竹中金融・経済財政担当大臣記者会見録

(平成14年11月29日(金) 11時55分~12時02分 於)金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございますというには、ちょっと遅いのですが……。

閣議がありました。閣議で、私に直接関連する法案等々はございませんでしたが、ご承知のように、経済統計が今日は幾つか発表されております。

数字は、もう皆さんご存じだと思いますけれども、失業率は0.1ポイント上昇、有効求人倍率は0.01ポイント上昇ということで、失業率と有効求人倍率が若干違う方向を向いておりますが、依然として厳しい状況にあるということであろうかと思います。あと、鉱工業生産、これは閣議とはちょっと違いますけれども、0.3のマイナスになっているというような数字であります。

閣僚懇では、坂口大臣の方からは、実は求人数が非常に増えているということで、特に製造業では非常に増えているというようなお話がありました。新規求人が(前年同月比で)10.7%ということで、2けた増えているということのご指摘がありました。

私の方からは、雇用の方は遅行の系列であるということと、月例報告でも申し上げましたように、持ち直しの動きが続いているけれども、そのテンポは緩くなっているというような見方を申し上げておきました。

私の方からは以上であります。

2.質疑応答

問)

では、時間がないので簡単に。

税制改革についてなんですけれども、今、与党内で多年度税収中立について法律に書き込むのは難しいとか、逆に規模をめぐっては政府内で不一致が出ているようなんですが、大臣の考えを改めてお示しください。

答)

これは、正しくこれから数週間、いろいろな形で議論を詰めていかなければいけない重要問題である訳ですけれども、まずその規模については、これはもう諮問会議ではずっと民間議員が主張していますように、やはりまとまった規模の先行減税をする必要があるということだと思っております。

それに当たっての税収中立の考え方、ないしは財政規律をどう保つかという考え方でありますけれども、これについては税収中立といいますか、我々は広い意味での財政中立というふうに言ってきたわけですけれども、それをどのような形で担保するかということについては、これはやはりいろいろな幾つかの方法があるのだと思います。つまり、どこまでリジットにそれを1つの法案に書き込むかということについては、これは議論の余地があるというふうに思っております。

問)

あと、「金融再生プログラム」の「作業工程表」なんですが、原案というものがいろいろと報道されているのですけれども、まだまだ銀行や市場にはちょっと具体性を欠くのではないかという批判もあるのですが、大臣はこうした批判にどういうふうに答えますか。

答)

それは、その「工程表」に何を求めているかということだと思います。私たちは繰り返し申し上げてきましたけれども、「工程表」というのは、非常に実務で積み上げなければいけない、実務で積み上げるスケジュールをどのようにするのかと。例えば、こういった項目については公認会計士協会で何月までに検討していただくとか、それが「工程表」でありますから、「工程表」が具体性を欠くというのはちょっとどういう意味なのか良く分かりませんけれども、要するに「工程表」とは何かという問題であると思います。

問)

先程の統計の動きも踏まえて、今後の景気、日本経済の見通しというのはどうお考えですか。

答)

これも、そんなに遠からず、来年度の経済見通しを我々としても示さなければいけない時期に来ているのでありますけれども、やはり来年度については非常に不確定要因が大きいと。日本の経済が、持ち直しは続いているけれども、そのテンポが緩やかになっているという点を踏まえて、これはやはり不確定要因の中で、非常に緩やかな経済動向になるということは覚悟しておかなければいけないというふうに思っております。この点は、既に「予算編成の基本方針」、これは今日閣議決定をしたいというふうに思っているものでありますけれども、「予算編成の基本方針」の中でも明示したところであります。

先程、来年度の先行減税についてはやはりそれなりの規模のものが必要であるというふうに申し上げたのは、そういう趣旨も踏まえてのことであります。

問)

もしも差し支えなければなのですが、「作業工程表」の中身にちょっと触れて、来月中に特別支援行を監視するチームを作るという辺り、それはその通りになるのでしょうか。それとも……

答)

それは、もう今夕いう「工程表」を出しますので、その中で示したいと思います。

ただ、いずれにしても、全ての事柄をかなり早くやりたいとは思っておりますので、出来ることは――これも工程表を見ていただければ分かりますけれども、11月中にやったことがもう随分たくさんあるんですよね。出来るだけ早く、いろいろなものをやりたいと思っております。

(以上)

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