金融庁 採用案内 2013-2014
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37小野 尚参事官(監督担当)佐々木清隆審議官(検査担当)氷見野良三審議官(開示・官房担当)三井秀範参事官(信用・官房担当)のような状況を、随分少ない人数で必死に対応していました。 この当時の金融庁の体験は、リーマンショック以降の世界的な金融危機の中、各国の金融規制当局と一緒に世界の金融システムの安定に向けて様々な取組みを進化させていくに当たり、大変役立っているように思います。佐々木  役所に就職する人間は、安定志向で一定のコースを想定して、というのが多かったけれど、今振り返ってみると、安定とは程遠い、先が全く分からない世界にいますね(笑)実際、30、40年後なんてわからない、役所に限らず世の中全体が1年後だって分からない先行き不透明な時代なので、柔軟性を持つことが必要です。―金融庁発足から15年近くが経とうとしている。彼らがおもうこの組織の文化について話を聞いた。三井  若い組織であること、沢山の民間の専門家も一緒になって仕事していること、マーケットに日々向き合っていることもあって、普通の官僚の枠に入りきらない人も多いと思います。それぞれの職員がその個性を発揮していることも特色かもしれません。同時に、かなりチームワークのよい仕事ぶりではないかと思います。いわば、高度な専門性をもったジェネラリスト、という感じでしょうか。氷見野  自分が関与したことが、5年後10年後、実際にどうなったか、しっかり確認していくことが大切だと思うのですが、うちには金融という軸がありますし、それがしやすい環境だと思います。 あとは、方々から色んな見方を持ち寄って、一緒に議論して、一緒に悩み、最終的にはこれでやろうということで、一緒に責任を背負うという仕事の仕方ですかね。佐々木  組織のカルチャーとして、PDCA(Plan, Do, Check, Action )がビルトインされているように感じますね。また、役所の中だけでしか通用しないような仕事の仕方はしません。金融自体が日々変化するグローバルなものだし、われわれの組織自体が多様だから、そんな仕事はしない。組織の透明性、風通しはとてもよいですよ。小野  One for all、All for oneじゃないですが、チームで、みんなで仕事をしようというのが浸透していて、居心地がいいです。みんなそれぞれがいろんな知識をもちよって、一緒に仕事をしているっていうのは、この組織の強みですね。若い人たちもみんな、勉強できる。私も毎日が勉強です。 また、金融の世界には、常に新しい課題が出てくるわけですから、旧態依然の体制では対応できません。課題の変化に対応して、組織も柔軟に変わっていかなければならないのです。激しく変動していく金融を前に、お役所仕事をしていたのでは間に合いませんから。佐々木  本当に変化が早く、そして大きいですよね。なので、スピード感をもって仕事をすること、変化に柔軟に対応できることに加え、先を見通す能力も必要になる。変化に対応して新しいスキル・能力を身につけることも必要です。今もっている能力はすぐ陳腐化するという覚悟のもと、絶えず仕事を通じて勉強する、新しい知識を吸収していく姿勢が不可欠です。ここでは従来型の処方箋は通用しないのです。―こうした文化が醸成されたのは、なぜだったのか。小野  組織が若かったから、新しい組織でしがらみが無かったからでしょう。金融庁ができたのは、日本の金融をどうするのか、目の前にある不良債権問題・金融機関の破綻とかそういう重大問題をなんとかしていかなければならないという時でしたから。氷見野  立派なビルに移ってしまいましたが、それで大企業的にならないよう、意識しなければいけませんね。金融庁は、それまでの大組織の歴史から一回切り離されたところで、ある種ベンチャーのようなかたちで始まりました。情報が下から上にあがってくるスピードは、危機対応官庁としてはじまったせいか、大変速かった。当時は、時間をかけて立派に整えた書類を上司にもっていくと、「お前は暇なのか」と怒られるということもありました。今でも下から長官までの距離は近く、そこはうちの良いところだとおもいます。 そういう文化は今後も残していく必要がありますね。―続いて、金融庁とグローバリゼーションについて話を聞いた。小野  金融自体が、グローバリゼーションの最先端を行っているから、それに金融庁も対応しなければいけません。我々にとっては、もはや業務に国外も国内もなく、国際協調をしましょう、国際連携をしましょう、と呼びかける段階にはないのです。 世界中の国際機関、大使館に出向している人たちからは、毎日、読むだけで一日かかってしまうくらいの情報が入ります。もう完全にグローバルな事象を対象とした行政になっていますね。氷見野  今日一日とったとしても、海外に出張して国際会議にでている人は、10人前後はいるだろうし、今日予定されている国際電話会議だって、いくつもあります。1983年大蔵省入省。ハーバード・ビジネス・スクールMBA。バーゼル銀行監督委員会第6代事務局長。監督局証券課長、銀行第一課長等を経て、現在、審議官(開示・官房担当)1983年大蔵省入省。スタンフォード大学法学修士。司法修習等の後、総務企画局市場課長、企業開示課長、総務課長等を経て、現在、参事官(信用・官房担当)1983年大蔵省入省。米州開発銀行、アジア開発銀行など国際金融機関勤務の後、監督局保険課長、総務企画局企画課長等を経て、現在、参事官(監督担当)1983 年大蔵省入省。OECD、IMF などの国際機関勤務の後、証券取引等監視委員会特別調査課長・検査局総務課長等を経て、現在、審議官(検査担当)

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