みを行うことについて検討・実施されているか。

  • (2)半期開示の充実に向けた取組み

    信用金庫及び信用協同組合における半期開示については、業界団体において、自主申し合せ等が取りまとめられていることに加え、法令においても努力規定が設けられている。このような点を踏まえ、個々の信用金庫及び信用協同組合において、例えば、次のような半期開示の充実に向けた取組みが行われているか。

    • マル1業界団体の自主申し合せ等を踏まえ、適切な半期開示が実施されているか。

    • マル2自らの規模・業容・体制や地域における環境等を踏まえ、必要に応じて、上記の自主申し合せ以外の項目についても、情報開示を行うことについて検討・実施されているか。

V -2-2-1-2 リスク管理態勢

  • (1)信用リスク管理

    信用金庫及び信用協同組合は、不良債権比率が他業態に比して高いという事実があることから、不良債権の適切な管理がより一層重要であると考えられる。一方、信用金庫及び信用協同組合には、相互扶助・非営利という特性があることから、取引先(会員・組合員資格)が原則として自らの事業地区内の小規模事業者に限定される等の制度的枠組みが存在していることに留意が必要である。

    また、信用金庫及び信用協同組合における不良債権の処理に関しては、まずは適切な償却・引当により金融機関の健全性を確保しつつ、事業再生・中小企業金融の円滑化や地域活性化など、地域密着型金融の取組みを進めることによって問題解決を図ることが基本である。

    • マル1問題債権の管理部門は、問題債権が金融機関の経営の健全性に与える影響を認識し、内部規程に基づき、問題債権として管理が必要な債権を早期に把握する態勢を整備しているか。

    • マル2金融機関の経営に対して大きな影響を及ぼす可能性のある大口与信先については、合理的な基準により抽出・把握し、その信用状況や財務状況について個別かつ継続的にモニタリングを行い、個別に管理する態勢となっているか。

    • マル3特定の業種、地域、商品等のリスク特性が相似した対象への与信については、例えば、ポートフォリオのクレジット・リミット(与信額の上限、与信総額に占める比率の上限、与信方針の再検討を行う与信額等)を設定する等により、適切に管理する態勢が整備されているか。

    • マル4小規模事業者である与信先については、その特色を踏まえてきめ細かな与信管理を行っているか。

      例えば、取引先との長期的な密度の高いコミュニケーションを確保する組織的な枠組みを構築し、継続的な企業訪問等を行うこと等を通じて、企業の技術力・販売力や経営者の資質といった定性的な情報を含む経営実態の十分な把握と債権管理に努めているか。また、きめ細かな経営相談、経営指導等を通じて積極的に企業・事業再生に取り組んでいるか。

    • マル5小規模事業者に対する与信に関しては、総じて景気の影響を受けやすく、一時的な要因により債務超過に陥りやすいといった小規模事業者の経営・財務面の特性を踏まえ、与信先の経営実態を総合的に勘案した信用格付等の与信管理を行っているか。

    • マル6中小企業再生支援協議会・全国組織や中小企業基盤整備機構のファンドをはじめとする各種ファンドの積極的な活用も含め、的確な事業再生計画を策定する等により、取引先の真の再生に努めることとしているか。

  • (2)市場リスク管理

    信用金庫及び信用協同組合においては、取引先(会員・組合員資格)が原則として自らの事業地区内の小規模事業者に限定される等の制度的枠組みが存在しており、地区内の地域経済の状況等を反映して預貸率が低下している金融機関の中には、積極的に余裕資金を有価証券に投資しているところもみられる。

    したがって、このような状況を踏まえ、有価証券の投資動向など必要に応じ、信用金庫及び信用協同組合の市場リスク等に係る内部管理態勢の整備状況について把握することが重要である。

    • マル1有価証券の価格等の変動が経営に与える影響について、ストレステストを実施する等の分析が行われ、適切な対応策が講じられているか。

    • マル2仕組債等の複雑なリスク特性を有する投資商品への投資を行っている場合、経営陣が商品のリスク特性を把握し、以下の点を含む適切なリスク管理態勢を整備しているか。

      • イ.  自己資本、収益力、集中リスク等を勘案した適切な限度枠(リスク枠、ポジション枠、損失限度枠等)を設定しているか。

      • ロ.  上記の限度枠及びその設定方法については、定期的に、かつ、必要に応じて随時見直しを行うこととしているか。

      • ハ.  限度枠の遵守状況と使用状況を適切にモニタリングし、経営陣に対して、定期的に、かつ、必要に応じて随時報告することとしているか。

      • ニ.  限度枠を超過した場合等の報告体制、対応等を明確に定めているか。

      • ホ.  限度枠及びその設定方法の見直し、限度枠の遵守状況等のモニタリング、限度枠を超過した場合の対応等に関し、経営陣において適切な対応が図られる人的構成となっているか。

