II .保険監督上の評価項目

II -1 経営管理

II -1-1 意義

保険業をとりまく経営環境に大きな変化が見られる中で、保険会社自らが様々なリスクを的確に把握・管理し、自己責任原則に基づく業務の健全かつ適切な運営を確保していく為には、経営に対する規律付けが有効に機能し、適切な経営管理(ガバナンス)が行われることが重要である。

II -1-2 主な着眼点

経営管理が有効に機能するためには、代表取締役、取締役・取締役会、代表執行役、執行役、監査役(指名委員会等設置会社にあっては監査委員、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員)・監査役会(指名委員会等設置会社にあっては監査委員会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会)、保険計理人及び全ての職階における職員が自らの役割を理解しそのプロセスに十分関与することが重要となる。その中でも、代表取締役、取締役・取締役会、監査役(指名委員会等設置会社にあっては監査委員、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員)・監査役会(指名委員会等設置会社にあっては監査委員会、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員会)、管理者、内部監査部門、外部監査機能、保険計理人及び総代会が果たす責務が重大である。

また、保険業法は、保険業の高度な公共性にかんがみ、保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営及び保険募集の公正を確保し、保険契約者等の保護を図ることを求めていることを踏まえ、保険会社の常務に従事する取締役(指名委員会等設置会社にあっては保険会社の常務に従事する取締役及び執行役)及び監査役(指名委員会等設置会社にあっては監査委員、監査等委員会設置会社にあっては監査等委員)には、その資質について極めて高いものが求められる。

なお、上場会社は、平成26年の会社法改正及び金融商品取引所の規程において、社外取締役の確保について規定されているほか、同規程においては、コーポレートガバナンス・コードを尊重してコーポレート・ガバナンスの充実に取り組むよう努めることとされており、非上場会社に比べ、より高い水準の経営管理(ガバナンス)が要求されている。上記を踏まえ、保険会社及び保険持株会社の経営管理(ガバナンス)態勢のモニタリングに当たっては、例えば、以下のような着眼点に基づき、その機能が適切に発揮されているかどうかを検証することとする。

上場保険会社及び上場保険持株会社(以下、「上場保険会社等」という。)は、コーポレートガバナンス・コードの各原則において求められている水準の経営管理(ガバナンス)態勢を構築するにあたって、以下の項目を含め、コーポレートガバナンス・コードに則って、適切に取組みを進めているか。

  • (注)コーポレートガバナンス・コードは、いわゆる「プリンシプルベース・アプローチ」(原則主義)、及び「コンプライ・オア・エクスプレイン」(原則を実施するか、実施しない場合には、その理由を説明するか)の手法を採用していることに留意することとする。

  • (1)独立社外取締役は、上場保険会社等の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、上場保険会社等はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任しているか。

    また、業種・規模・事業特性・機関設計・当該上場保険会社等をとりまく環境等を総合的に勘案して、自主的な判断により、少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上場保険会社等は、上記にかかわらず、そのための取組み方針を開示しているか。

  • (2)上場保険会社等がいわゆる政策保有株式として上場株式を保有する場合には、政策保有に関する方針を開示しているか。また、毎年、取締役会で主要な政策保有についてそのリターンとリスクなどを踏まえた中長期的な経済合理性や将来の見通しを検証し、これを反映した保有のねらい・合理性について具体的な説明を行っているか。上場保険会社等は、政策保有株式に係る議決権の行使について、適切な対応を確保するための基準を策定・開示しているか。

II -1-2-1 監査役会設置会社である保険会社の場合

  • (1)代表取締役

    • マル1法令等遵守を経営上の重要課題の一つとして位置付け、代表取締役が率先して法令等遵守態勢の構築に取り組んでいるか。

    • マル2代表取締役は、リスク管理部門を軽視することが企業収益に重大な影響を与えることを十分認識し、リスク管理部門を重視しているか。

    • マル3代表取締役は、内部監査の重要性を認識し、内部監査の目的を適切に設定するとともに、内部監査部門の機能が十分発揮できる態勢を構築(内部監査部門の独立性の確保を含む。)し、定期的にその機能状況を確認しているか。

      また、内部監査の結果等については適切な措置を講じているか。

    • マル4代表取締役は、断固たる態度で反社会的勢力との関係を遮断し排除していくことが、保険会社に対する公共の信頼を維持し、保険会社の業務の適切性及び健全性の確保のため不可欠であることを十分認識し、「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」(平成19年6月19日犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ。以下、II-1-2において「政府指針」という。)の内容を踏まえて取締役会で決定された基本方針を社内外に宣言しているか。

  • (2)取締役及び取締役会

    • マル1取締役は、業務執行にあたる代表取締役等の独断専行を牽制・抑止し、取締役会における業務執行の意思決定及び取締役の業務執行の監督に積極的に参加しているか。

    • マル2取締役会は、各保険会社が目指すべき全体像等に基づいた経営方針を明確に定めているか。さらに、経営方針に沿った経営計画を明確に定め、それを組織全体に周知しているか。また、その達成度合いを定期的に検証し必要に応じ見直しを行っているか。

