少額短期保険業者の業務の公共性を十分に認識し、法令や業務上の諸規則等を厳格に遵守し、健全かつ適切な業務運営に努めることが顧客からの信頼を確立するために重要である。
「総合指針 II −3−1−2 <コンプライアンス(法令等遵守)態勢> 主な着眼点」に準じて取扱うものとする。
コンプライアンス態勢について問題があると認められる場合には、必要に応じて法第272条の22に基づき報告を求め、重大な問題があると認められる場合には、法第272条の25又は法第272条の26に基づき行政処分を行うものとする。
「総合指針 II −3−2 不祥事件等に対する監督上の対応」に準じて取扱うものとする。
少額短期保険募集人が保険契約者の利益を害することがないよう、少額短期保険業者は適正な保険募集態勢を確立する必要がある。このため、以下のような点について、少額短期保険業者の取り組み状況等を確認する必要がある。
(1)保険募集態勢
募集人組織を連鎖的に拡大させることを目的とした手数料の設定を行っている場合や、保険募集手数料が保険募集を行う他の募集人の募集実績により加算されるような手数料設定を行っている場合等で、特定商取引法における連鎖販売取引に該当する場合には、同法に基づく対応が図られているか。
特定商取引法における連鎖販売取引あるいはそれに類似する取引を行う組織形態においては、募集人に対して過度な販売目標の設定や販売促進がなされることにより、適切な募集態勢が確保されないことが想定される。よって、こうした特殊な募集環境を踏まえ、保険募集人の公正な保険募集を行う能力の向上を図るための措置や募集に際して保険契約の内容のうち重要な事項の適切な説明を確保するための措置等について十分にかつ実効的に整備されているか、また、厳格な内部管理態勢、監査態勢が構築され、実効的に機能しているか。
不適切な募集行為については、下記(2)
のような登録、届出を行っているかという点についても留意すること。
(2)少額短期保険募集人の採用・委託・登録(届出)
少額短期保険募集人の採用、代理店等への委託にあたって、その適格性が審査されているか。また、その審査にあたっての審査基準の規程が整備されているか。
なお、代理店等への委託にあたって、保険募集の業務遂行能力、事業目的、事業内容等について以下の点も考慮して審査が行われているか。
ア. 保険契約者等の保護及び保険募集の公正を確保するための内部管理態勢及び募集態勢が整備されていること。
イ. 法令等により保険募集を行うことができない者ではないこと。
ウ. 事業目的・事業内容に照らし、少額短期保険の保険募集を業務として行うに適した者であること。
保険募集に関して、所属少額短期保険業者から委託を受けた者からさらに委託が行われる、いわゆる復代理が行われていないか。
所属少額短期保険業者から委託がなされた者を代理店として登録しているか。その際、登録免許税法に規定する額の登録免許税が納付されているか。
以下のいずれかの業務を行う者は、法第276条に規定する少額短期保険募集人の登録又は法第302条に規定する届出を行っているか。
ア. 保険契約の締結の勧誘
イ. 保険契約の締結の勧誘を目的とした保険商品の内容説明
ウ. 保険契約の申込の受領
エ. その他の保険契約の締結の代理又は媒介
(注)登録・届出の要否については、一連の行為の中で当該行為の位置付けを踏まえた上で総合的に判断する必要があるが、例えば、次に掲げる行為のみを行う者は、基本的に上記登録・届出は不要であると考えられる。
(ア)保険募集人の指示を受けて行う、商品案内チラシの単なる配布
(イ)コールセンターのオペレーターが行う、事務的な連絡の受付や事務 手続き等についての説明
(ウ)金融商品説明会における、一般的な保険商品の仕組み、活用法等についての説明
法人等に対し登録を行わずに代理店委託を行う等による法令等を潛脱する行為を排除する措置が講じられているか。また、その措置は実行されているか。例えば、法人等に対して、紹介代理店委託を行う等により紹介料等の名目で対価性のない金銭の支払いその他の便宜供与を行っていないか。
なお、法人等以外のいわゆる紹介代理店について例えば、保険加入の希望者を少額短期保険業者や少額短期保険募集人に紹介することにより、募集人ではない当該紹介者に対してポイントや手数料を与えるといった制度となっている場合においても、無登録募集又は法令等の潜脱が行われないよう、以下に例示するような点に留意しつつ適切な措置が講じられているか。また、その措置は実効性のある措置となっているか。
ア. 紹介者が保険料の受領を行う等の無登録募集が排除されているか。
イ. 紹介料等の名目で対価性のない金銭の支払いその他の便宜供与が行われていないか。
ウ. 特別の利益の提供を禁止する規制の潜脱が行われていないか。
エ. 規則第234条第1項第2号(平成10年6月8日大蔵省告示第238号)の規定や募集上の弊害防止措置規制の潜脱が行われていないか。
オ. 保険加入希望者の紹介等行為に関して、威迫等による強引な紹介、不実の告知・故意の不告知等を示唆する行為、その他困惑行為がなされていないか。
(3)少額短期保険募集人の教育、管理、指導
少額短期保険業者においては、募集人に対する教育、管理、指導が適切に行われているか。また、制度化されているか。育成、資質の向上を図るための措置が講じられているか。
募集に関する法令等の遵守、契約に関する知識等、顧客情報の取扱等について、社内においてマニュアル等により制度化されているか。また、指導基準が明確化され、所属代理店に対して教育、管理、指導が適切に行われているか。保険商品のそれぞれの商品特性に応じた保険契約者の利用が行われるよう、多様化・複雑化した保険商品に関する十分な知識の付与及び適切な募集活動のための十分な教育が行われているか。
特に法定限度額の令第38条の9及び規則第211条の31に規定する一の被保険者に係る保険金限度額及び一の保険契約者に係る被保険者の総数の限度についての教育等を徹底しているか。さらに、意図的に保険契約者を親族名にする等により、令第38条の9及び規則第211条の31の規定の潜脱が行われないように留意した教育・管理・指導を行っているか。
内勤職員が実質的に保険募集を行い、その契約を他の少額短期保険募集人の扱いとする等のいわゆる社員代行等の行為又は少額短期保険募集人間でのいわゆる成績の付け替え契約等の行為を排除するための措置が講じられているか。また、実行されているか。
