柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年11月16日(金)8時51分~9時03分)

【閣議案件等】

おはようございます。本日の閣議ですが、平成13年度版犯罪白書が出ますということでした。それから、アルジェリアに洪水があったそうで、その災害援助が行われますということです。それから、経済産業大臣及び農水大臣からWTO閣僚会議(カタール)の報告がそれぞれございました。

本日は17時45分に臨時閣議が官邸で行われるということと、11月23日の閣議は22日に繰り上げになりますということでございました。

閣僚懇は何も発言がございませんでした。以上です。

【質疑応答】

問)

毎回お伺いしているような形になりますが、昨日、株価が戻す中で、銀行株の中で4大グループは、一時ザラ場ベースで年初来安値を更新するなど、相変わらず軟調なんですけれども、その原因とどうすれば良いのかということについてどうお考えでしょうか。

答)

そうですね、結局業績、9月末の決算の見込み、見通しとか、あるいは場合によっては年度末、3月末の見通しについて、まだ、どんな見通しになるのかというようなことが掴みきれないというようなことがあるのではないかと、こんなふうに思っているのです。ですからこれらは、いずれ時期が来れば形になって表れますので、そこで底と言うか一つの岩盤が出来上がるので、それは底値という意味ではないですよ、そうではなくて岩盤が、拠って立つところがきちっとすると、それからまたいろんな見通しが立って来るということで、私としては回復が当然期待できるのではないかと思うのですが、我々の方も出来るだけ見通しというかそういうものを、これは行政がやれる範囲というのは制約がありますが、しっかり市場だけではなく国民の皆さんに我々が考えているところを伝えて行くというようなことで、そういう各行に対する投資家の見方を固める上で協力をして行くということになろうと思います。

問)

昨日、海外の格付会社が朝日生命の格付を下げたのですけれども、これは東京海上のスキームが発表された後だけに意外な感で受け止める向きもあるのですが、その感想と、それから、この件は東京海上が信用補完をするということを示した点ではプラスだと、その一方でスキーム自体は東邦スキームや第百スキームを連想させるようなものだと、これはもう東京海上の信用補完、それから支援姿勢への意思次第だと思うのですが、その辺の言質というものは大臣はどのように捉えていらっしゃるのでしょうか。

答)

東京海上側の言質のことですか。これは別に特段の当事者の発表以外のものは我々が何か持っているかと、伝えられているかといえば、それはそういうことでもないのですけれども、私は何か先行でどっちかというと倒れてしまったところのスキームと似ているから、また同じことではないかなんていう、ややイージーな連想でものを考えるというのは全く不適切だというふうに思いますよ。そうではなくて、やはり東京海上側も十分にビジネスモデルとして魅力があるということで、確信を持ってこのビジネスに乗り出して行くわけで、そういうことなので、より正当に評価してくれることを期待するという、まあいちいち私が格付機関の格付について、個別会社の格付についてコメントしているわけにはいきませんし、また適切ではないと思いますけれども、今のご質問なんで、あえてちょっとだけ申し上げれば、まあこれも一般的に考えて申し上げればそういうことだというふうに思います。

問)

先程の銀行株の軟調のお話なのですが、要するに3月期の見通しがなかなか見えないということで、これは特別検査が終わった後に、そういうシナリオみたいなものがどのように決算に影響を与えるかが良く見えないことが、株価の下げ足を早めている要因かと思うのですけれども、、その辺、先程大臣は行政として一つのやれる範囲のことを伝えて行きたいというふうに仰いましたが、そういう見通しみたいなものが何かございますか。

答)

各社も見通すのだろうと思うのですね、実際に9月末の決算を発表する時はね。それは正直言って、我々が見通すよりも個別の会社が見通すわけですね。ただ、集計したところで我々がそれをどう考えるべきか、これだってまだ、あくまで見通しで、実際には本当の姿は3月末になってみなければ分かりませんね。それはそういうものなのですが、しかし私共として9月末における3月末の見通しというものについてどう考えるべきかというようなことについても申し上げることになると思うのですよ。多分申し上げなくたって皆さん聞くでしょう、おそらく「集計のところでこうなりますが政府としてどうですか。」と聞くのだろうと思うのですが、その時に我々の考え方というかそういうものを申し上げるというようなことが、先程言ったように13年度というものはこういうものなんだねということがきちっとすれば、そうすればまたそこがスタートになって、いろんな展開が、またマーケーットの人たちは専門家ですから、そういうところを予想して相場を形成してくれるだろうと、こういうことですね、先程申したことは。

問)

20日の経済財政諮問会議で不良債権問題について議論されるというふうに伺っているのですが、おそらく出席される委員の方は今仰ったようなこれからの見通しとか、不良債権問題はどういうふうに推移して行くのか関心を持たれると思うのですけれども、前回8月に出席された時には、例のシナリオと言いますか推移の見通しを出されていますけれども、今回はどういうふうに提示されるお考えでしょうか。

答)

いやそれがですね、20日というのは決められたわけですね、向こうから。向こうは向こうのスケジュールが走っているもんですから当然そういうことなんですが、20日というのが我々の仕事の方から言うと、良いタイミングなのか悪いタイミングなのかと言うと、段々迫って来ると、私はそこのところを懸念していたんですね、ちょっと早過ぎるのではないかということを懸念していたのですが、まあ、ちょっと何か早過ぎるという思いというか、それは急転直下事態はいろいろ変わるから予想するのは早いのだけれども、何かもうちょっと、例えば特別検査なりRCCなりというようなものの動きが、もうちょっと時間がかかるのではないかなという感じがするものだから、まあどういうことになりますかねえ。少なくともこの前のようなニューペーパーというか、そういうようなものは現在のところ、まあ現在も将来もそういう予定はしていないと、こういうことになります。

そういうのではないのですよね、特別検査とかRCCとかというのが決まったので、むしろそれがどう展開しているのかということが、あの方々の最大の関心事だろうし、我々もそれはそうなんですけれども、しかしそれを申し上げるにはちょっと時期が早いのではないかなということは予てもう感じていたのですがね。ちょっとそういうタイミングになる懸念がありますね。

(以上)

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