    • マル3取締役及び取締役会は、法令等遵守に関し、誠実かつ率先垂範して取り組み、全社的な内部管理態勢の確立のため適切に機能を発揮しているか。また、政府指針を踏まえた基本方針を決定し、それを実現するための体制を整備するとともに、定期的にその有効性を検証するなど、法令等遵守・リスク管理事項として、反社会的勢力による被害の防止を明確に位置付けているか。

    • マル4取締役は、適時・適切な保険金等(保険金、年金、給付金、満期返戻金、失効返戻金、解約返戻金等支払いに関する全てのものを含む。以下同じ。)の支払いが健全かつ適切な業務運営の確保に重大な影響を与えることを十分認識しているか。

    • マル5取締役会は、リスク管理部門を軽視することが企業収益に重大な影響を与えることを十分認識し、リスク管理部門を重視しているか。特に担当取締役はリスクの所在及びリスクの種類を理解した上で、各種リスクの測定・モニタリング・管理等の手法について深い認識と理解を有しているか。

    • マル6取締役会は、戦略目標を踏まえたリスク管理の方針を明確に定め、社内に周知しているか。また、リスク管理の方針は、定期的又は必要に応じ随時見直しているか。さらに、定期的にリスクの状況の報告を受け、必要な意思決定を行うなど、把握したリスク情報を業務の執行及び管理体制の整備等に活用しているか。

    • マル7取締役会等(常務会、経営会議等を含む。以下同じ。)は、保険金等の支払いに係る適切な業務運営が行われるよう、経営資源の配分を適切に行っているか。また、保険金等の支払管理が適切に行われているかどうか確認しているか。

    • マル8取締役会は、あらゆる職階における職員に対し経営管理の重要性を強調・明示する風土を組織内に醸成するとともに、適切かつ有効な経営管理を検証し、その構築を図っているか。

    • マル9取締役会は内部監査の重要性を認識し、内部監査の目的を適切に設定するとともに、内部監査部門の機能が十分発揮できる態勢を構築(内部監査部門の独立性の確保を含む。)し、定期的にその機能状況を確認しているか。

      また、被監査部門等におけるリスク管理の状況等を踏まえた上で、監査方針、重点項目等の内部監査計画の基本事項を承認しているか。

      さらに、内部監査の結果等については適切な措置を講じているか。

    • マル10保険会社の常務に従事する取締役の選任議案の決定プロセス等においては、その適格性について、法第8条の2に掲げる「経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験」及び「十分な社会的信用」として、例えば、以下のような要素が適切に勘案されているか。

      • ア. 経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験

        保険業法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を理解し、実行するに足る知識・経験、保険会社の業務の健全かつ適切な運営に必要となるコンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識・経験、その他当該保険会社の行うことができる業務を適切に遂行することができる知識・経験を有しているか。

      • イ. 十分な社会的信用

        • (ア)反社会的行為に関与したことがないか。

        • (イ)暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員(過去に暴力団員であった者を含む。以下、「暴力団員」という。)ではないか、又は暴力団と密接な関係を有していないか。

        • (ウ)金融商品取引法等我が国の金融関連法令又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (エ)禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (オ)過去において、所属した法人等又は現在所属する法人等が金融監督当局より法令等遵守に係る業務改善命令、業務停止命令又は免許、登録若しくは認可の取消し等の行政処分を受けており、当該処分の原因となる事実について、行為の当事者として又は当該者に対し指揮命令を行う立場で、故意又は重大な過失(一定の結果の発生を認識し、かつ回避し得る状態にありながら特に甚だしい不注意)によりこれを生ぜしめたことがないか。

        • (カ)過去において、金融監督当局より役員等の解任命令を受けたことがないか。

        • (キ)過去において、金融機関等の破綻時に、役員として、その原因となったことがないか。

    • マル11取締役会は、保険計理人を選任するにあたり、会計監査人との独立性確保に留意しているか。

    • マル12取締役会において選任する保険計理人については、当該保険計理人(選任しようとする者を含む。)が保険業法施行規則(以下、「規則」という。)第78条に規定する要件に該当する者であることに加え、公益社団法人日本アクチュアリー会(以下、「日本アクチュアリー会」という。)において実施する継続教育において一定の研修の履修を達成している等、正会員としての資質の継続的維持・向上に努めている者であるなど、保険計理人として適切な者であるかについて定期的に確認しているか。

    • マル13取締役会は、各関連部門との連携等により、保険計理人に対し必要な情報を提供するなど保険計理人がその職務を十分に果たすことができる態勢を構築し、定期的にその機能状況を確認しているか。

  • (3)監査役及び監査役会

    • マル1監査役会は、制度の趣旨に則り、その独立性が確保されているか。

    • マル2監査役会は、付与された広範な権限を適切に行使し、会計監査に加え業務監査を実施しているか。

    • マル3保険金等支払実務に関する体系的な監査手法を確立しているか。

    • マル4監査役会が設けられている場合であっても、各監査役は、あくまでも独任制の機関であることを自覚し、自己の責任に基づき積極的な監査を実施しているか。

    • マル5保険会社の監査役の選任議案の決定プロセス等においては、その適格性について、法第8条の2に掲げる「保険会社の取締役の職務の執行の監査を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験」及び「十分な社会的信用」として、例えば以下のような要素が適切に勘案されているか。