事務所及び募集代理店等への監査等を適時適切に実施し、代理店等の保険募集の実態や保険料の収受等の事務管理体制を把握し、適切な管理・指導等が行われているか。
また、監査等において内部事務管理が不適切な代理店等に対し、改善に向けた厳正な対処がなされているか。
募集人の挙績状況、契約の継続状況等の常時把握による管理が行われているか。保険契約者等保護の観点から、募集人の育成状況及び代理店等の稼働率等の状況等について、適時把握し、適正な措置を講じているか。
代理店等との委託契約書において代理店等の遵守すべき事項が定められているか。
代理店等に対して、収受した保険料を自己の財産と明確に区分し、保険料等の収支を明らかにする書類等を備え置かせているか。
保険料の領収にあたって、次のような行為を行わせないよう指導、管理しているか。
ア. 保険料の全部又は一部の支払いを受けずに保険料領収証を交付していないか。
イ. 領収は会社所定の領収証に限定されているか。
ウ. 手形による保険料の領収が行われていないか。
代理店等に対して、受領した保険料等を受領後遅滞なく所属少額短期保険業者に送金するか、又は、別途専用の預貯金口座に保管し、遅くとも少額短期保険業者における保険契約の計上月の翌月までに精算するよう指導、管理しているか。
保険募集を専ら行う社員についても、保険募集に関して適切な教育、管理、指導等が行われているか。
(1)法第300条第1項第1号関係
保険契約の契約条項のうち重要な事項を告げる場合は、保険契約の種類及び性質等に応じて適正に行われているか。
重要な事項を告げるにあたっては、重要な事項のうち顧客が保険商品の内容を理解するために必要な情報(以下、「契約概要」という。)と顧客に対して注意喚起すべき情報(以下、「注意喚起情報」という。)について、分類のうえ告げられているか。
なお、「契約概要」と「注意喚起情報」の主な項目は以下のとおりとする。
(注1)法第3条第5項第1号に掲げる保険のうち事業活動に伴い事業者が被る損害をてん補する保険商品を除く。なお、本項目の対象とならない保険商品についても、重要事項説明書、約款等の他の方法により、顧客に対して重要な事項を適正に告げる必要があることに留意すること。
(注2)団体保険又は団体契約について、保険契約者である団体に対して行うものは本項目の対象としない。なお、重要事項説明書、約款等の他の方法により、当該団体に対して重要な事項を適正に告げる必要があることに留意すること。
ア. 「契約概要」の項目
(ア)当該情報が「契約概要」であること。
(イ)商品の仕組み
(ウ)保障(補償)の内容
(注)保険金等の支払事由、支払事由に該当しない場合及び免責事由等の保険金等を支払わない場合について、それぞれ主なものを記載すること。保険金等を支払わない場合が通例でないときは、特に記載すること。
(エ)付加できる主な特約及びその概要
(オ)保険期間
(カ)引受条件(保険金額等)
(注)保険金の削減(規則第211条の5第4号)の内容も記載すること。
(キ)保険料に関する事項
(注)保険料の増額(規則第211条の5第4号)の内容も記載すること。
(ク)保険料払込みに関する事項(保険料払込方法、保険料払込期間)
(ケ)配当金に関する事項(配当金の有無、配当方法、配当額の決定方法)
(コ)解約返戻金等の有無及びそれらに関する事項
イ. 「注意喚起情報」の項目
(ア)当該情報が「注意喚起情報」であること。
(イ)クーリング・オフ(法第309条第1項に規定する保険契約の申込みの撤回等)
(ウ)告知義務等の内容
(注) 危険増加によって保険料を増額しても保険契約が継続できない(保険期間の中途で終了する)場合がある旨の約款の定めがあるときは、それがどのような場合であるか、記載すること。
(エ)責任開始期
(オ)支払事由に該当しない場合及び免責事由等の保険金等を支払わない場合のうち主なもの。
(注1) 通例でないときは、特に記載すること。
(注2) 保険金の削減(規則第211条の5第4号)についても記載すること。
(カ)保険料の払込猶予期間、契約の失効等
(注)保険料の増額(規則第211条の5第4号)についても記載すること。
(キ)保険契約者保護機構の行う資金援助等の措置がないこと及び法第270条の3第2項第1号に規定する補償対象契約に該当しないこと。
(ク)手続実施基本契約の相手方となる指定ADR機関(法第2条第28項に規定する「指定紛争解決機関」をいう。以下同じ。)の商号又は名称(指定ADR機関が存在しない場合には、苦情処理措置及び紛争解決措置の内容)
(ケ)特に法令等で注意喚起することとされている事項
(注)法令で注意喚起することとされている事項には、以下の例示を含む。
a. 自動更新タイプの保険契約について、更新時には保険料の計算方法、保険金額等について見直す場合があること。(規則第211条の30第1号)
(注)なお、当該商品が不採算となり、更新契約の引受が困難となった場合には、その契約の更新を引き受けないこととすることも併せて記載するものとする。( IV −2−9(2)参照)
b. 保険期間が令第1条の5に定める期間以内であって、保険金額が令第1条の6に定める金額以下の保険のみの引受けを行う者であること。(規則第211条の30第3号イ)
c. 一の被保険者について引き受けるすべての保険の保険金額の合計額は、原則1,000万円を上限とすること。(規則第211条の30第3号ロ)
d. 一の保険契約者について引き受けるすべての保険の被保険者の総数は100名が上限であること。(規則第211条の30第3号ハ)
顧客から重要な事項を了知した旨を十分に確認し、事後に確認状況を検証できる態勢にあるか。
特に、改正法施行以降経過措置期間において、改正法附則第3条第2項第2号に規定する特定保険業者のために保険契約の締結の代理又は媒介を行う者が法第300条第1項第1号の説明を適切に行ったことが事後的に検証できる態勢にあるか。
(2)法第300条第1項第4号関係
一定金額の金銭をいわゆる解約控除等として保険契約者が負担することとなる場合があること、一定期間の契約継続を条件に発生する配当に係る請求権を失う場合があること、被保険者の健康状態の悪化等のため新たな保険契約を締結できないこととなる場合があることなど、不利益となる事実を告げているか。また、顧客からの確認印を取り付ける等の方法により顧客が不利益となる事実を了知した旨を十分確認しているか。