      • ヘ.  投資を行う際には、販売会社から十分な説明を求める等により、投資対象、リスク・プロファイル、リスクとリターンの関係等を十分認識・確認する意思決定プロセスを経ているか。

      • ト.  ファンドへの投資を行う際には、販売会社から十分な説明を求める等により、当該ファンドの投資方針、資産構成、リスク特性等について十分確認するとともに、適切な頻度でリスク管理上必要な情報開示がなされることとされているか。

      • チ.  ファンドの投資資産の評価方法等、時価を決定する上での各要素について、販売会社から説明を求める等により、その妥当性を検証・確認しているか。

    • マル3定期的に、かつ、必要に応じて内部監査・外部監査を行うこと等により、市場リスク管理の状況を的確に分析し、市場リスク管理の実効性の評価を行った上で、態勢上の弱点、問題点等改善すべき点の有無及びその内容を適切に検討するとともに、その原因を適切に検証しているか。

    • マル4自らの有価証券運用に係る規模・体制、運用状況等を的確に把握し、必要に応じて、中央機関による市場リスク等の管理に係る業務支援・補完機能を適切に活用しているか。

V -2-2-2 中央機関に対する主な着眼点

中央機関には、報告書を踏まえ、以下の事項について恒久的な取組み強化を要請するものとする。特に、預貸率が低下していることを踏まえると、中央機関による余資運用の強化は緊要の課題である。

したがって、中央機関による傘下金融機関に対する経営力の強化に係る取組みを検証するに当たっては、当該要請事項に留意するものとする。

  • (1)傘下金融機関に対する経営モニタリングや経営相談・指導の機能を拡充するとともに、必要に応じ、傘下金融機関の経営力強化を図り健全性確保に万全を期すための資本増強制度を十分に活用すること。

  • (2)人材の育成や確保等を図りつつ、必要に応じ、傘下金融機関の経営管理態勢を強化するための人的支援を行うこと。

  • (3)市場リスクや収益性確保への対応として、傘下金融機関の市場リスク管理態勢等の強化に向けて取り組むとともに、中央機関が傘下金融機関の余裕資金を運用して収益を還元する機能等の一層の活用に向けて取り組むこと。

V -2-3 監督手法・対応

信用金庫及び信用協同組合におけるガバナンスの強化をはじめとした経営力の強化に対する監督手法・対応については、必要に応じ、「 II  銀行監督上の評価項目」を参照するほか、特に、以下の点に留意する。

V -2-3-1 信用金庫及び信用協同組合に対する対応

  • (1)信用金庫及び信用協同組合については、トップヒアリング及び総合的なヒアリングの機会を活用し、経営力強化に向けた取組みについて、必要に応じ、上記 V -2-2-1の着眼点を踏まえたヒアリングを実施し、経営力強化に向けた取組み状況等について的確に把握することとする。

    その際には、自らの規模・体制等を的確に把握し、経営力の強化について、中央機関・業界団体による各種業務支援・補完機能を適切に活用しているかについて的確に把握することとする。

    特に、早期警戒制度(安定性改善措置)を講じる際には、自らの有価証券運用に係る規模・体制、運用状況等を的確に把握し、必要に応じて、中央機関による市場リスク等の管理に係る業務支援・補完機能や、傘下金融機関の余裕資金を運用して収益を還元する機能を適切に活用しているか等についても記載を求め、検証することとする。

    また、早期警戒制度(信用リスク改善措置)を講じる際には、取引先との長期的な密度の高いコミュニケーションを確保する組織的な枠組みを構築することにより、当該取引先の正確な経営実態の把握、早期の事業再生に向けた取組みの着手、不良債権の発生の未然防止等が図られているか等についても記載を求め、検証することとする。

  • (2)法令等遵守の徹底について

    これまでも、各金融機関における法令違反や不祥事件等については、業務改善命令等の監督上の措置を厳正に運用してきたところ。

    しかしながら、近時、一部の業態において不祥事件により行政処分を受ける事例が多発しているという事実がみられることを踏まえ、引き続き、法令違反や不祥事件等に係る監督上の措置を厳正に運用することとする。

  • (3)中央機関の支店に対するヒアリング

    個々の信用金庫及び信用協同組合に対する監督に当たっては、必要に応じ、傘下金融機関に対して経営支援機能を有する中央機関の各支店に対してもヒアリングを行うものとする。