      • ア. 保険会社の取締役の職務の執行の監査を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験

        独任制の機関として自己の責任に基づき積極的な監査を実施するに足る知識・経験、その他独立の立場から取締役の職務の執行を監査することにより、保険会社の健全かつ適切な運営を確保するための知識・経験を有しているか。

      • イ. 十分な社会的信用

        • (ア) 反社会的行為に関与したことがないか。

        • (イ) 暴力団員ではないか、又は暴力団と密接な関係を有していないか。

        • (ウ) 金融商品取引法等我が国の金融関連法令又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (エ) 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (オ) 過去において、所属した法人等又は現在所属する法人等が金融監督当局より法令等遵守に係る業務改善命令、業務停止命令又は免許、登録若しくは認可の取消し等の行政処分を受けており、当該処分の原因となる事実について、行為の当事者として又は当該者に対し指揮命令を行う立場で、故意又は重大な過失(一定の結果の発生を認識し、かつ回避し得る状態にありながら特に甚だしい不注意)によりこれを生ぜしめたことがないか。

        • (カ) 過去において、金融監督当局より役員等の解任命令を受けたことがないか。

        • (キ) 過去において、金融機関等の破綻時に、役員として、その原因となったことがないか。

      (参考)「監査役監査基準」(公益社団法人日本監査役協会 平成23年3月10日改正)

  • (4)管理者(営業拠点長と同等以上の職責を負う上級管理職)

    • マル1管理者は、リスクの所在、リスクの種類及びリスク管理手法を十分に理解した上で、リスク管理の方針に沿って、リスクの種類に応じた測定・モニタリング・管理など、適切なリスク管理を実行しているか。

    • マル2管理者は、取締役会等で定められた方針に基づき、相互牽制機能を発揮させるための施策を実施しているか。

  • (5)内部監査部門

    • マル1内部監査部門は、被監査部門に対して十分牽制機能が働くよう独立し、かつ、実効性ある内部監査が実施できる態勢となっているか。

    • マル2内部監査部門は、被監査部門におけるリスク管理状況等を把握した上、リスクの種類・程度に応じて、頻度・深度に配慮した効率的かつ実効性ある内部監査計画を立案するとともに、内部監査計画に基づき効率的・実効性ある内部監査を実施しているか。

    • マル3内部監査部門は、内部監査業務の実施要領等に基づき、支払管理部門をはじめとした全ての部門の全ての業務に対する監査を実施しているか。

    • マル4内部監査部門は、内部監査で指摘した重要な事項について遅滞なく代表取締役及び取締役会に報告しているか。

    • マル5内部監査部門は、内部監査報告書で指摘された問題点に対する被監査部門等の改善への取り組み状況を適切に管理しているか。

  • (6)外部監査機能

    • マル1代表取締役及び取締役会は、会計監査人等による実効性ある外部監査が、保険会社の業務の健全かつ適切な運営の確保に不可欠であることを十分認識しているか。

    • マル2保険会社は内部管理態勢(リスク管理態勢を含む。)の有効性等について、年1回以上会計監査人等による外部監査を受けているか。

      なお、外部監査の結果は、監査の内容に応じて、取締役会又は監査役会に直接、正確に報告されなければならず、また、監査役監査等の実効性の確保に資するものとなっているか。

      • (注)ここに言う外部監査は、会計監査人による財務諸表監査に限定するものでないが、現状では、制度上義務付けられている財務諸表監査及び同監査手続の一環として実施される内部管理態勢の有効性等の検証以外の外部監査を義務付けるものではないことに留意する必要がある。

    • マル3取締役会は、外部監査が有効に機能しているかを定期的に確認しているか。

    • マル4代表取締役及び取締役会等は、保険会社の子会社(法第2条第12項に規定する子会社(同項の規定により子会社とみなされる会社を含む。)をいう。以下同じ。)、子法人等(保険業法施行令(以下、「令」という。)第13条の5の2第3項に規定する子法人等(子会社を除く。)をいう。以下同じ。)及び関連法人等(同条第4項に規定する関連法人等をいう。以下同じ。)(以下、「子会社等」という。)において実施された外部監査の結果についても、必要に応じて適切に報告を受け、問題点を把握するなど子会社等における外部監査が有効に機能していることを把握しているか。

    • マル5取締役会は、必要に応じて、内部監査部門と会計監査人等の外部監査人との協力関係に配慮しているか。

    • マル6会計監査人等の外部監査人により指摘された問題点は、被監査部門等において一定期間内に改善されているか。また、内部監査部門は、その改善状況を適切に把握しているか。

  • (7)保険計理人

    保険会社の財務の健全性を確保し維持していくためには、取締役会において選任された保険計理人が自らの役割を理解し当該保険会社の保険数理に関する事項について十分に関与することが必要となるが、その際の留意点は以下のとおり。

    • マル1保険計理人は、職務遂行上必要な権限を取締役会から付与されているか。また、制度の趣旨に鑑み、保険計理人が収益部門、収益管理部門及び商品開発部門から独立していることなどにより相互牽制機能が確保されているか。

    • マル2保険計理人は、保険料の算出方法等の保険数理に関する事項について、法令等に則り適切に関与しているか。また、そのために必要な情報について、関連する社内会議への出席等により各関連部門から適時適切に報告を受けるとともに、必要に応じて意見を述べる等保険計理人としての職務を十分に果たしているか。