(3)法第300条第1項第5号関係
特別利益の提供について
少額短期保険業者及び少額短期保険募集人が、保険契約の締結又は保険募集に関し、保険契約者又は被保険者に対して、各種のサービスや物品を提供する場合においては、以下のような点に留意して、「特別利益の提供」に該当しないものとなっているか。
ア. 当該サービス等の経済的価値及び内容が、社会相当性を超えるものとなっていないか。
イ. 当該サービス等が、換金性の程度と使途の範囲等に照らして、実質的に保険料の割引・割戻しに該当するものとなっていないか。
ウ. 当該サービス等の提供が、保険契約者間の公平性を著しく阻害するものとなっていないか。
なお、少額短期保険業者は、当該サービス等の提供を通じ、他業禁止に反する行為を行っていないかについても留意する。
(注)少額短期保険業者が、保険契約者又は被保険者に対し、保険契約の締結によりポイントを付与し、当該ポイントに応じた生活関連の割引サービス等を提供している例があるが、その際、ポイントに応じてキャッシュバックを行うことは、保険料の割引・割戻しに該当し、法第272条の2第2項各号に掲げる書類に基づいて行う場合を除き、禁止されていることに留意する。
規則第234条第1項第1号関係
少額短期保険業者は、少額短期保険募集人に対し、保険料の割引、割戻し等を目的とした保険募集を行うことがないよう指導及び管理等の措置を講じているか。また、実行しているか。
(4)法第300条第1項第6号関係
次に掲げるような比較表示を行っていないかどうか。
ア. 客観的事実に基づかない事項又は数値を表示すること。
イ. 保険契約の契約内容について正確な判断を行うに必要な事項の一部のみを表示すること。
ウ. 保険契約の契約内容について、長所のみをことさらに強調したり、長所を示す際にそれと不離一体の関係にあるものを併せて示さないことにより、あたかも全体が優良であるかのように表示すること。
エ. 社会通念上又は取引通念上同等の保険種類として認識されない保険契約間の比較について、あたかも同等の保険種類との比較であるかのように表示すること。
オ. 現に提供されていない保険契約の契約内容と比較して表示すること。
カ. 他社の保険契約の内容について、具体的な情報を提供する目的ではなく、当該保険契約を陥れる目的で、その短所を不当に強調して表示すること等により、当該保険契約を誹謗・中傷すること。
他の保険会社等との商品等との比較表示を行う場合には、書面等を用いて次の事項を含めた表示が行われ、かつ、他社商品の特性等について不正確なものとならないための措置が講じられているか。
ア. 保険期間
イ. 保障内容(保険金を支払う場合、主な免責事由等)
ウ. 引受条件(保険金額等)
エ. 各種特約の有無及びその内容
オ. 保険料率・保険料(なるべく同一の条件での事例設定を行い、算出条件を併記する。)
カ. 保険料払込方法
キ. 払込保険料と満期返戻金との関係
ク. その他保険契約者等の保護の観点から重要と認められるもの。
上記
〜
については、「総合指針 II −3−3−2 (6)<生命保険契約の締結及び保険募集> 法第300条第1項第6号関係」及び「総合指針 II −3−3−6 (6)<損害保険契約の締結及び保険募集> 法第300条第1項第6号関係」に準じて取扱うものとする。
(5)法第300条第1項第7号関係
法第300条第1項第7号に抵触する行為を排除する措置が講じられているか。
予想配当表示について
「総合指針 II −3−3−2 (7)<生命保険契約の締結及び保険募集> 法第300条第1項第7号関係」及び「総合指針 II −3−3−6 (7)<損害保険契約の締結及び保険募集> 法第300条第1項第7号関係」を準用する。
(6)法第300条第1項第9号関係
規則第234条第1項第2号関係
ア. 少額短期保険業者、少額短期保険業者の役員又は少額短期保険募集人は、保険契約者又は被保険者を威迫する行為その他これに類似する行為として以下に掲げる行為等を行っていないかどうか。
(ア)顧客に対し、威圧的な態度や乱暴な言葉等をもって著しく困惑させること。
(イ)勧誘に対する拒絶の意思を明らかにした顧客に対し、その業務若しくは生活の平穏を害するような時間帯に執拗に訪問し又は電話をかける等社会的批判を招くような方法により保険募集を行うこと。
イ. 「業務上の地位等を不当に利用」とは、例えば、職務上の上下関係等に基づいて有する影響力をもって、顧客の意思を拘束する目的で利益又は不利益を与えることを明示することをいうが、このような行為を行っていないか。
規則第234条第1項第4号関係
ア. 会社の信用又は支払能力等を表示する場合の適正な措置が講じられているか。
イ. 少額短期保険業者の信用又は支払能力等の表示に関し、規則第234条第1項第4号に抵触する行為には次のような行為が考えられる。
(ア)法第272条の16に規定する業務報告書及び中間業務報告書に記載された数値若しくは法第272条の17に規定する業務及び財産の状況に関する説明書類に記載された数値又は信用ある格付業者の格付(以下、「客観的数値等」という。)以外のものを用いて、少額短期保険業者の資力、信用又は支払能力等に関する事項を表示すること。
(イ)使用した客観的数値等の出所、付された時点、手法等を示さずその意味について、十分な説明を行わず又は虚偽の説明を行うこと。
(ウ)表示された客観的数値等が優良であることをもって、当該少額短期保険業者の保険契約の支払が保証されていると誤認させること。
(エ)一部の数値のみを取り出して全体が優良であるかのように表示すること。
(オ)他の保険会社等を誹謗・中傷する目的で、当該他の保険会社等の信用又は支払能力等に関してその劣後性を不当に強調して表示すること。
(カ)規則第211条の30第2号に規定する、保険契約者保護機構の行う資金援助等の措置がないこと及び法第270条の3第2項第1号に規定する補償対象契約に該当しないことを記載した書面の交付により、説明を行わないこと。
規則第234条第1項第5号関係
共同保険契約や保険会社間あるいは少額短期保険業者間の保険商品の提携販売等ーの契約者が複数の保険会社等との間でー又は複数の保険契約を同時に締結(契約の更改及び更新を含む。)する場合などにおいて、保険契約者が保険の種類や、引受保険会社等について誤解しないよう、契約当事者たるそれぞれの保険会社等と保険契約者との間の契約関係が明確となることをはじめ、保険募集及び保険契約の締結の業務に関して適切な措置が講じられているか。