V -2-3-2 中央機関に対する対応

中央機関・業界団体による傘下金融機関に対する経営力強化に向けた取組みに係る業務補完・支援の状況については、金融庁監督局において、上記 V -2-2-2の着眼点等を踏まえたヒアリングを実施し、取組み状況等を的確に把握することとする。

特に、 V -2-2-2(3)において要請している事項は、預貸率の低下により緊要の課題であることから、必要に応じて傘下金融機関に対する適切な対応・機能提供が図れる態勢となっているかについて、定期的なヒアリング等を通じて的確に把握することとする。

V -3 信用金庫及び信用金庫連合会関係

信用金庫及び信用金庫連合会(以下「信用金庫等」という。)の監督に当たって、財務局の事務処理手続については以下の要領により行うこととし、円滑な事務処理に努めるものとする。

V -3-1 監督部局間における連携

V -3-1-1 金融庁との連携

  • (1)信用金庫法施行規則第171条の規定により、信用金庫から財務局に対し信用金庫法施行令第10条の2第1項の規定に基づき、金融庁長官の権限のうち財務局長に委任されている権限以外の権限に係る免許、認可(予備審査を含む。)又は承認の申請があったときは、事情を調査の上、財務局の意見を付して監督局長に進達することとするほか、同法施行令第10条の2第1項の規定に基づき財務局長に権限委任された認可等のうち、合併や事業譲渡など重要な認可等が必要となるような情報を入手したときは、速やかに、監督局担当部門に情報提供するなど、金融庁と密接な連携に努めるものとする。

  • (2)信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第24条に基づき報告徴求命令(検査終了後のフォローアップに係る報告徴求命令は除く。)を発出したとき及び信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第26条に規定する命令を発出したときは、遅滞なく監督局長に報告するものとする。ただし、金融庁の指示により報告徴求した場合には、この限りでない。

V -3-1-2 財務局間における連携

信用金庫に関して、認可(予備審査を含む。)又は承認を行う財務局長は、認可(予備審査を含む。)又は承認をしようとする事項が他の財務局の管轄区域に及ぶときは、あらかじめ当該他の財務局長と協議することとするほか、その他参考となる情報があれば、適宜、当該他の財務局に情報提供するなど、財務局間において密接な連携に努めるものとする。なお、認可又は承認にかかる申請が、すでに予備審査終了済のものであり、その内容の重要な事項について変化がない場合には、当該他の財務局長との協議は省略して差し支えない。

V -3-2 管轄財務局長権限の一部の管轄財務事務所長への内部委任

V -3-2-1

信用金庫の本店の所在地が財務事務所(小樽出張所及び北見出張所を含む。以下同じ。)の管轄区域内にある場合においては、管轄財務局長に委任した権限は、財務局長の判断により、当該財務事務所長に内部委任することができるものとする。

なお、これらの事項に関する申請書、届出書等は、管轄財務局長宛て提出させるものとする。

V -3-2-2 財務事務所長の行政報告

管轄財務事務所長が内部委任事項の処理を行ったときは、原則として毎月分を取りまとめのうえ、翌月10日までに財務局長に報告させるものとする。

V -3-3 信用金庫台帳

財務局管内の信用金庫について信用金庫台帳(様式・参考資料編 様式 V -3-3参照)を6月末日現在にて作成するものとし、その写1部を7月末までに監督局長に提出するものとする。また、記入事項に変更があった場合(軽微なものを除く。)にも遅滞なくその写1部を提出するものとする。

なお、各財務局の創意・工夫による様式の変更、項目の追加を妨げるものではない。

V -3-4 信用金庫の事務所関係

臨時又は巡回型の施設及び無人の設備については、信用金庫法上の従たる事務所には含まれず、したがって、定款への記載、従たる事務所としての登記を要しないものであることに留意する必要がある。

V -3-5 財務報告における内部統制

信用金庫においては、代表者が直近の事業年度における財務諸表の正確性、及び財務諸表作成に係る内部監査の有効性を確認している旨をディスクロージャー誌に記載することが求められている。

なお、有価証券報告書の提出者である信用金庫等においては、代表者が上記確認を行った旨を記載した書面(いわゆる代表者確認書)を有価証券報告書等に添付することが求められている。また、金融商品取引法の施行に伴い、金融商品取引所に優先出資証券を上場している信用金庫等においては、平成20年4月1日以後に開始する事業年度より、有価証券報告書等の記載内容が適正である旨を記載した確認書を有価証券報告書、四半期報告書等と併せて提出するとともに、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した結果等を記載した報告書(内部統制報告書)についても、事業年度毎に作成する有価証券報告書等と併せて提出する必要がある。

