柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成14年2月22日(金)8時49分~8時59分)

【閣議案件等】

おはようございます。本日の閣議は、格別、閣僚の発言はありませんでした。

閣僚懇に移りまして、一つは、平成14年度予算の組み替え動議が野党から出ましたと、25日までに返事をするようにと言われておりますというようなことでした。それから、不審船を引き上げられるかどうか、まず船体の確認をするということで、25日から活動を開始するという話がありました。詳細は所管の大臣からお話があろうかと思います。以上です。

【質疑応答】

問)

まずRCCの不良債権の買取価格について、総理が昨日、「時価が基本である」ということを仰いまして、与党の方の議論も収束しているようなんですけれども、こういった議論が出て来た背景には、やはりRCCの時価での買取はなかなかまだ進んでいないのではないかという不満が与党内にあるのではないかと思うのですけれども、現在のRCCの買取の実態についてどういうふうなご認識をお持ちなのか、またその時価の買取を進めるために何かさらに工夫を重ねるような点があるというふうにお考えなのか、その点についてご認識をお聞かせください。

答)

これは基本は不良債権の処理は2年、3年というルールが決まっているわけです。この2年、3年をどういう形でやるのかということは、それぞれの銀行、それぞれの債権の状況、こういうようなものに拠るわけでして、端的に言えば、回収もあるだろうし、今進んでいるようないろいろな企業の債務の整理とかというようなことでもあるし、それとか市中への売却もあるし、RCCへの売却もあるしというように、いくつも手立てがあって、それは債権の状況でベストの選択をするというのは当たり前のことでございます。

従って、今のRCCへの売却が進むか進まないかというようなことで論議すべきことではなくて、2年、3年のスケジュールがちゃんと進捗しているかということで見るべきことだと、私はそのように思っています。

従って、RCCへの売却というのは、その内の一つなので、私は現状、RCCへの売却が何か滞っているというふうに見るべきかどうか、まあ材料もないしですね、私としては時価になってからかなり引き合いもあるというふうに聞いてますので、いずれにしても評価というのは2年、3年でオフバランス化がどう進むかという、そのトータルのところで見るべきだというふうに思っています。

問)

それから、同じく不良債権処理の関係で、特別検査の結果の公表なんですけれども、総理の指示があってから1週間程経つのですけれども、公表の時期ですとか、あるいは公表の方法について何か具体的に考えていらっしゃることがありましたらご説明ください。

答)

まだ特別検査をやっている最中なので、その人達に「結果の公表のことを考えろ」というのはちょっとまあ、考えてはいるのでしょうけれども、私が指示を出すのはちょっとまだ気の毒というか、オーバーワークになるのではないかというよう思っていますから、当然検討はしていてくれるだろうと思って、私は期待しているという立場です。

今、私が指示を出して、「考えなさい」というふうには、ちょっと。私は検査局は大変ないろんな仕事をしているだろうと思って、そういうことを今、指示を出しておりません。

問)

それから話は変わるのですけれども、昨日の国会で郵貯の民営化の議論と絡んで、預け入れ限度額について「1千万円ということは少し高過ぎるのではないか」ということを大臣が仰ったのですけれども、この点について改めてお考えと、それから仮に引き下げるとしたらいくらぐらいが適当というふうにお考えか、具体的な数字がありましたら併せてご説明ください。

答)

それがないものだからああいうふうに言ったわけですよね。

これはどういうふうに考えるべきか、まあ片山大臣は「ペイオフの金額が1千万円だから、それとパラレルでちょうど良いところではないか」と、こういうふうに言われました。

これは私もちょっとまだ研究不足なので不用意なことは言えないのですけれども、ペイオフの場合の預金保険の保険限度額というのは、やはり何と言うか、もちろん少額預金の保護というのもあるわけなのですが、これはまあ言うまでもないのですが、同時に決済資金の保護というのも念頭に当然あるはずなので、その辺を両睨みでやっているのではないかと、決まって来ているのではないかと。ちょっとこれは不勉強なのであまり不用意なことは言えないのですが、私はちらっとそういうことを思ったのですね、その時も。

そうだとすると、少額預金を集めるということと完全にパラレルということかなということをちらっと思ったものですから、ちょっと片山大臣のペイオフとパラレルだから良いという議論に、何となく満足出来なくてああいうことをお話したというのが私の頭の中で起こった現象なのですよ。

従って、私は別に、基本的にはまず民営化で議論してもらえば良いと思っています。私には目途も別に有って話したわけではない。先程正に言ったような心の動きが表現に出たということです。

問)

長谷工コーポレーションの再建策が昨日、発表されましたが、これはどのように評価されておりますでしょうか。

答)

これは、我々の方はどういう基本的なスタンスでいるかというと、何と言うか、我々の債権の査定ということももちろんありますが、市場の株価その他からの評価ということもあるわけですね。そういうものをとにかく、だからと言って「長谷工の債務者区分が何だったんだ」ということを言っているのではないのですよ。そういうことを言っているわけではなくて、そういう世の中からの評価はできるだけ早く良くして下さいと、これはもうオフバランス化と同じ考え方ですね。良くなってきて下さいと。

その場合に再建計画というものが、前にもあったかもしれないけれども、それが世間の十分な評価を受けていないということであれば、受けられるような再建計画というものを本当に早く打ち立てて下さいと、こういうことを今、盛んに銀行に言っているわけですよね。それを受けての話というふうに私も受け止めていますので、これは前進だというように前向きに評価するということです。

詳細は私共はよくは分かりませんので、それぞれの関係の役所もよく見ていてくれるのだろうと、こういうように思っています。

(以上)

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