規則第234条第1項第16号関係
規則第234条第1項第16号に規定する「必要かつ適切な措置」とは、金融分野における個人情報保護に関するガイドライン(以下、「保護法ガイドライン」という。)第10条、第11条及び第12条並びに金融分野における個人情報保護に関するガイドラインの安全管理措置等についての実務指針(以下、「実務指針」という。) I 、 II 、 III 及び別添1の規定に基づく措置とする。
規則第234条第1項第17号関係
規則第234条第1項第17号に規定する「その他の特別の非公開情報」とは、労働組合への加盟、民族又は性生活に関する情報をいい、「当該業務の適切な運営の確保その他必要と認められる目的」とは、保護法ガイドライン第6条第1項各号に列挙する場合をいう。
(7)法第307条第1項第3号関係
法第307条第1項第3号で規定する「その他保険募集に関し著しく不適当な行為」に抵触する行為を排除する措置が講じられているか。
(8)告知事項・告知書
平成20年6月に公布された保険法において、告知義務が自発的申告義務から質問応答義務となったことの趣旨を踏まえ、保険契約者等に求める告知事項は、保険契約者等が告知すべき具体的内容を明確に理解し告知できるものとなっているか。例えば、「その他、健康状態や病歴など告知すべき事項はないか。」といったような告知すべき具体的内容を保険契約者等の判断に委ねるようなものとなっていないか。
告知書の様式は、保険契約者等に分かりやすく、必要事項を明確にしたものとなっているか。
(9)保険法対応
平成20年6月に公布された保険法については、保険契約に係る制度が改正及び新設されており、少額短期保険募集人が当該制度に適切に対応できる態勢を整備しているか。
(10)その他
保険契約の締結(名義変更等による契約の変更を含む。)又は保険募集に関して、架空契約や保険金詐取を目的とする契約等の不正な保険契約の発生を防止するために、
ア.挙績を指向するあまり、金融機関への過度の預金協力による見込み客の獲得、保険料ローンを不正に利用した募集、特定の代理店等に対する過度の便宜供与等の過当競争の弊害を招きかねない行為のほか、作成契約、超過保険契約等の不適正な行為を防止するための措置が講じられているか。
イ.保険契約者(法人、個人事業主を含む。)について、運転免許証やパスポート等の本人を特定し得る書類による確認、企業等の法人(個人事業主を含む。)の存在が確認できる書類による確認、保険証券を郵送し、当該郵便物が返戻されなかったことをもってする確認、本人確認を行った保険料収納機関からの確認、少額短期保険募集人の訪問や少額短期保険業者が電話等の通信機器・情報処理機器を利用し保険契約者と交信することによる確認その他適切な方法により、本人確認若しくは実在の確認、又は法人の事業活動の有無の把握の措置が講じられているか。
ウ.また、保険契約申込みや契約変更時の健康診査において、医師による運転免許証やパスポート等の本人を特定し得る書類による確認、保険募集の同行や少額短期保険業者等が直接面接することによる確認その他適切な方法による被保険者の本人確認、の措置が講じられているか。
例えば、当初から短期の中途解約を前提とした契約等の保険本来の趣旨を逸脱するような募集活動を行わせないなど、保険商品のそれぞれの商品特性に応じ、その本来の目的に沿った利用が行われるための適切な募集活動に対する措置が講じられているか。
保険契約締結の申し込みがあったにも関わらず、締結しないこととする場合は、可能な限り合理的な理由を説明するなど、顧客の理解が得られるよう努めているか。
(11)監督手法・対応
保険募集態勢について問題があると認められる場合には、少額短期保険募集人に対し、必要に応じて法第305条に基づき報告を求めるとともに、少額短期保険業者の態勢の検証( II −3−5−1−2 法第272条の13第2項において準用する法第100条の2に規定する業務運営に関する措置等を参照)も併せて行い、重大な問題があると認められる場合には法第272条の25又は法第272条の26及び法第306条又は法第307条に基づき行政処分を行うものとする。
また、管轄区域内の少額短期保険募集人が他の財務局に登録している少額短期保険業者に属している場合(複数乗合含む。)は、監督対応について当該財務局と協議のうえ、対応すること。
(1)団体扱契約及び集団扱契約監督事務にあたっての留意点は、少額短期保険業者の経営の健全性の確保及び保険契約者等の保護の観点から、以下のとおりとする。
少額短期保険業者は保険契約者の所属する団体の適正な代表者との間で、保険料取り次ぎに関する団体扱・集団扱契約の締結を行っているか。
団体の代表者に支払う集金手数料については、経営の健全性及び契約者間の公平性の確保並びに公正な競争の促進等並びに実費相当額を勘案した合理的かつ妥当である適正な水準になっているか。
保険契約者又は被保険者の状況が変化し、当該保険契約者等に係る保険契約が団体扱等契約の対象でなくなった場合には、当該保険契約に適用する保険料の見直しを行っているか。
(2)団体保険又は団体契約における団体の範囲等の確認態勢
被保険者が被保険団体に含まれるか確認できる態勢が整備されているか。
団体定期保険等の適用条件等が社内規則等で明確かつ適切に定められているか。例えば、団体及び被保険者団体の範囲などが明確となっているか。
団体定期保険等の適用条件等が適切に運用されていることを確認できる態勢が整備されているか。
他人の生命の保険契約について、商法第674条第1項(第683条第1項において準用する第664条の規定により準用される場合及び第677条第2項(第683条第1項において準用する第664条の規定により準用される場合を含む。)の規定により準用される場合を含む。)に規定する他人の生命の保険契約(同項ただし書の契約を除く。以下、「他人の生命の保険契約」という。)の契約締結に関して、少額短期保険業者の監督にあたっての留意点は、被保険者等の保護及び少額短期保険業者の業務の健全かつ適切な運営の確保の観点から、以下のとおりとする。
(1)目的・趣旨
企業(個人事業主を含む。以下同じ。)が保険契約者及び保険金受取人になり、従業員等を被保険者とする個人保険契約(以下、「事業保険」という。)については、以下のア.又はイ.の目的・趣旨に沿った業務運営が行われているか。
