柳澤金融担当大臣記者会見の概要

(中部銀行について)

(平成14年3月8日(金)17時33分~17時45分)

【冒頭大臣より】

それでは発表させていただきます。

お手元に配布されていると思いますけれども、その談話に沿って説明をさせていただきます。

-金融担当大臣談話「中部銀行について」-

以上です。

【質疑応答】

問)

中部銀行は昨日、増資について一定の目途、自己資本比率は4%を回復するという見通しを発表しているわけなんですが、そうした中で資金繰り破綻ということになったわけですけれども、大臣はご覧になって、この銀行の破綻の原因というのはどういったこととお考えでしょうか。

答)

これは、この前の検査、先程ちょっと冒頭において触れましたところで、3%ちょっとの自己資本比率ということになりましたが、これも何か格別の背景ということではなくて、やはり景況の悪化に伴う貸出先全体の不振というようなものが背景にあったということでございます。

従って、増資ということに努めて参りまして、計算上はいろんなことがあるのでしょうけれども、これはまあ当方としては、なかなかエンドースする、それを裏付けるというようなことは出来ないわけでございますけれども、とにかく最大限の努力をされておったと。しかし、ずっとこのところ預金の流出が、一遍に巨額というわけではないのですが、ずっと続いておりまして、かなり流動性資金に困難を来たしておりましたので、今回の増資も当初の計画に比すれば半分程度というようなことも背景にありまして、資金繰りで無理になったと、こういうことであるようです。

問)

今年に入って、この銀行は何度か記者会見や新聞広告等で、自己資本の回復等に努めていることを公表しているわけですが、金融庁から「根拠がない」ということで業務改善命令を受けていたという経緯があるのですが、その辺から信用を失って行って、このようなことになったのではないでしょうか。

答)

とにかく最初の増資計画も発表しておられるわけですね。こういうようなところと今、話を進めているということも言われておって、それがまあ結局うまく行かないということになってしまうわけですね。そういうようなことで預金の流出が起こったのではないかというように考えております。

その間、今お触れになったように、少し見通しみたいなものを表示と言うのか、そういうこともありましたので、その点は業務改善命令で若干注意もさせていただいたわけですけれども、預金の流出はなかなか増資が思う通り運ばないというところから起こったのではないかと、こういうように私は思います。

問)

4月からペイオフ凍結解除ということになって、大臣は常々「4月からは健全な金融機関がラインアップされるように」ということで通されていると思うのですが、今回の中部銀行の破綻で、取り敢えず、そのラインアップは揃ったというふうに理解してよろしいのでしょうか。

答)

この銀行も増資を一生懸命努力したことが本当に結実すれば、こうしたことを避け得たと思うわけで、その点は非常に残念なんですね。残念なんですが、今回のようなことが起こったと。

実はこの銀行にも早期是正命令を出しておったわけですが、現在も早期是正命令を出しているところが若干、若干と言うかもう少しあることはあります。この人達はおそらく増資に成功してくれるということを期待しておりますが、ちょっとその帰趨は見守らなければいけない分が残っていると、こういうことです。

問)

受け皿はどのようになっているのでしょうか。

答)

現在、この段階で受け皿ということで承継銀行以外に有力なところがあるか、あるいは決まっているかと申しますと、そういうことは私共として承知しているという状況ではありません。

(以上)

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