V -3-6 信用金庫等に求められる開示の類型

信用金庫等の法律上の開示義務は信用金庫法第89条において準用する銀行法第21条(「業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等」(「ディスクロージャー誌」))によって規定されている。

信用金庫法第89条において準用する銀行法第21条に基づいて作成される説明書類の開示項目については、信用金庫法施行規則第132条及び第133条で明確に定められている(なお、虚偽の記載等をして公衆の縦覧に供した者は信用金庫法第90条の3により罰せられる。)。さらに、罰則の適用はないが、信用金庫法第89条において準用する銀行法第21条において「預金者その他の顧客が当該銀行及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。」とされており、また、そのうち特に重要なもの等については、信用金庫法施行規則第135条に基づき、定期的な開示に努めなければならないこととされている。

なお、優先出資証券を公開している信用金庫等については、投資家の判断を誤らせないように、法令等に基づき、適切な開示がなされる必要がある。

また、財務内容や広告等の任意の開示も投資家、預金者等にとって重要な判断材料となる。

V -3-7 監督指針の準用

V -3-7-1

信用金庫等に関して、本監督指針IからIVまで(II-3-1-5、II-3-6-2(15)、III-1-1-2(3)及び(4)、III-1-2、III-1-4、III-1-5(1)、(2)及び(3)、III-4-9-2、III-4-9-3、III-4-11、III-4-13、III-4-16並びにIV-5-2-4を除く。)及び様式(4-10-1-1~4-10-3-2を除く。)・参考資料編を準用する。

V -3-7-2

この場合において、次に掲げる読み替え等を行うほか、「銀行」とあるのは「信用金庫」と、「取締役」とあるのは「理事」と、「取締役会」とあるのは「理事会」と、その他必要に応じ、適宜、技術的に読み替えを行うものとする。

  • (1)II-1-3(2)マル1において、「選任」とあるのは「就任」と読み替える。

  • (2)II-1-4(3)において、「選任届出」とあるのは「就任届出」と読み替える。

  • (3) II -2-1において、「銀行法第二十六条第二項に規定する区分等を定める命令」とあるのは「信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第二十六条第二項に規定する区分等を定める命令」と、「決算状況表」とあるのは「決算速報」と、「毎期(中間期を含む。)」とあるのは「毎期(9月末を含む。)」と読み替える。

  • (4) II -2-6-4又は III -4-9-4-5において、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその経営の健全性を判断するための基準として定める流動性に係る健全性を判断するための基準」とあるのは「信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第14条の2の規定に基づき、信用金庫連合会がその経営の健全性を判断するための基準として定める流動性に係る健全性を判断するための基準」と、「銀行法施行規則第19条の2第1項第5号ホ等の規定に基づき、流動性に係る経営の健全性の状況について金融庁長官が別に定める事項」とあるのは「信用金庫法施行規則第132条第1項第5号ホ、第133条第3号ニ並びに第135条第1項及び第2項の規定に基づき、流動性に係る経営の健全性の状況について金融庁長官が別に定める事項」と読み替える。

  • (5) III -4-4において、「決算期末(中間期末を含む。)」とあるのは「決算期末(9月末を含む。)」と読み替える。

  • (6) III -4-6において、「告示」とあるのは「信用金庫法第八十九条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」と読み替え、引用条文についても当該基準において対応する条文に読み替えるものとする。

  • (7) III -4-10において以下の規定を加えるものとする。

    • (3)信用金庫が信用金庫連合会に対し、組織再編成法における信託受益権に係る経営基盤強化計画を提出した場合には、当該計画内容をヒアリングの上、合併等の認可(予備審査を含む。)申請内容との整合性が図られているかを審査する。

  • (8) IV -3-2-3-1-1において、「○○財務(支)局長(銀代)第○○号」とあるのは、「○○財務(支)局長(信金代)第○○号」と読み替える。

V -4 信用協同組合及び信用協同組合連合会関係

信用協同組合及び信用協同組合連合会(以下「信用協同組合等」という。)の監督に当たって、財務局の事務処理手続については、以下の要領により行うこととし、円滑な事務処理に努めるものとする。