    • マル3保険計理人は、責任準備金が健全な保険数理に基づいて積み立てられているかについて、法令等に則り適切に確認しているか。

    • マル4契約者配当又は社員に対する剰余金の分配が公正かつ衡平に行われているかについて、法令等に則り適切に確認しているか。

    • マル5保険計理人は、法令で定められた保険数理事項に関して、保険契約者の衡平な取扱い及び財務の健全性等の観点から関与しているか。

    • マル6保険計理人は、法令等に則り将来収支分析を行っているか。特に新契約伸展率や事業費、資産運用状況等の将来推計に必要な前提については、過去の実績や妥当な将来見込みに基づいたものとなっているか。

    • マル7損害保険会社(法第2条第4項に規定する「損害保険会社」、同条第9項に規定する「外国損害保険会社等」、法第219条第2項に規定する特定損害保険業免許を受けた特定法人及びその引受社員をいう。以下同じ。)の保険計理人は、規則第73条第1項第2号に掲げる金額が健全な保険数理に基づき金融庁長官の定めるところにより積み立てられているかについて、法令等に則り適切に確認しているか。

    • マル8保険計理人は、取締役会へ意見書を提出しているか。また、意見書に法令等に定められた事項を記載しているか。

    • マル9法第121条第1項第1号(法第199条において準用する場合を含む。)に掲げる事項の確認をする場合は、危険準備金が規則第69条及び第70条に規定するところにより、適正に積立てられているかの確認を含むものとする。特に、第三分野保険(規則第6条第1項第11号に規定する第三分野保険をいう。以下同じ。)における、平成10年6月8日大蔵省告示第231号に規定するストレステストを使用しての積立額の算出の合理性・妥当性の確認については、留意するものとする。

  • (8)総代会

    相互会社については、保険会社の公共性及び保険契約者等の保護の観点から、事業の透明性を高めるとともに経営チェック機能の充実が求められている。

    総代会は、相互会社において社員総会に代わる会社の最高意思決定機関として位置づけられており、社員の代表である総代の人選は、社員の意思が反映されていると社員から信認が得られていることが重要である。

    選出にあたっては、これまで重視されてきた総代会の出席率や総代自身の見識等も重要な要素ではあるが、社員の代表を選出するとの趣旨を損なうものであってはならないことに留意する必要がある。また、選出プロセスは会社からの独立性が確保されている必要がある。

    同時に、総代会の議事等についてインターネット等も活用してディスクロージャーの充実を図るなど、ガバナンスに係る情報提供等を拡充することが適当である。

    また、社員の意思を総代会に反映させるため、各社が自主的に設置している契約者懇談会の活性化と総代会との連携を進めていくことが適当である。

    これらを踏まえた総代会等についての留意事項は以下のとおり。

    • マル1総代の選出

      • ア. 総代数及びその数を適正とする考え方が説明書類に明確かつ平易に示されているか。

        • (注)説明書類の総代会に関する箇所には、その内容についての意見の送付先が明記されているか留意する。

      • イ. 総代の選考方法(選考手続及び選考基準を含む。)が説明書類に明確かつ平易に示されているか。

        • (注1)総代になることを希望する社員に対する総代候補者に選出され得る方策の有無を含む選考方法の概要及び当該選考方法を採用している考え方・理由が併記されているか留意する。

        • (注2)説明書類の総代会に関する箇所には、その内容についての意見の送付先が明記されているか留意する。

      • ウ. 上記ア.及びイ.について、定時総代会の都度、説明が行われているか。

      • エ. 主な保険種類別、職業別、年齢別、社員資格取得時期別及び地域別の各区分による総代の構成並びに社員全体の構成が説明書類に明確かつ平易に示されているか。

        • (注1)総代の構成について、特定の業界への偏りがないか留意する。

        • (注2)保険種類別については、生命保険会社(法第2条第3項に規定する「生命保険会社」、同条第8項に規定する「外国生命保険会社等」、法第219条第2項に規定する特定生命保険業免許を受けた特定法人及びその引受社員をいう。以下同じ。)の場合は、個人保険・個人年金保険に属する保険種類ごとの契約件数ベースでの記載で差し支えない。また、社員全体に係る保険種類ごとの契約件数については、これが説明書類で別途記載されている場合には、それによることとして差し支えない。

        • (注3)職業別・社員資格取得時期別については、社員の職業別・社員資格取得時期別のデータが更新・保存されていない場合には、総代の職業別・社員資格取得時期別の構成のみの記載で差し支えない。

      • オ. 総代候補者選考委員会の機能を充実するためどのような措置が講じられているか。

        • (注1)選考委員会の委員の人選については、総代候補者の公正な選考に資するとの観点から、総代会において十分な審議がなされているか留意する。

        • (注2)選考委員会は、総代候補者の具体的な選考方針を、社員に明確かつ平易に説明しているか留意する。

        • (注3)事務局については、会社からの独立性を確保し、選考委員会の指示なく事務局が選考作業を行うことがない等、選考委員会の指示・判断の下で業務を遂行しているか留意する。

      • カ. 総代候補者選考過程において公正の確保、透明性の向上のために、どのような措置が講じられているか。また、事業運営に対する参加意識のある社員に開かれたものとするとの観点から、どのような措置がとられているか。

