柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成14年7月5日(金)9時00分~9時12分)

【閣議案件等】

本日の閣議ですけれども塩川大臣がご出張中、私が臨時代理を勤めているというほかは特別ございませんでした。閣僚懇でもご発言はございませんでした。以上です。

【質疑応答】

問)

まず昨日の金融庁幹部人事なのですけれども、非常に各方面に驚き、戸惑い、あるいは異論等が出ております。改めて大臣の人事権者としての総括をお願いします。

答)

まあ昨日は皆さん御承知の通り、内定ということで発表させていただいたわけです。そういう前提で、閣議了解人事ですから、それがまだ済んでいないということでお話申し上げるわけですが、結局、総括と言っても昨日も申した通り、適材適所という人事の原則、これを大事にして、これに沿って行なったと、こういうことに尽きます。

問)

今回の人事については官邸側の意向が働いているとか、あるいは大臣が目指しておられる財金分離ということもお考えにあると思うのですけれども、改めて人事についての財金分離についてのお考えをお尋ねいたします。

答)

まあ、官邸云々の話ですけれども、これは官邸とはですね、もともと私に人事権があると、人事権者と仰ったのですが、形式か実質かはともかく、とにかくそういうことになっていないのです。我々の役所は内閣府の機関ということで、これはやはり官邸と相談しないでやるということは、これはもう実質上も形式上もあり得ないということで、これはどの人事でも実際そうですけれども、特に形式的にもそうなっているということでございまして、まあそういうことで調整するわけですが、別にそこで何か双方が対立するとかそういうことはないし、また今回もありませんでした。

それから財金分離については、昨日も質問でいろいろあった中で、本当は母集団というものが、もっと広いと良いし、それからまたいろいろな人事の回し、適材適所ということからすると、もうちょっとゆとりがあるというか、いろんなポストがある方がやりやすいと、ノーリターンルールとの関係でご質問が出ましたので、そういうことを申し上げたということで、まあ財金分離というのは大事な原則とは思いますけれども、非常にそれで人事としてはなかなか難しい面が出てくるということを指摘をしたということです。

問)

財務省の方では主要幹部の留任というのが出されていまして、一方では金融庁の方では、原口さんがご退任されますが、少し結果的にアンバランスが生じているのですけれども、今回の人事が組織内に禍根を残すのではないかと、つまり今後の金融行政に対する影響が出てくるのではないかというような指摘もあるんですけれども、この辺については大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

ほとんど何を仰っているのか分からないという位ですね、まあ私も若い頃少しばかり役人をやったことがありますけれども、まあ人事が大事であるということを否定はしませんけれども、どういう情勢の中でも全力を挙げて仕事をすると、これは国民の公僕として当然のことですよね。まあちょっと、そうした指摘というか、論理はほとんど私には理解できません。

問)

大臣、何度も聞かれていますけれども、ペイオフの件なのですが、全面解禁の延期について自民党の一部で、デフレ対策特命委員会でも議論がありまして、一応「当分の間」という年限を切らずに延期したらどうかという、そういう方向で臨時国会でも法案を出そうというような動きなのですが、これについてはどうお考えですか。

答)

これはかねて申し上げている通り、まあペイオフと、ペイオフ解禁と言っても良いかもしれませんが、これはやはり構造政策の一環なんですね。いつまでも親方日の丸では困るので、やはり自分達がきちんとリスクを認識して、それをきちっと管理するようなそういう気構えで、自己責任の気構えで、金融機関の経営に当たっていただくということが即、構造改革なんですね。そういうことで私どもはこれまで進んできましたが、もちろんこの預金の移動というものに無関心で良いというわけではないわけで、これは我々は金融システムの安定のために、ちゃんと状況を把握しておかなければいけない、この要請は常にあるわけですが、まあそういうものから、そういう視点から見てもですね、大原則である構造改革政策を転換しなければならないというような状況は、まあ認識に上ってこないと、こういうことですね。

問)

これはあくまでも、「今の時点で」ということですよね。あるいは、その状況が例えば変われば、資金のシフトが・・・。

答)

シフトがどうのこうのというか、それは常に縦、横、十文字に考えてやっております。資金の移動がどうだからどうということではなくて、総合的な判断として構造政策を転換しなければならないんだとか、そういうことであって、ちょっと視野の中にまだ入ってきていないということですね。

問)

人事について、森長官なのですが、昨日の話で顧問に残すことを当面はそういうことなしに、考えなくもないということでしたが、これは残すのですか。

答)

そこで言った通りです。

問)

当面は考えないけれども・・・。

答)

うん、考えないでもないが、当面はそういうことはありませんということです。

問)

そうすると、「状況によっては」と、そういうことですね。どういう場面だと・・・。

答)

いや、そんなことはまだ考えていません。必要だと思ったらいつでも。

問)

ビジョン懇の議論が終結したのですけれも、前回、政治家としてなかなか仕事のやりとりに対しての答えとしてはちょっと明確ではないというご指摘があったのですが、今回の最終案についてはどういったご意見だったのですか。

答)

まあ、それはレトリックで、そう仰った向きもあって、私もあるいはそれを拝借したかもしれませんけれども、大分そこは整理されてきたんですよ。つまり、市場型金融システムと、産業金融型というか、産業型金融システムというのが、市場型金融システムに傾斜して行かなくてはならないと、こういうものは分かるのだけれども、複線的と言って同時にそういうリレーションシップというか関係を重視した、そういうシステムも十分余地があるという、存在し、また機能していく余地があると、こういうことになっていますから、それがどういうふうにそこが分かれるのか、ウェイトはどうなのかというようなことが説明できますと良いですねということを、それを教えていただけると、報告書の中でそういうことをまあご要望申し上げたのですが、そこは大分整理されまして、やはりそういう産業型金融というか、リレーションシップを重視した金融というのは、やはりそこは残るということですね。それは今度の報告書を出して、何日かに出しますから、それを読んでいただくと非常に明確になるのではないでしょうか。まあ私がここで言ってもいいですが時間がちょっとないですよね。

(以上)

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