柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成14年9月18日(水)13時44分~14時00分)

【閣議案件等】

まず、本日の閣議のご報告をいたします。閣僚の発言では、外国出張の報告が関係の大臣からございました。それから、平成14年度の公益法人の年次報告が行われるという事とともに、公益法人改革の推進についてご発言がありました。それから、日朝関係の国交正常化交渉の関係閣僚会議を設置するというお話がございました。

閣僚懇に移りまして、三宅島噴火災害の調査の報告がございました。その後、今回の総理の日朝の会談を巡って、複数の閣僚から発言がございました。私からは拉致という事について、やはり国際法的な問題を詰める必要があるのではないかということをちょっと申し上げておきました。以上です。

【質疑応答】

問)

今のお話にもあったのですけれども、今回の総理の訪朝で日朝交渉が始まるわけなのですけれども、これについての大臣のご感想を聞かせていただけますか。

答)

いずれにせよ、非常に近いところで国交のない国が存在するとか、国民の安全・生命の問題、そうしたものが問題化するような関係の国があるという事は、これはもう異常な事でして、これを外交的に打開して行くというのはずっと続いて来たのですが、今回、総理の決断で首脳会談を行うという形でその打開を図られたと。そうした交渉の糸口を作られたということは、私は非常に高く評価されるべきものだというふうに思います。

それにしても、拉致の事実と、今日における結果が明らかにされたわけですが、その結果があまりにも非道いと言うか、そういう事で、本当にたまらない気持ちがいたしました。

問)

こちら(金融庁)の関係の話になりますと、朝銀の問題というのがあるわけなのですけれども、まだ「ハナ」というところが残っているのですけれども、今後、今回の交渉をきっかけに、こうした問題の解決というのはどうなるでしょうか。

答)

これはもう国内の金融行政の問題として、これまでのいろいろ積み上げて来たものの上に検討を重ねて結論を出して行くということになります。

問)

今日、日銀が政策決定会合を開いており、一応、現状維持ということになったのですけれども、その後、金融システムの安定化策というものを協議しているという事なのですけれども、まず現状維持についてどういうふうなご感想を持たれているのか。それと、日銀が金融システムの安定化策を協議するという事になりました。これは金融庁も含めてやっていらっしゃるのか、どういった意味合いのものなのかというところなのですが、お聞かせいただけますでしょうか。

答)

政策決定会合で金融政策については新たな措置をとることではなくて、これまでの措置の効果を見守って行くということになるのだろうと思いますが、それは我々としても、マクロの金融政策の運営機関がそういう判断をされたという事であれば、これは私共としてそういうものとして受け止めるほかない、これはいつもの事であります。

また、政策委員会の方で金融システムの問題について安定化のための措置を検討されるという情報を、今、持たらされたのですが、私共としては現段階で何か聞いているという事はございません。

問)

ペイオフの実施時期について、一部の報道で5ヶ月ぐらい延ばすのではないかというか、ほぼそれで固まったのではないかというものがあるのですが、これについては大臣の方はどういうふうにお考えですか。

答)

これは予てから、我々も皆さんに申し上げている通り、決済用預金というものについて保護を続けるというスキームを提案させていただいておりますが、これを円滑に実現するためにどういう事に配慮すべきかという事を関係の金融機関に聞いているわけでございまして、まだその途上にあるという状況でございますので、私も報道を見て知っておりますけれども、これについて何かコメントするという状況には立ち至っていないということでございます。

問)

日曜日の総理との会談で、大臣の方が金融と産業が一体となって経済再生を進めていくという戦略会議の設置を提案されたという報道もあるのですが、これについての大臣のお考えをお聞かせ願えますか。

答)

総理の方から「不良債権の処理を加速するように」という話がアメリカであったわけで、私としてはどちらかと言うと、そういう総理のご指示を確認するというか、そういう会合であったという位置付けでございます。もちろん、その際に金融の、特に金融システムの状況というものを我々がどういうふうに考えているかというようなことについて、若干のデータで申し上げるということは当然の事ながらあるわけでございますけれど、これはいつもの、ほぼ定期的にやっているご報告の再確認以上に出るものではありませんでしたけれども、一応そういうことをしたということで、総理からは「なお検討を、今言ったような加速のための措置を検討するように」と、こういうことを言われて、そして「分かりました。検討させていただきます。」ということで帰ってきたと、それに止まるわけです。ですから今ご指摘のようなことについては、私が何か提案をしたとか、説明をしたということはございません。

問)

それに関連してなのですが、加速する方策なのですけれども、加速させる方策、これは今後、金融庁として検討なさることになるのか、なるとすればどういう方向でこれをやって行くのか。その方向性を教えていただきたいのですが。

答)

方向性は加速する方向性で、それをどういうふうに考えて行くかということですよね。まあ今、事務方もいろいろ考えてくれていると思いますし、私もいろいろ頭の中で考えているという段階で、どういう方向と言っても方向はもう決まっているわけですよね、加速するという方向で。それを具体的にどこを、言わば切り口と言うか、どういうことがあり得るかということを今検討しているということ、これしか言えないですね、そこのところは。

問)

とりあえずは平時としての金融行政の対応の在り方で良いというお考えでしょうか。有事というわけではなく。

答)

そうですね。もちろん緊張感を持ってということがあるわけですけれども、現在の状況を前提にというか、そういうものを対象としてどういう処理の加速措置がとれるかと、このことを今検討していると、考えていると、こういうことです。

問)

20日の経済財政諮問会議では、どのようなお話をされるご予定なのでしょうか。

答)

まだちょっとまとめていませんけれども、基本的に総理のところでお話したような現状の考え方ですね、今我々はこういう累次の施策で、こういうふうに進めて行くというようなことをまず話をして、それ以上どういう話をするかということはその時にならないと、現段階では分からないです。

問)

その時にある程度具体的な施策というのが…。

答)

出るか出ないか、そこのところまでまとまっているかまとまっていないか。

問)

民間議員の方は資本注入とか、「Good-Bank」、「Bad-Bank」とか仰っているわけですけれども、そういう方も大臣の今のお考えを説明すれば納得してもらえるというふうにお考えでしょうか。

答)

それはとにかく、私としてはそう思っていますよね。

問)

今の関係で、与党とかでは予防的に資本注入すべきだという意見もまた出て来ているようですけれども、これについて改めて大臣のお考えをお願いします。

答)

改めてと言われれば何か言わなければならないでしょうけれども、我々は法律のスキームを持っているわけですね。従って法律のスキームに基づいてこれを適切に運用するということに尽きます。

問)

先程の加速について、今後、今考えていらっしゃるということなんですけれども、4月に出された数値目標がございますよね、その数値目標が変わってくるという可能性はあるのですか。加速という話をされた時に。

答)

それ自体を何か動かすという発想というのは今、多分事務方もとっていないのではないかと思いますよ。私もちょっとそういう発想はしていないですけれども、しかしまた、それはそれとして別途にどういうことがあり得るかということを考えていると言っていいだろうと思います。

問)

塩川大臣の方から財源の規模が1兆円とか8,000億円とか、そういう塩川大臣のお考えでしょうが、大臣とそういう話はされているのですか。

答)

何の金目の話ですか。

問)

合併の規模とか、数値的な表現があった。

答)

そうですか。ちょっとまだそこまで、とにかく財務大臣の方からいろいろ金額を言ってくださるというのは非常にありがたいと感謝申し上げます。

それでどうこうということではないですよ。それで固まるとか、そういうことではなくて、とにかく普通、財務大臣は一銭も出してくれないという感じになるものですからね。

(以上)

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