V -4-1 監督部局間における連携

V -4-1-1 金融庁との連携

  • (1)信用協同組合に関して、財務局長に権限委任された認可又は承認等のうち、設立、合併、事業譲渡など重要な認可等が必要となるような情報を入手したときは、事案の概要及びその他参考となる情報を速やかに監督局担当部門に情報提供することとするほか、当該重要な認可(予備審査を含む。)の申請があったときは、財務局の処理方針(事案の概要及びその他参考となる情報を含む。)を付して監督局長に協議するなど、金融庁と密接な連携に努めるものとする。

  • (2)協同組合による金融事業に関する法律(以下「協金法」という。)第6条第1項において準用する銀行法第24条又は中小企業等協同組合法(以下「中企法」という。)第105条の4第1項に基づき報告徴求命令(検査終了後のフォローアップに係る報告徴求命令は除く。)を発出したとき及び協金法第6条第1項において準用する銀行法第26条に規定する命令を発出したときは、遅滞なく監督局長に報告するものとする。ただし、金融庁の指示により報告徴求した場合には、この限りでない。

V -4-1-2 財務局間における連携

信用協同組合に関して、認可(予備審査を含む。)又は承認を行う財務局長は、認可(予備審査を含む。)又は承認をしようとする事項が他の財務局の管轄区域に及ぶときは、あらかじめ当該他の財務局長と協議することとするほか、その他参考となるべき情報があれば、適宜、当該他の財務局に情報提供するなど、財務局間において密接な連携に努めるものとする。なお、認可又は承認にかかる申請が、すでに予備審査終了済のものであり、その内容の重要な事項について変化がない場合には、当該他の財務局長との協議は省略して差し支えない。

V -4-1-3 認可事項の審査に際しての留意点

財務局長は、信用協同組合等から中企法第27条の2第1項、第51条第2項、第57条の3第5項又は第66条第1項に規定する認可の申請があったときは、次に掲げる事項に留意して審査するものとする。

  • (1)設立

    • マル1中企法第27条の2第5項第4号に規定する事業計画において、成立後3事業年度を経過するまでの間に当該申請をした信用協同組合等の1事業年度の当期純利益が見込まれるか。

    • マル2中企法第27条の2第5項第4号に規定する事業計画において、当該申請をした信用協同組合等の自己資本の充実の状況が成立後3事業年度を経過するまでの間に適当となることが見込まれるか。

    • マル3業務の内容及び方法が信用秩序の維持の観点から適当であるか。

  • (2)地区の拡張に関する定款の変更

    現在の地区及び拡張しようとする地区における金融その他の経済の事情に照らし、地区の拡張が必要であると認められ、かつ、当該組合が当該地区において事業を的確、公正かつ効率的に遂行することができるか。

  • (3)地区の縮小に関する定款の変更

    縮小しようとする地区における預金者その他の債権者(以下「預金者等」という。)に係る取引が他の金融機関へ支障なく引き継がれるなど当該地区における預金者等の利益の保護に欠けるおそれがないか。

  • (4)事業の譲渡

    • マル1事業の譲渡が、当該事業の譲渡を行う信用協同組合等の地区における預金者等の利益の保護に照らし、適切なものであるか。

    • マル2事業を譲り受ける金融機関が、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができるか。

  • (5)事業の全部又は一部の譲受け

    • マル1事業の全部又は一部の譲受けが、当該事業の譲渡を行う金融機関の事業地区における預金者等の利便に照らし、適当なものであるか。

    • マル2事業の全部又は一部を譲り受ける信用協同組合等の経営の健全性が確保できるものであるか。

  • (6)合併

    • マル1合併が、当該合併を行う信用協同組合等の預金者等の利益の保護に照らし、適切なものであるか。

    • マル2合併後存続し又は合併により設立される信用協同組合等の経営の健全性が確保できるものであるか。

V -4-1-4 予備審査に際しての留意点

財務局長は、下記(1)から(3)について留意するものとする。

  • (1)信用協同組合等の発起人は、中企法第27条第1項の規定による創立総会の公告の前に、同法施行規則第1条の6第1項及び第2項に定めるところに準じた書類を財務局長に提出して同法第27条の2第1項の認可の予備審査を求めることができる。

  • (2)信用協同組合等は、中企法の規定による認可を受けようとするときは、当該認可を申請する際に財務局長に提出すべき書類に準じた書類を財務局長に提出して予備審査を求めることができる。

  • (3)信用協同組合等又はその発起人は、中企法の規定による認可の申請をする際に申請書に添付すべき書類について、上記(1)又は(2)による予備審査の際に提出した書類と内容に変更がない場合には、その旨を申請書に記載して、その添付を省略することができる。

