金融庁 採用案内 2013-2014
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20PROJECTREPORT_2対談:海外当局との連携国際会議での国際ルールづくりや、国内での外資系銀行の監督など、海外との接点は非常に多い。ーーはじめに、それぞれの業務の内容を聞いてみた。西山ーー私は総務企画局総務課国際室で、IOSCOの流通市場委員会などの、金融商品の取引市場における国際的なルールのあり方に関する議論に参加する仕事をしています。例えば、近年は証券取引市場においてコンピュータのアルゴリズムを利用してミリ秒単位で株式売買を行う、いわゆる超高速取引が盛んになっており、これに対して市場の安定性への影響や、適切な規制のあり方について議論を行っています。永山ーー私は世界各国から日本に進出している外資系銀行の日本国内での業務を監督しています。現在、日本にはグローバルに活動する大手金融機関など約60の外銀が進出していますが、一般的に外銀は本国の本店の管理から遠く離れ、また、“アウェイ”である日本のルールの下で業務を行うため、法令遵守等の管理面が弱くなりがちです。しかし、そうした課題を乗り越え、適切な業務運営を確保した上で、各外銀ならではのサービスを提供することで、日本の金融市場に刺激を与えて欲しいと思っています。変化の早い金融を扱うには、確かな知見、最新の情報に対する高い問題意識とアンテナが必要となる。ーー国際業務に携わる二人。海外当局とはどのように関わっているのだろう。西山ーー金融資産はヒトやモノよりも早いスピードで世界中を移動することができます。従って、どこかの国だけで規制を設けても、金融資産は他の国に移動してしまい、結局市場の問題は解決されないままとなってしまう可能性があります。そこで、世界中の金融監督当局は互いに協力して、最新の問題点やその対応策の知見を共有し、国際的な金融市場の調和に取り組んでいます。永山ーー西山さんが携わっているような国際的なルール作りにおける海外当局との連携は、以前から活発に行われていますよね。私が取り組んでいる「個別銀行の監督における海外当局との連携」というのは比較的新しく、金融危機後のこの数年で急速に進んできたものです。リーマン・ブラザーズの破綻に見られたように、一金融機関の危機がその本国の金融システムの問題に止まらず、進出先の国、更には世界的な金融システムにまで深刻な影響を与えうることを踏まえ、母永山玲奈監督局銀行第一課課長補佐(平成15年入庁)西山香織総務企画局総務課国際室課長補佐(平成15年入庁)

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