        • (注1)総代は社員の代表として選出するとの趣旨に鑑み、選考段階において既に社員である者のうちから総代候補者を選出しているか留意する。

        • (注2)契約者懇談会の出席者から一定割合の総代候補者を選出する等、選考方法の多様化が図られているか留意する。また、多様化を図る中で、総代数についても適切な水準を選択しているか留意する。

      • キ. 信任投票にあたって、総代候補者の所信あるいは選考委員会による各人選に係る趣旨説明等、各総代候補者に関する判断材料の充実が図られているか。

      • ク. 総代の任期は8年を目安とされているか。

    • マル2総代会

      総代会の経営チェック機能を向上させるため、保険会社において次のような措置が講じられているか。

      • ア. 総代会においては、事業報告書に記載のある事項と併せて、ソルベンシー・マージン比率等についての報告が行われていること。生命保険会社においては、基礎利益及び逆ざやの状況についての報告が行われていること。

        • (注)株式会社形態の保険会社においても、株主総会において、同様の報告が行われているかどうかに留意する。

      • イ. 総代会における剰余金処分の決議の際には、法第55条の2第2項に基づき定款に定める社員配当比率の下限及び実際の社員配当比率と、各社の資本基盤の充実のための方策との関係について説明が行われていること。

      • ウ. 総代会開催時以外においても、総代に対し経営状況を把握するに足る情報提供が適切に行われていること。また、総代からの意見等の収集策を策定し、総代に対し当該収集策を周知する措置が講じられていること。

      • エ. 総代会の傍聴を希望する社員に対しその機会を付与するとともに、総代会の直前又は直後において会社に対する意見・質問等の機会が設けられていること。また、社員に対し当該傍聴制度を周知するために、店頭における掲示、契約者宛の通知の利用、インターネットのホームページの活用等、適切な措置が講じられていること。

      • オ. 総代会の議事の記録には、各議決事項についての賛成数、反対数等が明記されるとともに、総代会に提出された議案等に係る保険会社による説明内容や各総代の発言内容等の詳細が記載されていること。

      • カ. 総代会の議事の記録は、インターネットのホームページの活用等により社員に対し開示されていること。

    • マル3契約者懇談会等

      • ア. 契約者懇談会が、総代会に先立って開催されているか。また、契約者懇談会において契約者から出された主な意見・質問等を記載した資料が、総代会の招集の通知に添付された上で、総代会において報告されているか。

      • イ. 契約者に対し契約者懇談会の開催を周知するために、店頭における掲示、契約者宛の通知の利用、インターネットのホームページの活用等、適切な措置が講じられているか。また、参加を希望する契約者に対しその機会が付与され、開催日時の多様化等、参加機会の拡大に努めているか。

      • ウ. 契約者懇談会において、契約者に対し経営状況が適切に説明されているか。貸借対照表、損益計算書の要旨、その他参考となるべき資料等が十分開示されているか。

      • エ. 評議員会等において、その人選にあたって多様化が図られているか。また、評議員会等の機能の充実のため、具体的な措置が講じられているか。貸借対照表、損益計算書の要旨、その他参考となるべき資料等が十分開示されているか。

      • オ. 社員に対し、会社経営に関する意見等の申出方法、手続等を周知する措置が講じられているか。

II -1-2-2 委員会設置会社である保険会社の場合

(注)委員会設置会社である保険会社については、取締役会、各委員会、執行役等の機関等がそれぞれ与えられた責任と権限等を踏まえ、その機能が適切に発揮されているかどうかといった観点から検証する必要があるが、具体的には、各々の組織・権限委任等の実態に即して、本監督指針の趣旨を踏まえつつ検証を行うこととなる。

  • (1)取締役及び取締役会

    • マル1取締役会は、経営の基本方針、執行役の職務の分掌及び指揮命令関係その他の執行役の相互の関係に関する事項など業務執行の決定権限等を明確にしているか。

      また、執行役の職務の執行が法令等に適合することを確保するための体制や業務の適正を確保するために必要な体制等を整備し、定期的にその機能状況を確認しているか。また、内部監査態勢に関し、監査委員会又は当局検査等で指摘された問題点を踏まえ、実効性ある態勢整備に積極的に取り組んでいるか。

    • マル2取締役会は、監査委員会の職務の遂行のために必要な体制(監査補助要員体制、情報報告・管理体制、内部統制体制)整備等に積極的に取り組んでいるか。

    • マル3取締役会は、あらゆる職階における職員に経営管理の重要性を強調・明示する風土を組織内に醸成させるとともに、適切かつ有効な経営管理を検証し、その構築を図っているか。

    • マル4取締役会は、各委員会を活用し、かつ、各委員会と連携し、経営執行の監督権限を適確に行使しているか。

    • マル5取締役会は、財務情報その他企業情報を適正かつ適時に開示するための内部管理態勢を構築しているか。

    • マル6取締役は、取締役会における業務の決定、取締役及び執行役の職務の執行の監督等に積極的に参加しているか。法令等遵守態勢、リスク管理態勢及び財務報告態勢等の内部管理態勢(いわゆる内部統制システム)を構築することは、取締役の善管注意義務及び忠実義務の内容を構成することを理解し、その義務を適切に果たそうとしているか。

