金融庁 採用案内 2013-2014
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29MESSAGENorichika Ikeda池田宜睦検査局総務課課長補佐[平成11年入庁] 金融庁の業務は、国民の財産(=預金等)を守りつつ、金融機関が集めた資金を事業者に円滑に行き渡らせることであり、経済活動の基本部分に深く関わっています。経済に大きな影響を与える仕事は他にもありますが、金融庁の業務の特徴は、我々の政策如何によって、個人の預金や、個々の事業者の資金繰りに、大きな影響を与え得る、という点だと思います。 私は現在、検査マニュアルという、検査官が金融機関を検査する際に用いる手引書の策定・改定等を担当しています。こう書くと、検査マニュアル=「金融機関の行動を縛るもの」と思われるかもしれませんが、金融機関の「財務の健全性」は引き続き重視しつつ、金融機関が、その規模や特性に応じて創意工夫できるように、様々な手当てを行っています。特に、近年では、25年2月に行った「ABL(動産・売掛金担保融資)」(※)の積極的活用など、地域金融機関が地元の事業者を応援し、地域経済の活性化を図るための手段を充実させる方向の改定が多くなっています。 金融機関の現在の課題の一つに、慢性的な低収益性が挙げられます。これを解決するためには、金融機関自身が、業況の低調な貸出先に経営指導をして、1社でも多くの立て直しに協力することも必要となるでしょう。そして、その積み重ねによって、優良な貸出先の増加、さらには日本経済全体の回復につながれば、と考えています。 もちろん、日本経済全体の再生は、金融庁及び金融機関だけの力で何とかなるものではなく、政治のリーダーシップに加え、他省庁や日銀、そして多くの民間企業の努力が必要です。しかし、日本経済の再生という、現在の我が国の最重要課題に対して、仕事として立ち向かうチャンスを与えられているということは、非常に幸運であると感じています。東日本大震災の復旧・復興もまだ道半ばであり、日本政府全体に与えられている課題は大変多い状況です。このパンフレットを手に取っている貴方も、私達とともに、この課題を一緒に考えてみませんか。日本経済の再生に向けて(※)「ABL(動産・売掛金担保融資)」とは、担保としてよく用いられている「土地」や「建物」などの不動産ではなく、企業が持っている「在庫」や取引先への「売掛金」等を担保として融資を行う手法のこと

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