ア. 遺族及び従業員の生活補償のための企業の就業規則、労働協約その他これに準ずる規則(以下、「遺族補償規定等」という。)により定められた弔慰金・死亡退職金等(以下、「弔慰金等」という。)の支払い財源確保
イ. 従業員等の死亡に伴い企業が負担する代替雇用者採用・育成費用、事業継承・一時的な信用不安に備える資金等の財源確保
(注)被保険者となるべき者の同意の取得に際しては、例えば、被保険者に対して加入申込書の写しや契約の内容を記載した書面の交付を行うことによって、少額短期保険業者が被保険者に保険金受取人や保険金の額等の契約の内容を確実に認識できるような措置を講じているか。
さらに、被保険者に対して交付する契約の内容を記載した書面等に、被保険者が家族に当該保険への加入を説明することを促す文言を記載するなど、少額短期保険業者は被保険者本人がその家族等、必要と考える者に対し情報提供を容易に行い得る措置を講ずること。
全員加入団体定期保険(全員加入団体を対象とする団体定期保険をいう。以下同じ。)の契約は、当該保険の目的・趣旨が遺族及び従業員の生活補償にあることを明確にし、弔慰金等の支払い財源を保障する部分を「主契約」、従業員死亡に伴い企業が負担する代替雇用者採用・育成費用等の諸費用(企業の経済的損失)を保障する部分を「特約」として区分するなど、当該保険契約の目的・趣旨に沿った業務運営が行われているか。
(注)被保険者となるべき者の同意の取得に際しては、例えば、以下の方法によって被保険者が保険金受取人や保険金の額等の契約の内容を確実に認識できるような措置を講ずること。
(ア)被保険者に対して契約の内容を記載した書面の交付などを少額短期保険業者から行う。
(イ)被保険者がどのように契約の内容を認識できるようになっているかを少額短期保険業者が保険契約者から確認する。確認の結果は、検証可能な具体的な記録として残す。
(2)保険金額の定め方
事業保険における保険金額の設定については、保険契約の目的・趣旨を踏まえ、保険金額の引受基準等、モラルリスクの排除の観点から措置が適切に運用されているか。
なお、従業員等の死亡に伴い企業が負担する代替雇用者採用・育成費用、事業継承・一時的な信用不安に備える資金等の財源確保を保険契約の目的・趣旨に含める場合の保険金額は、過大とならないよう保険契約締結時において、年収、勤続年数、職位や企業の年商や規模などの基準により設定した上限により適切に運営されているか。
また、従業員に係る保険金額の設定については、下記
にも留意しつつ適切に運営されているか。
全員加入団体定期保険の保険金額の設定については、主契約部分は遺族補償規定等に基づく支給金額を上限とし、特約部分は主契約の保険金額を上限とするなど、この保険の目的・趣旨(上記(1))に沿った利用が行われるよう措置が講じられているか。
(3)遺族補償規定等にリンクした保険金支払いの確保
事業保険であって遺族補償規定等に基づき被保険者である従業員に対し、保険金の全部又はその相当部分が、弔慰金等の支払いに充当することが確認されている場合においては、業務の健全かつ適切な運営を確保する観点から、保険金請求時に保険契約者から、ア.被保険者又は労働基準法施行規則第42条等に定める遺族補償を受けるべき者(以下、「受給者」という。)の保険金請求内容の了知を確認する書類の取り付け(なお、この了知を確認する書類には保険金受取人や保険金の額等の契約の内容が記載されているか。)、あるいは、イ.被保険者又は受給者が金銭を受領したことが分かる書類、被保険者又は受給者への支払記録等の取り付け、など、被保険者又は受給者に対する情報提供、保険契約の目的に沿って保険金が弔慰金等の福利厚生に活用されることの確認の措置が講じられているか。
全員加入団体定期保険における保険金の支払いにあっては、主契約部分については、全額従業員の遺族に支払うこととし、企業が一旦受取りその上で遺族に支払う場合は、遺族の了知を確認のうえ支払うこととしているか。なお、この了知を確認する書類には保険金受取人や保険金の額等の契約の内容が記載されているか。
全員加入団体定期保険において、いわゆる「ヒューマン・ヴァリュー特約」分の保険金支払いは、弔慰金等の受給者の了知を確認のうえ支払うこととしているか。なお、この了知を確認する書類には保険金受取人や保険金の額等の契約の内容が記載されているか。
(4)他人の生命の保険契約に係る被保険者同意の確認
他人の生命の保険契約に係る被保険者の同意の確認については、例えば、以下のような方法により行っているか。
個人又は企業が保険契約者及び保険金受取人になり、保険契約者以外の者あるいは役員や従業員を被保険者とする保険契約の場合は、被保険者本人が署名又は記名押印することによる確認
企業が保険契約者及び保険金受取人になり、従業員等全員を被保険者とする保険契約(被保険者となることに同意しなかった者を除く保険契約をいう。)のうち個人生命保険及び全員加入団体定期を除く保険契約で、上記
によることが困難な場合は、以下のいずれかを提出させることによる確認
ア. (ア)保険契約の目的となる災害補償規定等の書類、及び(イ)被保険者となることに同意した者全員の署名又は記名押印のある名簿
イ. (ア) 保険契約の目的となる災害補償規定等の書類、(イ) 保険契約者となるべき者が被保険者となるべき者全員に保険契約の内容を通知した旨の確認書(保険契約者となるべき者及び被保険者となるべき者の代表者の署名又は記名押印のあるものに限る。)及び(ウ) 被保険者となることに同意しなかった者の名簿
ウ. (ア) 企業が死亡保険金受取人とする保険契約の内容が記載された災害補償規定等の書類、(イ) 災害補償規定等が労働基準法第89条の規定に基づき行政官庁に届け出たものであること、及び同法第106条第1項の規定に基づき被保険者となるべき者に対し、災害補償規定等を周知した旨が記載された確認書(保険契約者となるべき者の署名又は記名押印のあるものに限る。)、並びに、(ウ) 被保険者となることを同意しなかった者の名簿
全員加入団体定期保険の場合は、保険契約者となるべき者から以下のいずれかを提出させることによる確認
ア. (ア) 保険契約の目的となる遺族補償規定等の書類、及び(イ) 被保険者となることに同意した者全員の署名又は記名押印のある名簿