    • マル7取締役会は、政府指針を踏まえた基本方針を決定し、それを実現するための体制を整備するとともに、定期的にその有効性を検証するなど、法令等遵守・リスク管理事項として、反社会的勢力による被害の防止を内部統制システムに明確に位置付けているか。

    • マル8保険会社の常務に従事する取締役の選任議案の決定プロセス等においては、その適格性について、法第8条の2に掲げる「保険会社の経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験」及び「十分な社会的信用」として、例えば以下のような要素が適切に勘案されているか。

      • ア. 経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験

        取締役会における経営の基本方針や内部統制システム等に係る事項及び業務執行の決定並びに取締役及び執行役の職務の執行の監督等を積極的に実施するに足る知識・経験、その他保険業法等の関連諸規則や監督指針で示している経営管理を行うことにより、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するための知識・経験を有しているか。

      • イ. 十分な社会的信用

        • (ア) 反社会的行為に関与したことがないか。

        • (イ) 暴力団員ではないか、又は暴力団と密接な関係を有していないか。

        • (ウ) 金融商品取引法等我が国の金融関連法令又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (エ) 禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (オ) 過去において、所属した法人等又は現在所属する法人等が金融監督当局より法令等遵守に係る業務改善命令、業務停止命令又は免許、登録若しくは認可の取消し等の行政処分を受けており、当該処分の原因となる事実について、行為の当事者として又は当該者に対し指揮命令を行う立場で、故意又は重大な過失(一定の結果の発生を認識し、かつ回避し得る状態にありながら特に甚だしい不注意)によりこれを生ぜしめたことがないか。

        • (カ) 過去において、金融監督当局より役員等の解任命令を受けたことがないか。

        • (キ) 過去において、金融機関等の破綻時に、役員として、その原因となったことがないか。

    • マル9取締役は、適時・適切な保険金等の支払いが健全かつ適切な業務運営の確保に重大な影響を与えることを十分認識しているか

    • マル10取締役会等は、保険金等の支払いに係る適切な業務運営が行われるよう、経営資源の配分を適切に行っているか。また、保険金等の支払管理が適切に行われているかどうか確認しているか。

    • マル11取締役会は、保険計理人を選任するにあたり、会計監査人との独立性確保に留意しているか。

    • マル12取締役会において選任する保険計理人については、当該保険計理人(選任しようとする者を含む。)が規則第78条に規定する要件に該当する者であることに加え、日本アクチュアリー会において実施する継続教育において一定の研修の履修を達成している等、正会員としての資質の継続的維持・向上に努めている者であるなど、保険計理人として適切な者であるかについて定期的に確認しているか。

    • マル13取締役会は、各関連部門との連携等により、保険計理人に対し必要な情報を提供するなど保険計理人がその職務を十分に果たすことができる態勢を構築し、定期的にその機能状況を確認しているか。

  • (2)監査委員会等

    • マル1各委員会は、制度の趣旨に則り、その独立性が確保されているか。

    • マル2監査委員会は、付与された広範な権限を適切に行使し、会計監査に加え業務監査を的確に実施し必要な措置を適時に講じているか。

    • マル3保険金等支払実務に関する体系的な監査手法を確立しているか。

    • マル4監査委員会は、取締役及び執行役の職務の執行の適法性及び妥当性等を監査するため、監査委員会の職務を補助すべき使用人、内部監査部門、会計監査人等を有効に活用しているか。

      監査役設置会社における監査役がいわゆる実査を行うことができることに比べ、社外取締役中心の監査委員会は、内部統制システムを通じたいわゆる組織監査を行うという制度的な基盤を踏まえて、特に内部監査部門が監査委員会をサポートする体制が整備されているか。

    • マル5監査委員の選任プロセス等においては、その適格性について、法第8条の2に掲げる「保険会社の執行役及び取締役の職務の執行の監査を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験」及び「十分な社会的信用」として、例えば以下のような要素が適切に勘案されているか。

      • ア. 保険会社の執行役及び取締役の職務の執行の監査を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験

        内部統制システムの構築・運用に係る取締役会の審議等において、積極的な役割を果たすに足る知識・経験、その他独立した立場から執行役及び取締役の職務を監査することにより、保険会社の健全かつ適切な運営を確保するための知識・経験を有しているか。

      • イ. 十分な社会的信用

        • (ア)反社会的行為に関与したことがないか。

        • (イ)暴力団員ではないか、又は暴力団と密接な関係を有していないか。

        • (ウ)金融商品取引法等我が国の金融関連法令又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (エ)禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (オ)過去において所属した法人等又は現在所属する法人等が金融監督当局より法令等遵守に係る業務改善命令、業務停止命令又は免許、登録若しくは認可の取消し等の行政処分を受けており、当該処分の原因となる事実について、行為の当事者として又は当会社に対し指揮命令を行う立場で、故意又は重大な過失(一定の結果の発生を認識し、かつ回避し得る状態にありながら特に甚だしい不注意)によりこれを生ぜしめたことがないか。

        • (カ)過去において、金融監督当局より役員等の解任命令を受けたことがないか。

        • (キ)過去において、金融機関等の破綻時に、役員として、その原因となったことがないか。

  • (参考)「監査委員会監査基準」(公益社団法人日本監査役協会 平成23年5月12日改正)

  • (3)執行役(代表執行役を含む。)

