金融庁2014
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25ならではのメリットといえるのかもしれません。ただし、復帰後は仕事の取り組み方が変わりましたね。子どもが急に熱を出すこともあるので、「明日突然休むことになるかも」という前提で考えるようになりました。仕事をひとりで抱えすぎない、周囲と情報共有を丁寧にするなど、自分が急に欠けても迷惑をかけないよう心がけるとともに、勤務時間に制限がある中でどう貢献できるかを考えるようにしています。これまでおろそかにしていた基本的な仕事のやり方を、出産を機に見直すことになりました。八木 ひと口に子育てと仕事の両立といっても、その両立の仕方は、個々の置かれた状況や考え方にもよると思います。子供の年齢や身近に手伝ってくれる人がいるかなど、個々の置かれた状況により左右されると思いますが、自分が納得できる働き方やバランスを自分で見出していくことが必要だと思います。私の場合、保育園の延長保育をぎりぎりまで利用し、それ以上の残業が必要なときは夫や親に協力してもらっていますが、「子どもに寂しい思いをさせていいのだろうか」と悩む場面もあります。そういう意味では、中川さんをはじめ、同じ立場の相談相手が増えてきたので心強く思っています。中川 実際にはたいした話はしていないのですが(笑)、それでも気持ちは楽になりますよね。八木 ただ、増えてきつつあるとはいえ、仕事と子育てを並行している職員は、まだまだ少数派です。現状は、周囲の職員が少しずつ負担を増やすことでフォローしてもらえているわけですが、本格的にワー八木瑞枝監督局証券課 証券監督管理官中川彩子総務企画局総務課国際室兼政策課課長補佐キングマザーが増えてくれば、周囲のキャパシティもすぐに限界になってしまうでしょう。在宅勤務など、新たな対策も模索する必要があると思います。中川 そういう意味では、私たちを試金石に、金融庁全体で新たなワーキングスタイルを切り拓いていかなければいけませんね。̶̶最後に、学生のみなさんへのメッセージをもらった。八木 先に触れましたが、男女の区別なくやりがいのある仕事を任せてもらえるという意味では、自信を持ってお勧めできます。また金融庁は「女性をどう活用できるか」に目が向いていると感じますが、ワーキングマザーとして働くうえでは、本人の覚悟や姿勢も大切だと思います。その上で、出産後も働き続けられる環境を、自分たちでも作っていければと思っています。中川 少し前までは、不良債権処理や危機対応など、ディフェンシブな仕事も多くありましたが、最近はひと段落して、経済成長を支えるために金融に何ができるかという、前向きなテーマも増えつつあります。よりダイナミックさや面白みを実感できるようになってくるのではないでしょうか。積極的に職務にコミットしていきたいという人には、とても手応えのある職場です。頑張ってください。1999年金融(監督)庁入庁。入庁後、検査局や証券取引等監視委員会での検査実務、総務企画局市場課での企画業務を経て、2004年より2年間、関東財務局の金融監督部門に出向。2009年より育児休業を取得(約1年間)。現在、監督局証券課証券監督管理官。2000年金融(監督)庁入庁。入庁後、内閣府出向等を経て、総務企画局市場課の課長補佐を務める。2008年より育児休業を取得(約1年6ヶ月間)。復帰後、スタンフォード大学客員研究員等を経て、現在、総務企画局総務課国際室兼政策課課長補佐。

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