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談話 - 金融庁発足に当たって -

平成12年7月3日

7月1日に、金融監督庁と大蔵省金融企画局が統合され、金融庁が発足した。金融庁においては、その行政の運営に当たって、以下の理念に基づく6つの基本的考え方を柱とすることとする。

(理念)

金融システムは、資金仲介・リスク仲介機能や決済機能を担い、経済活動の基盤をなすことから、国民生活と経済活動の健全かつ円滑な発展のためには、その安定と活力の確保が不可欠である。また、金融システムの中核である金融市場は、その本来の機能を発揮するために、利用者が市場の持つ可能性を存分に享受できるよう、また信頼感を持って利用できるよう整備される必要がある。このため金融庁は、安定的で活力ある金融システムの構築と、金融市場の効率性・公正性の確保をその業務の主要課題と位置付け、もって国民の利益の向上や国民経済の発展に資することを目的とする。

金融行政の実施に当たっては、引き続き市場規律と自己責任の原則を基軸とし、金融業務の高度化、国際化等の急速な進展を踏まえ、高い専門能力を保持するとともに、国際的な整合性の確保に努める。その際、預金者、保険契約者、投資者等の利用者の利便性の向上と保護に努める。

また、ルールの一層の明確化及びその迅速かつ厳正な運用を図るほか、政策立案過程及び行政手続の透明性の向上を図り、金融行政を実施する各段階において説明責任を果たすように努める。

金融庁は、制度の企画立案から検査・監督・監視までを一貫して担当するとともに、銀行、保険、証券等の業態を横断的に所管することから、これらの特色を最大限に活かし、金融を取り巻く環境の変化に的確に対応して、機動的かつ整合的な政策の遂行に努める。

(基本的考え方)

1.  安定的で活力ある金融システムの構築

我が国金融システムは、深刻な金融不安発生の経験を踏まえ、その再生と安定に努力してきた結果、概ね安定してきているが、今後の預金等特例措置の終了等を踏まえ、一層の金融システムの安定性の確立を図り、より強固な金融システムを構築する。また、経済活動の基盤をなす金融システムが国民経済の活性化に資するよう、競争を促進し、活力ある金融システムの構築を図る。さらに、健全な中小企業や次代を担う新規産業等に対して必要な資金供給が円滑に行われないという事態が生じることがないよう、金融の円滑を図り、国民経済の発展に資する。

2.  時代をリードする金融インフラの整備

金融技術や情報通信技術の発達、金融・経済のグローバル化の進展等に伴い、業態間の垣根を越えた多様な金融商品・サービスの開発が急速に進んでいるほか、大量の資金がより利便性の高い金融市場を目指し国境を越えて移動しており、この傾向は今後ますます加速するものと考えられる。このような展望を踏まえ、利用者にとって一層利便性が高く、国際的にみても重要かつ安定的な地位を保持し、ニューミレニアム時代をリードする金融インフラの整備を図る。

3.  利用者保護に配慮した金融のルールの整備と適切な運用

多様な金融商品・サービスが普及する中で、利用者が自己責任原則の下で安心して取引を行うための前提として、金融商品・サービスの利用者保護の環境整備を図る。このために、利用者を保護するためのルールの整備と適切な運用を行うとともに、消費者教育の充実を図り、金融商品や金融取引についての国民の理解を増進する。

4.  明確なルールに基づく透明かつ公正な金融行政の徹底(市場規律と自己責任の原則)

金融庁においても、引き続き、市場規律と自己責任の原則を基軸とした、明確なルールに基づく透明かつ公正な金融行政の徹底を目指す。このため、検査・監督・監視の各分野において、金融行政の効率性・実効性の向上を図り、さらなるルールの明確化や行政手続面での整備を行うとともに、広報活動を充実する。

他方、金融機関の経営の透明性を高め、市場規律により経営の自己規正を促し、預金者等の自己責任原則の確立を図るため、金融機関のディスクロージャーをより一層推進する。

5.  金融行政の専門性・先見性の向上と体制の整備

金融業務の高度化・複雑化、情報通信技術の発達等の金融環境の激しい変化に迅速かつ的確に対応するため、金融行政における専門性・先見性の向上に努める。このような観点から、金融大学校の設立も視野に入れて職員の研修の充実等を図り、専門知識と幅広い視野を有する人材の育成・確保に努めるとともに、金融行政に係る体制の整備に努める。

6.  外国金融監督当局との連携強化と国際的なルール策定への積極的な貢献

金融機関活動や金融取引の国際化に的確に対応するため、外国金融監督当局との協力関係を緊密化し、情報交換等を促進する。さらに、国際的なリーダーシップを発揮し、国際的なルール策定に積極的に貢献するとともに、世界に向けた情報発信を拡大する。

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