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柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成14年1月22日(火) 10時15分~10時30分)

【閣議案件等】

おはようございます。今日の閣議ですけれども、予定された閣議での閣僚の発言はございませんで、事務的な案件を片づけまして直ちに閣僚懇に入りました。

閣僚懇では一つだけ、政府関係金融機関の改革に当たっては、経済財政諮問会議に関係の閣僚を臨時議員と言いましたですか、というような形で検討に参加させてもらいたいと、このような発言がありました。他には格別なことはございませんでした。以上です。

【質疑応答】

問)

昨日、アメリカのオニール財務長官と会談なされましたけれども、改めまして大臣から特に力を入れて説明された点ですとか、あるいはオニール長官が仰った中で印象に残った点がありましたらご説明ください。

答)

私の方から、いわゆるオフバランス化の努力を、私としては昨年の1、2月からということですが、具体的な内閣の施策になったのは6月からでしたか、そういうことで進めていますと。その概要のお話をいたしまして、次いで、資産の評価について市場の評価により配慮すると、こういう必要から特別検査というようなものを実行しておりまして、こういう枠組みの下で不良債権の処理の促進を図っていると、こういうお話をいたしました。

それに対しては、良く分かったと、説明をありがとうと言うんですか、アプリシェイト(感謝)すると、こういう話がありまして、それからオニール長官の方からは、もう少し視野を広げて、日本経済の中におけるプラス成長への回帰、リターンという言葉を使っていましたけれども、その回帰の方策というのはどういうものがあるだろうかというようなことでした。

オニール長官は、いわゆるマクロエコノミックスというようなことよりも、むしろ、やはり企業経営者ですから具体の企業を例にとって、まあちょっとそこのところは何と言うか、なかなか関連付けるのは難しいのですが、これは私の頭の中で関連付けているのですが、要するに株主資本の時価総額が非常に縮小している。他方、負債の方は、これは名目値で全く縮小しないというようなことが自分の頭の中にあるのだけれども、この矛盾というのがあるのだけれどもというようなことでした。つまり、資産の方は時価会計でやるけれども負債の方はそうでないというか、そういう矛盾というか、そういうものをどうやって解決して行くかというのが課題なのではないだろうかと、こういうような話がありまして、私としては非常に大きな話でもありますが、私の銀行行政でも、ある意味でそういうことに配慮してはいるんですということですね。不良債権を売却する時には出来るだけ市場価格というものになるわけですから、銀行の側からすれば資産だけれども、企業からすると負債ですが、そういうようなことを通じて全体としてこれをバランスさせて行くということが必要だということ。

しかし、そういうようなことだけでは、これは今のオニール長官の問題には答えられないので、この点はオニール長官も非常に強調していたのですけれども、やはり生産性を上げるということが非常に、結局は大事なのではないかということですね。それには資源というものをもっと生産性の上がる分野に投入して行くということではないかというような話がありまして、私はそれはまさしくその通りで、民の経済についても規制が行われている分野の規制緩和と、あるいは規制改革というものは、そういう資源のより生産性の高い分野への配分というものを高めるということに効果があるし、それからまた、小泉総理が非常に強くここのところやろうとしている諸々の政府関係の事業、この改革もそういった面での生産性の向上というものを狙っているということが結果としてあるのではないかというようなことで、最近の規制改革、あるいは政府関係の諸事業の改革というようなものの、そういったオニール長官の問題意識の中での位置付けみたいなものを、ちょっとお話しておいた次第です。そんなのが大体のやりとり、議論の中心でありました。

問)

話は変わって、ダイエーの再建の話なのですけれども、先週末に再建策がまとまりまして、今回は政府の役割というものもかなりクローズアップされているのですが、今回の再建策をまとめる過程で政府が果たした役割というものがあるとすれば、大臣はどのようなものだというふうにお考えでしょうか。

答)

これは、我々は要するに市場でいろいろと取り沙汰されるような企業については、やはり的確に応えて行く、特に我々が言っているのは破綻懸念先以下に評価されるような企業のことを言っているのですが、当然それ以外にもあって良いわけですが、そういうようなことを、とにかく早く進めることが大事だという一般論で、ずっと金融機関の皆さんには働きかけをしてきたと、こういうことです。

それに加えて、予て私はそれぞれの所管官庁がそうした動きの中でいろいろ持っている情報というものを活用して、助言をしてくれるというのはありがたいと。問題はどうしたって再建計画ということになるわけで、その再建計画の合理性、あるいは実現可能性というものが最も大事な点なんですね。そういうものを作る時に、そういう所管官庁の持っている情報、あるいはノウハウというようなものをこれに反映させてくれると、これは別に政府が作るわけでも何でもないのですが、そういう助言というような形で影響があるということになれば、これは非常に有り難いことだということを言っておりました。

所管官庁として代表的なものは経済産業省だし、国土交通省なんですが、この方々は例の私的整理のガイドラインのチームには我々と同じ立場、アドバイザーで入っていただいて、そういう意味でずっと協力してくれたのですが、今回は個別の企業についても取り組んでいただいたというふうに聞いてますし、そういう意味では非常に我々としても有り難かったし良かったと、こういうように思っているわけです。

問)

注目されていたダイエーにある程度、道筋がついたということで、今後、ゼネコン業界等についてまたかなり関心が集まっているのですけれども、こうした問題について大臣としてはどういうふうに取り組まれて行くのか、特に国土交通省等の官庁との連携を含めてお聞かせ下さい。

答)

まあ私の立場で、ここでどこどこの業界というようなことをあげつらうことは、ちょっと差し控えたいと思うのですけれども、今、最初に言ったような、主として我々は破綻懸念先のような所の企業について金融機関に早期処理というものを働きかけております。

そういうことの中で、今、御指摘になったような行政庁が、今回のダイエーの事案のようにいろいろと自分達の持っている情報、ノウハウ、こういうようなものを基礎として助言をして、できるだけ良い再建計画、信頼される再建計画、まあそういったことですね、あるいは場合によっては再編ということも考えてもらう、考えてもらうというか考えてくれるかもしれませんが、まあいずれにせよ、そういったことで働いてくれる、協力してくれるということは、私として大いに期待したいと、こういうように思います。

なお今ちょっと申した再編というのは、別に何のインプリケーションもありませんからね。付け加えておきます。

問)

それから自民党の方で、山中さんが委員長をやっていらっしゃる金融安定化本部が開かれるようなのですけれども、この党の動きについては大臣はどのように御覧になっておりますでしょうか。

答)

これは、去年も一度出掛けまして、大体今頃だったと思うんです。年度末だったかな、もうちょっと早かったかな、とにかくそういうことで、金融情勢の報告を致しておりますので、当然、ある意味でルーティン的に報告を致さなければならないと思っておりますので、良い機会を与えて頂いたと、このように思っております。

(以上)

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