    • マル1執行役は、取締役会の決議に基づき委任された権限と責任を十分認識し、取締役会で決定された経営の基本方針を踏まえた業務執行の意思決定を実施しているか。

    • マル2執行役は、経営の基本方針に沿った業務計画を明確に定め、社内に周知しているか。また、その達成度合いを定期的に検証し必要に応じ見直しを行っているか。

    • マル3執行役は、法令等遵守に関し、誠実かつ率先垂範して取組み、全社的な内部管理態勢の確立・執行のため適切に機能を発揮しているか。

    • マル4執行役は、リスク管理部門を軽視することが企業収益に重大な影響を与えることを十分認識し、リスク管理部門を重視しているか。特に担当執行役はリスクの所在及びリスクの種類を理解した上で、各種リスクの測定・モニタリング・管理等の手法について深い認識と理解を有しているか。

    • マル5執行役は、経営の基本方針を踏まえたリスク管理の方針を明確に定め、社内に周知しているか。また、リスク管理の方針は、定期的又は必要に応じ随時見直しているか。さらに、定期的にリスクの状況の報告を受け、必要な意思決定を行うなど、把握したリスク情報を業務の執行及び管理体制の整備等に活用しているか。

    • マル6執行役は、内部監査の重要性を認識し、内部監査機能が十分発揮できる措置を講じるとともに、内部監査の結果等について適切な措置を講じているか。

    • マル7執行役は、断固たる態度で反社会的勢力との関係を遮断し排除していくことが、保険会社に対する公共の信頼を維持し、保険会社の業務の適切性及び健全性の確保のため不可欠であることを十分認識し、政府指針の内容を踏まえて取締役会で決定された基本方針を社内外に宣言しているか。

    • マル8執行役の選任プロセス等においては、その適格性について、法第8条の2に掲げる「経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験」及び「十分な社会的信用」として、例えば以下のような要素が適切に勘案されているか。

      • ア. 経営管理を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験

        保険業法等の関連諸規制や監督指針で示している経営管理の着眼点の内容を理解し、実行するに足る知識・経験、保険会社の業務の健全かつ適切な運営に必要となるコンプライアンス及びリスク管理に関する十分な知識・経験、その他保険会社の行うことができる業務を適切に遂行することができる知識・経験を有しているか。

      • イ. 十分な社会的信用

        • (ア)反社会的行為に関与したことがないか。

        • (イ)暴力団員ではないか、又は暴力団と密接な関係を有していないか。

        • (ウ)金融商品取引法等我が国の金融関連法令又はこれらに 相当する外国の法令の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (エ)禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられたことがないか。

        • (オ)過去において、所属した法人等又は現在所属する法人等が金融監督当局より法令等遵守に係る業務改善命令、業務停止命令又は免許、登録若しくは認可の取消し等の行政処分を受けており、当該処分の原因となる事実について、行為の当事者として又は当該者に対し指揮命令を行う立場で、故意又は重大な過失(一定の結果の発生を認識し、かつ回避し得る状態にありながら特に甚だしい不注意)によりこれを生ぜしめたことがないか。

        • (カ)過去において、金融監督当局より役員等の解任命令を受けたことがないか。

        • (キ)過去において、金融機関等の破綻時に、役員として、その原因となったことがないか。

  • (4)管理者(営業拠点長と同等以上の職責を負う上級管理者)

    • マル1管理者は、リスクの所在、リスクの種類及びリスク管理手法を十分理解した上で、リスク管理方針に沿って、リスクの種類に応じた測定・モニタリング・管理など、適切なリスク管理を実行しているか。

    • マル2管理者は取締役会等で定められた方針に基づき、相互牽制機能を発揮させるための施策を実施しているか。

  • (5)内部監査部門

    • マル1内部監査部門は、被監査部門に対して十分牽制機能が働くよう独立し、かつ、実効性ある内部監査が実施できる態勢となっているか。

    • マル2内部監査部門は、被監査部門におけるリスク管理状況等を把握した上、リスクの種類・程度に応じて、頻度・深度に配慮した効率的かつ実効性ある内部監査計画を立案するとともに、内部監査計画に基づき効率的・実効性ある内部監査を実施しているか。

    • マル3内部監査部門は、内部監査業務の実施要領等に基づき、支払管理部門をはじめとした全ての部門の全ての業務に対する監査を実施しているか。

    • マル4内部監査部門は、内部監査で指摘した重要な事項について遅滞なく代表執行役及び監査委員会等に報告しているか。

    • マル5内部監査部門は、内部監査報告書で指摘された問題点に対する被監査部門等の改善への取り組み状況を適切に管理しているか。

  • (6)外部監査機能

    委員会設置会社の外部監査機能については、II-1-2-1(6)に準じて検証することとする。

  • (7)保険計理人

    委員会設置会社の保険計理人については、II-1-2-1(7)に準じて検証することとする。

  • (8)総代会

    委員会設置会社の総代会については、II-1-2-1(8)に準じて検証することとする。

  • (参考)経営管理(ガバナンス)態勢に関する監督に当たっての着眼点については、以下が参考となる。

    • マル1金融庁「保険検査マニュアル(保険会社に係る検査マニュアル)」

    • マル2「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について」(平成19年6月19日犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ)