イ. (ア) 保険契約の目的となる遺族補償規定等の書類、(イ)保険契約者となるべき者が被保険者となるべき者全員に保険契約の内容を通知した旨の確認書(保険契約者となるべき者及び被保険者となるべき者の代表者の署名又は記名押印のあるものに限る。)、及び(ウ) 被保険者となることに同意しなかった者の名簿
全員加入団体定期保険のうちいわゆる「ヒューマン・ヴァリュー特約」を付帯した保険契約の場合は、被保険者から個別に同意する旨の書面に署名又は記名押印することによる確認、又は上記
ア.による確認
少額短期保険業者についても保険会社と同様にその取扱える保険の範囲内で銀行等に対する保険募集の委託ができることになっており、その着眼点については「総合指針 II −3−3−9 <保険募集態勢> 銀行等に対する保険募集の委託」に準じて取扱うものとするが、「 II −3−5−1−2 (2) 保険金額の上限等に関する措置」等が適正に講じられているかに留意する。
「総合指針 II−3−4 <苦情等への対処(金融ADR制度への対応も含む。)>」に準じて取り扱うものとする。
少額短期保険業者は保険募集にあたって顧客保護を図るため、以下の項目に留意する必要がある。
(1)顧客に対して公正な事務処理を行っているか。
(2)保険契約者との取引にあたっては、取引の内容等を保険契約者に対し、適切かつ十分な説明を行っているか。
(3)保険契約者がリスクを負っている商品の販売を行うにあたっては、保険契約者に対し適切かつ十分な説明を行い、かつ必ず保険契約者から説明を受けた旨の確認を行うための方策を講じているか。
(4)顧客情報は法的に許される場合及び顧客自身の同意がある場合を除き、第三者に開示していないか。
(5)個別企業に関わる情報についても、厳重かつ慎重に取り扱っているか。
(1)規則第211条の30(業務運営に関する措置)、第211条の31(保険金額の上限等に関する措置)、第211条の32(社債と保険契約との誤認防止)、第211条の33(業務運営に関する措置に関する規定の準用等)に規定する措置などが適正に実施されているか。
(2)少額短期保険業者は、令第38条の9に規定する一の保険契約者についての一の被保険者あたりの保険金限度額及び一の保険契約者に係る被保険者の総数並びに規則第211条の30に規定する一の被保険者に係る保険金限度額及び一の保険契約者に係る被保険者の総数の範囲内で保険の引受けを行わなければならない。このため、日々変動する一の被保険者に係る保険金額及び一の保険契約者に係る被保険者の総数をシステム等の方法により名寄せや集計を行ったうえで的確に把握し、その情報を確実に利用しつつ、保険引受け判断を行うことを徹底するなど、法定の範囲内での保険の引受けを行うための適切な措置を講じているか。
(3)規則第211条の30第1号から第3号までの書面の交付による説明を行っているか。
また、保険契約者からは同条第4号による書面を受領した旨の署名又は押印を得る措置を講じているか。
(4)インターネットによる保険募集については、規則第211条の30第5号に規定する措置がなされているか。契約締結にあたっては、規則第211条の30第4号に規定する受領書を徴しているか。また、その対応について、職員並びに少額短期保険募集人の実施状況を調査・把握する体制が整備されているか。
(5)規則第211条の30から第211条の33に規定する措置について、職員並びに少額短期保険募集人に対する教育、指導を行う体制が整備されているか。
(6)当該措置について、職員並びに少額短期保険募集人の実施状況を調査・把握する体制が整備されているか。
(7)規則第211条の30に規定する措置に関して、当該書面等に記載又は説明すべき事項及び保険契約申込書等における当該書面の受領確認に関する文言の表示にあっては、文字の大きさ等に留意して、その平明性及び明確性が確保されているか。
(8)規則第211条の33において準用する規則第53条の4(特定関係者に該当する金融機関との共同訪問に係る誤認防止)に関する措置については、「総合指針 II −3−5−1−2 法第100条の2に規定する業務運営に関する措置等(13)」の記載がなされているか。
(9)規則第211条の30に規定する措置に関し、保険契約について、保険契約者又は被保険者本人が、所定の欄に署名又は記名押印することを確保するための方法を含む社内規則等が適切に定められ、それに基づき業務が運営されるための十分な体制が整備されているか。
なお、本人以外の者に押印を行わせる場合には、社内規則等に本人以外の者が押印を行える場合を限定して規定するとともに、その場合における取扱いを規定しているか。
(10)規則第211条の33において準用する規則第53条の7(社内規則等)に関する措置については、「総合指針 II −3−5−1−2 法第100条の2に規定する業務運営に関する措置等(14)・(15)」までの体制が整備されているか。
(11)個人である顧客に関する情報については、規則第211条の33において準用する規則第53条の8に基づき、その安全管理、従業者の監督及び当該情報の取扱いを委託する場合にはその委託先の監督について、当該情報の漏えい、滅失又はき損の防止を図るために必要かつ適切な措置として「総合指針 II −3−5−1−2 法第100条の2に規定する業務運営に関する措置等(20)」の措置が講じられているか。
(12)個人である顧客に関する人種、信条、門地、本籍地、保健医療又は犯罪経歴についての情報その他の特別の非公開情報(注)を、規則第211条の33において準用する規則第53条の10に基づき、保護法ガイドライン第6条第1項各号に列挙する場合を除き、利用しないことを確保するための措置が講じられているか。
(注)その他の特別の非公開情報とは、以下の情報をいう。
労働組合への加盟に関する情報
民族に関する情報
性生活に関する情報
(13)相互会社の社員の権利義務に関する説明
相互会社である少額短期保険業者は、保険募集人に対して、保険募集にあたって、保険契約者に総代会制度の仕組みや少数社員権等の社員としての権利義務に関する的確な説明を行わせるための措置を講じているか。
(14)規則第211条の33において準用する規則第53条の7に規定する措置に関し、「契約概要」、「注意喚起情報」を記載した書面を交付するために、以下のような体制が整備されているか。( II −3−3−2(1)
も参照のこと。)