V -4-1-5 業務報告書の受理に際しての留意点

協金法施行規則第68条に規定する業務報告書の提出延期の承認は、財務局において行うものとする。

V -4-2 管轄財務局長権限の一部の管轄財務事務所長への内部委任

V -4-2-1

信用協同組合の本店の所在地が財務事務所の管轄区域内にある場合においては、管轄財務局長に委任した権限は、財務局長の判断により、当該財務事務所長に内部委任することができるものとする。

なお、これらの事項に関する申請書、届出書等は、管轄財務局長宛提出させるものとする。

V -4-2-2 財務事務所長の行政報告

管轄財務事務所長が内部委任事項の処理を行ったときは、原則として毎月分を取りまとめのうえ、翌月10日までに財務局長に報告させるものとする。

V -4-3 信用協同組合台帳

財務局管内の信用協同組合について信用協同組合台帳(様式・参考資料編 様式 V -4-3参照)を6月末現在にて作成するものとし、その写1部を7月末までに監督局長に提出するものとする。また、記入事項に変更があった場合(軽微なものを除く。)にも遅滞なくその写1部を提出するものとする。

なお、各財務局の創意工夫による様式の変更、項目の追加を妨げるものではない。

V -4-4 信用リスク改善措置の運用に際しての留意点

信用協同組合に関して、信用リスク改善措置によるヒアリング等を行うにあたり、中企法第7条第1項第1号イ又はロに掲げる者以外の事業者を組合員に含む信用協同組合がある場合には、同措置の枠組みとは別に、以下の点についても十分にヒアリングするものとする。

  • (1)中企法第7条第3項に掲げる公正取引委員会への届出状況など法令等遵守面

  • (2)中企法第7条第1項第1号イ又はロに掲げる者以外の事業者たる組合員との取引開始の経緯、与信審査の状況、債権管理の状況など信用リスク管理面

V -4-5 信用協同組合等の事務所

臨時又は巡回型の施設及び無人の設備については、中企法上の従たる事務所には含まれず、したがって、定款への記載、従たる事務所としての登記を要しないものであることに留意する必要がある。

V -4-6 財務報告における内部統制

信用協同組合等においては、代表者が直近の事業年度における財務諸表の正確性、及び財務諸表作成に係る内部監査の有効性を確認している旨をディスクロージャー誌に記載することが求められている。

V -4-7 信用協同組合等に求められる開示の類型

信用協同組合等の法律上の開示義務は協金法第6条において準用する銀行法第21条(「業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等」(「ディスクロージャー誌」))によって規定されている。

協金法第6条において準用する銀行法第21条に基づいて作成される説明書類の開示項目については、協金法施行規則第69条及び第70条で明確に定められている(なお、虚偽の記載等をして公衆の縦覧に供した者は協金法第10条により罰せられる。)。さらに、罰則の適用はないが、協金法第6条において準用する銀行法第21条において「預金者その他の顧客が当該銀行及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。」とされており、また、そのうち特に重要なもの等については、協金法施行規則第72条に基づき、定期的な開示に努めなければならないこととされている。

また、財務内容や広告等の任意の開示も預金者等にとって重要な判断材料となる。

V -4-8 監督指針の準用

V -4-8-1

信用協同組合等に関して、本監督指針IからIVまで(II-3-1-5、II-3-6-2(15)、III-1-1-2(3)及び(4)、III-1-2、III-1-4、III-1-5(1)、(2)及び(3)、III-4-9-2、III-4-9-3、III-4-11、III-4-13、III-4-16並びにIV-5-2-4を除く。)及び様式(4-10-1-1~4-10-3-2を除く。)・参考資料編を準用する。

なお、定款において組合員資格を特定の職域や業域に限定している信用協同組合に関しては、本監督指針のII-5については準用しない(ただし、当該信用協同組合の自主的な取組みを妨げるものではない。)。

V -4-8-2

この場合において、次に掲げる読み替え等を行うほか、「銀行」とあるのは「信用協同組合」と、「取締役」とあるのは「理事」と、「取締役会」とあるのは「理事会」と、その他必要に応じ、適宜、技術的に読み替えを行うものとする。

  • (1)II-1-3(2)マル1において、「選任」とあるのは「就任」と読み替える。

  • (2)II-1-4(3)において、「選任届出」とあるのは「就任届出」と読み替える。

  • (3) II -2-1において、「銀行法第二十六条第二項に規定する区分等を定める命令」とあるのは「協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項において準用する銀行法第二十六条第二項に規定する区分等を定める命令」と、「決算状況表」とあるのは「決算速報」と、「毎期(中間期を含む。)」とあるのは「毎期(9月末を含む。)」と読み替える。

