「金融庁の1年(平成22事務年度版)」について

平成23年11月15日
金融庁

1. 趣旨

金融庁は、我が国の金融の安定を確保し、預金者、保険契約者、有価証券の投資者等の保護を図るとともに、金融の円滑を図ることを任務として、透明かつ公正な行政の実施に努めています。

平成22事務年度(22年7月~23年6月)においては、(1)世界的な金融危機の再発防止に向けた国際的な金融規制改革の議論に引き続き積極的に参加するとともに、(2)我が国経済の成長力の向上に金融面で貢献するための施策を推進してまいりました。そして、(3)23年3月に発生した東日本大震災については、金融機能の維持等に万全を期す対応を行いました。

具体的には、G20首脳会合やFSB(金融安定理事会)等において、国際的な金融規制改革の議論が進められ、銀行の自己資本・流動性の新たな枠組み(バーゼルⅲ)に関し合意がなされました。システム上重要な金融機関(SIFIs)への対処等についても、更なる検討が続けられているところです。

また、政府全体の「新成長戦略」を踏まえ、金融が「実体経済を支えつつ、自らも成長産業として経済をリードする」役割を果たすために取り組むべき方策を、22年12月、「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」として取りまとめました。その上で、金融商品取引法等の改正法案を提出する(23年5月成立・公布)など、同プランに盛り込んだ施策に迅速に取り組んでいます。

さらに、東日本大震災の発生直後から、金融機関に対し、預金通帳や印鑑を紛失した場合における預金の払戻しへの柔軟な対応等をはじめとする「金融上の措置」を適切に講ずるよう繰り返し要請するとともに、規制・検査・監督上の様々な特例を措置しました。また、中小企業金融円滑化法の期限の延長、金融機能強化法における震災特例の措置等といった、被災地における金融の円滑化に資する施策を行いました。

なお、これらをはじめとする金融行政上の様々な施策については、ベター・レギュレーション(金融規制の質的向上)の考え方に沿って、取り組んでいます。

本冊子「金融庁の1年」は、こうした金融庁の22事務年度における様々な取組みを、制度の企画立案・検査・監督の各般にわたって取りまとめたものです。

本冊子が、国民の皆さんにとって、金融庁並びに金融行政に対する理解を深めていただくきっかけとなれば幸いです。

2. 全体の構成

「金融庁の1年(平成22事務年度版)」は、本編及び資料編から成り立っています。

本編は、

  • 第1部金融庁の組織及び行政運営
  • 第2部東日本大震災への対応
  • 第3部金融に関する制度の企画及び立案
  • 第4部金融監督等
  • 第5部金融検査
  • 第6部国際関係の動き

から構成されており、本編に関連する資料(報道発表資料等)を資料編としてまとめています。

3. 概要

第1部 金融庁の組織及び行政運営

第1部は、金融庁の組織とこの1年間の行政運営について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)金融庁の組織に関しては、所掌事務や組織編成の特徴、23年度の体制整備について記載しています。

  • (2)金融庁の行政運営に関しては、この1年間の行政運営として、ベター・レギュレーション(金融規制の質的向上)への取組みをはじめ、職員の任用、研究、研修、報道・広報、情報公開、金融サービス利用者相談室、政策評価への取組み等について記載しています。

第2部 東日本大震災への対応

第2部は、金融上の措置に関する要請と金融業界等における取組み、検査・監督・規制上の対応、大震災を踏まえたその他の措置について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)金融上の措置に関する要請と金融業界等における取組みに関しては、金融上の措置に関する金融機関への要請、金融上の措置等の周知等、金融業界等における取組について記載しています。

  • (2)検査・監督・規制上の対応に関しては、東日本大震災の発生に伴う金融検査マニュアル・監督指針の特例措置及び運用の明確化、金融機関等の報告の提出期限の弾力化、有価証券報告書等の提出期限に係る特例措置等について記載しています。

  • (3)大震災を踏まえたその他の措置については、震災に伴う本人確認手続きの特例措置、貸金業者からの借入手続等の弾力化、中小企業金融円滑化法に基づく開示・報告義務の弾力化、二重債務問題への対応等について記載しています。