(注) II −3−3−2(1)
(注1)及び(注2)と同様の範囲での取扱いとする。なお、本項目の対象とならない保険商品についても、顧客に対して重要な事項を記載した書面を交付するための適切な体制が整備される必要があることに留意すること。
当該書面において、顧客に対して、少額短期保険業者における苦情・相談の受付先が明示されているか。また、手続実施基本契約の相手方となる指定ADR機関の商号又は名称(指定ADR機関が存在しない場合には、苦情処理措置及び紛争解決措置の内容)が明示されているか。
当該書面に記載すべき事項について、以下の点について留意した記載とされているか。(「 II −3−10 適切な表示の確保」も参照のこと。)
ア. 文字の大きさや記載事項の配列等について、顧客にとって理解しやすい記載とされているか。
(注)例えば、文字の大きさを8ポイント以上とすること、文字の色、記載事項について重要度の高い事項から配列する、グラフや図表の活用などの工夫
イ. 記載する文言の表示にあたっては、その平明性及び明確性が確保されているか。
(注)例えば、専門用語について顧客が理解しやすい表示や説明とされているか。顧客が商品内容を誤解するおそれがないような明確な表示や説明とされているか。
ウ. 顧客に対して具体的な数値等を示す必要がある事項(保険期間、保険金額、保険料等)については、その具体的な数値が記載されているか。
(注)具体的な数値等を記載することが困難な場合は、顧客に誤解を与えないよう配慮のうえ、例えば、代表例、顧客の選択可能な範囲、他の書面の当該数値等を記載した箇所の参照等の記載を行うこと。
エ. 当該書面に記載する情報量については、顧客が理解しようとする意欲を失わないよう配慮するとともに、保険商品の特性や複雑性にあわせて定められているか。
(注)通常は顧客が理解しようとする意欲を失わない程度の情報量としては、例えば、「契約概要」・「注意喚起情報」を併せてA3両面程度のものが考えられる。
オ. 当該書面は他の書面とは分離・独立した書面とする、又は同一の書面とする場合は、他の情報と明確に区別し、重要な情報であることが明確になるように記載されているか。
顧客に当該書面の交付に加えて、少なくとも以下のような情報の提供及び説明が口頭により行われているか。
ア. 当該書面を読むことが重要であること。
イ. 主な免責事由など顧客にとって特に不利益な情報が記載された部分を読むことが重要であること。
ウ. 乗換(法第300条第1項第4号に規定する既契約を消滅させて新たな保険契約の申込をさせ、又は新たな保険契約の申込をさせて既に成立している保険契約を消滅させること。)の場合は、これらが顧客に不利益になる可能性があること。
当該書面の交付にあたって、契約締結に先立ち顧客が当該書面の内容を理解するための十分な時間が確保されているか。
(注1)「注意喚起情報」については、顧客に対して効果的な注意喚起を行うため、契約の申込時に説明・交付することでも足りる。
(注2)顧客に対する十分な時間の確保にあたっては、保険商品の特性や販売方法を踏まえる一方、顧客の理解の程度やその利便性が損なわれないかについて考慮するものとする。
電話・郵便・インターネット等のような非対面の方式による情報の提供及び説明を行う場合は、上記
から
に規定する内容と同程度の情報の提供及び説明が行われているか。例えば、次のような方法により顧客に対して適切な情報の提供や説明が行われているか。
ア. 電話による場合
募集人が顧客に対して口頭にて説明すべき事項を定めて、当該書面の内容を適切に説明するとともに、当該書面を読むことが重要であることを口頭にて説明のうえ、郵便等の方法により遅滞なく当該書面を交付する方法
イ. 郵便による場合
当該書面を読むことが重要であることを顧客が十分認識できるような記載を行ったうえで、当該書面を顧客に送付する方法
ウ. インターネット等による場合
当該書面の記載内容、記載方法等に準じて電磁的方法による表示を行ったうえで、当該書面を読むことが重要であることを顧客が十分認識できるよう電磁的方法による説明を行う方法
(注1)上記
に規定する内容と同程度とは、例えば、郵便の場合は書面への記載、インターネット等の場合は電磁的方法による表示により、口頭による情報の提供及び説明にかえることが考えられる。
(注2)郵便による場合、当該書面を読むことが重要であることを顧客 が十分認識できるような書面を併せて送付することでも足りる。
(注3)インターネット等による場合、当該書面の郵送等にかえて、印刷や電磁的方法による保存などの手段が考えられる。
団体保険又は団体契約について、保険契約者である団体が被保険者となる者に対して加入勧奨を行う場合は、上記
から
に規定する内容について、少額短期保険業者が顧客に対して行うのと同程度の情報の提供及び説明が適切に行われることを確保するための措置が講じられているか。
(15)規則第211条の33において準用する規則第53条の7に規定する措置に関し、少額短期保険業者において、契約の申込みを行おうとする保険商品が顧客のニーズに合致した内容であることを顧客が確認する機会を確保し、顧客が保険商品を適切に選択・購入することを可能とするため、「総合指針 II −3−5−1−2 法第100条の2に規定する業務運営に関する措置等(17)」に記載するような体制が整備されているか。
(16)規則第211条の33において準用する規則第53条の7に規定する措置に関し、保険契約の申込みを受けるにあたり、顧客に対して契約内容の確認を求めるとともに、例えば、申込書の写しや申込内容を記載した書面等を顧客に交付する等の体制が整備されているか。
(注)非対面の方式により保険契約の申込みを受ける場合は、以下のような点に留意すること。
例えば、電話の場合は口頭、郵便の場合は書面への記載、インターネット等の場合は電子的方法による表示により、顧客に対して契約内容の確認を求めること。
申込書の写しや申込内容を記載した書面等を顧客に交付することが困難な場合は、申込後遅滞なく郵送等の方法により交付すること。
保険金等の支払いは、少額短期保険業者を含む保険業者の基本的かつ最も重要な機能であることから、保険金等支払事務が適時・適切に実施できるための支払管理態勢を構築しておくことが重要である。
「総合指針 II −3−5−2 (2) <保険金等支払管理態勢> 主な着眼点」に準じて取扱うものとする。