(注)以下、本監督指針においては、原則として監査役会設置会社である保険会社の場合を前提に記載するが、委員会設置会社である保険会社の場合には、本監督指針の趣旨を踏まえ、実態に即して適宜読み替えて検証等を行うこととする。

II -1-3 監督手法・対応

下記のヒアリング及び通常の監督事務等を通じて、経営管理について検証することとする。

  • (1)オフサイト・モニタリング

    継続的に財務会計情報及びリスク情報等について報告を求め、保険会社の経営の健全性の状況を常時把握することとする。また、保険会社から徴求した各種の情報の蓄積及び分析を迅速かつ効率的に行うこととする。

  • (2)総合的なヒアリング(「 III -1-1 オフサイト・モニタリングの主な留意点(3)マル2」を参照)

    総合的なヒアリングにおいて、経営上の課題、経営戦略及びその諸リスク、取締役会・監査役会の機能発揮の状況等に関しヒアリングを行うこととする。

  • (3)内部監査ヒアリング等

    内部監査の機能発揮状況等を把握する観点から、必要に応じ、保険会社の内部監査部門に対し、内部監査の体制、内部監査の実施状況及び問題点の是正状況等についてヒアリングを実施することとする。

    また、特に必要があると認められる場合には、保険会社の監査役、会計監査人、社外取締役に対してもヒアリングを実施することとする。

  • (4)通常の監督事務を通じた経営管理の検証

    経営管理については上記(1)から(3)のヒアリング等に加え、例えば、免許審査、取締役、執行役、監査役、監査委員及び会計監査人の選任・退任届出の受理、検査結果通知のフォローアップ、不祥事件届、早期警戒制度、早期是正措置などの通常の監督事務を通じても、経営管理の有効性について検証することとする。

  • (5)モニタリング結果の記録

    モニタリングの結果、事務年度途中において特筆すべき事項が生じた場合は、都度記録を更新することとする。

  • (6)監督上の対応

    • マル1経営管理の有効性等に疑義が生じた場合には、原因及び改善策等について、深度あるヒアリングを行い、必要な場合には法第128条(外国保険会社等(法第2条第7項に規定する「外国保険会社等」をいう。以下同じ。)においては、法第200 条。免許特定法人又は引受社員においては、法第226 条。以下同じ。)に基づき報告を求めることを通じて、着実な改善を促すものとする。また、重大な問題があると認められる場合には、法第132 条(外国保険会社等においては、法第204 条。免許特定法人又は引受社員においては、法第230 条。以下同じ。)に基づき行政処分を行うものとする。

    • マル2保険会社の常務に従事する取締役・執行役・監査役・監査委員が、II-1-2-1(2)マル10、II-1-2-2(1)マル8、II-1-2-2(3)マル8、II-1-2-1(3)マル5及びII-1-2-2(2)マル5に掲げる勘案すべき要素に照らし不適格と認められる場合又はその選任議案の決定若しくは選任にあたり、十分な要素が勘案されていないと認められる場合であって、保険会社の業務の健全かつ適切な運営を確保するため必要があると認められるときは、取締役・執行役・監査役・監査委員の適格性や経営管理の遂行状況、それらについての保険会社の認識及び取締役・監査役の選任議案の決定プロセス等又は執行役・監査委員の選任プロセス等について深度あるヒアリングを行い、必要な場合には法第128 条に基づき報告を求めるものとする。また、報告徴求の結果、経営管理態勢に重大な問題があると認められる場合で、自主的な改善努力に委ねたのでは、保険会社の業務の健全かつ適切な運営に支障を来すおそれがあると認められる場合には、法第132 条に基づき業務改善命令を発出するものとする。

    • マル3保険会社が法令、定款若しくは法令に基づく内閣総理大臣の処分に違反したとき又は公益を害する行為をしたときで、保険会社の常務に従事する取締役・執行役・監査役・監査委員の適格性の不備にその主たる原因があると認められるとき、会計監査人が職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったことに重大な原因があると認められるときなどの場合には、法第133条(外国保険会社等においては、法第205条。免許特定法人又は引受社員においては、法第231条又は第232条。以下同じ。)に基づき取締役・執行役・監査役・監査委員・会計監査人の解任を命ずることを検討するものとする。

(注)II-1-2-1(2)マル10、II-1-2-2(1)マル8、II-1-2-2(3)マル8、II-1-2-1(3)マル5及びII-1-2-2(2)マル5に掲げる取締役・執行役・監査役・監査委員の知識・経験及び社会的信用に係る着眼点は、各保険会社の取締役・執行役・監査役・監査委員の選任プロセス等における自主的な取組みを基本としつつ、その過程において法第8 条の2 に規定されている適格性が適切に判断されているかどうかを当局が確認するための事項の例示であり、また、特定の事項への該当をもって直ちにその適格性を判断するためのものではない。取締役・監査役の選任議案の決定又は執行役・監査委員の選任にあたっては、まずは保険会社自身がその責任において、上記着眼点も踏まえつつ、その時々の時点における取締役・執行役・監査役・監査委員個人の資質を総合的に勘案して適切に判断するとともに、免許申請や取締役・執行役・監査役・監査委員の選任の届出等において、監督当局への説明責任を果たすべきものであることに留意する必要がある(様式・参考資料編 様式1、31参照)。

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