金融庁 採用案内 2013-2014
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35MESSAGENaoki Murao 現在、私は警察庁に出向し、マネー・ローンダリングに関する業務に従事しています。 金融機関等が、犯罪による収益との関わりが疑われる取引を発見した場合、犯罪収益移転防止法に基づく「疑わしい取引の届出」という制度により、その取引の情報が警察庁に集約されます。そして、現場での犯罪事実解明の一助となれるよう、疑わしい取引に関する情報を分析し、分析結果を捜査機関等に提供するのが、私に課せられた任務です。 警察庁に出向して感じたのは、マネー・ローンダリング対策における金融庁への期待感が想像以上に大きいということです。疑村尾直紀警察庁刑事局組織犯罪対策部[平成18年入庁]MESSAGETakashi Sudo簀戸 峻厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課[平成22年入庁]わしい取引の届出は、その大半が金融機関からのもので占められています。金融機関には、疑わしい取引をより早く正確に察知することが期待されており、金融庁にはこうした取組を検査・監督を通じて後押しすることが求められているためです。 最近は、証券犯罪を摘発する証券取引等監視委員会が都道府県警と合同で捜査・調査を行う事例もあり、マネー・ローンダリング包囲網における金融庁の活動は今後ますます重要性を帯びていくことと思います。 昨年のAIJ事件により顕在化した厚生年金基金(※)(以下、「基金」)を取り巻く問題に対処するため、基金や金融機関関係者の意見を聞きながら、基金の資産運用ガイドラインの見直しや、持続可能な企業年金制度の立案、基金制度の在り方について有識者で検討を行う専門委員会の運営を行っています。45年以上続いている厚生年金基金制度の抜本的な見直しの検討に携わることができ、非常に充実した毎日を送っています。厚生年金基金の抜本的見直し補助金に頼らないアプローチの魅力犯罪との戦い 日本経済が発展していく上で、成長分野を発見し、資金の行き先を決める金融機関の存在は非常に大きく、多額の年金資産も金融機関を通じて運用されています。金融庁では、そうした金融機関の規律を維持し、機能を強化するためのルール作りや監督を行うことにより、日本経済の発展を支えています。国の財政状況が厳しい中、国の予算を使った補助金に頼らないアプローチで日本経済の発展を支える金融行政は、これからますます重要性を増していくと考えています。(※)厚生年金基金とは、企業が従業員に対してより手厚い老後所得を保障する目的で設立した基金であり、公的年金である厚生年金の一部を国に代わって支給するとともに、企業の実情に応じた独自の上乗せ給付を行っています。

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