保険金等支払管理態勢について問題があると認められる場合には、必要に応じて法第272条の22に基づき報告を求め、重大な問題があると認められる場合には、法第272条の25又は法第272条の26に基づき行政処分を行うものとする。
顧客に関する情報は、保険契約取引の基礎をなすものであり、その適切な管理が確保されることが極めて重要である。
特に、個人である顧客に関する情報については、規則、個人情報の保護に関する法律、保護法ガイドライン及び実務指針の規定に基づく適切な取扱いが確保される必要がある。
また、クレジットカード情報(カード番号、有効期限等)を含む個人情報(以下「クレジットカード情報等」という。)は、情報が漏えいした場合、不正使用によるなりすまし購入など二次被害が発生する可能性が高いことから、厳格な管理が求められる。
さらに、少額短期保険業者を含む保険業者は、法人関係情報(金融商品取引業等に関する内閣府令第1条第4項第14号)を入手し得る立場であることから、その厳格な管理と、インサイダー取引等の不公正な取引の防止が求められる。
以上を踏まえ、少額短期保険業者は、顧客に関する情報及び法人関係情報(以下、「顧客等に関する情報」という。)を適切に管理し得る態勢を確立することが重要である。
「総合指針 II −3−6−2 <顧客等に関する情報管理態勢> 主な着眼点」に準じて取扱うものとする。
顧客等に関する情報管理態勢について問題があると認められる場合には、必要に応じて法第272条の22に基づき報告を求め、重大な問題があると認められる場合には、法第272条の25又は法第272条26に基づき行政処分を行うものとする。
「総合指針 II −3−8 <顧客の誤認防止等>」に準じて取扱うものとする。
少額短期保険業者が本人確認等の顧客管理体制の整備を図るとともに、反社会的勢力への対応を図ることにより、テロ資金供与やマネー・ローンダリング等に利用されることを防止することが重要である。
「総合指針 II −3−9−2 <本人確認、疑わしい取引の届出> 管理体制」に準じて取扱うものとする。
本人確認等の管理体制について問題があると認められる場合には、必要に応じて法第272条の22に基づき報告を求め、重大な問題があると認められる場合には、法第272条の25又は法第272条の26に基づき行政処分を行うものとする。
「総合指針 II −3−10 <反社会的勢力による被害の防止>」に準じて取扱うものとする。
「総合指針 II −3−11 適切な表示の確保」に準じて取扱うものとするが、規則第234条第1項第5号を踏まえ、「総合指針 II −3−11 適切な表示の確保 (3)
」については、生命保険会社又は損害保険会社の取扱う保険商品であるかのような誤解を招かないように、当該商品が少額短期保険業者の取扱う保険商品であることを適切に表示しているか。
また、少額短期保険業者は、規則第211条の30第1号から第3号まで及び規則第211条の31に基づく措置義務があることを踏まえ、引き受けることができる保険金額の上限を超える等の場合には、保険の引受けを謝絶することがある旨を併せて表示することが望ましい。
事務リスクとは、少額短期保険業者の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより、少額短期保険業者が損失を被るリスクをいうが、少額短期保険業者は当該リスクに係る内部管理態勢を適切に整備し、業務の健全かつ適切な運営により信頼性の確保に努める必要がある。
「総合指針 II −3−12−2 <事務リスク管理態勢> 主な着眼点」に準じて取扱うものとする。
事務リスクの管理態勢について問題があると認められる場合には、必要に応じて法第272条の22に基づき報告を求め、重大な問題があると認められる場合には、法第272条の25又は法第272条の26に基づき行政処分を行うものとする。
システムリスクとは、コンピュータシステムのダウン又は誤作動等のシステムの不備等に伴い、顧客や少額短期保険業者が損失を被るリスクやコンピュータが不正に使用されることにより顧客や少額短期保険業者が損失を被るリスクをいう。システムが安全かつ安定的に稼動することは少額短期保険業者に対する信頼性を確保するための大前提であり、システムリスク管理態勢の充実強化は極めて重要である。
「総合指針 II −3−13−2 <システムリスク管理態勢> 主な着眼点」に準じて取扱うものとする。
システムリスク管理態勢について、問題があると認められる場合、障害発生時及びシステム統合時において、必要に応じて法第272条の22に基づき報告を求め、重大な問題があると認められる場合には、法第272条の25又は法第272条の26に基づき行政処分を行うものとする。
安全・安心や多様なリスク管理のニーズに応える役割を担うことについては、保険会社と同様、少額短期保険業者においても何ら変わりはなく、少額短期保険業者についても、危機発生時における初期対応や情報発信等の対応が極めて重要であることから、平時より業務継続体制(Business Continuity Management ; BCM)を構築し、危機管理(Crisis Management ; CM)マニュアル、及び業務継続計画(Business Continuity Plan ; BCP)の策定等を行っておくことが必要である。
危機発生時における対応、事態の沈静化後における対応及び風評に関する危機管理体制については、「総合指針 II −3−14 業務継続体制(BCM)」に準じて取扱うものとする。
少額短期保険業者が事務の外部委託を行う際には、委託事務の内容等に応じ、顧客保護又は経営の健全性を確保する観点から十分な対応を行っているか。
(注1)上記における事務の外部委託とは、少額短期保険業者が、その業務を営むために必要な事務の一部又は全部を、当該少額短期保険業者以外(少額短期保険募集人及び保険仲立人に該当しないものを指す。)に委託することをいう。
(注2)特に、少額短期保険業者の固有業務を営むために必要な事務の外 部委託については、ヒアリング等により定期的に状況把握に努め、検証を行うよう配意する。
(注3)当該外部委託が、少額短期保険業者と子会社等との間で行われる場合には、「 III −2−5 子会社」も参照のこと。
「総合指針 II −4−1−2 <保険会社の事務の外部委託> 主な着眼点」に準じて取扱うものとする。