  • (4) III -4-4において、「決算期末(中間期末を含む。)」とあるのは「決算期末(9月末を含む。)」と読み替える。

  • (5) III -4-6において、「銀行法第十四条の二の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」とあるのは「協同組合による金融事業に関する法律第六条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、信用協同組合及び信用協同組合連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」と読み替える。

  • (6) III -4-10において、以下の規定を加えるものとする。

    • (3)信用協同組合が信用協同組合連合会に対し、組織再編成法における信託受益権に係る経営基盤強化計画を提出した場合には、当該計画内容をヒアリングの上、合併等の認可(予備審査を含む。)申請内容との整合性が図られているかを審査する。

  • (7) IV -3-2-3-1-1において、「○○財務(支)局長(銀代)第○○号」とあるのは、「○○財務(支)局長(信組代)第○○号」と読み替える。

V -4-9 金融商品取引法第2条に規定する定義に関する内閣府令第10条第1項第9号に定める届出等について(金融商品取引法施行時より適用)

  • (1)金融商品取引法第2条第3項第1号において、適格機関投資家が有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者と定められていることを踏まえ、金融庁監督局は、信用協同組合において、有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する役職員が配置されていること、その他有価証券に対する投資を行うために必要かつ適切な態勢及び内部規程を備えていること等を確認することとする。

  • (2)また、必要に応じ、信用協同組合の市場リスク等に係る内部管理態勢の整備状況について把握することとし、その際には、 V -2-2-1-2(2)やII-2-5における市場リスク管理に係る主な着眼点及び監督手法・対応を参照する。

V -5 労働金庫及び労働金庫連合会関係

労働金庫及び労働金庫連合会(以下「労働金庫等」という。)の監督に当たって、財務局の事務処理手続については以下の要領により行うこととし、円滑な事務処理に努めるものとする。

V -5-1 監督部局間における連携

V -5-1-1 金融庁と財務局間における連携

  • (1)法令の規定により内閣総理大臣又は金融庁長官及び厚生労働大臣に提出する免許、認可又は承認に関する申請書その他の書類の経由については労働金庫法施行令第12条の規定等によることとされているが、これら書類を財務局(財務事務所の所在する都道府県においては、当該財務事務所を経由する。)において受理したときは、事情を調査の上、財務局の意見を付して監督局長に進達することとするほか、当該労働金庫に関して参考となる情報があれば、適宜、監督局担当部門に情報提供するなど、金融庁と密接な連携に努めるものとする。

  • (2)労働金庫法第94条において準用する銀行法第24条に基づき報告徴求命令(検査終了後のフォローアップに係る報告徴求命令を除く。)を発出したときは、遅滞なく監督局長に報告するものとする。

    ただし、金融庁の指示により報告徴求した場合には、この限りでない。

V -5-1-2 財務局と都道府県間における連携

都道府県知事がその権限を行使するに当たっては、所轄財務局又は財務事務所は、緊密な連絡等により、共管の実をあげられるよう配慮するものとする。

V -5-2 労働金庫台帳

財務局管内の労働金庫について労働金庫台帳(様式・参考資料編 様式 V -5-2参照)を6月末日現在にて作成するものとし、その写1部を7月末日までに監督局長に提出するものとする。また、記入事項に変更があった場合(軽微なものを除く。)にも遅滞なくその写1部を提出するものとする。

なお、各財務局の創意・工夫による様式の変更、項目の追加を妨げるものではない。

V -5-3 労働金庫の事務所関係

臨時又は巡回型の施設及び無人の設備については、労働金庫法上の従たる事務所には含まれず、したがって、定款への記載、従たる事務所としての登記を要しないものであることに留意する必要がある。

V -5-4 財務報告における内部統制

労働金庫等においては、代表者が直近の事業年度における財務諸表の正確性、及び財務諸表作成に係る内部監査の有効性を確認している旨をディスクロージャー誌に記載することが求められている。

V -5-5 労働金庫等に求められる開示の類型

労働金庫等の法律上の開示義務は労働金庫法第94条において準用する銀行法第21条(「業務及び財産の状況に関する説明書類の縦覧等」(「ディスクロージャー誌」))によって規定されている。

労働金庫法第94条において準用する銀行法第21条に基づいて作成される説明書類の開示項目については、労働金庫法施行規則第114条及び第115条で明確に定められている(なお、虚偽の記載等をして公衆の縦覧に供した者は労働金庫法第100条の3により罰せられる。)。さらに、罰則の適用はないが、労働金庫法第94条において準用する銀行法第21条において「預金者その他の顧客が当該銀行及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めなければならない。」とされており、また、そのうち特に重要なもの等については、労働金庫法施行規則第117条に基づき、定期的な開示に努めなければならないこととされている。

