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1 銀行の不良債券

1 不良債権とは

 不良債権とは、金融機関が企業や個人に「いつまでにいくらの利子を付けて返してください」という約束で貸し出したお金が、不景気で借り手の業況が悪くなってしまったことなどにより、当初の約束のとおりには返してもらえなくなってしまった貸出金などの債権のことを言います。

 金融機関の債権は、回収が困難な度合いに応じて以下のように分類されます。(金融再生法に基づく分類による)

破産更生(はさんこうせい)債権及びこれらに準ずる債権:破産、会社更生、民事再生などの法的に経営破綻(はたん)に陥っている債務者と、法的な経営破綻には陥ってないものの、深刻な経営難の状態にあり、実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権のことを言います。

危険債権:経営破綻には陥っていないものの、深刻な経営難の状態にあり、経営改善が進まず、今後経営破綻に陥る可能性の大きい債務者に対する債権のことを言います。

要管理債権:元本や利息の支払いが3ヶ月以上延滞(えんたい)している債権(3ヶ月以上延滞債権)、または、金利や返済期限などの貸出条件を当初の約束よりも緩和している債権(貸出緩和債権)のことを言います。

正常債権:要管理債権、危険債権、破産更生債権及びこれらに準ずる債権以外のものに区分される債権のことを言います。


 上記のうちまでが不良債権として開示されることになります。

金融再生法開示債券の状況

2 不良債権と日本経済

 貸出先の企業経営が失敗することは常にあるため、不良債権は常に存在します。
 
 しかし、日本経済は、バブル経済の崩壊後1990年代に入ってから、停滞を続けており、長引く景気の低迷とデフレ(物価の下落)により、業績が悪化する企業が増えています。その結果、金融機関への返済が滞るような事態が生じています。

 銀行がこのような貸出金を多額に抱えていると、銀行の経営が圧迫される一方、経済全体から見ても、取引先などのニーズに応えられないまま経営困難に陥り、立ち直る見込みのない借り手企業がいつまでも残るということになります。

 このため、不良債権の処理を行うことは、銀行の経営を健全なものにするだけでなく、日本の産業・経済の構造を消費者のニーズに合ったものに改革し、また厳しさを増している国際競争にも耐え得るような強固なものに改革していく上で重要なことであり、デフレ問題とともに強力に取り組むことが求められています。

3 不良債権の処理方法

 銀行が不良債権を処理する方法としては次の方法があげられます。

(1)間接償却(しょうきゃく)

 間接償却とは、貸し出した資金のうち、回収できなくなると見込まれる金額を会計帳簿において明らかにする、すなわち難しい言葉で言うと「貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)を計上する」ことです。

(2)直接償却

 貸倒引当金を計上しても、銀行の会計帳簿からは不良債権が消えることにはなりません。これに対して、会計帳簿から不良債権となった貸し出し額を直接消し去る方法を直接償却といいます。

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