第3部 金融に関する制度の企画及び立案

第3部は、金融・資本市場等に関する制度の企画・立案等の取組み、預金取扱金融機関・保険会社その他の金融に関する制度の企画・立案、審議会等の活動状況、政府全体の施策における金融庁の取組み等について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)金融・資本市場等に関する制度の企画・立案等の取組みに関しては、以下の事項等について記載しています。

    • 金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成22年5月12日成立)の施行に伴う関係政令・内閣府令の整備

    • 資本市場及び金融業の基盤強化のための金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成23年5月17日成立)について

    • ディスクロージャー制度の充実・運用

    • その他金融・資本市場等に関する各種施策等

  • (2)審議会等の活動状況に関しては、金融庁に置かれた金融審議会、自動車損害賠償責任保険審議会、企業会計審議会等の開催状況や審議内容について記載しています。

  • (3)政府全体の施策における金融庁の取組みに関しては、政府の経済対策等における金融庁の取組み、金融税制に関する取組みといった政府全体の経済政策において重要な政策として位置づけられている施策の概要や金融庁の具体的施策について記載しています。

第4部 金融監督等

第4部は、業態横断的な監督をめぐる動き、預金取扱金融機関、信託会社、保険会社、証券会社等に関する監督をめぐる動きのほか、法令適用事前確認手続(ノーアクションレター制度)、課徴金納付命令等について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)業態横断的な監督をめぐる動きに関しては、オフサイト・モニタリング、金融上の行政処分、反社会的勢力への対応、金融コングロマリット監督等について記載しています。

  • (2)預金取扱金融機関の監督をめぐる動きに関しては、監督指針・監督方針、22年度決算の概況や金融機関の再編等の状況、行政処分等の内容、バーゼルII(自己資本比率規制)への対応、資本増強制度の運用状況、地域密着型金融の推進、中小企業金融をはじめとした企業金融等の円滑化、振り込め詐欺への対応等について記載しています。

  • (3)信託会社等に関しては、監督指針、新規参入、行政処分等について記載しています。

  • (4)保険会社等に関しては、監督指針・監督方針、23年3月期決算状況、保険会社の再編等の状況、保険金等の不適切な不払い問題等への対応、少額短期保険業者の監督をめぐる動き等について記載しています。

  • (5)証券会社等に関しては、監督指針・監督方針、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業、認定投資者保護団体等について記載しています。

  • (6)法令適用事前確認手続(ノーアクションレター制度)、一般的な法令解釈に係る書面照会手続に関しては、手続きの概要等について記載しています。

  • (7)課徴金納付命令に関しては、導入の経緯、課徴金納付命令等の状況について記載しています。

第5部 金融検査

第5部は、22検査事務年度の金融検査の実施状況や金融検査の透明性・実効の向上等のための方策等について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)金融検査の実施状況に関しては、22検査事務年度検査基本方針に基づいた施策、中小企業金融円滑化法の実施状況等に関する検査について記載したほか、預金取扱金融機関、保険会社等に対する検査の実施状況と検査結果の概要について記載しています。

  • (2)金融検査の透明性・実効性の向上等のための方策に関しては、検査マニュアルの整備、金融検査評定制度、検査モニター制度、金融検査結果事例集等について記載しています。

第6部 国際関係の動き

第6部は、金融危機再発防止に向けた国際的な取組み、金融監督国際機構、金融に関するその他の国際的フォーラム、海外の金融当局との連携強化について記載しています。主なポイントとしては、

  • (1)金融危機再発防止に向けた国際的な取組みに関しては、首脳・閣僚級の国際会議(金融サミット等)の概要、活動状況及び金融庁の対応のほか、金融安定理事会の概要及び活動状況について記載しています。

  • (2)金融監督国際機構に関しては、バーゼル銀行監督委員会、証券監督者国際機構、保険監督者国際機構等の概要及び活動状況について記載しています。

  • (3)金融に関するその他の国際的フォーラムに関しては、国際通貨基金、経済協力開発機構、世界貿易機関、経済連携協定等の概要及び活動状況について記載しています。

  • (4)海外の金融当局との連携強化に関しては、金融監督者間の2国間連携強化、金融庁の技術支援の取組みについて記載しています。

連絡・問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課(内線3710、3231)

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