また、財務内容や広告等の任意の開示も、預金者等にとって重要な判断材料となる。

V -5-6 監督指針の準用

V -5-6-1

労働金庫等に関して、本監督指針IからIVまで(II-3-1-5、II-3-6-2(15)、II-5、III-1-1-2(3)及び(4)、III-1-2、III-1-4、III-1-5(1)、(2)及び(3)、III-4-9-2、III-4-9-3、III-4-11、III-4-13、III-4-16並びにIV-5-2-4を除く。)及び様式(4-10-1-1~4-10-3-2を除く。)・参考資料編を準用する。

なお、総代会機能の向上、半期開示の充実、コンプライアンス態勢・リスク管理態勢の強化、及び、中央機関における傘下労働金庫に対する業務補完・支援等については、労働金庫等に対しても求められる取組みであることから、労働金庫等に対する監督に当たっては、必要に応じ、 V -2を準用することとする。

V -5-6-2

この場合において、次に掲げる読み替え等を行うほか、「銀行」とあるのは「労働金庫」と、「取締役」とあるのは「理事」と、「取締役会」とあるのは「理事会」と、その他必要に応じ、適宜、技術的に読み替えを行うものとする。

  • (1)II-1-3(2)マル1において、「選任」とあるのは「就任」と読み替える。

  • (2)II-1-4(3)において、「選任届出」とあるのは「就任届出」と読み替える。

  • (3) II -2-1において、「銀行法第二十六条第二項に規定する区分等を定める命令」とあるのは「労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第二十六条第二項に規定する区分等を定める命令」と、「決算状況表」とあるのは「決算速報」と、「毎期(中間期を含む。)」とあるのは「毎期(9月末を含む。)」と読み替える。

  • (4) III -4-4において、「決算期末(中間期末を含む。)」とあるのは「決算期末(9月末を含む。)」と読み替える。

  • (5) III -4-6において、「告示」とあるのは「労働金庫法第九十四条第一項において準用する銀行法第十四条の二の規定に基づき、労働金庫及び労働金庫連合会がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」と読み替え、引用条文についても当該基準において対応する条文に読み替えるものとする。

  • (6) III -4-10において、以下の規定を加えるものとする。

    • (3)労働金庫が労働金庫連合会に対し、組織再編成法における信託受益権に係る経営基盤強化計画を提出した場合には、当該計画内容をヒアリングの上、合併等の認可(予備審査を含む。)申請内容との整合性が図られているかを審査する。

  • (7) IV -3-2-3-1-1において、「○○財務(支)局長(銀代)第○○号」とあるのは、「○○財務(支)局長(労金代)第○○号・厚生労働省番号」と読み替える。

サイトマップ

金融庁についてページ一覧を開きます
大臣・副大臣・政務官
金融庁について
所管の法人
予算・決算
採用情報
お知らせ・広報ページ一覧を開きます
報道発表資料
記者会見
講演等
月刊広報誌アクセスFSA
パンフレット
談話等
白書・年次報告
アクセス数の多いページ
更新履歴
車座ふるさとトーク
新着情報メール配信サービス
金融庁twitter新しいウィンドウで開きます
政策・審議会等ページ一覧を開きます
全庁を挙げた取り組み
金融制度等
金融研究センター新しいウィンドウで開きます
取引所関連
企業開示関連
国際関係
銀行等預金取扱金融機関関係
証券会社関係
保険会社関係
金融会社関係
法令関係
その他
法令・指針等ページ一覧を開きます
法令等
金融関連法等の英訳
金融検査マニュアル関係
監督指針・事務ガイドライン
Q&A
金融上の行政処分について
公表物ページ一覧を開きます
審議会・研究会等
委託調査・研究等
政策評価
白書・年次報告
金融機関情報ページ一覧を開きます
全金融機関共通
銀行等預金取扱機関
保険会社関連
金融会社関連
店頭デリバティブ取引規制関連
日本版スチュワードシップ・コード関連
国際関係ページ一覧を開きます
国際関係事務の基本的な方針等
グローバル金融連携センター(GLOPAC)
職員による英文講演新しいウィンドウで開きます
職員が務めた国際会議議長等
日本にある金融関係国際機関
金融安定理事会(FSB)
バーゼル銀行監督委員会(BCBS)
証券監督者国際機構(IOSCO)
保険監督者国際機構(IAIS)
その他

ページの先頭に戻る